104.《ネタバレ》 参った。大泣きである。一人のコメディアンの生涯をたどった映画。なのに笑いがいっぱいというわけでは無く、むしろ静かなたたずまいを保っている。アンディは何から何まで計算ずくで自らのエンターテイメントを創り上げていく。笑わせるよりは驚かせている印象が強かったけれど…。私生活までも人を食うような態度をとり、全ての出来事からヒントを得ようとする。始めのうちは素のアンディその人がなかなか見えてこない。だから彼がガールフレンドにプロポーズをしたあたりから涙が出てきた。センシティブな彼に触れ、なぜか泣けてきた。ラストに近づくにつれだんだん解ってくる。奇をてらったコントで人の気を惹き、心を捉える。ステージの後大勢の客にクッキーを振る舞う。やり方は変わっているが、彼の「人への愛」の表現。やることは人の気分を害していたかもしれないが、彼は人を愛し人の心のそばにいたくて仕方がないのだ。葬儀で流れるフィルムにその気持ちは溢れ、変わった芸人のひどく素直な愛のかたちに泣けて仕方がない。包容力あるコートニー・ラブと役者ジム・キャリーの好演、常に温かさを感じる監督の演出に、たった一人でスタンディング・オベーションを送った。 【のはら】さん 10点(2004-08-08 09:13:18) (良:2票) |
103.《ネタバレ》 「カウフマンを面白いと思うか」と「この映画を面白いと思うか」は、全くの別モノなのかもしれない。自分の場合、前者はNo、後者はYes。素材はイマイチだけれど上手く味付けしたなぁというのが感想(逆の事を思う人の方が多数かも?)。特に後半部分が秀逸だ。自分の孤独や苦しみを他人に理解・共感してもらえないことほど辛いことはない、と考える人は多い。特に癌なんかに侵された日には。でも、それで笑いを取ろうと考える人は、少ない。そして、取った笑いで自分も笑っちゃおうとする癌患者なんて、ほぼ皆無。こんな稀有な人間を演じるのって不可能に近いとも思えるのだけれど、キャリーの熱演の中にその光と影が見事に宿っていた。正直、カウフマンというコメディアンに対しては何の評価も出来ない。ただこの作品、他人から笑いや怒りを引き出すことを生きる糧にしている人間の、死を直視してなおそれに貪欲に突き進む姿と、その「死に方」こそが結局その人の「生き方」なのかな、と思わせる人生の幕引きの見せ方は上手い。これは殆どキャリーの好演のなせる技。それを確信させられるのが、インチキ療法中の吹っ切れ笑顔と葬儀中のミュージカル調フィルムということで、どうもこの映画、カウフマンが笑えるか笑えないかでは評価出来ない気がする。 【中山家】さん 8点(2004-03-29 09:09:47) (良:2票) |
102.《ネタバレ》 ラストがすごく良かった。人生そのものを脚色して生きてきたカウフマンの病気を家族さえも信じない、その時点ではかなりブラックだなぁと思いましたが、死んでも実はあれは演出でちゃんと別の名前で生きている、そうあったらいいのに、という映画スタッフの気持ちを映像にのせたラストが心憎い。アンディ・カウフマンというコメディアンは人を笑わせる、楽しませる、というより人がなんらかのリアクションをすることに喜びを感じる、延いてはそこに自身の存在意義を感じる人。本人は知りませんがこの映画を見るかぎりそんな印象を持ちました。そんな捉えどころの無い行動をするカウフマンを映画の主人公とするには、ある程度は感情移入のできる人物に描く必要もあるわけで、その辺りをカウフマンのまわりの人物を使ってうまく描けていたと思います。ジム・キャリーはこの時期あたりから演技の幅の広さを見せてくれますが、この作品の彼はホントにいい。 【R&A】さん 6点(2005-01-26 11:31:57) (良:1票) |
《改行表示》101.《ネタバレ》 ザッツ・ザ・芸人、、とことん貫くその心意気にいろんなおふざけも許せてしまい、終盤はカフマンが微笑むたびに涙が止まりませんでした。 素の彼の間近にいて『本当の貴方はないのよ』と包容する彼女にコートニー・ラブ、適役ではないでしょうか。勿論カフマンになりきったジム・キャリー、ジムになりきった山ちゃんは、物まねだと言わせたくないほど上手かったですね。オープニングを受けたかのようなラストにも予想していながら唸りました、、タイトルにもそっかーと納得、やられました。優しくて哀しい映画だこと、ウルル。 【かーすけ】さん 8点(2004-08-07 22:21:41) (良:1票) |
