ベティ・ブルー/インテグラル<完全版>のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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ベティ・ブルー/インテグラル<完全版>

[ベティブルーインテグラルカンゼンバン]
37°2 LE MATIN L'INTEGRALE
1991年上映時間:185分
平均点:7.85 / 10(Review 33人) (点数分布表示)
ドラマラブストーリー小説の映画化エロティック
新規登録(2004-02-15)【ひのと】さん
タイトル情報更新(2023-04-26)【M・R・サイケデリコン】さん
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監督ジャン=ジャック・ベネックス
キャストベアトリス・ダル(女優)ベティ
ジャン=ユーグ・アングラード(男優)ゾルグ
ジェラール・ダルモン(男優)エディ
ヴァンサン・ランドン(男優)リシャール
脚本ジャン=ジャック・ベネックス
音楽ガブリエル・ヤレド
製作ジャン=ジャック・ベネックス
クローディー・オサール
あらすじ
浜辺のロッジに暮らしていた修理工ゾルグの元に、美しく気性の荒い女ベティが転がり込んでくる。二人は熱烈に愛しあうが、ゾルグが仕事に遅れた事から雇い主は腹を立て、認める代わりに500軒ものペンキ塗りを命じる。ゾルグは渋々受け入れるが、雇い主に服従する姿にベティは我慢ならない。さらにゾルグが書いた小説を読み、天才作家だと思い込んだベティは雇い主に反抗し、ロッジに火をつける。6年の月日を経てベネックス監督が「愛と激情の日々」に大幅に追加した大作。(185分)
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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【クチコミ・感想】

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12
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33.《ネタバレ》 これは激情の愛、とでも言おうか。お互いの体を求めて激しく、そして時には牧歌的な大草原で愛し合う。若さという最大の武器と、怖いものなど知らない彼らの深い情愛に、私は少なからず嫉妬した。ベティというキャラクターは強烈だった。物を投げる、車にペンキをぶちまける、家に火をつける、人を傷つける。この破天荒なベティという女をどうしても心底から憎めないのは、良識の範囲が人とずれているだけで、その行動に一切の損得勘定は感じられないからだろう。本能のおもむくまま、考えるより先に行動するベティ。その行動力と生き様を私は内心羨望の眼差しで観ていた。ゾルグが最後にベティに下した決断。ゾルグを行動に駆り立てたのは、「この世には、死よりも苦しいものがあるの」というベティの魂の叫びが聴こえたからと思いたい。この行為は決して許されるものではないが、ベティを世界で最も理解し、愛していた彼には、広い世界でただ一人それを行う手形を委ねられていたと思う。この行為に良いとか悪いとかの一言で審判をすることは、私には到底できない。
タケノコさん [DVD(字幕)] 8点(2013-12-07 23:33:23)(良:1票)
32.《ネタバレ》 これさ、男は理解できて見てるのかな? 正直、俺 最初は全然分からんかった。 いきなり同棲して、いきなり小説家にでっち上げて、仕事を辞め(させ)て、引っ越して、ピアノ屋になって、車を買って、土地を買って、強盗して、誘拐して、自殺を図って、殺人をする。 で、捕まりもしなければ追われもしないと。 ストーリーとしては、あまりに突飛すぎて必然性も整合性も感じないから共感もできない。 最初、ずーっと首をかしげてた。 「なんでこんなに評価が高いの?」、「なんで俺はこんなに入り込めないの?」と。 考えて考えて、そうか、これはそういう映画じゃないんだ、と気付いた。 誰もそんなもん見てないんだと。 女って生き物は、理性や効率や合理性とは別に、「自分だけの価値基準」ってものを持っていて、密かにそれを自分の命令系統のトップに置いている。 表に出やすいか出にくいかは個々人それぞれあるとしても、多かれ少なかれこんな感じだわな。 その「価値基準」ってのは、実は「定まった形」をしてないから、理解なんてできない。 