78.《ネタバレ》 1作目に雰囲気が近いですね。
今作は、アル・パチーノ演じるウィリー・バンクに騙されて、すべてを失ったルーベンの敵討ちストーリー。
前回の借金返済のマイナススタートに比べれば、攻めの姿勢のスタートなので、最初から高揚感があります。ダニーがバンクに、『ホテルを元に戻すなら、許してやろう』なんて、超上から目線で言っちゃうわけですから、アツい。
1作目のようにあっと驚く展開はありません。
ライナスの親がFBIの真似事して助けに来てくれるのも、すでに前作で使用済み。つまり、これは前2作ですっかりファンになった人たちに、楽しんでもらうための作品なのでしょう。ですから、『前2作を鑑賞していないと、話がわからなくてあたりまえ』ってスタンスは、開き直っていて逆に清々しいです。
『ホテルの格付けを最低ランクにさせる。』『カジノで大損させる』『ダイヤを盗む』と、今までで、最も容赦のないストーリー。
とにかく完膚なきまでにこてんぱんにやっつけてくれます。
裏をかこうとしたベネディクト&トゥルアーの更に裏をかきます。
バンク、ベネディクト相手に、すべての駆け引きで常に一手先を読み、完全勝利。とにかく見ていてスカっとするし、爽快です。
高尚な展開や演出を望まなければ、十分に楽しいエンターテイメントでしょう。
ただ、あまりにもオーシャンズチームが強すぎるため、アル・パチーノが防戦一方に終始してしまうのはいささか物足りません。
オーシャンズチームが窮地に立たされるシーンが一つでも入っていれば、もっとメリハリと刺激のある作品になっていたかもしれません。
あと、ついでに言うと、ホテルの評価をぼろくそにつけられて呆然とするバンクが見たかったですね。
『ソールが実はオーシャンズチームでした』ってネタバレするだけではやや消化不良です。