《改行表示》35.《ネタバレ》 「恐怖の大王」が降ってきた!!。■ そんな時、ハリウッドでは「大王」をコッパ微塵とすることに終始し、 我が東宝映画陣は巨大な噴射口をおったてて、地球を避難させてしまった!。 なんて東洋的な発想と西洋的な発想の衝突なんだろうか。 このギャップを東洋医学と西洋医学の違いに投影して考察するとおもしろいと思った。 「恐怖の大王」という病巣が体内に巣食った時、西洋医学は摘出手術や薬物療法という 形で治癒を目指す。その行為は病巣への攻撃となる。 一方、東宝陣が施こした東洋医学的処置は鍼灸や漢方など患者の自己免疫力を高めて 病巣というマイナス要素からの悪影響を減少することにある。それは自己変革による解決を意味する。 「自己」と「敵」という存在がある場合、西洋は「敵への一方的な攻撃」をしかけ、東洋は「自己変革による敵との共存」をめざしているように思える。この問題解決コンセプトの違いこそが「アルマゲドン」「ディープインパクト」のハリウッド的思考と我が「妖星ゴラス」による東宝・東洋的思考の違いであるのだ。 そこには敗戦を経験し、東京裁判を経験し、アメリカからの日本国憲法を遵守し、民主 主義、資本主義の洗礼の中、自己変革をなしてナンバー2までのし上がった日本の歴史 があり、一方、目の上のたんこぶをことごとく攻撃し、自国の権力を増大させていった 国の歴史感がでーんと横たわっているのです。ハリウッドは敵から逃げることをけっし て良しとしない。共産主義からも、テロ国家からも、勿論、異星人からの攻撃にも、大 統領が戦闘機に乗って攻撃を仕掛けるぐらいなのですから。 自分らが内的変貌を遂げて局面をヤリ過ごすという屈辱的な危機管理は到底受け入れられないのです。でも僕ら日本人という歴史を持った者(少なくともワタクシ)は、南極に巨大な噴火口を作って「大王」をヤリ過ごす地道で途方もない努力に、どうしょうもなくロマンを感じてしまうのです。神道を基本とし、大陸からの仏教を受け入れ、キリスト的文化も受け入れ、民主主義・資本主義を取り入れ、その折々での自己の最適化を柔軟になしえてきた血がどうしようもなく騒ぐのです。 ストレートな差障り要因への攻撃という陽なエネルギーよりも、南極に大規模土木工事をやり遂げる忍耐力をワタクシは断固支持致します! 【マーク・レスター】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-06-09 22:38:35) (良:3票)(笑:1票) |
34.円谷特撮の集大成的作品として永遠に記憶に留めておきたい逸品。今、仮にこの作品をリメイクしたとして、果たしてオリジナルを超えるほどのテイストが残せるだろうか。40年も前に創られた映画ということもあって、特撮がチャチという意見もあるようだが、それは古典を読んで“古い!”と言っているようなもので、映画芸術の基本が解かっていない証拠。確かにテクノロジーは進歩したが、しかし現状ではそれを生かせていないばかりか、むしろ後退しているのではないかとさえ思えるだけに、かつてないほどの大胆な発想とアイデアで、これだけのスケール感を伴った作品を創造するのは、今の技術力をもってしても到底不可能だと信じて疑わない。新しい技術をどれだけ膨らませて、それ以上のものを生み出せるかがポイントで、誰でもが達成できるものではない。要はテクノロジーと言うよりも工夫とセンスが問題となってくる訳で、やはりある特殊な能力が必要不可欠となってくる。そういう意味でも円谷特撮の“画作り・見せ場作り”の巧さは、やはり天性のものだと言え、他の追随を許さない。本篇では、日々接近してくる暗赤色のゴラスの姿を、世界各地から遠景で捉えたショットの不気味さや、美しい紋様で弧を描く土星の輪が徐々に歪んで、ゴラスに吸い寄せられるシーンなどは実にリアルであり、息を呑むような美しさを感じてしまうほど。探査ロケットや周囲の星々が一瞬にして消滅していく視覚効果や、津波や地割れといった天変地異のスペクタクルなど、全編が見せ場と言ってもいい程のサービスぶりで、円谷英二は当時の技術をフルに生かして見事なエンターティンメント仕上げた訳だが、単なるマニア向けだけの作品でない事はご覧いただければ解かると思う。 【ドラえもん】さん 10点(2003-11-06 11:29:45) (良:4票) |
