6.《ネタバレ》 この作品は子供の頃に映画館で見て、とても面白いと感じた。
その後、海外ドラマの法廷物に嵌っていくことになる僕の原点とも言える作品。
とりあえず話は重い。
見てるだけでこっちが鬱になりそう。
けど、面白い。
ストーリー的にまず斬新なのが、法廷物なのに有罪・無罪を争うわけじゃない出発点にある。
被告に責任能力があるかどうかを問う予審が舞台となっているのだけど、心身喪失による無罪という主張ではなくて、自分は正常だから正式な裁判をしてくれって言うんだから頭がおかしいとしか言い様がない。
何しろ殺人罪だからね。
正常な人なら心身喪失で無罪を選ぶでしょ。
そこから先はどうやって正常の証明をするのかとか、弁護士にも話せない暗い過去とか、法廷物らしい展開が待ってる。
登場人物たちの苦悩や葛藤が痛々しいほど伝わってくるし、社会問題として考えさせられる深味もあるし、ラストシーンの皮肉っぽい感じも痛快で大好きです。
因みに当時はタイトルの意味がわからず、ナッツって誰???という疑問を持ったものです。
あと、このサイトのお蔭で戯曲の映画化だったことを知ったけど、確かにこれは舞台劇らしい作品だなぁって納得しました。