216.《ネタバレ》 だらだら。本題に入るまでが長い長い。本題に入ってからもだらだらしています。
クラーケンやデイヴィ・ジョーンズ登場あたりから楽しくなってきましたが、島でのひと悶着で再び失速。
『いったいいつまで元気玉を作っているんだ。』という、某アニメの展開の遅さを思い出します。
この作品で面白いのは映像だけ。魚人海賊団のビジュアルはかなり好き。砂浜を駆けてくる様子は、日本の特撮ヒーローものと変わりませんが、昭和世代の私はこーゆーいかにも『怪人』って感じのディフォルメに弱いです。
そしてクラーケンの迫力。これはいい。
けど、それ以外にこの映画の良さってほとんどないです。
何よりストーリーが決定的につまらない。
ブラックパール号を手に入れるため、デイヴィ・ジョーンズと自分の魂を駆けて取引をしておいて、期日がきたら踏み倒そうとするジャック・スパロウ。個人的な問題に、無関係の仲間を巻き込み、結果多くを死なせてしまう。
更には前作で築いたジャック・スパロウ、ウィル・ターナー、エリザベス3人の絆をぶち壊すようなストーリーにがっかり。
私が前作で感じたジャック・スパロウの魅力。それは、小悪党ながらも頭のキレや、仲間想いの優しさを垣間見せるヒーロー性。それがこの作品ではもはや小悪党に成り下がって悲しい。
なのにラストはみんなで『ジャック・スパロウを助けるためなら世界の果てでも何でも行ってやる。』という異常なテンション。
台本にそう書いてあるから、そう盛り上がっただけみたいなノリで、まるでついていけません。
これぞ『看板』『キャスト』『CG』におんぶにだっこの凡作代表。
それに、せめて次の作品につなげるとしても、複数のエピソードのうち、一つくらいは決着をつけてほしい。
例えば、『苦戦の末クラーケンはみんなで何とか倒すことができた。でもその結果船は大破し、ジャック・スパロウは行方不明に』ぐらいであれば、まだ納得します。
そもそも、ドラマは3~4ヶ月くらいで一応完結まで見られるからまだ良し。ですが映画は次の作品が1年後とか2年後とかそれ以上。だからこそ、昔の映画はすべて完結させていたわけですし、それが映画というもんでしょう。
余命いくばくもない少年がいたとして、「パイレーツ・オブ・カリビアン」の大ファンで、
「 シリーズを最後まで見るのは無理だけれど、せめてこの『デッドマンズ・チェスト』だけは生きているうちに家族と見られて良かった・・。 」
と映画館に無理をおして家族と最後の映画鑑賞に行き、この結末を見せられたら絶望しませんか。
と、私は続編ありきの映画に全面的に反対するわけではありませんが、最低でも3ヶ月以内に次の作品を公開すべきだと思っている次第です。