《改行表示》184.《ネタバレ》 広告代理店に勤めているかつての知り合いに久しぶりに会うと、下世話な私などはつい「芸能人にもしょっちゅう会うんでしょ」などと訊いてしまうのですが、すると若干困ったような(困ったヤツだというような)表情で、「そりゃまあ、タレントさんって、自分達にとっての“商品”だからね」という返事が返ってきて、“商品”という言い回しに一瞬ギクリとはするけれど、しかし何だか妙に納得してたりも。実際は、ある人たちの「才能」が商品なのであって、しかし「才能」は人物と不可分なので、すなわち人物ごと「商品」として扱われることになる。スポーツ選手ならその人のスポーツの才能が提供されるだろうし、音楽家なら音楽の才能、芸能人なら、ある一定時間、ある空間を盛り上げる才能が提供されるかもしれない。その才能には値段がつき、そこには無形有形の一大産業が生まれる。才能の提供者にあまりにスポットが当たるが故に、目に見えていることが全てだという大きな勘違いを消費者にしばしば与えてしまうけれど、当然ながら、実際には表舞台以外の大勢の人々が産業を動かしているのだし、またこれもいたって当然のことだけれど、表舞台で提供されるパフォーマンスは、その提供者の持つ商品としての「才能」であって、そのパフォーマンスが提供者の実像そのものではない、ということ。私生活だって、あるんです。 で、まあ、この映画では、スポーツ業界において自身のスポーツの才能を商品として提供するスポーツ選手―――の代理人、といういわば裏方さんの姿が描かれます。で、これを演じるのがトム・クルーズ。手振り身振り全開のオーバーアクトで、まったく「裏方」感ナシ。ははは。あ、これがトム・クルーズの実像と思っちゃ、いけないんだっけ・・・。 で、その相手役がレネー・ゼルウィガー。トム・クルーズに負けじと、こちらも大袈裟な表情でもって、それを迎え撃つ。この演技の応酬。誰も止めなくていいのか。いや、いいんです。いろいろウソ臭く見えちゃいますが、これも映画の華。 レネー・ゼルウィガー演じるヒロインがシングルマザーで、息子はまだ幼い上に喘息の症状があったりもして、大変そう。だけどこの息子というのがいかにも人懐っこくって、いい味出していて。トム・クルーズの腕にぶら下がってクルクル回って、こんなことされちゃったら、いくらあのトム・クルーズでも、だんだんパパの顔にもなろうというもの。 会社をクビになったおっちょこちょいのトム・クルーズ、彼がいなくなっても会社は何も変わらずこれまで通りの業務が続けられ、ただ、こちらもおっちょこちょいのレネー・ゼルウィガーだけが一緒になって道を踏み外し、トム・クルーズと新たな活動を開始する。例の息子のお陰なのか何なのか、二人の間も接近して行き。 この映画、主役二人の演技が大袈裟な分、バランスを取ろうというのか演出の上では淡泊なところもあって、劇伴の音楽は(実際に劇中で音楽が流れるシーン以外は)控えめ。二人が接近した挙句、トム・クルーズがついにプロポーズするシーンなどですら、安直に音楽で盛り上げたりはしません。 裏方が中心の物語とは言え、表舞台に立つ選手たちにも、いろいろな立場、いろいろな私生活がある訳で、ゼロからの再出発となった主人公のように、自身も這い上がろうとするアメフト選手(キューバ・グッディング・ジュニア)の物語がそこに絡んできたりもする。裏でも表でも、それぞれが成功を夢見つつ、大事な私生活も抱えていて。 トム・クルーズとレネー・ゼルウィガーが互いに視線を交わし、なにせこの二人なのでそれがいかにもウソ臭いというかウサン臭いのですが、それでも何でもこの二人がラストで間に子供を挟んで、夕日に尾を引く影を後ろに、歩いていく姿には、家族という私生活が投影されて、やっぱりしみじみとしてしまうのでした。 ところでこの映画。主人公が最初勤めていた大企業ではオフィスの窓から都会の景色が見えていて、一方、クビになって独立すると、窓からの景色ものんびりしたものとなるのですが、とにかくこの窓からの景色が、トム・クルーズの演技などよりはるかにウソ臭く見えてしまうのですが、もしかして合成映像???とか思っちゃったり。 【鱗歌】さん [インターネット(字幕)] 7点(2024-06-30 16:59:35) |
《改行表示》183.《ネタバレ》 会社をクビになって陥ったどん底から奮闘するエージェント。 それと並行して、シングルマザーとのラブストーリー。 結論から言えば、トム・クルーズらしく予想通りの大円団。 まとまってはいるが、特に新鮮味もない。 それであまり印象にも残らなかったせいか、見たこともすっかり忘れて数年後に最鑑賞。 やっと途中で以前見た映画だと気づいたけれど、詳細までは覚えておらず最後まで見てしまったところ、これが意外と良かった。 いたってシンプルで予想通りのストーリーではあるけれど、大団円に至るまでの紆余曲折がおもしろい。 全体の作りがしっかりしていて、ところどころに散りばめられたコメディ要素もセンスを感じる。 みんなが安心して楽しめるような映画。 【飛鳥】さん [DVD(吹替)] 6点(2024-06-26 11:05:16) |
