201.ファンタジックでダークなテリー・ギリアム独特のアイロニーより、一見オーソドックスな全体主義的世界観に見えながら、実は「マイノリティ・リポート」以上の正確さで未来を予見した(現在で言えば現実的な)背景描写に驚かされた。ボトックス注射等で既に一般化している若返り施術(とそれに殺到するハイソなマダム)、一人一台に普及した端末で上司の目を盗んで行われるネット・サーフィン(劇中では映画鑑賞)、極端に進んだセクショナリズム、融通の利かないマニュアル化されたサービス業(とモグリの仕事)、日常的なテロ活動、etc.…。正直、初見時は大して印象に残らなかった(てか、理解できなかった)んですけど、再見して本当に驚きました。これは21世紀の今観てこそ真価の解る作品じゃないでしょうか、8点献上。 【sayzin】さん 8点(2004-08-19 19:39:41) (良:3票) |
《改行表示》200.つまらない。長い。笑えない。最後まで心を掴まれることはなかった。 ストーリーに入りこめないので、終始どうでもいいキャラクター達が勝手にドタバタしてるだけ、という印象。 感情移入しないで見るタイプの映画は90分が限界だな。 未来都市のディテールだけは独特で印象が強い。 登場人物たちの、起こった事態に対するリアクションのありえなさが全く入り込めなかった原因かもしれない。コメディと言われればそれまでですが。 プロットだけを抽出して、少しでも感情移入できるような演出にし、余計なコメディ演出、突飛なセリフを一切省いて、時間を90分くらいに纏めてあのオチなら、結構好きになったかもしれない。全然違う映画か、そりゃ。 【kosuke】さん [CS・衛星(字幕)] 1点(2012-04-26 00:49:45) (良:2票) |
199.《ネタバレ》 たとえば、拷問の記録をタイプにとっているところ。担当のオバサンが打ってるタイプを主人公がちらっとのぞくと「HELP!」と悲鳴が並んでいる。話しかけてオバサンがイヤホン外すとじかに悲鳴がもれてくる。あるいは食事の場でのテロ爆弾の炸裂、それでもせっせと食事を続ける人たち。ドンパチやってる脇で掃除を続けるオバサン。デ・ニーロが情報用紙に絡みつかれていく脇をゆく通行人。なにか切迫した大音声の世界と、静寂の事務的な世界がつながっている。事務の静まりのほうが大音声を圧倒し包み込んでいく。これは単にギャグと言うだけでなく、現代社会そのものといった納得を感じた。そういった大音声への無関心を導く社会の果てに、ラストの「ブラジル」を口ずさむ呆けた夢の世界が待っているのだろう。そしてこれはスクリーンを観ている私たちを皮肉っているのか、という気にもなってくる。カフカ的な暗い未来社会もの、って映画はほかにもあるが、とりわけこれは笑いと戦慄の振幅が大きくて好き。オタフクの笑顔もそうとう気味悪い。この後に観たフランス映画の『デリカテッセン』てのでもラテン音楽が暗い未来社会に流れていた。一番「自由」を感じさせる音楽なので皮肉に響くのか、あるいは世界が北方的に陰鬱になってしまったので皮肉に響くのか。ラテン音楽が皮肉に響くようになったら、その社会は要注意ってことだ。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-07-19 10:57:20) (良:2票) |
198.《ネタバレ》 笑わせよう、笑わせよう。驚かせよう驚かせよう。 そんな想いが伝われば伝わるほど、痛々しい。狙いすぎ。白々しい。行き過ぎた管理主義・社会主義への批判というのはありきたりだが、まぁよしとしても、情報省のミスだけがその批判の要因たり得るもので説得力も皆無。 そんなこんなでマザコン男が 「もう管理社会なんていやだぁぁ、情報省なんて、情報省なんて・・・ドッカーン」ってのを夢見るだけの二時間半。内容がないので、貧困ながらも派手なイマジネーションもただのお遊びでしかない。「ほら、スゴイでしょーこの映像。ビルがズドーン、羽根がビヨーン、武将がドォーン、高層ビルからロープでビューン、 え、内容? 内容は・・・ 内容は・・・ナイヨ」 そんな映画。 【stroheim】さん [ビデオ(字幕)] 3点(2006-05-12 15:28:45) (笑:2票) |
