《改行表示》70.《ネタバレ》 注意。超ネタバレ。 この映画は、真夏の暑い夜、野外上映会(俺が子どもの頃には夏休みの一日、たいていそういう日があった)で観たかった。今は夏だが、エアコンの利いた部屋で観た。格好悪い俺(この格好悪さは、三里塚のドキュメンタリーをDVDボックスで買うプチブルっぷりと共通している)。 ラスト付近。 刑事が犯人を捕まえた後。二人ともへとへとになって倒れ込んでいるところ、朝の通学なのか、子供たちの歌声が聞こえる。姿は見えない。 画は花や虫のアップだ。スゲー(これじゃあ黒澤が歴史にその名を刻んだのも無理はない) 犯人は泣き始める。 その言い知れぬ後悔は俺にも伝わってくる。 「ぼくたちはかがやく陽射しを目指すべきではなかったのか」 <- ここは一種のなぞかけになっている。ほとんどの人はわからないはずだ。 妙に大いなる勇者を思い出させる映画だった(が、もちろんこっちのほうが早い。内容も全然違う)。 【おら、はじめちゃん】さん [DVD(字幕)] 8点(2022-07-07 02:55:10) |
《改行表示》69.《ネタバレ》 ラスト、犯人を追い詰めるシーンはとても緊迫感があり秀逸。 だがそこまでの展開がだるすぎた。 あと、三船敏郎と志村喬のコンビも見飽きてきた。 片方でも綺麗な女優さんなら飽きないのだが。 【にじばぶ】さん [DVD(邦画)] 5点(2020-10-24 23:37:36) |
《改行表示》68.《ネタバレ》 イイですよね~ 新米刑事とベテラン刑事の仕事の違いで前半、観せるんですよね。 そして後半、一緒に犯人を追いつめていく。 ところが、ベテランの方が凶弾に倒れる。(亡くならないですけど・・) そして、新米刑事が自分の拳銃に最後、銃口を向けられる。 もうこんな筋書き、完璧すぎでしょ! 黒澤明は本当に凄すぎ! 【トント】さん [DVD(邦画)] 9点(2020-05-10 23:37:40) |
67.《ネタバレ》 スタイリッシュ、ドキュメンタリー的な映像。そして、バディムービーのテンポの良さ。ファーストシーンの犬のアップが可愛いすぎるののみ難点。 【にけ】さん [映画館(邦画)] 7点(2019-01-18 07:29:04) |
《改行表示》66.《ネタバレ》 銃をすられた新米刑事が先輩刑事と共に銃の行方を追う。 やがて奪われた銃を使った犯罪が次々に起こる。といった話。 有名な黒澤映画ですね。 黒澤明監督はめちゃ怖い人だったそうで現場の緊張感やら あと絵面から出る雰囲気を計算したりちょっとしたところで演出をしたり こだわりにこだわりぬいた作品を作る人だったとのこと。 そうした目で見ると見方も変わるんじゃないでしょうか。 あと映像はすごいです。 終戦4年目で作られたので映像がCGじゃなくて本物。 こんなところで生活しろ言われてもできそうにありませんねー。 【Dry-man】さん [DVD(邦画)] 6点(2016-11-13 13:00:24) |
《改行表示》65.《ネタバレ》 ファーストシーンが最高にキマッてる映画は大抵傑作が多いが、この「野良犬」もそうだ。 オープニングの漆黒の犬! そこからまずインパクトがデカい。 ワクワクするね。 若い刑事が失態やらかしてそれを死にもの狂いで追っていく映画。 軍人だった三船にピッタリの役回りだ。 復員兵姿で闇市に潜入する場面なんか凄い様になってる。 若さと責任感に溢れる主人公だが、焦って間違いをおかしかねない危ない場面が続く。 真っ白白のスーツが印象的だ。 後編から現れるベテラン志村喬の刑事。 歴戦の勇士という感じで渋くてカッコイイ。 志村と共に事件を追っていく主人公。スーツも板に付いてきた。 そして犯人との一騎打ち。 仇の犯人を泥にまみれても捕らえる! その執念の様! スーツが黒く染まる姿が最高にカッコイイ! やっと新人刑事に「色」が付いて成長したわけだ。 新人刑事の悩みや犯人たちの苦悩。 戦争が犯罪も産んだ。 そんな様子が力強く描写されている。 【すかあふえいす】さん [DVD(邦画)] 9点(2014-12-17 07:08:35) |