182.《ネタバレ》 ビジネスでの切った張ったに期待したのでハッピーエンドにも拍子抜けでありました。 |
《改行表示》181.《ネタバレ》 こういう仕事をする人のことをスポーツエージェントというのか。 話はオーソドックスだけどこういう職種を主人公に据えた話は面白い。 恋愛要素がメインな話だったけど最後にジェリーがドロシーに会いに行くシーンが唐突な感じがした。 そんな心変わりするようなエピソードあったかな。 恋愛要素は少なくして仕事のドラマを厚くして欲しかったな。 あとジェリーが会社を追い出された時に手話のエピソードがあって パラスポーツ選手のエージェントになって逆転する話の布石だと思っていたら全然関係なかった。 あれはどういうシーンだったんだろうか。 【Dry-man】さん [インターネット(吹替)] 6点(2023-01-30 00:50:08) |
180.《ネタバレ》 今もなお外れないトムクルーズの、乗りに乗った頃の作品でしょうか、皆さんおっしゃるようにその邦題から、脂の乗り切ったトムが金とステイタスを手にするギラギラお仕事系ドラマかと思っていましたが、裏切られました、良い意味で。恋愛あり、友情あり、家族ありのハートウォーミング系ドラマでした。それまで仕事に没頭して来た彼がそこで悩むんです。その悩む姿が何とも若く微笑ましい。登場人物もみんな生き生きしていて、特にキューバグッティングJr.がとても良いです。試合中のアクシデントで生還した時は、私家族?ってくらいに胸を撫で下ろしましたし、お涙頂戴トークショー(伏線回収)もリアルに感動。小粒ながら奇跡的にドンピシャ映画というジャンルがあるなら、私にとってはまさにそれ。とは言え主演はトム様、はずれがない。 【ちゃか】さん [インターネット(字幕)] 8点(2022-08-26 18:13:13) |
179.カネよりも理想(誠実さ?)を求めて苦労するものの、最後はハッピーエンドな男女の話だが、予定調和的でイマイチ盛り上がらず。恋愛要素は余計だったかな(TV放映で30分程度カットされているせいか2人が不仲になる理由がよくわからなかった)。もっとビジネスストーリーに特化した方がよかったような。見方を変えれば仕事と家庭の両立というかバランスを問う作品でもあるんだろうが。まあ、邦題の付け方にも問題がある気もするが。 |
178.二十数年ぶりに鑑賞したのだが、本当に素晴らしい人間ドラマ。主人公は35歳。ちょうどそれまでの仕事や友達や恋愛に悩んで、そして結論を出さなければいけない年代。はじめはイケイケでノリよく挫折も知らずに生きてきた主人公が、ある日仕事への疑問をきっかけに、本当にやりたい仕事って何?、本当の友達って何?、本当に欲しい恋愛って何?、っていう疑問に真摯に向き合うようになるプロセスがものすごく丁寧に描かれていて、またトム・クルーズが悩む主人公を等身大に演じているのが素晴らしいと思った。自分が最初にこの映画を見た二十代の時、面白いと思った記憶はあるけど、でもこの映画がなにかその後の自分の人生に影響を与えているわけではなさそうだし、正直内容を理解できなかったのかもしれない。でも自分が主人公の年齢をはるかに超えて40代になった今、トム・クルーズが演じていた悩みがよくわかる。じゃあ自分がそういう30代の悩みをきっちり乗り越えて、きっちり結論を出せたのかはわからないけれど、でもなんだろう、この映画を客観的に見て、自分を振り返れるようになったんだなあと思うと、年を取ったことも悪くないなと思う。再びこの映画を見られてよかったなと素直に思った。 【ぽん太】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2020-07-26 07:51:11) (良:1票) |
《改行表示》177.スポーツ・エージェント(職業)のサクセスストーリーかな思ったら、 期待と違って恋愛モノでした。邦題の付け方に問題ありか。 最終的には観られたので、まぁよしとするかな。 ただ、どちらも尻軽なのはやや気になるところ(恋愛モノなのに) 【愛野弾丸】さん [CS・衛星(吹替)] 7点(2020-05-29 21:32:39) |
