8.《ネタバレ》 原作を読んで、すごく楽しみにしていたシーンがあったんだ。御屋形様が敵方に内通するということがみなに知られて「秘密を知った奴は生かしておけない!」と憤る丹波守に、のぼうが、「大丈夫だよ。みんな御屋形様が好きなんだ。御屋形様の命が危ないと分かれば誰もそんなことを話したりしない。」と諭すところだ。
ところがだよ、この映画じゃ宥めるのが武勇自慢の丹波守なんだ。のぼうのセリフもあるけどおちゃらけにしかなってない。なんだよ、何で変えちゃうんだよ。これじゃまるでのぼうはただの馬鹿じゃないか。何やってんだよ、監督。何出しゃばってるんだよ、佐藤浩市!てめえら、原作読んだのかよ。萬斎、お前分かって演技してんのかよ。信じられないぜ。
この改変によって主人公ののぼうさんは普段は阿保のふりをしているけれど人の心がわかりすぎるほど分かった人物だという表現が失われ、忍城が戦いを選択するのもただ、彼が馬鹿なだけだったとなりました。そこに人情に根差した深い洞察などがある可能性はなくなってしまったのです。
監督は腹切って当然でしょう。佐藤浩市さんはこの出しゃばりでこれからどんなに頑張って演技したとても自分的には大根役者で評価決定です。