64.《ネタバレ》 戦後4年後の映画 リアルな闇市の景色や当時の風俗や町並みや電車、なによりも今は存在しない東京の田野が描かれていて興味深い 道路等まだアスファルトなど無くすべて土の道 警察は刑事の拳銃が盗まれたというのに危機感なくいたってのんびり しょうがないなぁ、はははって感じ 次々に盗まれた拳銃が使われてとうとう死人が出るが 責任を感じて悩む主人公に対して君のせいじゃないみたいな事を言う ほんとに悠長だな お前のせいに決まってるだろ(笑) 捜査もいたってのんびり 時代を感じる 拳銃など実際に撃つシーンは本物じゃないみたいだが鑑識で弾道検査に使った銃はたぶん本物だ 拳銃がリコイルしてバレルがロックした 鍵をにぎる踊り子(淡路恵子)が黙っているために次々に被害者が出るがだれもそれを責めなくて バカな踊り子は世間が悪いみたいなことを言ってイライラさせる お前が黙ってるからだろ!と何度も思った 野良犬というタイトルは犯人のことだろうけどいまいちピンとこなかった 踊り子達のラインダンスは見物 なんかイイ プロ野球は完全な満員、当時の人気を物語る 見所は当時の風俗や時代そのもの、それだけで充分な作品だ 【にょろぞう】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2013-12-20 22:52:13) |
《改行表示》63.《ネタバレ》 前半は単純に面白いサスペンスが続き、この刑事サスペンスの手際の良さからして驚愕の出来なのですが、後半に進むに従って「人間は何故悪に染まるのか?悪とはなにか?」という人間にとって根源的なテーマに突き進んでいく展開が素晴らしいです。そしてベテラン刑事、佐藤の家で呑んだ帰りがけ、「どんな人間でも悪に染まる恐れはある」と議論した後に映る、無垢な子どもたちの寝姿のカットの良さよ。数々のカットが物語のテーマを象徴し、観客に「君はどう思う?」と質問を突きつけて来る。実に映画的な魅力に溢れた作品だったと思います。 近年の映画は恐らく『ダークナイト』の影響でしょうが、絶対悪との戦いを通して善と悪を描いた作品が多くなっていますが(勿論、それも描くに値するテーマです)、本作の様に一義的な善悪の話に収まらない話も素晴らしいと思います。その象徴として段々と狂犬じみた相貌に変わっていく正義感・責任感溢れる村上刑事と、最後に子どもの歌を聞いて泣き崩れる遊佐の関係がある。最後の佐藤刑事の物語の締め方も実に良かった。 またホテルで佐藤刑事が遊佐に撃たれる場面ではバックにラジオから流麗な音楽が流れますが、こういうバイオレンス描写と美しいBGMを合わせるという手法も恐らくその後の映画に多大な影響を与えているんだと思います。私がパッと思い出すのは『時計じかけのオレンジ』『フェイス・オフ』『ドラゴンタトゥーの女』等ですが、そういう点でも大変映画史にとって重要な作品だと思います。 【民朗】さん [DVD(邦画)] 9点(2013-07-27 11:10:08) |
62.《ネタバレ》 この時代にこの完成度、独創性はすごい。その後真似され続けるというのは、いかに認められ、愛されているのか再認識した。 【min】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-01-22 20:27:38) |
《改行表示》61.当時としては斬新なアイデアだったかもしれないけど、今となっては、古臭いだけのような気がする。 ようするに、この後、いろいろな映画やドラマで参考にされたというんんでしょうね。 スピルバーグの「激突」でも同じようなシチュエーションが使われているのを知りました。 【クロエ】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-01-07 22:19:40) |
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60.邦画ですが、確かに字幕で観たかったなぁ。声が篭って聞き取り辛かった。DVDだとついてるみたいですね。戦後直後の骨太刑事物。文化や風俗が当たり前ながら本格的描写。うだる様な汗、映像からでも蚊が出てきそうな暑い雰囲気。三船さんがまだまだ初々しいし、超イケメン!ラスト近くで淡路さんと洗面所で会った時の哀しい上目遣いの表情がカッコよ過ぎ!しかし、エンターテイメントに慣れていない当時なら最後まで飽きずに見れたでしょうが、現代に初めて観ると少々焦れったいシーンが有るかなぁ…。でも観て損はしませんでした。 【movie海馬】さん [地上波(邦画)] 6点(2012-08-29 01:09:04) |
