16.《ネタバレ》 音楽が好き。それが第一印象。
主人公は高知に住む男子高校生、杜崎拓。
高2の夏休み、東京から同じ学年にリカコが転校してきた。
「さすが東京やね」を体現する、美人で生意気なリカコ。
主人公の親友の松野は、転校初日からリカコを追いかけ始める。
年開けの3月、ハワイに修学旅行。拓はリカコに金を貸す。
4月、高3で同じクラスになり、GWに2人きりで東京へ。
同5月、校内で殴り合い。
11月、学園祭で、拓はリカコに殴られ、松野にも殴られる。そして親友の松野と一言も口をきかないまま卒業。拓は東京の大学、松野は京都の大学、リカコは地元の高知大へ。
7月、帰省した拓は、貸切の居酒屋で、同級生たちと再会(未成年です)。
清水明子と話し、リカコが東京の大学とわかる。
そして9月、東京。拓は吉祥寺駅のプラットホームでリカコと再会。
ちょっと大人びたリカコの長髪が風にゆれた。
さて……この『海』のレンタルDVDはメイキング入り(充実の50分)。メインスタッフ五人(高橋望P、丹羽圭子、近藤勝也、田中直哉、そして望月監督)が、ロケハンから11年ぶりに高知を訪れ、当時を思い出しながら歩き、そして和室で座談会(2003年5月収録)。鈴木Pのインタビューが何度も挿入され、和やかでスリリングな50分。もちろん宮崎駿監督の話が何度も(全く関わってないのに)。そして宮崎駿が立腹した理由もわかります。
ところで脚本の中村香は、実は丹羽圭子。『海がきこえる』は初の脚本。この後、ジブリの四作『ゲド』『コクリコ』『アリエッティ』『マーニー』でも脚本を担当(全て共同)。どんな人か、DVDで分かります。
ではデータ。1993年の5月5日午後4時からテレビ放送の、72分のアニメ作品(番組枠は90分)。原作は、月刊アニメージュに2年連載の同名小説。
当時、ヒロインの身勝手さに腹を立てた。
でも美人だからね、好きなヒロイン。
だけど目の前にいたら大嫌いな女(死んでくれ)。
拓、リカコ、松野って、連載誌の読者層とは正反対なんだよね。
リカコの父親も、「愛人と高級車」がキーワードの金持ちだしさ。
音楽が好きな映画で、CD持ってます。冬より、夏に観たい。8点!
【追記 2017年03月23日】
2016-10-05の、ゆき氏の長文レビューを読んで感心した。
この作品のヒロインは、アニメてきでなく、とても現実的な女性だ。自己本位で、他人の感情を考慮しないような最低の女。
そんなヒロインに惚れる主人公は、なぜ惚れたのか。百パーセント、容姿だけである。
ああ、なんて悲しい作品なんだろう。
だが私は、音楽が好きなんだ。作画も演出も好きなんだな。だから8点を付けているんだ。