13.《ネタバレ》 私はこれが喜八で一番好きな作品。どういう組み合わせだったのか安部公房/勅使河原宏の『おとし穴』との二本立てで名画座で見た(次の週には『下町の太陽』と『気違い部落』の二本立て見てる。名画座文化の良かったのは二本立て制度で、ついでに見たもう一本で世界がどんどん広がっていったことだ)。今思っても、喜八監督のリズム感が全開した名作ではないだろうか。ドンツク・ドンツク・ポッポーなんてたまらない。砂塚秀夫や中谷一郎など常連が生き生きしており、ミュージカル合戦にもなっていて、和ものとあちらものが対決する。とりわけ和ものの使い方が秀逸で(邦楽ミュージカルってあんまりないから)、勧進帳の「毒蛇の口を逃れたる」がバキュームカーのホースになぞらえられたりする。三百万三百万と心の声が呟いたり、ドンツク・ドンドン・ツクツクに合わせて体が起きてきたり、楽団員がみな眼帯してたり、私の趣味がカタヨッていったのに、大きく影響した作品だったなあ。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 9点(2013-11-30 09:38:07) |
12.何度か観ているが、まだなんと評するのが的確か得られていない。全部バラバラでとりとめないが同じベクトルを向いているので、破綻しないで楽しめるのだろうか。珍妙にして楽しい作品。いいようがない・・・ 【min】さん [DVD(邦画)] 9点(2013-01-04 20:37:06) |
11.《ネタバレ》 日本版「雨に唄えば」!?まさに鬼才、岡本喜八。伊藤雄之助ほか、それぞれの役者がいい味出してる。わけがわからないが、楽しめる喜劇。 【T橋.COM】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-09-04 14:08:29) |
10.奇抜である前に面白い。というか奇抜さがこの映画の中で全く破綻することなく溶け込んでいるので奇抜とも言い難い。洗練されている。勢いがある。これぞ娯楽映画。ミュージカルってリズムと役者の動きとカット割りが合ってないといけないんだけど、そんな繊細な仕事を感じさせないバカバカしさもいい。怒涛の展開はそこに音楽がなくともこの映画自体が音楽のよう。つまり時代に関係なくいつまでも楽しめる映画。これぞ娯楽映画。 【R&A】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-06-24 16:36:50) |
《改行表示》9.《ネタバレ》 自由で、シュールで、馬鹿馬鹿しいのに、何故か凄いと思わせる作品。 狂言、歌舞伎、浪曲、狂言、念仏、雅楽、ジャズまで使ってミュージカル風に仕立ててしまうセンスは、今の感覚でも斬新。時代背景を現代に変えても十分に成立しそうな脚本と演出である。 画面構成や、カメラワークも当時の白黒シネマスコープという独特の制約をむしろ利用したかのように、ストーリ展開のテンポの良さを引き立てていて、岡本監督のうまさが光っている。 黒澤監督のこだわりと方向性は違うが、岡本監督の画面とテンポへのこだわりもひしひしと感じられる。こういう軽いポップな作品は岡本監督の勝ち。 【nobo7】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-07-01 02:11:30) (良:2票) |
《改行表示》8.《ネタバレ》 冒頭、狂言(芸としての)から始まる映画なんてこの作品しかないでしょう。 すごく斬新な作品で、音楽・音響・カットの組み合わせで作り出されたギャグ は凄いです。「どんつく」「ぽっぽー」ではどうしても笑ってしまう。 でも・・・ミュージカルでこんな寒々しい気分になったのも初めてでした。 オチに飛躍が足りない・・・大名一家の行く末は決して明るくないよ。 中島哲也監督なら、どう作るだろう・・・と考えたりします。 【みみ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-01-29 21:18:45) |
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7.《ネタバレ》 こ、これは凄い、まさにカルト中のカルトだ! だいいち、能・狂言・歌舞伎・浪曲をベースにしてミュージカル仕立てのコメディを撮るなんて、発想が凄すぎます。銀行員が突然歌って踊りだすシーンには、そのあまりのバカバカしさに鳥肌が立ちました。そう、この映画様式自体からしてギャグでして、映画の文法は無視しているは、そのテイストはフリージャズを思わせます。監督も凄いけど、こんなとんでもない映画を撮らせてくれた東宝という会社もなかなか懐が深いですな。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2010-01-28 21:17:25) (良:1票) |
