11.《ネタバレ》 自分が本当に辛いとき、救いが欲しいとき。
それは始めからそこにあったかのように用意されている。
そういうものに生かされている。
主人公のボビーはごく普通の男。
ある日彼の元に届いたのは「キャッチグローブ」。
それをきっかけに、少年時代の思い出が次々と蘇る。
ノスタルジックな雰囲気に包まれた、スローテンポなドラマです。
物語の筋書きは至って平凡。
所々不思議な点はあるものの、一少年の青春をほのぼのと見る感じです。
それを面白くするのがアンソニー・ホプキンスの凄さ。
っていうか、彼が出ている時点で名作は確定しています。自分の場合。
最後にボビーがキャリーの娘に写真を渡すシーンでふと思いました。
人間って存在を完全に消し去るなんてなかなかできないんだなと。
その人が死んで、その友人が死んで、それでも物は残り、記憶は残る。
時間が経てば限りなく稀薄にはなるんだけど、それでもどこかに何かは残る。
でも今の時代って完全に消え去ってしまいそうで怖い。
消滅の過程が非常にスピーディーな気がします。
一つ文句を言えば、尻切れトンボ的なところがありました。
もう少し長ければいいのになあ。