1.《ネタバレ》 沖縄の少女たちの受難を、見事に切り取っていると思う。
戦後23年で未だ本土復帰も果たしていなかった沖縄ゆかりの人は、この映画をどう観たのだろう。
吉永小百合演じる主人公の母親が乗る輸送船。
対馬丸でなければいいのにと願ったが、やはり対馬丸だった。
あの船に我が子を乗せた両親が沖縄戦を生き残っていれば、あのシーンをどう観ただろう。
本来なら人生の門出であるはずの卒業式は、米軍の爆撃が周囲に炸裂する中で行われる。
お国のためと命を投げ出す少女たちと比して、大本営の幹部たちの何と卑劣なことか。
少女たちの魂の何と無垢ではかないことか。
死と隣り合わせの日々を送ったことのない私には、まさに想像を絶する瞬間を生きて、そして散っていった少年少女たち。
救いのないラストも、戦争の虚しさ、悲惨さを私たちに突きつけている。
次代に残すべき映画。