2.《ネタバレ》 この映画を見終わった時の素直な感想は「ズルいなぁ・・・」でした。
スパイダーマンのシリーズ物としてみず、映画単体評価としてみると正直微妙なんですよね。5~6点が妥当な評価。
薄っぺらい幼稚な正義感で事態を混乱に陥れるピーター・パーカーの序盤の行動は、「馬鹿が騒ぎを起こして事態が混乱する展開」そのもの。俺の嫌いなタイプの展開なんですよね。まじ、序盤は「あー辛い、はやく終わんねーかな」ぐらいの気分で見てました。つくづく馬鹿の出る映画が嫌いなんだな(最終絶叫計画のような、おバカムービーは除く)。
しかもそれに加担するストレンジもアホである。ノリノリで魔術に加担するわ、制約条件をあらかじめピーターに伝えておかないのもアホ丸出しである。追加でピーターが条件を追加していくやりとりも割とイラっとしながら見てましたね。ピーターも適当だけど、そりゃ慌ててしまってそうなっちゃうもんだから、ストレンジも悪い。ていうか、マルチバースをやりたいという事が先行しすぎてて、それありきで物語が展開するのでそれまでの展開があまりも雑すぎてみててしんどい。
とはいえ、その後のマルチバース開始により過去敵が出てきた際、「即返すのが正しい」というストレンジの主張は真っ当すぎて、ピーターの偽善的な救済の行動にはな~んにもノレなかったんですわ。
ということで前半は特にイライラしながら見てましたが、中盤になると手のひら返し状態でテンションが上がってしまう。
やはりオクトパスとのハイウェイでのバトルも良い。スパイダーマンらしい「一般人を助けながらの戦闘」もきちっと入っている。ヒーロー物はこういうシーンがなきゃいけませんからね。
中盤にはグリーンゴブリンが本性を発揮。デフォーはやっぱり良い役者だなぁ。ノリノリの演技が見ていて楽しかった。
そして「ズルい」という思いで映画にのめりこみ始めるのが、後半のマルチバースからきたスパイダーマン集合。これはほんとテンションが上がった。思わず声が出たよ。
その後はスパイダーマンシリーズを見てきたファン向けの激熱展開が出まくり。
過去にできず悔やんでいた事を達成していく昔のスパイダーマン達(MJ助けられて良かったね)、ウェブシューターの有無のやり取り、3人での「お前はどういう状況なの?」という近況報告会など、とにかくソニースパイダーマン視聴者の胸を熱くする演出・展開が目白押し。
こりゃズルいぞ。
ヴィランもヴィランで過去シリーズのヴィランが同じ俳優で出てくるのでとにかく熱い。ジェイミーフォックスもよく来たなぁ。てかこんなに自信満々キャラだったっけ?
同窓会といえば同窓会なんだけど、とても熱い同窓会なんだよね。その点はマトリックスより大分良い同窓会でしたね。
そしてピーターパーカーの記憶が消された後のやり取りの切なさ。これはグッときましたね。MJとの別れ、一人暮らしを始めるくだり等、お祭り騒ぎの終わりの余韻がとても良い。
とにかく導入部のあまりの雑さで無理やりマルチバース展開にした本作ですが、中盤から非常に見ごたえありになってきたのでなんだかんだいって良かったです。
作品単体としては微妙でも、スパイダーマンシリーズの力で+2点加算で8点となります。
劇中では盲目の弁護士(デアデビルだよね?)も出てくるし、今後マイルス・モラレスが出てくるのではと予感させるようなセリフも出てくるし、わかる人にはわかるネタがたんまりと盛り込まれてましたね。
あとエンドクレジットの前半に差し込まれるヴェノムも良かったかな。結局スパイディとは会わずかいw
ただエンドクレジット最後に入ったドクターストレンジの実質的な予告編は、「良いんだけど長いな」と思いました。
さて、このシリーズは一旦終わるのか、どうなのか。ピーター・パーカーの正体を知ってしまったらまたマルチバース時空が出てきてしまうのでピーター・パーカーはMCUには出せないものの、スパイダーマンはマイルス・モラレスで出せるから権利関係さえなんとかなればなんとかなるのか・・・?とか。MCUファンには今後のスパイダーマンの動向をやきもきさせる状況ですね。
特に最後出てくる文字が、やきもきさせますね・・・トム・ホランドはもう出てこないのかな・・・
「ドクターストレンジ”は”帰ってくる」