64.皆さんの仰るとおりソフィーは頻繁に説明の付かないような行動をとります。しかしそれはそんなに不思議・不自然なことでしょうか?この映画の主たる部分を占める「魔法」「呪い」そして「恋」、それらは全てそれ自体が説明の付かないものであり、だからこそ魅力的なものです。それを説明することは、映画の魅力を削ることになると思うのです。説明が足りないのではなく、説明は要らないのです。この映画には「魅了」という言葉が最も相応しい。そういう映画には迷い無く10点です。 【ぽめ】さん [映画館(字幕)] 10点(2004-11-30 18:26:55) (良:1票) |
63.《ネタバレ》 この作品について強く感じたのは、前作『千と千尋』から引き続いて「生きる力」が、描かれているという事でした・・・これは以前に書いたレビューの冒頭ですが、今回見返してみて、この感想をより自分の実感に即した、生き生きとしたものとして感じ取ることができました。 作中ではあまりにもさりげなく描かれていますが、冒頭のソフィーのどこかすっきりしない様子は、この作品の重要なモチーフとなっている「人の心」を表しているのではないかと思います。父親の店を自分が継がなければならないという義務感から自分を抑圧していたソフィーは、いつの間にか生き生きとした「自分だけの」心の動きをも、見失っていたのです。 そしてソフィーとハウルの二人を結ぶのも、この「心」というキーワードであるように見えました。ハウルは幼い頃に星を飲み込み、「自分の心」と引き換えに大きな力を手に入れますし、またハウルの心には「怪物」が潜んでいます(と言うより心の一部が怪物である、ということでしょうか)。そして自分の心の生き生きとした動きを取り戻したソフィーは、「あなたが怪物でも良い」と言い切って、ハウルを愛するのです。 この作品は、人の心がどれだけその生き生きとした動きを知らない間に失っているのか、そしてその動きを取り戻した時にどれだけ人が強くなれるのかという事が描かれていると感じました。親の店の引継ぎを振り切って、「心臓を取ってしまう」という恐ろしい噂がついてまわる男を愛し、徹底して自分自身の心に素直に行動するソフィーを形にした宮崎監督は、実は「人は心の動きを失いうる存在であり、一度それを取り戻すと世界の常識や決まりが無意味になってしまう」ということを浮き彫りにした、とても大胆な作品を作り出したのではないかと思います。 【マーチェンカ】さん [映画館(字幕)] 10点(2004-11-30 18:22:46) |
62.《ネタバレ》 主人公のソフィーは、映画の中でいつも「家事」ばかりしている。帽子に刺繍を施したり、散らかり放題の魔法使いハウルの“動く城”を掃除したり、買い物にいったり、料理をしたり、洗濯物を干したり。…そういったごく「日常的」なあれこれを、たとえ90歳の老婆にされても変えることなく続けていく。 そして宮崎駿監督は、このソフィーの「家事」に対立するものとして、「戦争」を持ってくるのだ。日常生活をやがておびやかし、破壊してしまうものとしての「戦争」。その時「魔法」とは、戦争の“道具(!)”に他ならない。…ハウルたち魔法使いが、国の軍事面をつかさどる者たちとして描かれていることを、ぼくたちは重く受け止めねばならない。まったく、『魔女の宅急便』の愛らしい魔女との、何という違いだろう! だが映画は、掃除し料理を作り続けるソフィーの「勝利」によって、幕を閉じる。彼女の「家事」によって、ハウルが、荒野の魔女が、火の悪魔カルシファー(見かけは可愛いものの、いうまでもなく「火」は使いようで脅威に成り得る…)が、少年の魔法使いが、案山子男(かかしではなく、出来れば“あんざんし”と読みたい・笑)が、ひとつの“家族”となってまとまり、「魔法」を、戦争ではなく日常生活を守る・取り戻すための「道具」とし、遂には「戦争」そのものに打ち克ってしまうんである。 …そう、どんなに強大な力も、「家事」に代表される人々の生の営みの前には敗北する。歴史上に現れたいかなる王国や帝国もいつかは滅び、けれど人々の「生活」はどんな時代にあっても連綿と続いてきたのだ。それを言うために、映画は、ソフィーたちの生活の細部(ディテール)こそを丹念に描いていく。そこにはもはや、戦いの愚かさを訴えながら逆に「戦い」を魅力的(!)に描いてしまう(たとえば『ナウシカ』…)宮崎作品の抱え続けてきたアンビヴァレンツ(二律背反)はない。平凡な日常の繰り返しのなかにある生きることの喜びや、愛することの素晴らしさを、優しく、少しだけ照れ(?)ながら肯定するばかりだ。 前作『千と千尋の神隠し』に続いて、ぼくはこの作品もまた、(多くの方々が指摘される「欠点」にうなずきつつも)その「世界観」ゆえに心から共感し、愛したいと思う。 【やましんの巻】さん 9点(2004-11-30 15:19:35) (良:2票) |