男にとっては理不尽極まりないと思える行動も、女ってのは自分の中で消化できてしまう生き物なんだな。 男は「そういうもんだ」と覚悟して、まるごと受け止めて、ひっくるめて愛する。 それしかできないんだ、と。 そして、それを純粋に貫いた2人の物語がこの映画。 そういう映画なんだな。 。。。とかね、理詰めで唸ってる横で、この映画を薦めてくれた女性に「単純に純愛の映画だよ」と一言でバッサリ言い切られてしまった(笑) この果てしないほどの男女の距離感(笑) また、なるほどなぁと納得させられてしまった(笑) 女は感性で共鳴する。 男は考えて考えてやっとその深みに到達する。 深遠ですなぁ。  しかし、フランス映画って、独特の鑑賞作法みたいなのがあるんですかね? ハリウッド映画に慣らされた目で見ると凄く不親切に感じる(笑) こっちが積極的に制作者の意図を汲み取ってピントを合わせていかないと、ちんぷんかんぷんになりますわ(笑)  さて、評価。 難しいなぁ。。。 ストーリー的には3点(笑) 深みを理解してからの評価は8点。 悩みに悩んで、7点献上。  「なるほど、それがお前達の愛し方なのだな」と。 潔さやヨシ。 だが、申し訳ないが俺は違う。 俺のはもっと下賎で愚鈍で不純で軽薄だ。 けれども、それを貫かせていただく。 そう誓った俺でした。
とっすぃさん [DVD(字幕)] 7点(2005-11-29 20:47:22)(良:1票)
31.カット版を先に観ました。インテグラルではゾルグの心情がより伝わりました。ベティはまるで猫のよう。ラスト、窓から猫が一匹部屋に入ってきますね、あの猫がベティに見えました。あちらにおおかたの感想は書きましたが、やはり苦しい映画だというのは同じです。観終わったあとしばらく動けなくなってしまうのね。この作品の原題は「37°2 LE MATIN」(朝、37゜2)女性の基礎体温になりますか。最も妊娠しやすい状態、つまり女性がいちばんキレイな時、心身アツくなっている、高揚している時といってもいいですね。ベティの愛はいつも37゜2のようでした。
envyさん 9点(2004-03-25 09:33:12)(良:1票)
30.《ネタバレ》 私が観たのはこちらの完全版の方らしい。この映画は、鮮烈な画を脳裏に残し、鮮烈な傷を心に残した。あの海辺の燃えるバンガローのように、若くて美しくて、自分の愛した才能のために弾丸のように真っ直ぐ、命いっぱいに行動する激しい気性のベティ。そして、いつもいつも激しさでなく優しさでそれを返すゾルグ。海辺の町、パリ、田舎の家と場所を移しながらも二人の愛の関係は変わることはない。最後にはベティは心を無くし、空を見つめるような状態になってしまうけれど、なおもゾルグの愛は続く。ベティが羨ましかった。愛の形は人それぞれ違うものだと思うけれど、この飾らない気持ちを100%の形で伝てしまうその性格、周りを顧みることなく突っ走ってしまう行動性、それを受け止めてくれる、大切な片割れの存在。心をさらけ出して失敗し、躊躇と愛想笑いばかりが増える私には、毒のように強い彼女の純粋さが強烈に心にしみた。かなり長い時間の映画で途中抑揚の無い部分もあるが、二人の、時に大きかったり小さかったりするふれあいのシーンを最後までじっと見つめていた。ベティとゾルグと、溢れんばかりの感情を受け止め、切なくて泣けてきたのを覚えている。観てからかなり時間が経っているけれど、あの時の傷は今でも疼く。
のはらさん 9点(2004-03-25 03:05:07)(良:1票)
29.《ネタバレ》 これはゾルグとベティの愛の物語である。ゾルグの受難でもベティの破滅でもない。ゾルグはベティを受け止めたのではなく、ベティは自己崩壊を起こしたわけでもない。そんな事じゃない!ベティはゾルグを愛する事で生きた。そして、それと同様にゾルグもベティを愛する事で生きた。ベティと出会うまでのゾルグはゾルグではなかった。アドルフの回想録を書き、人生に横を向いた傍観者でしかなかった。そんな彼が、ベティを愛すことで人生に真正面からぶつかってゆく。それまで道なりだった人生は一変する。人々はみな善良で、滑稽で、愚かである。日々は退屈で、虚無に満ちている。そんな中で、ベティとの愛だけが輝いている。しかし、その至高の愛はその純粋さ故に食い荒らされ、朽ちてゆく。ベティは心を病む。3人の警官、雇い主、白皮症のボブと妻、さらにリサとエディでさえも、彼らの愛を食い荒らす愚かな人々に過ぎない。そして、ゾルグは気付く、自らもその愚かな一人に加わっていたことを。ベティの純粋さと、自らの愚かさの狭間でゾルグは悩む。ベティはあまりに純粋で、張り詰めて、二人の愛にはどんな夾雑物も許されない。この愛は内側から崩れたのではない。全ての愚かな物が二人の愛を朽ちさせたのだ。ゾルグは自らの手で、愚かな人々に汚されたベティの息を止める。しかし、決して後悔はしない。何故なら、それをベティが望んでいることを知っているから。"信じる"とは別の次元で、彼は二人の愛が永遠であり続ける事を"知っている"から。だから、彼は自らの命を絶ったりなんかしない。彼は虚無から立ち上がり、ベティに捧げる小説を書き始めることができる。ベネックス監督は愛の対極に「愚かさ」を置いた。そして、ベティは、あまりに純粋すぎた、それだけである。
