《改行表示》192.《ネタバレ》 そういえば見てなかったかも?と思い手に取り鑑賞。 面白かった。これは小学生中学生で見てもきっとわからないだろう作品。 主人公の心情がおもしろい。27歳を迎え、田舎で過ごす主人公が、小学5年の過去の自分と重なり、自分が嫌になってるところが非常におもしろい。 同級生を汚いと思うことは悪いことだ。私はみんなとは違う。。。 でも・・・・そう思う自分が一番卑しいのではないか・・・ 27歳の自分はどうだ? 何も変わってない・・・外面はいい顔。それを見透かされている・・・。 男心が分かってないよ〜と教えてくれるのだが、分数の割り算で考えている部分が、この考えすぎな部分に繋がっている。 あと印象に残ったのが、駄々をこねて、靴履かず外出てきたら、お父さんにぶたれたところ。 最後がファンタジーすぎるのが少々残念。 【へまち】さん [DVD(邦画)] 7点(2021-07-18 22:34:15) |
191.《ネタバレ》 小学校5年生の思い出と現実が交互に展開する。構成は見事で、子供のころに握手をしてくれなかった男の子の思い出が今の自分を映し出す役割になっている。つまり、表向きは好意的なふりして、本当は心を開いていないということ。だから嫁に来ないかといわれたときに、そんなことを想定もしていなかった自分にハッとする。田舎はいいとさんざんいいながら実際に田舎で暮らすなんてことまったく考えておらず、そしてそのことを周りのみんなにも見透かされていた。そして帰りの電車で乗り換え田舎に戻る主人公を祝福する過去の自分。すごいとしかいえない。 【承太郎】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2018-12-22 17:53:55) (良:1票) |
《改行表示》190.晩夏の深夜。ふいに観たくなった“ジブリ作品”の中でもマイナーの筆頭とも言えるこの映画を、DVDで観る。 観る季節としては、とてもいいタイミングだと思う。 “マイナー”と言っても、この作品でさえ鑑賞回数の延べ数は2、3回では留まらないだろう。 だが、「良い映画」というものは、観るほどに深みが増すものだ。 そして、この作品の場合、歳を重ねたり、環境が変わるほどにその風合は大きく変わってくると思う。 詰まるところ、これまでの印象以上に素晴らしく良い映画だと思った。 27歳を迎える都会育ちのOLの心象を、小学5年生時の自分の「思い出」と共に描き出す。 時間の壁を懐古感と情感たっぷりに行き来するその描き方が、非常に巧みだ。 昔の自分を顧みるだけでなく、その心情を軸として現在と自分自身と向き合っていく様が、この映画をただの「昔懐かし映画」に留まらせていない。 小学5年生の自分、東京でOL暮らしをする自分、田舎生活を満喫する自分、様々な「自分」を見つめながら、新たな「自分」を見出していく。 この映画を初めて観たのは小学生の頃だが、その時はこの映画の持つテーマの意味合いなんて分かるはずもなかった。結果、“なんだか地味なアニメ映画”という印象が根強く残る。 でも、まあそれは仕方がない。 ある程度、観る者自身が歳を重ねないと、この映画が“物語るもの”に感情は反応しないだろう。 と、いうことを25歳になる年の夏に気づいた。 歳を重ね、思い出はあるときぽろぽろと降り落ち、自らの足元に積もっていく。 そういうものなのだと思う。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 10点(2018-11-11 23:11:12) (良:1票) |
《改行表示》189.《ネタバレ》 最初に見たのは90年代のTV放送だが、そのときは半分程度で挫折した。主に昔の微妙な記憶をほじくられるような感覚が不快だったからだが、いま見れば小学生編もけっこう楽しく、戦前生まれの父母のふるまいもそれらしく見える。なお分数の割り算に関しては、2/3のリンゴから始めるから難しいのであって、3/4のリンゴを1/4で割ることを考えればとっつきやすいと思われる。 大人編に関しては、普通の田舎の風景や事物が丁寧に描かれているのが好印象で、紅花の収穫と加工についての説明は興味深い。婆様の顔や言葉などはけっこうリアルでいいのだが、ただ柳葉敏郎は、劇中の場所とは方言の系統が違う秋田県の出身だからか現地言葉が全く様になっていない。関東でいえば神奈川県人が茨城方言を話すようなもの?で、東北などどうせどこでも全部同じだろうと思われては困る。 物語としては、個人的にはわりと素直に“都会の女性が田舎に定着するきっかけの話”として受け取れる。