7.《ネタバレ》 とてもキツイ映画だが時間を忘れさせる迫真の展開に8点
情け容赦無いテロ殺戮に心が追いつかず脳が果てしなく疲れた。キーマンや伏線もどきの登場人物もあっさり殺されて
しまう。問答無様である。目についた動くものは即殺である。これが実際に起きた事件であることが最初に刷り込まれ
見るものを恐怖のどん底に突き落とすのである。多くの鑑賞者はアルジュンには無理だが機転が利く切れ者がテロリスト
に反撃する瞬間を待ちわびていたかも知れない。例えばバックパッカーの青年、ロシア人、赤ん坊の父どれも無残に
撃ち殺されてしまう。赤ん坊の母に銃口が向けられたとき、私は神なんていないんだと心底感じた。そんなもの信じる
からいつも裏切られて傷つき人を傷つけるのだろうと。(宗教を否定しているわけではない)
実際に起きるテロリストなんてこんなもんだろう。見てて解るように素人なのである。スパイ映画のように特殊訓練
なんてやってない。動くものを殺す。目についたものを撃つ。ボスの命令は神と信じたい。信じることによって貧しい
両親・家庭に幾ばくかのお金を渡してくれるものと信じたい。親孝行したい。と略奪の歴史とともにボスに洗脳され
るのである。洗脳といっても彼等は事実を知らないだけであり、ボスに従うことがアッラーの元へ導かれると思い
たいのである。希望を喰むことが彼等の生きる証なのである。
料理長とアルジュンの言葉に一抹のカタルシスがあったこと、赤ん坊と母・メイドさんが助かった事がこの映画の
唯一の救いであろう。