《改行表示》100.《ネタバレ》 アンディ・カフマンは果たして天才なのか、ただのお騒がせ男なのか。いずれにしても僕のような凡人と同じ次元にいない事だけは確かだ。芸の為と称してスタッフをも巻き込んで観客を惑わせ、怒らせ、笑わせる。なんと痛快な人生か。振り回された関係者は迷惑千万だろうが、どこか憎めないし、どこか哀しい。 本物のアンディの写真を見たら、ジム・キャリー演じるアンディと実に瓜二つ。ベストキャスティングだろう。彼以外に考えられないし、ジム・キャリーあってこそこの映画は成功しのではないだろうか。 ミロシュ・フォアマンの演出も手堅い。プロローグの人を食ったような「つかみ」で、どうなるのかと思わせるが、本編に入ると緩急をつけたテンポのいい演出で安心して観れる。中でもアンディの芸に反応する観客の生き生きした表情などは非常にリアリティがあり、自分も観客席に投げ込まれたような臨場感を憶えた。 今回吹替えでも観たのだが、アンディ役のおそらく山寺宏一氏だと思うが、あんたすごいよ!!!DVDでご覧になる方は是非吹替えでもどうぞ! サンキュベリマッチ 【ロイ・ニアリー】さん 8点(2004-07-27 20:26:39) (良:1票) |
99.アンディが行った「フェイク」に対する、「笑わせたい」「怒らせたい」の区別がつかないパフォーマンスに、周囲は最後まで戸惑わされ、見ていたこっちも苦笑してしまう程の世界だった。時にはおなかがよじれる程笑わせ、時には周囲の期待を平然と踏みにじるように裏切り、またある時には涙溢れ出す程感動もさせる。監督のフォアマンやジムが言っていた通り、彼の望みはただ「人々の関心を常に集めていたい」だけで、その関心が自分への怒りでも賞賛でもなんでもよかったから、あれだけ特異なパフォーマンスが出来たのではないだろうか。ただ、あまりに極端すぎるとあざとさとマンネリがかえって目立ち、誰も見向きをしなくなってしまうという皮肉な結果を彼は晩年に招いてしまっていた。劇中にもレスリングシーンがあったが、これはまさにプロレスの世界そのものではないだろうか。昔テレビのゴールデンタイムで放送していた頃から見ていたプロレスには、見ている者に対して良くも悪くも「関心」を集めることに卓越していた。しかし今のプロレスのパフォーマンスは、背後にある裏事情が悲しいかな全て見えてしまい、興味も関心もわいてこない。視聴者から見放され、末期の病床にある彼のシーンを見ながら、そんなことを考えてしまった。 【パティクル・マン】さん 10点(2003-09-29 17:04:03) (良:1票) |
《改行表示》98.もう最初の導入から映画として面白かった。 常に「人の意表を突く」「裏を突いてくる」 やってることはハチャメチャだけど、どこか憎めなさ。 最後にはじわりと来るものがある。 どこまでホントかわからないけど、実在の人ってのがすごい。 エンドロールの最後、あれは反則級ですわ 【愛野弾丸】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-01-18 00:28:40) |
97.カウフマンの芸自体は、別に面白くも何ともない。しかし、話が進んでいくうちに伝わってくるのは、この主人公は、「面白い(と自分が考える)ことをする」というその一点については、痛ましいほど誠実であるということ。ギャラよりも、華やかな番組よりも、彼が求めるのは、目の前のお客さんを笑わせて(引っかけを含む)一緒に楽しくなることであった。だから、かりに本当に周りにいたら不愉快極まりないかもしれない彼の言動も、いつしか自然に心に染み渡ってくる。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 6点(2020-10-11 01:29:07) |
《改行表示》96.オープニングクレジットから半ばくらいまではなかなか良かったですが、ドッキリがエスカレートしていくにつれて主人公が背伸びを強いられているようで痛々しく感じられてきます。実在の人物は良く知りませんが、この映画の主人公のセンスにはちょっとついていけません。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-01-18 14:41:21) |
95.実在した人物の芸風に似てるかどうかは別にどうでもいい。主人公の、観客を巻き込むパワーは凄いが、ジム・キャリーの魅力がイマイチ感じられなかった。 【noji】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-01-04 23:45:14) |
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93.《ネタバレ》 予備知識は無く実話ものと知ったのは鑑賞後でした、笑いと言うよりはネタ明かししないドッキリに近い感じですね。ヒロインを何処かで見たことあるなと思っていたらコートニーだったんですね。アンディ・カウフマンの「マイティマウス」ネタの実物動画をみてみましたが、ジムキャリーの演技そっくりですね。多少なりとも下調べして観た方が好意的に見れて楽しめるかもしれない。 【ないとれいん】さん [地上波(字幕)] 7点(2013-12-02 09:24:26) |
