206.《ネタバレ》 過去に名を馳せた主人公が返り咲く『許されざる者』を宇宙を舞台に描いてみた。タイトルにはそんな意味もあるのだろうか。それとも「時代遅れ」の象徴として「カウボーイ」を使っているだけなのか。とにもかくにも老いた者は若い者に取って代わってゆく、その流れの中で老優イーストウッドをいかに葬るか、『グラン・トリノ』で見事に成しえたそれを『許されざる者』以降ずっと考えていたに違いない。それほどに『許されざる者』『スペース・カウボーイ』『グラン・トリノ』は本筋で同じなのだと思う。だとするならばこの場合、トミー・リー・ジョーンズもイーストウッドの化身といえる。『グラン・トリノ』の予行演習をトミー・リーでやってみたのだ。まあ、あとの二人もイーストウッドなんだけど。ジェームズ・ガーナーの登場シーンなんて『サンダーボルト』で牧師をしているイーストウッドの元に昔の仲間が訪ねてくるシーンそのまんまだし、やたらと裸になるドナルド・サザーランドなんてのもまさに俳優イーストウッドの特徴を表してる。要するにチーム・ダイダロスは4人のイーストウッドなのだ。そしてやはり死に様を模索し4人のうちの一人は見事に死に花を咲かせる。やはりこの映画、『グラン・トリノ』への布石と捉えていいように思う。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-02-25 15:41:11) (良:2票) |
205.《ネタバレ》 イーストウッドが20世紀の最後に撮ったのは、この肩の凝らないジジイたちの“ライプ・スタッフ”です。“ライプ・スタッフ”とは劇中のワイドショーでジェイ・レノが使ったダジャレですが(もちろん元ネタは『ライト・スタッフ』)、アメリカのキャスターはさすが上手いこと言うもんだと感心しました。この後世紀が変わってからは、『ジャージー・ボーイズ』まで彼のフィルモグラフィは重いテーマの映画ばかりでした。 まさに老人版『ライト・スタッフ』という内容ですけど、その力量がピークに達しようとしていた時期ですから、力を抜いた撮り方ながら随所にイーストウッドらしい遊び心も感じられます。なんといっても“チーム・ダイダロス”の面々の顔ぶれが渋すぎます。4人がNASAに乗り込むところなんて、もう『ワイルド・バンチ』のあのシーンを思い出さずにはいられません。思えばイーストウッドがそれまで主演したウェスタンでは常に孤独なアウトローばかりでしたから、ほんとはこういう仲間と戦うウェスタンもやりたかったんじゃないでしょうか。トミー・リー・ジョーンズとの腐れ縁的な友情が、男の眼からも羨ましく見えるぐらいでしたね。またトミー・リーの最期も、並みの監督なら悲愴感たっぷりにしてしまうところを、シナトラとカウント・ベイシー楽団の“Fly Me to The Moon”で閉めるなんて、これぞ粋ってもんじゃないですか。 後半の宇宙のシークエンスは、前半よりもちょっとちょっと脚本が雑で、普通のスペース・アクション映画という印象になってしまったのはちょっと残念でした。VFX自体はILMの仕事ですから手堅くまとめていて、ロシアの衛星“アイコン”の描写はまるでスペースオペラの悪玉メカの様な禍々しさが強烈です。でもいつも思うんですけど、宇宙空間のシーンで音響を入れるのは何とかしてほしいものです。まあその方が観る者に理解させやすいというのは判るんですけども… 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-01-02 22:51:56) (良:1票) |
204.《ネタバレ》 前半部分はかなり面白く、マジメなドラマばかりのイーストウッドが軽いコメディを撮って、狙い通りに笑わせている器用さには感心しました。しかし、宇宙に飛び出して以降は話のテンションが一気に落ちてしまいます。これについては脚本と演出の両方に難があって、通信衛星アイコンが実は核ミサイルの発射ポッドだったとが判明し、当初計画していた修理が難しいということになるのですが、何がどう難しいのか、修理を失敗するとどんな危険があるのかの説明が不足しており、このために劇中の登場人物達は「大変だ、大変だ」と騒いでいるものの、観客にはその温度感がイマイチ伝わらないという現象が発生しています。