《改行表示》33.《ネタバレ》 例え下手ですが、「吉野家」で牛丼を食べていたら、ご飯の中から「かつや」のトンカツと「てんや」のかき揚げが出てきたような感覚。 クオリティはそれなりきで、本筋とやや脱線したことが起こりますが、ワクワク感がありました。 それで旨かったのか、不味かったのかは、正直何とも言えませんが、クレームをつける気は起こらず、むしろ楽しめました。 衝突が迫ったところで記憶喪失の金井さんの顔がアップになったときは、突然変身アイテムでも取り出すんじゃないかと思ってハラハラしました・・・光の国とやらから助っ人が来るんじゃないかと←記憶喪失がその伏線で(^^; それはさて置き、同じテーマ?の映画「アルマゲ丼」には発想とサプライズで十分勝てる!(のか?) 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-01-16 16:54:09) (良:2票) |
32.「地球最後の日」より、巨大彗星などが地球に激突するというSF映画は今までに何作かあります。この映画の良いところは、安易に核の威力で恒星そのものを爆破しようというのではなく、地球そのものを移動して激突を避けるというところです。これはムチャというより逆転の発想と受け取りたい。しかも米ソの緊張が高まる時代背景の中、国連を通じ世界がその持てる科学力を結集し、人類の危機を回避するという斬新かつ希望に満ちたテーマ性。このように強く訴えるものがあるならば、時代を感じさせなくはない演出も特撮もおおめに見てしまいます。しかし残念なのは、突如現われ基地を破壊する怪獣マグマの登場シーン。これはイタダケナイ(-2)。怪獣ブームということもあり、きっと会社のトップから出せの命令が下ったのでしょう。円谷英二氏にしてみれば心底悔しかったに違いなく、大人向けSF映画の名作となりえただけに残念な作品です。 【光りやまねこ】さん 7点(2004-06-17 11:10:03) (良:2票) |
《改行表示》31.《ネタバレ》 1962年の映画。まだアポロ11号も月に行ってはいない。だから野暮なツッコミはナシなのです。特撮場面が現代のCGによるそれよりもリアルさでは比較にならないのも当たり前。だけどミニチュアによるシーンには芸術的にすら思える美しさがありました。演出と演技もそのオーバーアクトさがビンテージ感すら感じて、個人的には味わい深かったです。でも政治家とマスコミの描写に時代差を全然感じなかったのは…それが普遍的なものだからなのか、それとも進歩していないからなのか…。 あと、俺が「アッ!」と思ったのは宇宙から地球を見る視点での【光る南極】の場面と、南極上空を戦闘機(ジェットビートル)が飛ぶシーンで背景に立ち並ぶピンク色の光の筋。ものすごい【エヴァ感】を感じてちょっと興奮しました(笑)。それと土星の輪がゴラスに吸い込まれていく場面はSFゴコロを刺激されて良かったです。 予備知識が無くて逆に良かったのが、後半で唐突に表れる巨大生物マグマのシーン。結構ビックリしました(笑)。取ってつけたような怪獣登場はオトナの事情だったのでしょうねぇ。そして人類の生き残りのために容赦なくブチ殺される…合掌。 しかし…地球にこの技術があったのならば、『ウルトラセブン』で地球に衝突しそうだったペガッサシティも生き残れたのに…と思うのでありました。 【幻覚@蛇プニョ】さん [インターネット(邦画)] 7点(2021-04-14 01:58:17) (良:1票) |
30.《ネタバレ》 期待通りではなかったです。怪獣が出てきたのには、かなりがっかりしました。まあそれはいいとしても、最後のシーンは、もろ川に模型が漬かっているとしか見えない。大きさがわかってしまう感じがしました。バンザイのシーンも、「あれはないだろう」と思いました。当時時代劇は良いものがたくさんあるのに・・・力みが感じられる映画でした。 【けん124C41】さん [ビデオ(邦画)] 4点(2010-12-12 00:56:52) (良:1票) |