92.人を楽しませるのみならず人の感情を大きく揺さぶる一人のコメディアンとして、カウフマンは偉大な男なのでしょうね。 【なさんな】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-12-12 23:12:17) |
《改行表示》91.《ネタバレ》 どこまでが嘘でどこからは本音なのか、どこまでが芸でどこからは本当の自分なのか。そこで決して万人に受け入れられるタイプではないですが実在したアンディ・カウフマンというコメディアンを演じたジム・キャリーの凄さを見せてもらいました。 前半からずっと彼の芸を見せる時間が非常に長い。僕はなかなか受け入れられない芸風でこの間はしんどい時間帯でしたが、これが終盤に効いてくるんですね。一方癌が分かってからラストまでは非常に短かったですが、この間をもう少し見たかったです。しかし自身の癌までもがギャグになってしまうとはなんという皮肉でしょうか。 実は本作で一番嬉しかったのがプロレスのシーン!本作が製作された99年、僕はWWF(現WWE)を夢中になって見ていた頃なのですが、南部の帝王ことジェリー”ザ・キング”ローラーが彼の地元メンフィスのリングのシーンで登場した時はビックリ。で、実況席で実況していたのがJRこと、ジム・ロス。この団体のプロレスを見なくなって随分経ちますが、思わぬ所でのキングとJRの2人との再会が嬉しい作品でもありました。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-03-07 23:50:11) |
90.《ネタバレ》 実話の作品化って、観る方の予備知識の有る無しでかなり左右される訳で難しいですね。知識が無くても素直に「そうだったんだ」ってどれだけ思えるかなんだろうなぁ。病気を周囲に話した後をもっと丁寧に描いたのも観てみたかったです。 【ヴァルディア】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-07-23 13:32:48) |
《改行表示》89.まず何よりも米国と日本の笑いの質の違いを痛感した。 そのせいか何がしたいのか分からない場面が散見。 しかし、倫理的な側面から見ればなかなかひどいもんだけど、 笑いを何よりも優先し、人生そのもので示した男の生き様は見事。 彼が作り上げた笑いは、のちの歴史に大きな功績を残したんじゃないだろうか。 最近のテレビ番組は規制やら大人の事情やらで、 作中に見られる他の利益を度外視して笑いや視聴者の熱気のみを追求した、 メーターを振り切るような内容のものがほとんどなくなってしまっているのが残念。 ジム・キャリーの演技は素晴らしかった。器用だなぁ。 【チートイ】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-12-27 00:09:01) |
《改行表示》88.《ネタバレ》 定期的にふらっと思い出して観たくなる映画。 今回観て、フィリピンでのイカサマ治療を目撃するシーンから 葬儀へと移るシーンに、センスと作成者の強い意図を感じました。 【はんにまる】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-01-10 02:25:40) |
87.ジム・キャリーがまだ好きだった頃にほぼリアルタイムで観ました。アンディ・カウフマンの芸の酷さに衝撃を受けたのを覚えていますね。彼以外の人をあまり変人と思わなくなりました。 【色鉛筆】さん [ビデオ(字幕)] 4点(2008-11-15 21:01:46) |
86.《ネタバレ》 様々なコメディのネタにはひきつけられっぱなしでした。病気になってからの話をもうちょい丁寧に描いてもよかったかと。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-10-07 12:22:53) |
85.《ネタバレ》 ジムキャリーは完全にアンディカフマンになりきった。youtubeでアンディカフマンの動画を見たところそっくりだった。沈黙こそ笑いになると教えてもらった後のあのネタは好きです、かなりツボにはまりました。 【ネネ】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-07-31 16:31:43) |