feroさん 10点(2004-02-23 21:34:25)(良:1票)
28.補い合うと同時に、削り合っている。痛々しい共依存の物語。
ひのとさん 9点(2004-02-20 18:19:13)(良:1票)
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27.《ネタバレ》 個人的に近年、ロマンポルノをはじめとした古今東西の「ポルノ的」映画作品とゆーのにワリと(否、相当に)慣れ親しんでいる身であるのですが、そーすると今作ってそのジャンルにおいてはかなり高度に「よくあるヤツ」だとゆーか、セックスシーンを効果的に用いて描く映画としては内容的にも質感的にも実に普遍的な作品だ…と思うのですね。最も肝心なるこの二人ってのも率直に、破れかぶれとゆーか無軌道とゆーかもっと端的には「愚か」とゆーか(=理性的な意味での「箍が飛んでる」)、まずは実に直情的で無思考で「本能的」な人間に描かれていると思うのです。そしてそーいった二人をま~た実にごく取り繕わない(=雑然とした小汚い)リアリティしか無い世界の中に放り込んで描くコトに依って、むしろその(彼らの人生の or 映画が描くべきトコロの)「目的」、つまりその愛こそが唯、世界で一つだけの「真実」に見えてくる…とでも言いますかね。その意味では、前述どおりこーいう映画をかなり観てきた私からしても、コレほど迄にその諸々が「映り込む」のを最初から全然気にしていない映画も珍しい…と思うと同時に、だからこそコレは完全版で観なければ=コレにボカシなんか入れた日にゃあ全く以て観る価値が四分五裂してまうな…とも思うのですね(⇒そしたらも~ナニ一つ「真実」ではなくなる、と)。実に(根っこのトコロで)ポルノ的で、そしてソレが120%成功している映画だな…と思わされてしまいましたよね。  ただソレで居て今作はまた同時に、実に文学的でハイソなクオリティをも兼備している…とも思わざるには居られないのですよね(コレはもう、フランス映画だから…とだけ言っておけば足りるモノなのか、或いは「愛」を描くコトこそが最も本質的に文学的なのだ…とでも言い加えた方が好いのか)。ベアトリス・ダルというお方は、後の作品の印象からすると(若い頃は)こんなに可憐だったんだ…とも(やはり)思ってしまったのですが、ルックス的にはこの頃からも少し口元がだらしないとゆーか、ただソレは(好意的に捉えれば)野性味とゆーかまたその描くべき「人間臭さ」の凝り固まった部分にも見えてくるとゆーか、そーいった諸々の「二面性」を含めてとにかくルックス的にもキャラ的にも超・ハマり役だったと思うのですね(重ねて、後に発覚した様に、彼女が実在人物としてもごく「飛んでるヒト」だったとゆーコトも踏まえて)。ジャン=ユーグの出来も相当に出色だったと思いますが、コレは正直「彼女の映画」だ…と言った方が好い様な気もしてますね。
Yuki2Invyさん [DVD(字幕)] 9点(2023-08-11 10:14:14)
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26.収納から未開封のDVDが見つかったので鑑賞しました。 昔見たときは、自分も若かったので、二人の強烈な個性に興味を持ちましたが、今見直してみると、自分が歳を取ったせいか、人生経験を積んだせいか、こういうニートの男と、すぐキレる女を見ても、正直ウザイだけなんですよね。 私の周りにも、おかしな人間がいましたが、なるべく近づかないようにしています。 そんなおかしなカップルの物語を3時間見せられてても退屈でなりませんでした。 因みにブルーレイソフトはヘア修正版だそうですが、DVDは男のイチモツまで無修正で、修正版に怒っている人もいるみたいですが、ホント、ど~でもいい話です。
クロエさん [DVD(字幕)] 6点(2020-05-27 19:11:15)
