12.《ネタバレ》 最初の段階で、「見た目では誰だかわからなかった。
シャツの模様で判断出来た」っていう展開に、
勘のいい人ならその後の展開はすぐにわかると思います。
ミステリーが売りの原作だそうですが、正直言うと
ミステリーそれ自体はたいしたことありません。
それよりも、橋本愛ちゃんと清塚信也さんの掛け合い、
二人の演技を眺めているのがとても楽しかった。あと音楽ね。
役柄的に凄く難しい演技だと思うんだけど、それを全身で
こなす愛ちゃんは、これからもっと素敵な女優になって
いくのではないかと思わせるような実力を見て取れました。
彼女を支えるピアノ教師役に、実際にピアニストの人を
あてたこと、これが本作の素晴らしい点だと思います。
例えば、愛ちゃんがピアノ演奏をしているところとか、
よく見ると全然鍵盤を叩いてなかったりとか、いかにも
嘘っぽいカットがあったりするわけです。その点、
教師役の清塚信也さんはまさに見事な演奏を披露している。
これによって、作品の説得力がぐんと増すんですよね。
一見クサい台詞にも重みが出てくる。
終盤の演奏会のところで、カメラがピアノを
ぐるんと回りながら遥とルシアに入れ替わる映像は
とても巧かったです。