6.オープニングの歌舞伎の世界を思わせる何とも言い様のない、得体の知らない始まり方、相変わらず伊藤雄之助の演技の可笑しさ、そして、あまりの馬鹿ばかしさ、国家権力に立ち向かう男の姿を岡本喜八監督独自の世界観によって描かれるこの変な世界はどこを取っても岡本喜八監督ならでは!伊藤雄之助の演技がとにかく凄い。銀行でのあの変な踊り、ミュージカルシーンにおける馬鹿ばかしさ、人間なんてものはいかに馬鹿な生きものか?てこれを見るとそう思わずにはいられない。布団に寝ている妻とのやりとり、お経の場面のはちきれんほどのパワー、何ともふざけているものの、そのふざけている場面においてもどこか人間の可笑しさ、哀しさみたいなものが滲み出ているのは岡本喜八監督の他の作品にも多く見られる共通点でもある。いつの時代においても岡本喜八監督が描く人間はやっぱり変人だ!そんな変な人間の変な部分を正々堂々と描こうとしている。この映画は完全にミュジカル映画に対して喧嘩を売っていると思えてならないのだが、こんなミュージカルがあっても別に良いのでは?いずれにしてもこの変てこな世界はやはり岡本喜八ワールド!他の監督にはない。岡本喜八監督の岡本喜八監督による岡本喜八作品です。 【青観】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-03-26 07:48:21) (良:1票) |
5.自分がここ数年見た岡本喜八監督の作品といえば「日本のいちばん長い日」や「侍」をはじめ、どちらかといえば直球勝負のシリアスな作品が多かった気がするが、今回見たこの作品はいかにも喜八監督ならではという感じのシュールなミュージカルコメディー映画で何も考えずに楽しめた。冒頭の拘置所でのやりとりから引き込まれ、そこからもう喜八ワールド全開という感じ。主演の伊藤雄之助というと毎回印象に残る演技を見せる名優であるが、この映画では越路吹雪とのかけあいや、お経の太鼓の音に合わせて起き上がったり、汲み取り姿で散髪屋に入ってくるシーンなどとにかく笑える演技が多く、とにかく見ていて楽しい。銀行でのミュージカルシーンも馬鹿馬鹿しくてつい笑ってしまう。(有島一郎と桜井浩子がうたうシーンなんかはとくに印象的。)そんなバカみたいな展開の中にも権力者に対する喜八監督の怒りのようなものも感じ取れ、そういうところも喜八監督のらしいところだと思う。「日本のいちばん長い日」のような直球大シリアスな喜八作品も好きだが、喜八作品といえばやはりこういう一風変わった映画のほうが個人的には好みかもしれない。そうそう、能が取り入れられていて、伊藤雄之助が出てるからかちょっと川島雄三監督の「しとやかな獣」を思い出してしまった。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-03-25 21:07:23) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 とにかく小気味いい映画。伊藤雄之助と越路吹雪の掛け合い「どんっ。。どんどんっ。。。おいっ。。おいおいっ」。沢村いき雄の「三百万っ三百万っさーんびゃーくまんっ」心地良過ぎて何回もリフレインです。カットのテンポ、お芝居のテンポ、音楽(お経、狂言など)時折みせるシンメトリーなカメラアングル、それらがセンスよく絡み合い、全く古くささを感じない作品。万年筆爆弾、ゴルフボール爆弾、どれも、仕掛けたはいいが、自分のところに戻ってくる。。娯楽大作です、岡本喜八の映画的リズム感、無条件に楽しめました。 【ポテサラ頂戴】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-10-02 14:08:10) (良:1票) |
3.日本を代表してほしいクライムミュージカルコメディ。鳴りやまない祭囃子、狂言、お経にのせた歌と踊りのバカバカしさはここまでくると感動的。ここまでしょうもなくてひたすら軽くて楽しいエンターテイメント映画は中々お目にかかれません。ずいぶん笑わせてもらいました。落ち着きがなさすぎるのが若干難ですが、好きだなぁこういうの。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-07-07 23:28:06) (良:1票) |
《改行表示》2.《ネタバレ》 歌舞伎や浪曲、狂言などの邦楽や念仏までも取り入れた、実験作とも言える和製ミュージカル喜劇です。 ただ、奇抜な演出のインパクトは強烈なんですけど、なんかそれだけというか、全体的にはそれ程面白くなかったというのが正直な感想ですね・・・・。 【TM】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-02-26 18:20:53) |
《改行表示》1.今じゃ、こんな内容のコメディー映画は作れるのだろうか。戦後、市長の選挙にヤクザの親分が立候補したり、警察が山口組に武器を渡して暴れている朝鮮人なんかを退治してもらってたのが当たり前の頃のお話です。 能ミュージカルっていいですね!こんな映画、もっと観たいな。 【シュンペーター】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-05-29 23:08:08) |