《改行表示》176.《ネタバレ》 シンプルなストーリーだけど、ちょっとだけ、愛の意味だけはちょっと複雑。 結局、結論が出たような出なかったような。 寂しくて一緒にいたい相手を愛してるっていうんでいいじゃん。 テーマとしては好きだけど、そのへんよくあるサクセスストーリーがちょっと重たくなって中だるみな感じがした。 仕事はクビになって契約先に逃げられて、そんな男についていって、 でもなんだろう、お金、困ってないよねこのひとたち・・・なんか生活に余裕を感じる。 そんなところを深刻に見せられたら別のテーマの映画になってしまうか・・・? でもだから仕事つなぎました、ってなっても 「あーそーでしょーね」感で終わってしまう。 見てる最中は引き込まれて見れるから、ちゃんとしたつくりの映画で、見て損なわけではないです。 【スズメッキの魔女】さん [CS・衛星(吹替)] 6点(2020-05-05 18:49:31) |
175.《ネタバレ》 予備知識なしで鑑賞。トム・クルーズでエージェントといったら、スパイものでドンパチやらかすのかなぁ、と勝手に思っていたら違ってた・・・ 【チェブ大王】さん [地上波(吹替)] 5点(2019-12-07 14:58:35) |
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《改行表示》174. 別に「エージェント」ってタイトルじゃなくてもよくないか、と思ってみていたのですが、やはり原題は違うのですね。 トム・クルーズはごく普通の服装でもやっぱりかっこいいということがわかりました。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-11-08 23:18:49) |
173.《ネタバレ》 まだまだ若くてかわいらしいレニー・ゼルウィガーが出演しています。トム・クルーズの映画のわりにキザでないところもよろしい。 【ゆっきー】さん [DVD(字幕)] 7点(2018-05-08 20:27:38) |
172.《ネタバレ》 もう本当に本当に本当に大好きな映画です。登場人物全員が人間味に溢れて、応援したくて、愛おしい。ちょっと嫌な奴のロッドの弟だってボブシュガーだってみんな輝いている。トムクルーズはアクションスターとして勿論最高。ただ、この映画のトムクルーズはそれを遥かに超越して本当に最高。ジェリーの様に人間臭い役こそトムクルーズのハマリ役だと思うんです。ドロシーは主要人物の中で最もオトナ。そのドロシーが、中盤のジェリーに懐くレイに見せる嬉しさと戸惑いの涙。この人が泣くシーンはどのシーンも本当に最高で、色々な辛い事を経て流している涙なので見ているこちらの心もグッと動かされます。ロッドは実は根暗なんじゃないかと勝手に思っています。心の根っこの部分をあまり外に出さない人間なんじゃないかと思うんです。だから彼が泣いてしまうシーンも本当に感動的。特にラスト近くのインタビューのシーン。僕の見てきた映画史上最も好きなシーンであり最も泣いたシーンです。嫌な事が続いて疲れてしまっている人はぜひ見てみてください。この映画は挫折を乗り越えて成功する話ではないです。人であれ物であれいつもなら素通りしてしまう様な身近な幸せに気づく事のできる映画です。そしてこの映画の真のエンドロールはアカデミー賞でのキューバグッティングJr.の授賞スピーチですよ。あそこまで見て終わりです。人生における本当に大事な映画であり死ぬまで愛し続けたい映画です。 【HIRABAYASHI】さん [ビデオ(吹替)] 10点(2018-02-14 22:02:21) (良:2票) |
《改行表示》171.これは率直に良い映画。スポーツエージェント通じて友情あり、挫折あり、恋愛あり、優しさあり。 もっと汗臭い男の友情系かと思いきや、メロドラが濃かった。 トムクルーズは言うまでも無いけどレネーの色っぽい演技力は凄い。そして初々しい。 決して美人ではないけど男心をくすぐるってああいう事をいうんだろうな。 少し残念なのがボブ・シュガーを強烈に見返して欲しかった。復讐的な主旨ではないのはわかるんだけど。 |
《改行表示》170.《ネタバレ》 安心のトム・クルーズ映画。他の方も書いているようにレネー・ゼルウィガーが超可愛い。いや実際には大して可愛くないんですが、仕草や雰囲気が素晴らしいです。残念ながら彼女はこの映画では何も賞を取っていないんですね。(彼女はアノ目つきが良かったのに、最近整形疑惑で目がパッチリしていますね・・) ベタな青春映画ですが、構成・流れ・演技が良いので変に鼻に付くこともなくサラっと楽しめます。あえてつっこむと、クビになる前と後で仕事のやり方が変わっていないので、強調していた「提案書」が無意味な象徴となってしまっています。替わりに恋愛パートがウィットな雰囲気を高めているので結果オーライといったところでしょうか。名作として有名ですが、、かなりご都合主義的なストーリーなのでそう名作とは思えませんでした。惜しい。 【アラジン2014】さん [地上波(字幕)] 5点(2017-04-09 11:37:36) |
