《改行表示》178.《ネタバレ》 ショーン・ペンは真犯人か冤罪か、死刑判決は覆るか否か、というよくあるサスペンスかと思っていたら、神の教えとか罪の意識とか、加害者と被害者家族の魂の救済とか、けっこう重たいテーマで驚き。両論併記的な感じで、けっこう見応えがありました。 しかしこれ、もし死刑廃止とか減刑で無期懲役とかになっていたら、ショーン・ペンはあそこまで改心していたでしょうか。牢名主みたいになってニヤけながらタバコをスバスバ吸ってそう。被害者家族はそれで納得したでしょうか。死を眼前に突きつけられたからこそのラストシーンだったように思います。 かの国で死刑は減少傾向にあるようですが、その分、警官が現場で銃殺というケースが増えているような。ここに因果関係があるとすれば、それはそれで恐ろしいですね。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-10-18 23:47:56) |
《改行表示》177.《ネタバレ》 殺人事件の真相を終盤まで引っ張ったけれども結局のところ冤罪でも無いので自業自得でしょ。 死刑で仕方ない。でかたずけてしまいました。嘆願却下は当然で救えない話。 ショーンペンとスーザンの演技は確かにすばらしいが、この宗教観が強いストーリーにどう同情すればよいのか。 死刑制度の是非は討論するだけ疲れます。 |
《改行表示》176.《ネタバレ》 被害者と加害者の両方の味方になることはできない。 宗教者として突きつけられたことにシスターがどう向き合うのか。 罪を告白した後の死刑囚にも誠実に向き合い、被害者の遺族にも共に努力が必要だと言い、教会で共に祈る。 被害者遺族の憎しみを解放するために必要なのは、加害者の死か、心からの悔恨か。 死刑の是非論は今でも結論は出ないけど、死刑への向き合い方を示唆する重い一本だった。 一番印象的だったのは、被害者の若い二人と、死刑囚がオーバーラップするシーン。 ガラス越しに執行を見守る二人が現れ、森に置き去りにされた遺体を俯瞰で撮る。 そこに重なる死刑囚の十字架。 当事者にならない限り、いや、当事者になっても結論は出ないのかもしれない。 ショーン・ペン、スーザン・サランドン共に素晴らしい演技で引き込まれた。 【roadster316】さん [DVD(字幕)] 9点(2019-01-02 11:14:50) (良:1票) |
《改行表示》175.《ネタバレ》 ごめんなさい。 何か仕出かしたとき、その一言を口に出すのがどんなに難しいことか。 そして失敗が大きければ大きい程、あれの所為これの所為と言い訳を探し自分は悪くないと逃げ、ますます言い辛くなってしまう。 しかしショーン・ペン演じる死刑囚は、いよいよ自身に及ぶ死の恐怖に全身を震わせながらも、声を振り絞り、被害者遺族へ謝罪する。 善いとは言えない育ち、同じ悪事を働いておきながら死刑を免れる友人。殺人を犯すまでに行き着いてしまった環境に言い訳せず、「自分の死で少しでも安らげるなら」と償う姿に涙が止まりませんでした。 なぜこんなにも泣けるのか。心の奥に、言わなければならなかった「ごめんなさい」が積もっていたのかもしれません。(とか言いつつ別のレビューで簡単に書いちゃってますけど) 刑罰の在り方を考えさせられる素晴らしい作品でした。 【ぱいなぽ】さん [地上波(字幕)] 9点(2016-04-14 13:24:55) (良:2票) |
《改行表示》174.《ネタバレ》 死刑にまつわる映画ですが、死刑制度についての是非を伝える映画ではありませんでした。 悪ふざけの延長のように女性をレイプし、恋人ともども殺した男の罪。その男が、どれほど悔悛したとしても、無垢な命が失われた事実も、残された家族の怒りや悲しみも消えることはない。 そして男が自らの蛮行の愚かさを心から後悔し、奪った命や残された家族への償いの気持ちが本物であったとしても、代償としてその命を奪う死刑という罰。 罪を悔い、涙を流しながらシスターに許し乞うた男への罰が執行される中、男の犯した罪が重なって描かれる。 男の行為で奪われた命がある事実と、死刑によって命が奪われてゆく事実。 死刑というと受刑者側の人権、人命などの視点から論じられたり、受刑者側に同情が向きがちな映画が多いですが、この映画は、死刑さえも望んでしまうほどの悲しみや痛みの存在にも真摯に目を向けているように思います。 犯罪であれ死刑であれ、「人が、他人(法)の意志で命を奪われる」という事実に変わりはなく、「人が人の命を奪う」という事実が現実が存在し続けていることへの無常と悲しみにあふれた映画と感じました。 人が人の命を奪いさえしなければ、死刑で人の命が奪われることもなくなる。理屈は簡単なんですけどね。。。 【こっちゃん】さん [DVD(字幕)] 10点(2014-12-18 15:06:12) (良:2票) |
|
《改行表示》172.これほどまでに中立を保った作品に感服。 反対・賛成、どちらに偏った作品も作るのは簡単だと思うが、間に立って 問題提起する作品は少ないと思う。 死刑囚マシューに対して同情もできないが憎むこともできない、その作りが妙。 同情しそうになるような場面では、彼がやったことの残虐さを思い出させる回想を入れ、 観客がマシューに肩入れしすぎないように作っている。 自分がもし、死刑制度に賛成か反対かというディスカッションをさせたいなら この映画を見せるだろうなー。 見終わって、賛成と言う人も居れば反対と言う人も居るであろう、良くできた問題提起作品。 |