現地の人々にもそれを望む気持ちは当然あったろうし、駅まで迎えに行かされたのが若い男だったのもそういう素朴な思惑があってのことかも知れないが、しかし本当に実現するとも思わないのが普通の感覚でもある。この点については本家の3人にも温度差があったようだが、その中で婆様の裏表のない直言が結果的に主人公の素直な反応に結びついたということらしい。その後にぶり返した「あべくん」の記憶には偏見に起因する心理的な壁という問題が含まれていたようで、これは主人公が現地に定着する際の葛藤を先取りした形とも取れる。最後に山寺駅で折り返したのは、とりあえず婆様に今の気持ちを見せたかったからで、あとはゆっくり冬の来訪で、ということだったろう(仙台から東北新幹線を使えばその日のうちに帰れる)。ラストでは、主人公を祝福しながらも寂しげな子どもの表情が印象的だった。 当時であれば東京出身の女性が農山村に嫁入りなど正気の沙汰ではなかった気もするが、ちなみに劇中年代から30年以上経った現在の話として、うちの地元にも大学や研究機関があるせいか、関係ない場所(大都市圏など)から来て定着する若手の人々が目につくようになっている。こんなところの何がいいのかと正直思うが、田舎だ都会だということと関係ない人々が出てきているようではあるらしい。地域社会との間合いの取り方もそれぞれであり、必ずしも閉鎖空間に囚われるかのように考える必要はない。 この映画の主人公は現在もう還暦を過ぎていることになるが、仮にこの場所に定着していたとすればIターンのよき先例になって、地域社会に少しずつ変化をもたらしていたかも知れないと考えたい。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 8点(2017-01-23 23:42:06) |
《改行表示》188.《ネタバレ》 分数の割り算のエピソードが物語るように、タエ子は小学5年生のときから、あれこれと考え過ぎな性格で、ちょっと被害妄想気質のヒロイン。良く言えば、感性が鋭いといえるかな。実際、割り算には等分割と包含割の二種類の意味があるがために、分数の割り算を等分割で考えてしまってはイメージしにくいのです。ようするに、彼女の疑問は軽々しく唾棄出来る屁理屈ではなく、めちゃくちゃ良い疑問なのです。少なくとも、“ひっくり返すだけ”で分数の割り算が出来ることなんかより、百万倍の価値があるのです。そんな彼女には汲々と働いて、家路につくのを繰り返す都会暮らしは明らかに向いていないように見えます。だから、山形は彼女の心の聖域だったというわけです。“大人になるということ”は逃げる勇気を持つこと。人はなかなか変われません。ならば、変わる必要はない。環境を変えてしまえばいい。そして、心の赴くまま、素直に進めばいい。一つの立派な決断だと思います。 初恋?初キュンの嬉しさのあまり、空をすいすいと泳いで、布団に着地するシーンはアニメならではであって、その飛翔感たる思いがよく伝わってくるとっても好きなシーンです。 【うー】さん [地上波(邦画)] 5点(2015-08-26 01:40:27) (良:2票) |
187.小学生の自分に背中を押されるってのもなあ。<追記>11年ぶりに再見。20代後半の結婚適齢期の女性の自分探しの起点は小5という事になるのだろうか。男の自分の場合は仕事で忙しくて、将来不安はあるものの、過去を振り返る余裕などはなかったが。が、中年を過ぎると、いろいろと過去が押し寄せてはくる。老年になったらとんでもない事になりそうで怖い。過去の自分は他人であるが、現在の自分とつながってはいる。人生のいろんな選択があり、現在の自分がある。果たして過去の自分が現在の自分を肯否定できるのか?両者がひとつの画面に出るシーンは印象的ではある。 |
《改行表示》186.女子向けの映画だと思うが、良く出来ている。 途中ちょっとダレるものの、最後まで観て良かったと思わせる作品。 ただし、結末に対しては多少疑問は残る。話の筋がキレイすぎてそれが気になるからだと思う。実は、現実重視よりファンタジーとして作られたんだろうな、とそう考えれば納得する。 【simple】さん [地上波(邦画)] 7点(2015-08-22 14:19:15) |
《改行表示》185.27歳のホウレイ線やラストで賛否両論あるようですが個人的にはラストはこれでよかったのかなと。ファンタジーチックで、「ローズ」とは違う和風なしんみり加減もよかったです。 【HRM36】さん [DVD(邦画)] 7点(2015-03-16 11:41:47) |