《改行表示》29.《ネタバレ》 この映画、35年くらい前にテレビで観ました。子供の頃の心象だけのレビューだけど記憶違いがあってもお許しください。 ゴラスに接近した宇宙船のパイロットがなぜか心神喪失状態になっていた。煮えたぎったようなゴラスの赤茶色の表面が視覚的に催眠効果を持っていたのか、あるいは怖いけど目を逸らすことが躊躇われるくらいゴラスが美しく、魅入られて心がアッチに行ってしまったのか。子供心には分からなかった。 南極の曇天の空をバックに画面右側から「ウルトラマン」のジェットビートルが凄いスピードで進入して来て、レーザー光線を発射する。標的は「ウルトラQ」に出ていたトドラだ。このジェットビートルが「ウルトラマン」のそれより格段に機動性が良く、しかもレーザー光線が強力で、簡単にトドラをやっつけたことに驚いた。その曇天の空と力強く白色の軌跡を描くレーザーのコントラストの鮮やかだったこと! 「ウルトラQ」「ウルトラマン」が後年の作品なので、この映画がオリジナル出演ですね。良いものは何度も使う円谷プロ。 ゴラスが地球に最接近する瞬間の主役は、南極の基地の壁に掛かった時計の秒針だった。最接近の時が近づく。時計を見上げるスタッフ。地球に接近するゴラス。人事を尽くして天命を待つ。秒針が12を指す直前から、2秒、3秒と過ぎるあたりまで体を硬くして見守った。数秒という時間にあれほどの緊迫感を詰め込んだ演出は秀逸。ラストの台詞は地球の軌道を元に戻すために「さあ、これからが大変だ」って感じだったと思う。 余談だけど、これを書いていて改めて気付いたのは、忘れている部分も多いけど、覚えているシーンやカットは自分でも驚くほど鮮明に記憶している(と思い込んでいる?)こと。それってある意味、財産だと思うのです。大人の視線で見直して記憶を上書きしたくない作品ってありますよね。 もうひとつ余談。小学校の高学年だった自分は、観終わった後に3歳年上の兄に「あんなことやっても、大気圏の中で空気が対流するだけじゃないか」と言った。兄も「あっ、そうか」って言ってた。ホントのところはどうなんだろう? 【アンドレ・タカシ】さん [地上波(邦画)] 8点(2009-03-18 03:49:47) (良:1票) |
28.《ネタバレ》 皆様に可成り不評を買っている(終盤になって何の前フリも無く唐突に出現する)あの怪獣は果たして”アザラシ”なのでありましょうか??コレは飽くまで私見ですが、ひょっとしてアレは”セイウチ”なのではありますまいか。よく見ると何やら立派な牙が二本生えているような気がするのは私だけでしょうか。今後の検証が待たれるトコロです。 【へちょちょ】さん 7点(2004-10-08 20:15:07) (笑:1票) |
27.物語の舞台は1980年代初頭の日本(製作が62年だから20年後の設定)。宇宙港なる物まで整備されるほど科学の発達した未来(現在からすれば20年前)、空撮された東京タワーの周辺に高い建物が1棟も建ってないのには笑ってしまった。例えば「メトロポリス」や「禁断の惑星」を観て「古い」とは感じませんし、本作のミニチュアの崩壊映像やゴラスの様々なイメージにも古臭さはありません。しかし、60年代そのままの風俗や風景と同居するSF的科学技術、そして高度経済成長に裏打ちされた無邪気とも言える未来への超ポジティヴなイメージからは、どうしても頓珍漢な印象を受けてしまいます。政府の予算獲得の様子等、一部の設定は凝ってるのに他はおざなり。物語の背景って結構重要だと思うんですけど…、5点献上。 【sayzin】さん 5点(2004-07-22 17:34:21) (良:1票) |
《改行表示》26.《ネタバレ》 有名な作品なのでおおよそのあらすじというか、科学考証のされてなさがとんでもないところを最初から受け入れ態勢で鑑賞した なんだろう。既視感がある。というかこっちの方が先に作られた映画だが、ストーリーの骨子は黒部の太陽と同じだな。プロジェクトXなんだよ ただ、本作を有名たらしめた大仕掛けである地球公転軌道の移動はどんでん返しだと思っていたのが ほとんど序盤でそれもただの子供の、のびのびとした発想をそのまま用いたというのはいささか拍子抜けだった 「そんなことできるはずがない」という現代人と、「人間は何でも可能である」というイケイケだった昭和の人類との違いを感じる 怪獣は、海外では全カットだったそうで。円谷のお約束で無理に入れたんですってね。サービス精神で、まあいいんじゃないかな。この映画にはふさわしい。 渡世感ない池部良は初めてお目にかかったでござるよ 久保明演ずる金井さんの記憶喪失が、物語上どんな役割を持っていたのかわからなかった。恐怖のあまり?マタンゴのような怪奇的現象かしら? 【うまシネマ】さん [インターネット(邦画)] 5点(2020-08-24 01:58:23) |