171.《ネタバレ》 死刑執行直前の人間の思考、行動、感情、そして周囲の人間の態度。外見的な強がりと内面の葛藤とが、登場人物それぞれの立場から絶妙なバランスで描かれている。最後まで黒か白か分からないという流れにぐっと引き込まれた。始終重い画面で進むのが見る人を選ぶ点なのかもしれないが、たまに見える安堵の表情や笑い声や笑顔が逆に際立って、深みを感じさせる。複雑な人間らしさを映し出そうと真摯に取り組んでいることが分かるのがよかった。S.サランドン演じる女。寄り添えばあらゆる人の力になれると信じてきた育ちの良いお嬢さんであった彼女が、立場に葛藤しながら真の尼僧へと近づいていく。被害者遺族からことごとく無力を思い知らされたからこそ、救いの手とは何かと考え始める。宗教が欠かせない作品ではあるが、ひとりの人間として死に向かう姿を提示した作品であったと思う。 【Gerty】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-10-10 14:19:25) |
170.《ネタバレ》 この年のアカデミー主演女優賞、本作と競合したリービング・ラスベガスのE・シューを個人的に押していたので、彼女が受賞できなかったのは残念に思っていたのですが。今頃になって本作を観てみればS・サランドン、ああーこんなに凄いことをやられてはエリザベスが負けても仕方ない。“これから殺される人間”を前にして人間としてありったけの誠実さと、先人たちが築いてきた“宗教”という知恵を携えて真正面から向き合うシスター・ヘレン。こんな難役をどうやって演じたらいいのだろう。役者というのは自らの経験値の引き出しを開けて役に臨むんだろうか。だとしたら私には到底無理だ。大きな瞳を真っ赤にして最後まで死刑囚に手を差し出すシスター。浅学にしてカトリックの教義には疎いけれど、“神の愛”たるへレンの信念がついにマシューに届いたときはS・サランドンが静かに燃えさかる炎のように見えた。青い浄化の炎。いや凄い。 【tottoko】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-04-24 17:56:44) (良:2票) |
169.死刑について考える映画。監督ティム・ロビンスは死刑廃止論者みたいだけど、被害者家族にも焦点を当て、ある程度は公平に作られているため、好感が持てる。ただし、キリスト教に馴染みが薄い日本人には少し難しいところがあるのは否めないか。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-03-28 14:49:57) |
|
《改行表示》168.重くずっしりと心に響く映画だった。被害者の側も加害者の側も偏ることなくきちんと描かれていると思う。とかく死刑廃止・存続が議論されるけど、意見を述べる前に見てほしい映画だ。ただ気になったのは、死刑廃止論者=共産党員みたいな表現があり、米国における共産党への偏見が気になった。 スーザン・サランドンは、主演女優賞に輝くだけあって大変すばらしいし、ショーン・ペンもまた少しも負けていないと思う。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-02-22 07:16:38) |
《改行表示》167.《ネタバレ》 最近「ショーシャンクの空に」を観賞してすぐ、ネットで「60代のハリウッド女優が今秋のユニクロファッションモデルに!」なんてニュースを観てスーザン・サランドンという女優さんを知りました。 と、まあ、その女優さんの代表作ということで観たのですが、完全に助演(?)のショーン・ペンに食われちゃってますよね。 死刑執行が迫るまでの彼の心境の変化がストーリーなんですが、背筋がゾーっと来ちゃうんです。時間を忘れました。でも、尼僧のヘレンとのやりとり、特に聖書の話になっちゃうとクリスチャンでもない私には突然ストップがかかってしまうんです。 以前、日本でも死刑囚と婚姻届を出した女性がいましたが、この映画でも「真実」と宣伝してるけど、どういう経緯で死刑囚と尼僧がくっついたのか、それが全く描かれてないんです。 それで死刑執行を実際に描写するんですけど、レイプして銃殺するシーンとシンクロさせた時に「この映画、一体何を言いたいんだろう」って再び我に戻っちゃったんです。 それでラスト、被害者の親族に「憎しみを無くす努力をしましょう」だって。何なの、それ?!って感じ。 原作はこの尼僧のモデルになった本人。ある意味、宗教啓蒙映画と言ってもいいのではないでしょうか? この映画でスーザン・サランドンはアカデミー主演女優賞を取ったけど、会場では「イエーイ!」とでも言って盛り上がったのでしょうか? こんな映画で主演女優賞取っても嬉しくないと思うのですが。 DVDジャケットに「感動」とか書いてあったけど、それ、嘘です。(あくまで個人的意見) 【クロエ】さん [DVD(吹替)] 4点(2011-09-12 13:12:07) |
166.《ネタバレ》 ○結果的にヘレンの置かれた状況は映画のテーマ的にはすごく面白い。しかし、なんとなく引き受けた仕事であることと、結局どうしたいのかがそこまではっきりしなかった点が残念。しかも、結局殺人はしていたというなんとも救いようのない(ある意味あるが)結末。考えさせられる点ではあるが。○思いテーマに沿った作風なので少し退屈するきらいはあった。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-05-07 10:43:01) |
