11.《ネタバレ》 ハリウッド映画とは一味も二味も違う緊張感漂うサスペンス。
人気の少ないビーチで、釣りをしている人やのんびりしている若者たちに聞き込み。
よくある刑事ドラマのワンシーン。
・・・かと思いきや、そこから突然の急展開。こんな序盤で、死にそうにない人がまさかのリタイヤ。まさかの惨劇。
こーゆーのはアメリカ産の映画では、なかなか味わえない痛みかもしれませんね。
ストーリー自体は、まあよくありそうな感じ。麻薬に見せかけた新薬の人体実験を、ホームレスの子供たちでやってたっていうのが真相。で、その警護にあたっていた人物が、薬物をくすねてナンパした女に使い、その女が狂暴化したので頭にきて殴り殺しちゃった。その女性の殺人事件と、子供たちの行方不明事件を刑事たちが追っていくうちに、真相が次第に明らかになっていくというもの。
ミステリー的な面白さはそこまで感じませんが、なにしろ過激な描写やスリリングなシーンが多い。
だから中盤までは固唾をのんで成り行きを見守り、これはとんでもない隠れた名作なんじゃと思ったものです。
後半になるにつれて、徐々にパワーダウン。
黒幕の博士も施設から逃げ出したらただのしょぼくれた老人。
ラストの砂漠での追いかけっこはやたらと長くてダレます。
歴戦の強者って感じで出てきた軍人も、わりとあっさりブライアンとの撃ちあいに敗れちゃう。
まあ、それがリアルと言えばリアルなのかもしれませんが、何とも物足りない。
だって犠牲になった人たちは、みんなそりゃもうひどい目に遭ったのに・・・。悪者たちはもっとめちゃくちゃにしてほしかったです。
ハリウッド映画みたいなザ・ハッピーエンド、って感じではなく、あまりに犠牲が多いので、事件が解決しても爽快感や満足感はそこにない映画です。