1.《ネタバレ》 出版社に勤めることになった波多野京子の成長物語。京子を甘やかすことはなく、大事なところでは叱ってくれる金沢が良い。「つらい方が当たり前なんだ、こんな時代に生きてつらくない奴があるもんか。ただ誰も『壁』とか『絶望』とか、そんな大袈裟な言葉使わないだけの話だ」「君の今までの善意なんてお嬢さんの甘いヒューマニズムかもしれない。だけど、そいつをしつこくやり抜いてさえいけば、もう誰も『甘い』なんて言う奴はいやしないよ」「ギリギリのところまで追い詰められたってことが、真剣で強いものを生むんだな」。ありがちな内容ではあるが、それなりに面白かった。