7.《ネタバレ》 正直に告白すると、私はロバート・ダウニーJrが嫌いです。売れる前から嫌いでしたが今見てもやっぱり嫌いです。物語として原作の説明をする必要がないくらい有名な元ネタですが、本作は動物と話せること以外は原作に忠実じゃなかったりします。動物、恋、姫、新しい仲間、航海、侵入、戦い、和解、謎解き・・ およそディズニーの全てが詰まっていますがまさかのユニバーサルが作っています。
有名な原作本由来で全ての要素が詰まった映画を100分にまとめてあるのは大いに大したものですが、裏を返せば全てが予定調和的でお手軽過ぎました。まあ100分で終わらせるのですから致し方ないにせよ、もう少し文学的で重厚な雰囲気、もしくはパイレーツ並のとんがった演出を期待していましたがそのどちらもありませんでした。
スティーヴン・ギャガン監督は「トラフィック」「シリアナ」「英雄の条件」などシリアスな脚本を書いた実績があって、土台はシッカリしているはずですがコメディとしては大して面白くもなく、何となく王道の流れで当たり障りがありません。出演陣が無駄に豪華だったこともありますが非常にもったいないと感じてしまいました。このメンツならもう少しやりようがあったのではないでしょうかね。。。
あれほど家を出るのを嫌がっていたドリトルが宮殿に着いたとたんにノリノリで冒険に行こうといい出すのは違和感しかありませんでしたが、動物たちのやり取りがほのぼのしていて何とか見ていられました。こき下ろすほどつまらなかった訳ではなく案外楽しめますが、何となく面白いけど何となく物足りなくて、何となく楽しいけど何となく退屈な作品といった印象の映画です。かなり甘めの6点で。