《改行表示》59.猪突猛進型の新米刑事に沈着冷静なベテラン刑事と、今ではオーソドックスな設定ながらも、 黒澤監督らしい、リアルでディテールの深い描写が緊張感を持続させてくれる。 新米刑事の苦悩を中心に描いたストーリー展開も悪くはないのだが、彼の人間臭さが、 変な人情シーンやシナリオの粗さをちょっと目立たせてしまったという印象。 それらを差し引いても、娯楽作としては十分楽しめる作品だった。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 5点(2012-08-11 13:26:24) |
《改行表示》58.まず、作品として単純に素直に面白い。 最初から最後まで全然だれないし、飽きない。 次に、終戦直後の風俗や雰囲気が興味深い。 終戦4年後のリアル東京。 正直言って、実はつまらないのではないかと先入観を持っていたんだけど いい意味で裏切られました。さすが世界の黒沢監督です。 【ひであき】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-08-02 10:49:47) |
57.終戦直後の雰囲気がよく書けているし、なんだか作品の中の暑さや匂いが画面からにじみ出てきそうな迫力が良い。 【ashigara】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-07-09 21:07:13) |
56.《ネタバレ》 昭和23年。終戦から3年。その世相がとてもよく分かる。通帳と呼んでいたものは食料の配給を受ける資格の証書でしたね。クーラーなど無い時代の夏は暑い暑い。湿気もムンムン。団扇や扇子がやたらパタパタと忙しなく、暑さを助長する。それに三船のギラギラした暑苦しさを被せるものだから、湿度120%くらいの作品です。ギラギラという形容がこんなにシックリ来るのは夏の太陽と三船くらいでしょう。遊佐という犯人を映さずに犯人に迫ってゆく手法を採っていました。犯人がつまらないチンピラでも、この手法によって人的背景が浮き彫りにされて行く。「世相が分かる」のもこの撮り方に依るところが大きく、ただの犯人探しではなく犯罪が起こった社会背景を意識させる。これで犯人像をもっと複雑にしたものが後の宮部みゆきの「火車」などだったりする。このサイトのマニアックランキングで検索すると、本作より古い邦画刑事ものはありませんでした。洋画を入れても3本だけ。それを考えると、当時はかなり画期的な映画だったのではないだろうか。その後の刑事ものに多く見られる年配刑事とのコンビ描写などの起源は本作にあったということです。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-12-16 00:10:39) |
《改行表示》55.長嶋、王ではなく、4番ファースト川上の時代に刑事ドラマの基本はもう完成していたわけだ…。当時の東京やそこに生きる人々の暮らしぶりが見て取れて少しお得な気分だし、菊千代や三十郎とは異なる若かったからこその三船の魅力も新発見できた。 【リーム555】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-08-11 18:54:31) |
54.《ネタバレ》 プロ野球の試合がジャイアンツ-ホークス戦。1リーグ時代でピッチャーは腕をグルグル回してから投げてたりして時代を感じさせます。志村喬がいかにもベテランの刑事役を好演しており、いいセリフが多々出てきます。「コルトがなけりゃブロー二ングでやってたさ」、「犯人が金を使い果たした時何がおこる?、また押し入る。野良犬が狂犬になるんだ」、「1匹の狼のために傷つくたくさんの羊を忘れちゃいかん」、「何ですか、あの人」「狂犬さ」・・・古典にしてすでに完成された刑事ドラマの傑作。 【きーとん】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-08-09 00:19:26) |
