5.多くの登場人物に奥行きが感じられず、とくに肝心のヒロインが戦前松竹メロドラマの延長線上の演技で、まあ失敗作の部類に入るだろうが、ただひとりウジウジした山村聡の旦那のみ印象的である。この人はテレビではホームドラマのしっかり父さんという印象が強かったけど、映画ではけっこう暗いの専門。『宗方姉妹』はこの前年か。監督した映画も暗い。被害者意識が強くて鬱陶しさを周囲に振りまいてしまうという人、戦中は神がかったことを言ってて、今はぼんやり腑抜けという設定。家父長が身の置きどころを失ってしまった時代のお父さんを代表した俳優なのだろう。木村功がタイツ姿になるが、踊ってはくれない。岡田茉莉子は棒読み状態。チラチラと銀座が映るけど、時代を味わえるというほどではなかった。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 5点(2009-01-23 12:11:47) |
《改行表示》4.成瀬監督作品の中では、凡作の部類に入るのではないでしょうか。 1950年代の作品にしては、残念ながらパワー不足の感が否めません。 岡田茉莉子も特別好みではないので、印象が薄い。 【にじばぶ】さん [映画館(邦画)] 5点(2007-12-16 15:01:42) |
3.《ネタバレ》 戦後の成瀬作品観るのは「めし」とこれで二作目。といっても目的はこの作品で銀幕デビューしたという岡田茉莉子。まぁ初々しくてかわいいけど期待したほど印象には残らなかったなぁ。デビューにしては上出来というくらいか。ストーリーは山村聰がいるせいか「宗方姉妹」と似た印象。それでいてドラマチックなラストシーンといいかなりメロドラマしてる作品。 【バカ王子】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-06-07 23:31:49) |
2.↓「彦馬」さんのおっしゃられるとおり、岡田茉莉子と木村功のもっこりレオタード姿にしか目がいきません。昔、岡田茉莉子さんにサインを頂く機会があり、その時「舞姫以来のファンです」と言ったら、とても恥ずかしそーにしていらっしゃいました。超、キュート。 【まぶぜたろう】さん 10点(2005-02-08 01:00:04) |
1.岡田茉莉子のデビュー作。初々しい。同時代に見ていたら間違いなく彼女に熱を上げていただろうなー。成瀬演出もいろいろ効いているんでしょうが、なんだか岡田茉莉子にばかり目を奪われてしまって。さて、作品ですが、仮面夫婦(いまでも使うのかな)とその子どもたちの話。やわらかに妻娘軍vs夫息子軍との対決。私が夫婦のすれ違いを最も感じたシーンは、夫がニジンスキー(ロシアの伝説的バレエダンサー)の話をするくだり。夫が妻に熱く語っていたのに偶然に中断されてしまう。このシーンはバレエに無関心(=妻に無関心)を装いながら、やたらニジンスキーに詳しい夫の妻への底意を見るようであった。ラスト、静かに白鳥の湖を聞く夫。オデッサの愛を取り戻したのは、ジークフリートではなくこの夫だったのだ。 【彦馬】さん 6点(2004-04-02 00:24:27) |