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25.《ネタバレ》 「ベティブルー」再見。  煮え切れぬ青年が、1人の女性の愛を受け、徐々に愛に生きる男性になっていく。 欲望の愛が、純愛へと昇華していく。 しかし、事件は起きる。  期待した妊娠が陰性だったため、二人は落ち込む。 この時に、この青年の地金が強く出てきてしまう。 女装して、犯罪を犯すのである。 この青年が、ベティに会うまでにどんな人生を送ってきたかが、ほのかに匂いとれる。 そしてベティは自分の目をえぐり、精神に破たんをきたしてしまう。 そして青年は、ベティがボロボロになるのを耐えられず、殺してしまう。  これは確かに二人の純愛の部分だけを描いているので、愛の映画とは言える。 しかし、この青年のベティに会うまでが描かれていないため、観客は「愛のすさまじさ」と しか見れない演出になっている。 これで本当の愛を描いたことになるのか?  それでもベネックスが傑出した映画監督であることは間違いない。 いい映画だった。
トントさん [ビデオ(字幕)] 8点(2018-07-21 13:53:11)
24.相当にバカバカしい作品。女がイカレ過ぎて男がまともに見えるが、男もアタマおかしいし。3時間も時間の無駄でした。音楽が良いので2点献上。
SUPISUTAさん [DVD(字幕)] 2点(2017-05-06 20:36:26)
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23.《ネタバレ》 素敵な水増し。通常版の120分から一気に60分増しの180分でしたが、ベティーとゾルグのピークに達した愛情度を知っておくには 必用なシーンが多数であったと感じます。そして素敵なシーンがかなり増えていました ただ素敵なシーンが増えてる半面、悲しみの結末に至るまでのその悲しみもそれに比例して確実に増してます それは間違いありません。だからつまり、悲しさがどっと増します 通常版でさえ最後涙してた人はそのまま見ないが吉なのかもしれません。だってそうでしょう ひじょうに悲しい結末なんだから 更に悲しくなってしまうんだから。ただベティーがなぜ急にああなってしまったのか 通常版では解かり難かった部分がかなり明確になっていきます そこは見逃せない部分となっておりました。  ちなみに今回、YOU TUBE で観れました。完全版でありながらノーカット無修正版でもありました。そうです あれです つまりはゾルグの息子がぶらんぶらん。ベティーの下半身の浦島海苔がわっさわさ。そりゃモザイクがビシバシ入りまくっているよりこちらの方が潔くて開放的だし相当心地好い。フランス原語で字幕無しでしたがオリジナルを元に基本的なストーリーは分かっているので字幕無しも気になりませんでした。ただし点数上の評価としては通常版以上の評価は当然出来ない これはあくまでファンの為の後年完全版。
3737さん [インターネット(字幕)] 9点(2015-05-21 21:53:23)
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22.《ネタバレ》 以前見たのは2時間版だったか、女がおかしくなって片目を自傷したことだけは覚えていた。 今回、完全版を見てみたが、3時間は長かった。 男に共感するか、女に共感するかで印象が変わってきそう。 男に共感するとしんどい。 女性にとっては女の言動や男からの愛され方に共鳴する人が多そう。 そういう意味ではどちらかというと女性向きの映画に見えるし、実際女性に特に人気があるようだ。  生きていれば自分の思い通りにいかないこともよくある。 ある程度の我慢は社会に適応するためにもどうしても必要になる。 この女はその我慢がまったくできず、激情のままに行動してしまう。 願望と現実のギャップに苦しみ、精神を病んでコントロール不能に陥ったかのよう。 そうした女に振り回されるのは考えただけでたまらない。  ただ、この男も女に依存していた。 二人の愛情は共依存で成り立っているため、現状を客観的に認めてその関係を変えることができなかった。 途中で病院に診せるなどの方法を取らなかったために、取り返しのつかないところまでいってしまった。 最後に男が女を殺してしまったのは理解できる。 許されないことではあるが、心から愛する者が廃人となって生きるのは忍びないことだろう。  男が銀行強盗に女装で行ったのは、場違いなギャグかと感じるほどの失笑もの。 病院に女装で忍び込む前フリだろうが、それにしても違和感がありすぎ。
飛鳥さん [DVD(字幕)] 5点(2014-09-23 23:23:09)