後半は万事こんな調子、一体何が問題で、それはどう危険で、対策は何なのかという説明がすべてにおいて不足しています。このため、ラストの自己犠牲もまったく活きてきません。そもそも、事態を致命的に悪化させた原因が功を焦った若造による勝手な行動だったという設定が良くないのでは?地上では対立していたおじいちゃんチームと若者チームが一致団結してこそ、直面している事態の深刻さが観客にも伝わってくるというもの。若造のうちのひとりは事態を悪化させ、もうひとりは気絶して寝ているだけ、おじいちゃんチームのうちサザーランドとガーナーは事態を眺めて「こりゃ大変だ」とコメントしているだけ、危機と戦っているのが実質的にイーストウッドとジョーンズだけでは、せっかく揃えたチームがムダになっています。危機に対して各自が特技を発揮し、その中で若造チームがおじいちゃんチームの腕前を認める場面があり、それでも処理しきれない危機については「後先短い俺達が何とかする」とおじいちゃんチームが自己犠牲を買って出るという展開でよかったのではないかと思います。なお、ILMによるVFXは非常に秀逸で、宇宙映画においてここまで描写の充実した作品は、2010年現在に至るまで他に存在していません。NASA全面監修はダテじゃなく、トラブルの際に宇宙空間に散らばる塵や破片の表現や、宇宙から見た地球や月の描写の美しさや正確さには驚かされます。巨大ロボットの如くガシャンガシャンと変形する通信衛星アイコンもかっこよく、こちらでもイーストウッドの意外な器用さを楽しむことができます。 【ザ・チャンバラ】さん [映画館(字幕)] 6点(2010-09-05 00:39:03) (良:1票) |
【ジダン】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2007-10-28 14:56:18) (笑:1票) |
202.マジなのか、お笑いなのか判らず見ていたらやっぱりマジなんだ、ビックリ!しょーもナ。お笑い路線でいくべきだよ、宇宙行ったらみんな心臓麻痺で死んじゃってるオチを期待してたのに・・・ホンマ、しょーもナ。 【亜流派 十五郎】さん 3点(2004-06-04 23:27:35) (笑:1票) |
201.《ネタバレ》 モタと観る。宇宙行くまで長い。シリアスなものを期待してたら、途中からあほな展開になっていくし。。こんなアルマゲドンみたいなものは観たくなかった。。 【おれおれ41】さん 4点(2004-03-31 05:54:27) (笑:1票) |
200.《ネタバレ》 なんか感動しきれなかった。なんでかはよくわからないが、多分、演出だろう、終盤のトミーが月にいくってとこで他の大多数の監督ならもっと派手に感動を誘うような演出をするし、それに慣れている自分にとって、「ここ泣くとこ?」って感じで、分からなかった。さらに、みんなが全然悲しまないし。特に引きとめもしない。どうなんだろ、あれがクリントイーストウッドのスタイルか?うーん、あのシーンはもっと引っ張ってもいいような気がした。あるいはそういう設定をなくしてみんなで苦難を乗り越え帰還ってのでも良かったと思う。宇宙に行くまではいい感じだったので。 【ブチャラティ】さん 7点(2003-12-10 15:42:08) (良:1票) |
199.老後は、ただ老けていくだけでなく、こうありたいなあと思います。 どうありたいかって? もちろんトミーリージョーンズのように若い娘をGetしたり、老いても衰えないドナルドサザーランドのDickとかです。 【tantan】さん 6点(2003-11-29 09:08:40) (笑:1票) |
【花守湖】さん 3点(2003-10-15 03:39:21) (笑:1票) |
197.往年・現役の名優達が同窓会で楽しそうに大がかりな余興を見せてくれた、と言う感じ。ユーモアあり、ちょっぴり涙ありと映画に必要な要素を盛り込んで、あえて難しい宇宙ものを作ったイーストウッドはえらい。 【キリコ】さん 6点(2003-05-25 21:26:10) (良:1票) |