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《改行表示》25.《ネタバレ》 海底軍艦と続けてHDリマスタ版で鑑賞したんですが、こちらの方がいろいろな面で古さを感じました。 製作年は1年しか違わないしこちらの方がかなり金かかってるのに… 巨大矮星の激突を避けるために「あちらを爆破ではなく地球を動かして逃げる」という斬新な設定で、いまだ世界に同じアイディアの映画を見ない…そういう意味ではすごい映画だと思います。 実は東大の先生と検討して「物理的に可能」だという確証を得てやってるのでそこまで荒唐無稽でもない…はずなんですが、やっぱ無茶ですよね。 円谷の50作記念の大作で確かに特撮のセットなどはゴジラあたりと比べても格段に金がかかっています…が、問題なのはシナリオ。 シナリオはほんとにゴミ同然でツッコミどころ満載です。 まったく必然性のない怪獣登場にまったく必然性のない記憶喪失なんていらないエピソードがちょいちょい挟まりますし、何より問題なのは、地球が巨大矮星と衝突するというのに世界中の人にほとんど危機感がない事。 シナリオ上の重要人物レベルですら、のんきにパーティするわ寝坊するわ歌うたうわで、これじゃ観てて全く危機感を感じません。 シナリオの余計な部分を削り、もっと「矮星が地球に激突に対する危機感と地球を動かすための大工事」に特化して見せるべきだったと思います。 ちなみに海底軍艦に登場する戦闘機はF86なのにこちらで登場する戦闘機は1世代新しいF102です。 国連軍という設定なので米軍しか使ってない戦闘機が出てくるわけですね。 一般的にはどうでもいい事なのですが、そういうところを気にしちゃうのがミニタリーオタクの宿命なのです。 【あばれて万歳】さん [インターネット(邦画)] 5点(2020-08-22 22:48:22) |
《改行表示》24.《ネタバレ》 企画段階で当時のSF作家がアイデアを出した、と小松左京氏が書いていたのを読んだ覚えがある。黒色矮星という言葉は実際にあるようで、劇中でも「老年期に入った太陽」と説明されており、造形物の印象と違って表面は気体(水素)という設定だったらしい。半径は地球より小さくても質量が6千倍というのは、当時の一般人の感覚からすれば意外な設定なのではないか。 こういう場合に最も現実的なのは逸らすことではないかという気がするが、劇中の人々もそのような考えではあったらしい。しかし質量が大きすぎて不可能だったため、結果的に逃げるというユニークな方法になったと見える。対策の開始から結果が出るまで時間がかかり、途中で正月が挟まるのがいい雰囲気を出していた(決戦前の小休止のような)。 特撮に関してはそれなりだが、南極の工事現場はかなり本物っぽいので感心させられる。また本邦初公開のジェットビートルが、ちゃんと怪獣を攻撃できる仕様だったのは安心した。この映画が1979~82年、「ウルトラマン」が90年代の話とすれば、これの改良型を科学特捜隊で使っていたと考えても変ではない。 政治面ではリアリティがあるともいえないが、隼号の尊い犠牲(万歳!)に応えられない政府や国民でなく、科学者主導で地球を救うというのが昔のSFらしい理想論かも知れない。偉い学者が徒然草を引いて、人間はいつの時代も目先のことに追われている、と語ったところで街の風景を映したのは「日本沈没」のような悲哀感を出していた。理系だろうが古典にも親しんでいるのは本物の知識階層である。 また宇宙省の長官(大臣でなく?)が、突然押しかけた若い連中を座らせて、ちゃんと話して聞かせたのはさすが人間が大きいと思わせる。「話せばわかる」とはこのことだ。しかしその「宇宙のパイロット」に関して、隼号はともかく鳳号はあまりにいい加減な連中なので呆れた。軍隊でないから規律が緩いのかも知れないが、今後は宇宙省も採用方法を見直した方がいいのではないか。 ほか女優陣では、ダブルヒロインの白川由美さんと水野久美さんが、冒頭で何と服を脱ぎ始めるのでドキッとしてしまう。いつも清楚な印象の白川由美さんも、この場面では女の子っぽく見えたのは和まされた。水野久美さんはお色気場面もあったりしたが(これ見よがしなので笑った)、幼馴染に見せる気安い表情が可愛いのは感激した。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 6点(2020-08-16 09:52:44) |