165.《ネタバレ》 スーザンは結局何がしたかったか分からず、ガラス越しで2人がぶつぶつ話している印象しかない。共感できないし、退屈で重い映画だった。 【のははすひ】さん [DVD(字幕)] 4点(2011-03-27 07:51:13) |
164.《ネタバレ》 最後の家族との面会シーンが一番重い。弟のまぬけな話と対比するマシューのこの先にある重すぎる事実。ショーンペンはこういった強がりたい弱い男が適役ですね。残念だったのが、整いすぎたつけ髭のような髭。そして牢獄から処刑場まで歩く時に途中倒れこむのだが、シスターは動揺が表情ではなく顔に出てるが、残念なのがマシューの顔の色は健康そのものの感じを受ける。もっとメイクで顔色を変えるとか、髪が乱れるとかあっていいんじゃないかな。あそこの場面は臨場感を感じれなかった。 エンディングに流れるブルーススプリングスティーンの野太い声が素晴らしい。冒頭のエディヴェダー負けちゃってるよ。 【カップリ】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-12-23 12:43:52) |
163.囚人とその囚人を信じようとするシスターの物語..囚人に対する人間描写、人の奥底に秘められた“本質”に触れてしまったシスター..がリアルに描かれています..ただ、テーマとしては良いのですが、私的にそれほどの感動はなかった... 【コナンが一番】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2010-06-21 15:12:08) |
《改行表示》162.《ネタバレ》 魂の救済という重いテーマを正面から受け止めて、しかも死刑賛成派も反対派も公平に描いている非常によくできた作品。ラストも含めて無理のない素晴らしい脚本である上に、主演二人の熱演も奏功し、観客に深く考えさせる映画になっている。特に、嘘発見器を使った再調査を要望するマシューの精神状態は極めて興味深いし、ありそうな話である。凶悪な犯罪者であるマシューもただ一人の弱い人間に過ぎず、嘘でもいいから家族から良い人間と思われて死にたかったのだろう。 ただし、この映画を観ても自分の死刑に対する考え方は変わらなかった。マシューが結果的に悔い改めたのは喜ぶべきことだし、本人にとっても幸せだったろうと思うが、死刑宣告を受けないと結局彼は悔い改めることもなかったろう。とすると、死刑はやはり必要なのだと考えられる。むしろこの作品を観て、さらに死刑賛成の思いを強くした僕は製作者側からすると誤算かもしれない。 【枕流】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-06-05 23:35:48) (良:2票) |
《改行表示》161.《ネタバレ》 死刑者へ完全に感情移入させるタイプの映画と思っていたが、鑑賞してみると加害者と被害者どちらに偏ることなくフラットな目線で死刑を描いた素晴らしい映画だった。 特に最後の、震え怯えながら生々しく処刑されてしまう犯人と、「その理由」である過去の過ちの映像対比がうまい。 あそこで鑑賞者はそれぞれ死刑について、リアルに考えさせられるのだろう。 それにしても不謹慎だが、この映画のショーンペンはやたらカッコよかった。 髪型や髭、憂いの表情がよい。 彼は悪役でありながら繊細で弱い心を持つ人間がはまる。 【ワイティ】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-02-07 14:12:54) (良:1票) |
160.《ネタバレ》 自分の死を目前にしてようやく目を背け続けてきた罪を告白し、後悔と恐怖を抱いて処刑される…宗教的に言うなら最後に魂の救済がなされたのも死刑あってこそなのだから、この流れだけ見ても単純な死刑反対の映画ではない。言い換えれば死刑囚にとっての本当の罪の償いとは何なのか、が描かれているだけ。だけど重要なのはそこなんですよね。終身刑を題材にこういう映画作ってもテーマは同じだと思います。死刑そのものの是非より、社会秩序がどうのとか遺族の感情がどうのとか知りもしない外野がそういう理由で軽々しく死刑を論ずること自体野暮なのかも、とも考えさせられました。 【QUIZ】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-12-05 18:53:22) (良:1票) |
159.《ネタバレ》 罪を犯した者が法によって裁かれるのは当然です。被害者の家族の想いを考えれば…つらく苦しい心情は痛いほど伝わってきます。なぜ「シスター」がそこまでして死刑囚の心のケアをしなければならなかったのか? 宗教的なからみも大いにあるのでしょうが、全くワタシの心には理解できません。大切な我が子を殺した犯人に同情する余地は断じてありません。これが例え映画の中の話であったとしても 【Kaname】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2009-06-22 22:17:56) |