57.《ネタバレ》 キースの憧れのアマンダには、性格最悪のセレブ彼氏がいる。
それでも何とかアプローチしようとするキースの姿を、幼なじみのワッツが複雑な思いで見つめる。
男勝りのワッツのことをキースは女性として意識していないが、ワッツは密かにキースへの思いを抱いている。
王道の学園ラブストーリー。
こういうキャラ、こういうパターンは、似たようなものを他でも何度も見た気がする。
この映画の影響を受けたものなのか、それともこの映画も影響を受けた側なのか。
パターンすぎてハナから結末なんてわかっちゃいるけど、それでもそれなりに楽しめる。
ラストがあまりにも都合よすぎるのが不満だけれど、ワッツのせつない泣き顔は良かった。
メアリー・スチュアート・マスターソンはこの当時が一番かわいい。
エリック・ストルツはマイケル・J・フォックスと顔立ちが似てるなと思っていたら、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ではマイケルに替わって主役を演じる予定だったとか。
このときの降板劇の裏話がとても興味深い。
もともと制作陣はマイケルに演じて欲しかったが、どうしてもスケジュールが合わずにエリックに白羽の矢が立って撮影も始まっていた。
全体の3分の1の撮影を終えたものの、エリックの演じるコメディシーンがどうしても制作陣のイメージと合わず、このままでは絶対失敗すると確信したゼメキス監督が主役交替をプロデューサーのスピルバーグに訴えた。
すったもんだの末にかねてからの希望だったマイケルを強引に引っ張ってくること成功してエリックを降板させたという。
費用や日程、キャスティングの再調整など莫大な負担が新たにかかっただろうに、思い切った決断をしたものだ。
でも、そのおかげであの名作が完成し、交替劇で余分にかかった費用より遥かに多くの興行利益を得た。
確かに、この映画のエリック・ストルツを見てもイケメンすぎて、ドクとのコミカルシーンが全くイメージできない。
おそらくあのポップでコミカルなやりとりではなく、もっと落ち着いたシリアスなものになっただろう。
アマンダ役のリー・トンプソンは「バック~」ではマーティの母役でうまくハマっていたけれど。