《改行表示》197. 意味は分かります。 その上で断言できます。 面白くない。くそつまらない。 そもそもが、きてれつな設定とストーリーと映像ばかりなのに、そんな映画に何回も夢のシーンを入れる意味がない。 あんな無駄なシーンで無駄にだらだら時間を引き延ばして、鑑賞する人のことを何も考えていない。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 0点(2012-04-06 05:20:18) (良:1票) |
196.《ネタバレ》 映画のファイナル・カットをめぐり、テリー・ギリアム監督と配給のシド・シャインバーグが衝突し(ギリアムが勝利し)たことはもはや伝説。「バトル・オブ・ブラジル」という本まで出版されたほど。「映画とは何か」「芸術とは何か」「自由とは何か」ということを、映画製作という過程において如実に示した、ギリアム監督の最高傑作であり、究極のカルト・ムーヴィー。「映画は闘いだ!」 【フライボーイ】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-10-15 08:07:01) (良:1票) |
195.これを好きって公言することが一昔前は映画通の証明って感じだったと思いますが(笑)、何回か観ても自分にはさっぱりな印象です。でもテリーギリアムの並外れたセンスはびんびん感じます。 【HAMEO】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2010-01-25 14:24:39) (良:1票) |
194.挫折しそうになりながら、なんとか最後までみた、という映画です。難解。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-01-03 11:33:37) (良:1票) |
193.別のサイトで高評を知り、観ないといけないと思いつつ観ていなかった..しかし最近、BSでやっと観ることに..予備知識無しで観たので、ちょっと戸惑ったけど、不思議な作品でした..映像的はそれなりに良く出来ていると思います、でも、低予算なのにそれを感じさせないテクニックが スゴイ のか、お金をかけているわりには ショボイ のか..よく分からない不思議な感じの出来です.. 肝心のストーリーは、現代社会を風刺した、コメディタッチの欧米作品によくある “おバカ映画” ..私的に、好きか、嫌いか、と問われれば、間違いなく 嫌い です... 【コナンが一番】さん [CS・衛星(字幕)] 2点(2009-06-16 13:04:26) (笑:1票) |
192.私の中では、良い映画というのは、1)もう一度見たいと強く思う、2)分かりやすい、3)2時間未満、の3条件が大前提。1)から順に絶対要素が強いので、3)は必ずしも当てはまらなくともお気に入りは少々ある。で、この作品である。1)もう二度と見たくないと激しく思う、2)意味不明、3)140分以上、ということで、世に言う名作でありながら、私の中では駄作の極みに近いと言えます。基本的に、妄想映画はキライなんで。見た後に激しい頭痛に襲われたのもトラウマになりそうだ。見たことを後悔する映画に出会ったのは初めて。 【すねこすり】さん [DVD(字幕)] 1点(2008-07-22 14:59:01) (良:1票) |
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191.「分かりにくい映画」がしばしば名作だと言われる理由は想像力を養うことが映画の本来の目的だからです。しかしこの映画は「未来世紀」という邦題1つとってみても舞台を未来だと断言してしまっている点が観客から自由な想像力を奪っている。「奇抜」であるということも直接観客の想像力の刺激につながっているとは言えない。しかも奇抜で独創的な映像だと偉い評論家たちからいくら言われようが本当の映画ファンならばこの映像が学芸会レベルであることは一目で分かるし、あの翼の生えた主人公が夢のなかを飛び回る様子も、欽ちゃんの仮装大賞を観たものならば似たようなものを何度も見かけているはずです。つまりその程度の映像なのです。もっともらしくこれを評すれば「実存主義的な映画である」と言う事もできるし、裸の王様のような映画だと言う事もできる。 圧倒的なイマジネーションと褒められた作品ですが「ガダカ」の未来に対するイマジネーションと比較すると明らかに希薄だ。 未来を予言しているなんていう評価に至ってはそんな予想はその当時の近所の中学生やおばちゃんにでもできると言いたい。原題は「ブラジル」。 余計な言葉をいれず、こちらのほうがよっぽど観客の想像力を刺激できたはず。これを名作と銘打った映画界の意向のほうが興味深い。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 1点(2006-03-29 20:30:09) (良:1票) |