《改行表示》53.《ネタバレ》 ジメジメと蒸し暑くて重苦しい設定が、白黒のコントラストと画面構成でいやというほど表現されていて、それが引き込まれる魅力になってしまう映画。 感覚的に、登場人物全員「野良犬」という言葉がぴったりだ、と思わせる描写はさすがである。 刑事物としては、それほど練りこまれた脚本ではないのだが、場面展開、画面の作り方、見せ方、役者の個性で、映画を見た!っていう満足感はしっかり味わえる。この後に出てくる世界に名を馳せる名作の、クロサワエッセンスが、まだ研ぎ澄まされないままでこってり入ってる感じ。 同じクロサワ刑事物でも「天国と地獄」の方がエンタテインメント性では絶対にお勧めではあるが、映画としてのテーマ性、芸術性と戦後3-4年しか経っていない日本の雰囲気がよくわかるという歴史的価値でトータルでは負けていないかもしれない。 【nobo7】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-07-01 01:49:25) |
《改行表示》52.《ネタバレ》 とても印象的なシーンが多い作品である。戦後まもない東京。真夏である。冒頭の街の喧騒。闇市。警察署内の整頓された書類室。繁華街の片隅の寂れた様子。ダンスショーの楽屋。安ホテルの電話ボックス。郊外の田園風景。 真夏の暑さに茹だり、汗にまみれ、砂埃りが舞う。空気はジメジメとし、太陽はギラギラと照る。今とは違うであろう都会の匂い。そんなすえた匂いが画面から漂う。そして、雷雨である。雨に濡れ、その匂いを感じる。 僕が好きなのは、刑事役の志村喬と三船敏郎が仕事帰りに志村の自宅でビールを飲むシーンである。郊外の一軒家。開け放たれた縁側から夏の夜風が涼やかに吹き込む。そこで交わされる会話。最近の若い者は、、、アプレゲール!云々。戦後派の三船と戦前派の志村。でも志村の子供はまだ幼い。勤続20数年だから、まだ40代か。思いのほか、志村喬は若かったのか。。。 プロ野球の観戦シーン(巨人vs南海)は結構貴重なんだろうなと思う。ジャイアンツの青田、藤本、そして川上が打つ。選手たちの一挙手一投足に超満員の観客がわく。彼らはそれぞれに立ち上がり、喝采し、座る。鳴り物なんてない素朴な応援風景。テレビがない時代だから、観客は選手のプレイにとても素直に感動しているように見える。選手たちも自由気ままでとても楽しそう。 そして、最後のシーン。犯人役の木村功を追い詰める三船敏郎。緑の中を駆け回る。白黒の画面に、色のない映像に、目くるめく極彩色の光景が浮かび上がるよう。平穏なピアノ音の中で、静寂の中で、犯人の慟哭。 戦後という時代。復員者たちは、南方や北方の異国で戦争を戦い、多くの戦死者、餓死者を間近にし、幾多の犠牲の中で帰国する。また国内でも多くの人々が空襲の下で辛苦を味わい、銃後の混乱の中で、国民全体が敗戦を受入れた。そういう時代からたった4年後の物語である。そこにある物語は常に戦後の日本という時代を背景にせざるを得ない。そして、それは現在の僕らに響く。僕らは今でも戦後を出発点として連続した時代を生きているから。その原風景がこの映画に描かれており、だからこそそれが僕らに響くのである。 まだ「戦後」と呼ばれた時代風景の中で、その風景そのものが物語を綴っているような、それが現代の出発点だからこそ、僕らに響いてくる。その時代の貴重な空気、色、光と影、音や匂いが、ある種の思想として、そこにはあるのだ。 【onomichi】さん [DVD(邦画)] 9点(2010-05-13 00:33:46) |
《改行表示》51.《ネタバレ》 ジメジメとした都会の暑さ、汚さが画面から伝わってくる。 正義感に溢れた新米刑事とベテラン刑事に三船・志村が見事にハマっている。 特に志村喬はモーガン・フリーマンに見えて来ました(笑)。 犯人役は何気に七人の侍のあの優男、岡本勝四郎の役者さんだったんですね。 悲痛な叫び、素晴らしい演技でした。 後半にかけて熱を帯びていく展開も良いです。 【おーる】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-02-06 18:13:10) |