《改行表示》23.《ネタバレ》 極めて奇抜な発想である。「ゴラスの軌道を逸らすか or 地球が逃げるか」そりゃ確かに二択なんだけど、地球が逃げるってのはスゴい…ただ、この辺の突拍子も無い感覚は、邦画のSFならそれこそ『シン・ゴジラ』なんかも少し近しいのかも、とも思える(ゴジラに毒を飲ませて殺そうぜい、てのも、率直に中々変わってるよねえ)。 ただ本作、その非常に奇抜な作戦を遂行してゆく部分のシークエンス、これを構成する特撮シーンと人間ドラマについて、特に人間ドラマの方がかなり陳腐で、かつなーんか暢気だなあ、という感じなのがちょっと痛い(おいら宇宙のパイロット♪とか歌ってる場合じゃないでしょ、と)。ここに幾分かの(例えば政治的な)リアリティを纏わせるべくシンゴジラを見倣って「マジメ」に考えれば、人類皆兄弟、とかいう絵空事は一旦置き、米ソの水面下での暗闘、人口の半分くらいは切り捨てることも覚悟で物資をブースター建設に集中させるという非情な展開、巻き起こる反対運動、崩壊寸前になる文明社会…なんていうシリアス全開のドラマが展開されることもあり得たのではないかと(まあ、そーなってくると完全に青少年向け映画じゃなくなっちゃうケド)。 かたやの特撮部分は、その規模感やミニチュアセットの豪華なつくり込みなんかが率直に素晴らしいんだけど(ショボい怪獣はまあどーでもいいとして)、前述の人間ドラマのイマイチ感のせいで正直言って中盤から終盤までだいぶん長いことやや退屈なのだすね。最終盤はまた特撮の出来が良くてかなりスリリングに観れるけども。 結論、個人的にはそこそこ好きな作品ですけどね(気楽に観れるヤツね)。キャストも結構豪華で、ちょいちょい見た顔も出てきてお得感あるし。 【Yuki2Invy】さん [DVD(邦画)] 6点(2019-11-20 21:37:16) |
22.非科学的に思われることを真面目に作られると何とも言えない。外国のこの手の映画と較べると大人と子どもの違いのように感じるのだけど・・・。いかにも模型やぬいぐるみというのは当時のベストだから仕方ないにしても、怪獣とか記憶喪失は何とも。例によっていつものアナウンサーが出ていた。 【ESPERANZA】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2014-11-20 23:07:33) |
21.これぞ“センス・オブ・ワンダー(笑)”。この映画をどうにかして褒めようというヒトのために存在してくれているような言葉ですね、これは。まさに、なんでもアリアリ、まるで、企画段階で行ったブレイン・ストーミングのメモをそのまんま映画にしちゃったかのような、闇鍋ワールド。あの「隼号」って、宇宙船じゃなくてどう見ても潜水艦ですね。宇宙飛行士っていうより、兵隊さんですね。そういう要素も入れたかったんですね。怪獣も一匹お願いします。大災害もちょっぴりお願いします。等々等々。気合いの入ったセットに気合いの入った特撮、その割に、何だか底が思いっきり抜けてしまっているような作品です。ちょいと残念なのは……「盛り込み過ぎ」の自覚があるのか、映画を何とか段取り良く進めようとして、その結果、せっかくのハチャメチャな内容の割には意外に整然とした、理屈っぽい印象を受けてしまうところなんですけれども……。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2013-02-17 08:34:19) |
20.《ネタバレ》 何の前知識もなく見始め、最初はガメラのような子供向け映画か?と思ったら、当時としてはかなりの力作だったと思われるSF映画でした。確かに今見るとツッコミどころ満載で、特に若い宇宙飛行士たちの能天気な歌のシーンは大笑い。でも当時のスタッフの「いいもの作ろう」という気概のようなものを感じました。 【ramo】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-11-23 20:23:03) |
19.《ネタバレ》 ああなんだろう、この爽快感は!これほどまでに観終わって楽しかった映画は無いぞ!!いや、家族や友だちと一緒に観ながら、お腹を抱えて笑ったり、シーンひとつひとつにツッコミを入れることがどれほど楽しいことか。決してバカにしているわけでは無いけれど、SF映画としては先駆けのこの時代では、工事用ヘルメットをかぶって宇宙に行くのがイメージの限界だったのかな。この6年後に作られた「2001年宇宙の旅」や「猿の惑星」は、きっとこの映画が出発点だったに違いない、コンセプトが一緒の「メランコリア」はきっとこの映画を観て制作を決意したに違いない、そう思いたい私でした。 【ソフィーの洗濯物】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-11-02 19:37:12) |
