12.《ネタバレ》 サリー・フィールド演じる、夫を失い生活に行き詰っても2人の子どもと夫が遺した家を守っていかなければならない女性。
ダニー・グローヴァー演じる、綿の栽培の技術が買われて雇われることになった行き場の無い流れ者の黒人。
ジョン・マルコヴィッチ演じる、戦争で視力を失い、家族から厄介者扱いされ、下宿することになった青年。
まずは本作で2度目のアカデミー賞を受賞した主演サリー・フィールドの素晴らしさを堪能できる作品ですが、
今ではすっかり大物になった、当時はまだキャリアがスタートしたばかりの
ダニー・グローヴァーとジョン・マルコヴィッチの好演も見逃せない作品です。
世界恐慌の不況の真っ只中。誰もが自分が生きていくのに精一杯の時代。
夫を失ってしまった女性、黒人、障害を抱えた青年。
1人1人は弱者でも、困難を乗り越え彼らが助け合って生きていく日々の描写が感動的。
現れてくれるな、と思いながら見ていましたが、やはり現れてしまうクー・クラックス・クラン。
これも避けては通れないアメリカのかの地の現実の1つか。
唯一不要に思えたのはエド・ハリスとエイミー・マディガン、後に現実の世界で夫婦になる2人の不倫のエピソードでした。
冒頭で命を落とした者も、町を出て行かざるを得なかった者も、登場した白人と黒人が皆、穏やかな表情で顔を揃えている。
この教会のラストシーンには何とも言えない温かさと愛に満ちていました。