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196.確かにアルマゲドンの話の中の石油採掘工を爺さんに、巨大隕石をロシアの衛星に替えただけと言えばそうかもしれない。しかし、何十年も映画をつくり続けてるイーストウッドがこのような話を撮ることのデメリットを勘案しないわけないよね。たぶんこれはアルマゲドンのようなつまらん映画のプロットを敢えて借りつつも「若者よ、映画ってのはこう撮るモンなんだぜ」という宣誓的なものであり、果たしてできた映画は年取っても頑張る爺さんたちの爽快な話という、紛うことないイーストウッド印の映画となっている。また、これはワンパターンとかの批判を受ける類のものではなくハリウッドの第一線で真摯な活動を続けてきた大ベテランゆえに持てる説得力及び表現である思う。ただし、イーストウッド近作の中でもベストとまでに至らなかったのは、らしくないと思えたファイヤーフォックス同様、SFとはイマイチ相性が良くないのか・・・ 【ダイ】さん 8点(2001-07-08 02:20:26) (良:1票) |
《改行表示》195.夢のあるロマンか、陳腐でダサいと受け止めるか際どいところ。 老人4人が宇宙行くって…体力の問題は本当にクリアできるのか。ある意味サイエンスフィクションとはこのことなんじゃないか。 コメディに近いよね。 SFでもある程度リアル派です。 それでもイーストウッドとトミーリージョーンズの2大役者が物語を盛り上げる。 この2人だからこそ成り立った部分もある。 |
《改行表示》194.《ネタバレ》 “Space Cowboys”複数形なくらいで邦題まま。4人のおじいちゃんの若かりし頃、'50年代の音速実験機から始まり、宇宙開発をすっ飛ばし、現代に至る。旧ソ連がアメリカから盗んだ誘導装置を使ってたって設定が、実際ありそうで上手いです。レーガン大統領の時代に『スター・ウォーズ計画』なんてのがあって、まだ子供だった私は、現実がSF映画に一歩近づいた気がしてワクワクしてたのを思い出します。 アメリカも実現できなかった当時の計画を、ソ連がNASAから盗んだ技術で実現してたって設定は、あれれ?って思うけど、きっとこの世界ではアメリカも同様の核ミサイル衛生を打ち上げてたんでしょう。 マックやウィンドウズから進化してきたコンピューターの足跡とは違う、'80年代のロストテクノロジーはまさに驚きです。余談だけど、数年前にファミコンを買って時々遊んでるんですが、当時作られた中古のカセットを挿して電源を入れると、ほぼ100%見事に息を吹き返します。劇中「アイコン」がチームを“敵”と認識して攻撃態勢を取る様子が、今も元気なウチのファミコンと重なりました。 '50年代のX-2飛行実験シーンが短いので、誰がどんな担当なのかイマイチ掴めなかったけど、おじいちゃんたちが頑張って訓練して、世論とか努力以外の面でも後押しされて、みんなで宇宙に行くシーンは夢があります。さすがベテラン俳優4人、シャトル内の無重力演技もサマになってました。 この年代の作品で、スペースシャトルに乗って、落下物から地球を救うシナリオのお約束。この映画もソレだったけど、オープニングのホークと月への思い、『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』が上手に作用して、しんみりしない清々しさを感じました。 シャトル着陸はやり過ぎにも思えたけど、若造どもを追い出してチーム・ダイダロスでやり遂げるんだ!って場面を入れるための演出でしょうね。 最後の月面シーン。ホークが辿り着けたかどうか?を後の考察に委ねるのも良いけど、おじいちゃんたちには悠長に考えてる時間はないんだよ!って意味で、思いっきり観せたんだろうと思うと、ちょっと微笑ましい演出。 【K&K】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2024-01-22 10:20:22) |