184.《ネタバレ》 強烈につまらなかった映画です。主人公が勝手に一人で盛り上がって、「あの頃、こんなことあったよね?私、地味にすごかったんだよ?」って相手方無視で一方的に語っているような感じがしました。同年代の女性ならば、共感できる部分が多少はあるのでしょう。でも、そうではない大部分の人にとっては、どうでもいい演劇のエピソードみたいな、つまらない昔話を聞かされているだけに思えます。 【川本知佳】さん [ビデオ(邦画)] 1点(2014-10-03 16:48:37) |
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182.《ネタバレ》 良い意味ではなく、悪い意味で演出や描写などが全て古臭い。作り手はわざとやってるんだろうけど、自分とは合いませんでした。ひとつ、田舎の風景は人間が作った~の下りは、主人公と一緒に「なるほどねー」と気づかされました。 【Junker】さん [DVD(邦画)] 5点(2014-06-25 17:18:05) |
《改行表示》181.《ネタバレ》 「小5の私」の回想に1人称視点で付き合わされるのはキツイ。 全体的に地味なので、もっとアニメってのを活かして「小5の私」がサイケデリックに絡んできたら好みだった。そしたら全く別の話になってしまうか。 【afoijw】さん [DVD(邦画)] 4点(2014-03-11 02:12:43) |
180.子どもの頃に予想していたよりも、かなりゆるやかなペースで大人という存在に近づいていくもので、ものの考え方とか価値観とかもちろん成長して変わっていくのだけれど、小学5年生の頃には不安定ながらに自己が確立してきていて、今の自分とそんなに大差ないようにも思える。だからそのときの経験が未だにトラウマだったりする。一方で、「何であの時の自分はこうだったんだろう」と、自分のことなのに理解に苦しんだりする。そんな昔の自分が、現在の不安定な自分にまとわりつく。なかなか感慨深いと思うんですけど、皆さんの評価はきびしめですね…雰囲気もいいしちゃんと見ると結構おもしろいですよ? 【なこちん】さん [地上波(邦画)] 8点(2014-02-16 23:41:03) (良:1票) |
179.熱海や「せーり」、ひょうたん島にシケモク、最後、五年生の自分と決別してまた田舎に帰って行くタエ子の気持ち。点で繋がっていた記憶が時を経て線になる感覚が心地よく、ようやく自分にも分かる年になったんだなぁとしみじみと感じてしまいました。どこかで田舎を卑下し、綺麗ごとを並べてはその場を取り繕う人生を(五年生から)歩んできたタエ子と、それに気づかされて初めて自分に欠けていたものを埋めてくれるトシオとの出会はリアルで、とても美しく感じました。風景や心理描写が細かく、農家の苦しみもさらっと忍ばせているあたりは勉強にもなりました。 【Kの紅茶】さん [地上波(邦画)] 8点(2013-12-28 00:28:14) |
178.パイナップルに関して、初めて生の物を食べた時に後から舌が痛くなったのを思い出した。自分よりも年上世代のタエ子だが、昭和ノスタルジー大好きな私には回想シーンはなかなか楽しめた。誰にも有る懐かしい幼い頃の体験記。そういう部分が『ぽろぽろ』って事なのかな...?だけど肝心な大人のタエ子のシーンにまったく感情移入できなくてプラスマイナスでこの点。 監督の言わんとする事はわかるけれど話の構成が私には退屈だった。これなら思い出シーンだけでまとめた方が『ちびまる子ちゃん』みたいに個人的には楽しめたかもなぁ。あ、それじゃあダメか。 【movie海馬】さん [地上波(邦画)] 6点(2013-12-02 02:32:32) |
《改行表示》177.《ネタバレ》 リアルタイムで観たのは、美術と音楽くらいしか良さがわからなかった学生時代。 タエ子と同年代の頃は、結婚が女の幸せと言われているようで嫌な映画だと思った。 そしてタエ子の歳もとうに過ぎ、結婚し子どもも授かった今、改めて観てこの作品の深さがわかった気がする。 物語は最初から最後まで淡々、淡々、淡々と進む。 この冗長な話にぼんやり付き合っていると、最後の最後エンディングでぶわっと感動が押し寄せる。無駄なエピソードの羅列だと思っていたものがすべてつながっていく。 一度は座席に座ったものの、決意を秘めて立ち上がるタエ子の後ろ姿が力強くて素敵だ。アニメなのに「名演技!」と思う。 主人公の決意とは「農家の嫁(しかも年下)」という何とも平凡なもので、こんなネタで1本映画を創ってしまった高畑監督はなんとまぁ命知らずというか・・・ でも実際に女性にとって結婚とは人生で最大の決心とも言えるもので、新しい生活のために今までの自分を捨てなければいけないこともある。 本作は、まさに等身大の女性の人生の岐路を描いたものなのだ。 人は大人になっても、迷いながら成長する。 そして不安で立ち止まってしまったとき、背中を押してくれるのはきっと、今までを生きてきた自分自身。 この作品は人生の応援歌なのだと、今になって気づいた。 【denny-jo】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-05-19 19:51:22) (良:3票) |