21.《ネタバレ》 男と女が惹かれあって恋に落ちる。魂と魂をぶつけあうような情熱的で本能的な恋。男はそれで満足、「30歳で初めて生き始めた」。女と一緒に居られるなら、どんなことでも厭わない。女は男の全てだった。だが女は「透明な感性を持つ奇妙な花」だった。男の作家としての才能を認めると、男が作家デビューできるように全力で応援し、愛の結晶である子供を欲しがった。女は無垢な少女であり、同時に男を叱咤激励し、成長させる母親でもあった。だが両方共得られそうもないとわかると精神が崩壊し始めた。男は女に与えられるもの全てを与えた。花、ケーキ、車、広大な田舎の土地、果ては強盗までして島をプレゼントしようとした。女は「この世に存在しないものを求めていた」。女にとって、この世に理想は存在せず、「どこもかしこも血の海」だった。傷ついた魂は自傷に走り、遂には自分の目玉をくり貫いてしまう。ショック状態と薬の影響で、意識の戻らない状態となった女。男は「二人で旅に出よう」と声をかけ、安楽死させる。魂を開放し、男の側に留まらせるのだ。これで男はいつでも女と一緒だ。男は作家となるべく原稿を書き続ける。女の求めた夢の実現のために。◆映画のエッセンスの凝縮された秀作。“映画愛”が伝わってくる。恋愛映画というより監督の情熱を投影した「ノンストップ青春映画」。随所に構図、ライティング、カメラワークの妙がある。時に原色、時に透明感のある画面と使い分けている。場面と場面を結ぶカットが多彩で美しい。輝く夕日か朝日を背景に、船、電車、車、海岸、猫、犬など、動くものを配する美的感覚。とりわけ小汚い親父に、夕日を背景にサックス、それもテーマソングを奏でさせるセンスには脱帽した。炎の演出も秀逸。女の情熱を象徴させるべく、コテージは大炎上させる。ベットで愛し合う二人の背後で燃える大きな薪の鮮烈さ。チリ・ビーンズを煮るガスの青い炎。チリ・ビーンズは男の生活の象徴で、最初と最後に登場する。最初は一人で寂しく食べ、最後は見えない女と一緒に食べる。ユーモアたっぷりで、酔うとぶっ飛ぶピザ屋の主人、作家くずれの警察署長、おバカな警備員、色情狂の主婦、父親になったことに酔う警察官、オツムの足りないヤク売りと、変な人ばかり登場する。女装はやり過ぎと思ったが、病院に忍び込む伏線ともなっているので納得。「ヒトラー回想録」もギャグだが、笑えない。フリチンは不要。
よしのぶさん [DVD(字幕)] 9点(2013-09-12 20:24:27)
20.《ネタバレ》 私は声を大にして言いたい!このたび『ベティ・ブルー』がブルーレイで発売されたので、何の迷いもなく購入。画質は明らかにDVDよりもクリアになっており、音質も良いような気がする。ところが、あれ?ゾーグのち〇こにボカシがかかってる。確かDVDでは無修正だったような…。でも男のち〇こなんか別に見たくないから、まあいいか…。が、しかし!ノーパンのベティが大家を突き飛ばすシーンでも、彼女の股間にちょこちょことボカシが入ってる。どおゆうわけだ、これは!?『ベティ・ブルー リニューアル完全版』DVDの解説では、『完全版』の日本公開時にべネックス監督自ら映倫に抗議し、(ほぼ)無修正でDVD化が実現したという旨のことが書かれていた。当然、べネックス監修と銘打たれた今回のブルーレイも、(ほぼ)無修正で収録されているものと思っていた。ところが、蓋を開けてみれば、劇場公開時と同じボカシ入り。これではほとんど詐欺である。正直、ボカシのあるなしで映画を評価したくはないのだが、この作品にとってはかなり重要な問題であり、芸術映画とポルノを混同しているバカな映倫(と、ブルーレイの販売会社)には猛省を促したい。もちろん作品評価は10点である(よく見たらブルーレイのジャケットにちっちゃく「修正版です」と書いてあった。そういう大事なことは大きく書いておけ!)。
フライボーイさん [ブルーレイ(字幕)] 10点(2013-02-14 21:54:58)
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19.《ネタバレ》  ベティはゾルグを偶像化し、自分とゾルグの関係さえも偶像化してしまいました。  偶像化には拍車がかかり、ベティの中で理想のゾルグ、理想の恋愛、理想の未来が完成しつつあります。  しかし悲しいかな、ベティには、現実と理想のギャップを上手に修正することができません。そのギャップと直面するたびに、ベティは発狂し、錯乱し、少しずつ精神を削っていきます。  ゾルグは気づいていました。かなり早い時期から気づいていました。気付いていたからこそ、「彼女がイカレていること」を認めたくありませんでした。また、彼女と離れるのも嫌でした。なぜならゾルグもまた、ベティが描く理想に次第に夢を見るようになっていたからです。現実のベティとの生活に酔いしれていたからです。ベティという存在に依存してしまっていたからです。  早い話、ゾルグはベティさえいてくれれば後はどうなっても良いというくらい、正気ではなくなっていました。  そんなゾルグには、もはやベティの暴走を止めることはできませんでした。  ・・・・・・・と、勝手にこの映画の人物描写をしてみました。  ベティに必要なのは愛情ではなく教育です。  と、誰かに言いたいのです。  映画としてはクオリティ高いと思います。  【※注意※】この映画には過激な性描写、およびショッキングな内容が含まれております。