《改行表示》193.《ネタバレ》 もう23年も前の映画なのですね。昔友人がロードショーに行き「まあまあ面白かったよ」という感想を聞いたっきり忘れていました。前半は結構面白くて宇宙に行く前まではそれなりに楽しめますが、病気発覚後の後半はよくある展開を経て綺麗に問題をオールクリアし、そして無難で大人な雰囲気のエンドロールを迎えます。 個人的にはイーストウッドが監督した作品はあまり好きではなくて、、何となく偽善的というか型にはまりすぎというか、予定調和的で面白みに欠けることが多いように思います。本作に関してもよくいえば直球的な定番作品、悪く言えば出来過ぎのお手軽作品です。イーストウッドは頭が良すぎて色々詰め込み過ぎるところがあるようで、宇宙に行ってから問題が噴出しまくりますが、そのゴチャゴチャもスムーズかつスマートに難なくクリアしてしまいます。こういうところがまた余計に鼻についたりします。 病気じゃない人間を普通に地球に帰還させ、月を眺めて「ホークは月に辿り着いたはずだ」と言わせちゃうところが凡作でしょうか。。ホークは月面へ向けての公開自殺、フランクその他残りのダイダロスご一行様も全て大気圏突入に失敗して誰も地球に帰ってきませんでしたというオチなら、もっと高評価出来たかもしれません。見て損したというほどの駄作では決してありませんが、見ても見なくても良かった程度の、いわゆる当たり障りのない普通の作品だったのもまた事実。いえ、決して酷評するほど悪くはないのですが・・ 映画としてはある意味致命的な”普通”という評価に落ち着きました。 【アラジン2014】さん [地上波(吹替)] 6点(2023-12-30 13:37:33) |
192.爺さんでも宇宙に行けるんだな。様になってたけど。 【TERU】さん [CS・衛星(吹替)] 6点(2023-10-02 20:27:35) |
《改行表示》191.《ネタバレ》 宇宙モノじゃないんだよ。これの主題は「老い」。 いつかは誰しも歳を取り老いて死んでゆく。死に際に美学、こう歳をとり死んでいきたいっていう願いや希望を描いた映画だね。 【小鮒】さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-11-15 00:24:03) |
《改行表示》190.細かいことは気にするな!って大味な作品をイーストウッドが撮ったらこうなるんだなあ。 色々問題は起こるけど割とすんなりと宇宙まで行けちゃう。 宇宙に行ってからも存外お気楽な感じで全体的に重厚感はないさっぱりした作風。 ラストシーンは個人的には好きですね。 【南雲しのぶ】さん [インターネット(字幕)] 6点(2019-10-04 17:51:16) |
《改行表示》189.《ネタバレ》 映画館に観に行ったのはもう20年も前のことなんだと感慨深い思いを抱きつつ鑑賞。 主役の爺さんたちは、この後もずっと一線で活躍してるんだから、やっぱりすごいメンツ。 年を取っても、やりたい。 できるかできないかではなく、やりたい。 そんな思いを持てるものが自分にはあるかなあと考えさせられて、チーム・ダイダロスが羨ましかった。 一番美味しいところを、トミー・リー・ジョーンズにやらせたイーストウッド監督と、月で満足そうに横たわるトミーに加点。 |
188.《ネタバレ》 反骨の男たちの物語。楽しい映画。どちらかというとコメディか。ラストの月面に突き刺さるトミーリージョーンズには男泣き。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 8点(2019-01-12 23:00:22) |
《改行表示》187.タイトルに反して宇宙までが本編。 意地に近い想いを宇宙に抱きつづけるチーム・ダイダロス、 とりわけリーダーが素敵だと思うかどうか。 視力検査は笑いだし、マラソンはクリアしてなかろうし、 ラブロマンスも現実離れしている。 しかし、それでも輝かしくみてしまう自分がいた。 なにかを信じていた訳ではない、 なにかに脅されていたわけでもない。 しかし宇宙に行きたい。 別に夢でもないし、当たり前だと思っていた。 それを40年間思い続け、それが叶うまでに払った犠牲がよぎりながらも、 やはり笑えるシーンは笑えるし、泣けるシーンは泣けるのだ。 宇宙に行ってからは非常に蛇足な感じなので、この点数にて。 【元祖】さん [インターネット(字幕)] 6点(2018-07-31 21:06:47) |