《改行表示》169.久々にいい映画見たなぁと思いました。 レビューの数も多いし、高評価なのも頷けます。 キャメロン・クロウ監督の脂がのりきった時代の代表作です。 【クロエ】さん [CS・衛星(吹替)] 8点(2016-06-19 22:18:05) |
《改行表示》168.《ネタバレ》 こういう作品、大好きです。見直すたびに印象や評価は変わるかもしれないけど、それは高得点への変化であってほしいと自分に対して願うばかり。 仕事と恋愛、友情、ないしは男女の違いという永遠のテーマを、映画としての表現のメインを別に据えつつも、なおかつそれをおざなりにすることなく非常に上手く描いている、そういう作品です。 主人公(男)は仕事に対しては非常にハートがあるが、恋愛にはハートがない。元々仕事の繋がりだった友人(男)は、恋愛にはハートがあるが、仕事にはハートがない。ハートがないとはつまり理知的に行動するということですが、それだけでは互いに何かが不足している。それが何かを本音をぶつけ気づかせるのが友達であり、友情というものだ。 一方で、男は仕事をメインに据え、女は恋愛をメインに据え行動する。これは何も、互いが「そんなのは後回しだ」と思っているわけではなく、「でもやっぱりこれがなくては」「自分にとってはこれも大事なんだ」と思うが故の齟齬。互いが互いを尊重しているのに、どうしても生まれてしまう齟齬。 それを踏まえて本作の結論は、「君が僕を完全にする」、この一言に尽きます。自分にとっての人生、相手にとっての人生、それを誰にとっても完璧に、最高のものにするためには、仕事と恋愛、ハートと理屈、それらをどちらを優先させるかではなく、どちらも優先し、他方を自分にとってのプラスとすることで、1+1を3にも4にもできる、6:4を7:5にも8:6にも昇華できるんだよ、という、まさに「理想」を突きつける作品であるといえます。 では、そんなことどうやったらできるんだよといえば、本作で描かれたとおり、根本の根本は、「心の底から思ったよう、自分の信念を貫け」ということですね。主人公や奥さん、ロッドは皆そのように行動しています。ただし「提案書」のように、「自分にとっては完璧でも、それを絶対視しすぎるなよ」というのが前提で、要は、周りの意見にも耳を傾けろよ、ということですね。助言をくれる友人は大切。異なる価値観を教えてくれる異性は大切。う~ん、ループしますね。 最後に、トム・クルーズかっこいいですね。かっこよくて何やってもサマになってしまうのはずるいというのはさて置いて、「理知的」「野心家」「外見的にはかっこいい」が、実は寂しがり、という主人公のキャラクターを、見た目含めて雰囲気まで、見事すぎるほどに表現していたと思います。常に冷静で、それでいて妹を愛する姉さんも、全体バランス的な位置を含めて凄く良いキャラクターでした。 若干説明的な部分もありますが、ほんと、作りが上手い作品です。 【53羽の孔雀】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-12-26 05:02:45) (良:1票) |
167.私の人生を変えた映画・・・のうちの、1本。”理想”は、あくまでも”理想”、現実は、こう上手くはいかない。だけど、理想がなかったら、あるべき姿がなかったら、目指すものもなく、”理想”は、確かに、”理想”で終わってしまう。それを”現実”に出来るかどうかは、自分次第だろうと。(自分の)人生は、あるべき姿、理想への果てしないチャレンジでありたい・・・と、ゆう事に、ほとほと疲れた時に見返す作品ですw■見るのに気合いがいらないからいいです。■色んな映画を観ますけど、この映画のジェリーとドロシーのキスシーンが、私的には、歴代NO1☆■”映画ならではの劇的な”ではなく、日常感があって、これだけ素敵なキスシーンは、なかなかないかと。これもまた、”理想的”。だけど、やろうと思えば、誰にだって出来る。映画全体のコンセプトを、巧く演出しているキスシーンだと思います。大好きな作品なので、迷わず、10点献上。 【蓮】さん [DVD(吹替)] 10点(2015-04-14 11:02:43) |
《改行表示》166.分かりやすい展開で、こういうのもまさに「映画」なんだと思う。 重みは無いけど、比較的安心して観られる。気休めになる作品。 【simple】さん [CS・衛星(吹替)] 6点(2015-04-04 19:47:20) |
165.《ネタバレ》 そんなに美人ではないと思うんだけどレニー・ゼルウィガーってなんかすっごく可愛い。トムが結婚したくなる気持ちがよくわかる。婚活女子はぜひ彼女の振舞いを参考に。 【イサオマン】さん [地上波(吹替)] 5点(2014-08-13 11:17:03) |