たきたてさん [DVD(字幕)] 8点(2012-05-22 00:13:59)
《改行表示》
18.《ネタバレ》 (2008年映画メモをもとに) とても激しい作品でした。 激しい愛の形を見ました。 この破滅的な感じがなんとも好きです。 二人の愛につき走る感じがあまりに情熱的で美しくもあります。  しかしとても耐えられません。 心がつぶれそうに痛いです。  サイコさも増してちょっと怖いですがとても悲しいです。 愛とは何なのだろう?と考えさせられるのは、この作品では愛が凶器を帯び狂気になってしまったからです。  鮮やかな色彩とスタイリッシュな映像が楽しめます。 変な人たちが沢山出てきてシュールな感じもあります。 みんな変態な人物描写が良いです。 相棒の馬面のピザ屋が面白かったです。イカしてます。 みんな楽しそうに飲んでますね。 過激でショックな作品でしたが心奪われました。  
ゴシックヘッドさん [DVD(字幕)] 8点(2012-03-01 00:49:59)
17.久しぶりに強烈な映画を見た。もはや理屈の世界ではないだろう。こういう映画はおそらく10点に近いのか、0点に近いのかどちらかだろう。その判断はできかねるので、忘れることができないくらい強烈に印象に残ったということだけで、点数を付ける。
ESPERANZAさん [DVD(字幕)] 6点(2011-07-29 16:11:15)
16.この性格の女性とは絶対いっしょに暮らせないわ。男はまだまともかと思っていたら、こっちもダメだった。共感ができない主人公たちと3時間もお付き合いするのは正直しんどかった。
きーとんさん [DVD(字幕)] 4点(2010-08-16 19:58:19)
15.《ネタバレ》 誰にだって意味もなく恋人に当り散らしたい瞬間はあるし、泣き喚きたい時もある。怒りに任せて大暴れしたいこともある。それでも、人はどうにかして我慢する。周囲の人に、或いは大切な人に嫌われるかもしれない、拒絶されるかもしれないという理性が働くから。その点、ベティは違う。理性より本能が勝り、したいようにする。脇の下には黒々と毛を生やし、裸同然の格好で動き回る。見た目は成熟しているが、中身は少女というより全くの子ども。うっすらとあらすじは知っていたので、この奔放なベティに男が耐えられなくなるという悲恋物語を予想していたが、全く逆だった。男は繊細すぎるベティを深く愛し、そして自分もその狂気に添う。何て重厚な愛の物語だろう。自分を偽るほどに飾り立て、仮面を被って対峙したところで、深く愛しあえるとは限らないのだ。理性は時に邪魔であるかもしれないとふと思った。三時間という尺だが、無駄なシーンはない。全てが愛と激情の日々の描写。たとえこの身を滅ぼすとしても、一生に一度はこの陶酔を味わってみたいと思う。おそらく忘れられないであろう一作。
よーちーさん [DVD(字幕)] 8点(2010-03-23 19:30:32)
14.《ネタバレ》 ラストシーンの猫に泪。楽曲もすばらしい。
翼ネコさん [DVD(字幕)] 10点(2009-11-17 11:23:22)
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【点数情報】

Review人数 33人
平均点数 7.85点
000.00%
100.00%
213.03%
300.00%
413.03%
513.03%
6515.15%
739.09%
8824.24%
9721.21%
10721.21%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.00点 Review2人
2 ストーリー評価 8.33点 Review3人
3 鑑賞後の後味 7.66点 Review3人
4 音楽評価 9.50点 Review2人
5 感泣評価 Review0人
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