176.《ネタバレ》 都会のOLが有機農業青年と出会う話なんだけど、その悪意のなさが、けっこう心地よかった。こういう話だと定番である「都会にウンザリしている描写」もない。子どものころの憧れのままで、田舎を思っている。ちょっと単純すぎるかと思いながら、その単純さが気持ちいいのも確かだった。おはなはんのテーマや、ひょっこりひょうたん島や、わが世代をストレートに狙っている(ただ電信柱のトクマ文庫はスポンサーへの配慮優先で時代違いだろう)。学級会も懐かしかった。廊下を走った人を委員は走っていって掴まえていいのか、というようなことを議論するの。分数の割り算、3分の2のリンゴを4分の1で割るとはどういうことか、とか学校のあれこれ。給食の時間に流れていたハンガリアン舞曲は、のちのハンガリー民謡の伏線か。OL篇の丁寧さは、ある限界にまで来てて、ここまで来たら実写と違わないじゃないか、と思ったが、アニメだからって非現実的な世界でなければならないことはなく、雨あがりのしずくや朝日の差すとこなんか、いいんだ。確信犯的な狙いか。都はるみが「ローズ」歌い出したときは、何が始まったんだ、と思っていると、昔の友だちが湧き出してきて、まあ、泣けますわな。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-05-01 09:45:44) (良:1票) |
175.《ネタバレ》 まぁ、懐かしいといえば懐かしいけど、薄味といえば薄味で、、、あんまり面白味は感じなかったかなぁ。世代的には自分らよりちょいちょい上の人達世代だろうから、あんまりグッと来なかったかも、ね?。あと、やっぱりちょっとは顔のシワ?は気になってしまいました。アニメだからそこまでしなくても、と、思ってしまった次第でゴザイマス 【Kaname】さん [ビデオ(邦画)] 2点(2012-10-31 17:47:17) |
174.あれっ。一回観たと思っていたけれど、初レビュー。。。ってことはやっぱり初見だったのか!!今井美樹と柳葉敏郎の声がお粗末。特に柳葉敏郎の声はどうにかなかなかったのかなぁ。。。小学5年生の回想シーンはとっても良かった。懐かしい昭和の日本がよく描かれていて、その上、子どもたちの心情がとても丁寧に描かれていた。子どもには子どもの事情ってものがある!というのがよく伝わってきた。それに、自分も経験あるような小学校での一コマがとても心地よく面白かった。 【kaneko】さん [インターネット(字幕)] 6点(2012-07-24 00:02:00) |
《改行表示》173.《ネタバレ》 高畑勲の最高傑作である。高畑勲のなかで最高傑作である。高畑勲の最強の一手である。 とにかく高畑勲の作品の中では最高レベルのアニメで、見所が盛りだくさんだ。ノスタルジックな昭和40年代という世界に、公開当時の若年層にはメルヘンチックに感じられる触ったことがないのに懐かしく感じられる小道具をちりばめ、トレンディドラマといわれたドラマの俳優を声優として起用して物語にプラスアルファの質を与えている。 さらに、アニメには見られないしわや陰影を付け、視覚的リアリティをますという手法には実験的な意欲とその労を惜しまない姿勢に裏付けられた実在感がある。 ちびまる子市場の裾野の広さに獰猛に食らいついたジブリのマーケティングの技術力と、バブル期の金の力が気持ち悪い絵を気持ち悪くないんだと洗脳電波をゆんゆん飛ばしてくる非常に不気味な作品だ。 それだけに拝金的側面というか、人を取り込もうとする猥雑な側面というか、ジブリの獰猛さというか、そういう暗黒面全開なのである。実は何にも考えていないし作り出しても居ないのに、技術だけでそういう風に見せるという究極の姿だ。見るべき物がたくさんある。 このどん欲な勝つためなら何でもするファイトスタイルこそが高畑勲のすごさなのだと思う。 【黒猫クック】さん [地上波(邦画)] 4点(2012-04-27 17:30:56) |