3.ロザムンド・パイクってひと昔前までお嬢様系のマドンナ役が多かった印象があるのですが、「ゴーン・ガール」あたりから本性むき出し系に目覚めた感じ。本作における文字どおり体当たりの演技も、すばらしいの一語に尽きます。ボロボロの裸体を晒すあたりもすごい。まだ40歳代のはずなので、きっと本作のために〝作った〟のだと信じたいところです。
で、けっして正義のヒロインとしては描いていないところがいい。戦場で傷ついた心を覆い隠すためにまた戦場に行くという、ある種のワーカホリックというかウォーホリックな心情が痛々しく伝わってきます。武器も防具もなく最前線に出続ければ、いつか犠牲になることは必然で、早晩こういう結末しかあり得なかったんだろうなぁという気がします。
唐突にウクライナが戦場になっている昨今、過酷な現場の様子は、こういう記者の犠牲の上に伝えられるということを知っておく必要がありますね。市民によるSNS発信もありますが。