《改行表示》18.《ネタバレ》 巷では珍作扱いされて愛されてる映画ですね。 すごくいいところもあるんですよ。 地球を動かすって言うアイディア、地上パートの特撮(宇宙は今見ると厳しい)。 一番いいと思ったのがゴラスは避けられてもどうしても津波は避けられなく、被害をゼロにするのではなく最小限にするっていう展開。 池辺良が最善を尽くしてる感が良く出てた。 宇宙飛行士の記憶喪失とか個人的なエピソードはいらなかったなぁ。 そんなドラマチックなわけでもないのでグダグダ感をかもし出してしまった。 まぁあのトドほどではないですけど。 ラストの妙な前向き加減は現代を生きる我々も見習わなくては。 【CBパークビュー】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-10-20 09:17:53) |
17.《ネタバレ》 私の中では“はやぶさ”と言えば、“妖星ゴラスのJX隼号”と昔から決まっています。バンザイしながらゴラスに吸い込まれて散ってゆくクルーたちは、何と日本的なことか(そういやこの映画、やたらバンザイするシーンがありますが)。古今からさまざまなSF映画が製作されたけど、ここまで壮大で大乗的な視点の大法螺話は映画史に残る偉業です。高度成長期の日本のバイタリティは、なんと地球まで動かしてしまったんですから大したものです(笑)。 南極からジェット噴射しながら地球が動く画って、稚拙な技法かもしれませんが今の眼で観ても凄い映像です。東宝特撮ミニチュアワークの粋を凝らした南極での工事シーンは見応えがあり、建設現場のミニチュアから溶接の火花が見えるように撮っているのは感心しました。 あまりに不評な唐突に怪獣が出現するシーンも、ここで登場する航空機が後に『ウルトラマン』で科学特捜隊が使用するジェットビートルの原型になっていることは評価してあげたい。 この映画で異彩を放つのは、久保明と宇宙飛行士たちの異様なまでに高いテンションと陽気さです。彼らの描き方を観ていると、旧海軍の戦闘機パイロットたちの文化をそのまま持ってきた様な印象を受けます。「宇宙飛行士は駕籠かきみたいなものよ」なんてセリフまであった気がしますが、まだ日本ではアストロノーツという職業への理解がまだ浅かったのが伺えます。当時はアメリカではジェミニ計画が進行中でしたが、『ライトスタッフ』を観れば判るように、宇宙飛行士には知力体力ともに超人的な能力が必要だと言うことは想像を超えていたんでしょうね。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-10-19 20:58:02) |
16.《ネタバレ》 本多猪四郎、円谷英二両監督によるSFパニック映画。長らくなかなか見る機会に恵まれなかった東宝特撮映画の一本だが、ようやく見ることができた。巨大隕石が地球に向かっていてこのままだと激突するかもしれないというのは「アルマゲドン」や「ディープ・インパクト」と全く同じなのだが、あれらのように隕石を破壊しにいくのではなく地球の軌道を変えてしまうという発想が素晴らしく、また荒唐無稽とも思えるその方法が説得力を持って描かれており、なかなか面白いし、その発想だけでハリウッド大作であるさっき挙げた二本にはじゅうぶん勝っていると思う。特撮のミニチュアワークもよく、今のCGでは出せないような魅力を感じることができ、まさにこれが円谷英二の特撮映画だ。脚本的には唐突な怪獣の登場(本当になんの前触れもなく登場し、あっけなく倒される。ちなみに当初は予定になかったらしい。)や、久保明がゴラスの影響で記憶喪失となる展開が中途半端に終わっている感があるなど難もなくはないが、まあ大目に見よう。出演者も東宝特撮映画常連の久保明や志村喬などに加え、主演が池部良だったり、小沢栄太郎や西村晃といった東宝特撮映画ではなじみの薄い名優も出演していて豪華である。さっき書いたように脚本的にはアレな部分も多いが、間違いなく「アルマゲドン」や「ディープ・インパクト」よりも面白かった。 【イニシャルK】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-10-18 16:26:53) |