190.主題歌がラストシーンとこれほど喧嘩して強い印象を与える映画は無いと思う。 【セクシー】さん 10点(2003-11-08 13:34:31) (良:1票) |
《改行表示》189.《ネタバレ》 1985年で未来を描くと陳腐だが逆にコミカルで楽しめる。 良くも悪くもテリー・ギリアムの未来と夢と現実の世界観に振り回されて、挙句の果てにタイトル「ブラジル」はややこしい。 SFとしてユニークさは評価はできるものの全体通して面白いとは言えない。 さらにデニーロの出番の少なさに残念。 |
《改行表示》188.《ネタバレ》 以前観たはずなのだが内容はまったく覚えていなかった。 今回見た記憶もなんか忘れてしまいそう。 でももう見なくてもいいかな。 このところ見る映画どれも楽しめてないので もしかしたらコロナとかであんまり映画を楽しめる気分じゃないのかも。 気になった部分は ・ヒロインがかわいくない。 ・主人公が有能みたいだけどどこかやる気なくて共感できない。 ・さすがにすぐ横で爆発あったら逃げるやろ。 ・もっと友達大切にしろよ。 ・ちょっと主人公自業自得なとこあるね。 ・主人公ナルシストなんかなー。夢の内容が気持ち悪い。 良かった部分 ・印象的なシーンはちょくちょくある。 【Dry-man】さん [インターネット(字幕)] 4点(2020-05-01 23:35:34) |
187.他人の見た夢の話に付き合わされてるようで終始つらい。現実か妄想か途中から曖昧になる演出も、作り手の狙い通りではあるのでしょうが、鑑賞後の満足につながるわけではない。そもそも、主人公1人を制圧するのに、こんな凝った仕掛けが必要か?と思う。 【次郎丸三郎】さん [DVD(字幕)] 5点(2019-10-26 18:11:58) |
186.《ネタバレ》 ブラックコメディの傑作。カフカ的な世界観。傑出した美術。効果的なノンキなインサートされる曲。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 10点(2018-12-30 20:56:51) |
185.BD版143分は長いけど、ジル(キム・グライスト)が可愛いので7点。 【ガブ:ポッシブル】さん [ブルーレイ(吹替)] 7点(2017-09-10 20:02:06) |
184.少し、長い。部分的には面白みはあるのだが、4つぐらいの未来アイデアをツギハギして作った感があった。結局、全体のストーリーとして何が言いたかったのだろうか。 【cogito】さん [DVD(字幕)] 6点(2015-12-13 17:56:21) |
《改行表示》183.《ネタバレ》 今でも脳裏に流れる軽やかなメロディ、憧れのブラジル。 しかし現実は残酷で、夢を見ても残酷で、結局夢の世界に入ってしまう。 今でも衰えぬその表現と、怒濤の展開、そしてアンバランスな気味の悪さ。 ホラーではないのだけれど、とても怖かった。 【えすえふ】さん [DVD(字幕)] 9点(2015-11-15 02:04:39) |
182.《ネタバレ》 全編にわたって趣味が悪く、黒いユーモアがふんだんに。たしかに笑えもするけど、笑ったあとにざらつくような不快感も残る。整形に血眼なオバサンたちは死んだら原型もキープできないほどに切り刻まれ、食事は色のついてるだけの何やらマッシュ状のかたまり。管理史上主義の世界では紙切れが異常な権威を持ち、暖房修理すら許可証が必要なんだとか。うあー、こんな未来像を構築したギリアムの感性には畏れ入る。畏れ入るが、例えば「時計じかけのオレンジ」にワタシは心胆奪われたものであるが、ブラジルの方はまだまだずっと理解可能な世界で、両者のエッジの効き方の違いを大きく感じたりもする。どっちが好きかと聞かれれば、いやどっちも好きというわけじゃないんだけど。 【tottoko】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-07-31 23:37:46) |