61.宮崎監督作品にしては話がシャープで先の予測が全くできない。その点は素晴らしかった。ただし不明な点も多々。ダチョウ倶楽部風にいえば「甘からず、辛からず、旨からず」 【5454】さん [映画館(字幕)] 7点(2004-11-30 15:12:12) |
60.派手で自分に素直な妹や母に対して、地味でやりたいことがあるわけでもなく自信もないソフィー。おばあちゃんになってもそれほどショックを受けるわけでもなく淡々と現実を受け入れている。ハウルが金髪を失って地毛になったときに「美しくなければ生きていけない」といったのに対して「美しかったことなんて一度でもなかった」と逆切れするソフィー。そんなソフィーがハウルとの愛を通して自分に自信をそして自分の気持ちに素直になっていく。それとともに容姿も若返っていく。ハウルも守るものが出来たと歯の浮くような台詞を堂々と言い、いままでおびえていたものに堂々と立ち向かっていく。千と千尋だったり、もののけ姫だったりより、よっぽど人間らしいキャラで個人的には結構好きです。 にしても映画好きな人って結構理詰めで納得できないといやな人って多いんですね。なんか感想読んでつくづく。 【りょう】さん [映画館(字幕)] 8点(2004-11-30 02:33:31) |
59.《ネタバレ》 一回目の時は池袋で、前から二列目の右端の席で、ほとんどスクリーンが見えずじまいで、物足りなさを感じ 『せっぱつまってくると、作り手はたまに妥協することがある。誰にも分からないことなのだが、宮崎監督が本当につくりたかった作品になっているのだろうか。監督は本当にやりたいことはやりきったと感じているのだろうか。2時間に収めなければならないという作品とはあまり関係ない価値観にとらわれていなかっただろうか。2時間に収めるためには多少説明が無くても、「いっかー、これくらいが新しい表現なんじゃん」と妥協していなかったか。でもラストくらい分かりやすく説明しておくかといって、カカシに自己紹介させたり、王妃に「ハッピーエンド」と言わせたり、堂々とキスらしいキスをさせたりしていなかったか。 2時間という枠があっという間だった、言い換えれば短すぎた。あの世界にいつまでも浸っていたかった。鮮やかでミラクルで本当に居心地が良かった。だからせめてもうあと30分ぐらいかけて、じっくり進めて欲しかった。たとえばレンタル開始になったらビデオ2本組になるくらい。ばかげた戦争の惨禍の中で、心の重さ、熱さ、そして一人の女の子の想いの変化を描いた映画は、二時間半の巨作にたる映画だと思う。』・・・という感想を書きました。 昨日、六本木のステキな映画館で、なかなか見やすい位置で、もう一回観てまいりました。そしたらもうすごく感動しました。始まりの空中散歩で、ジブリならではの浮遊感を味わっている時に「戦争の大義や呪いのその後やカルシファーの正体とかとか、説明が足りないと世間では騒がれている」ことを思い出し、事実僕もそこを時間不足と言って物足りなさを感じていたことを思い出しました。そこで「ではなぜこの空中散歩は認められているのだろう。これこそ非物理的だし説明も何もされていないじゃないか。」そこで「いやいや、これはファンタジーなんですから」と気付きようやく「じゃあ戦争だって呪いだって空中散歩同様みんなファンタジーなんですから説明なくとも受け止められるはず」と悟りました。おかげでこの映画の楽しみ方どうりに楽しめました。固い頭は一種の呪いなのかもしれません。そして、六本木のバージンシネマ最高! |
58.圧倒的な映像と音楽の美しさ。「魔法」というキーワードを軸に物語は展開し、動く城をはじめ夢の世界を味わえる一方で、呪いの恐怖が気になりつつ観る者は世界に引き込まれる。個性豊かな魔法使いの対立とそれぞれの生き様。魔法を正しく使えるか否かといった宿命を背負った魔法使いの葛藤も面白いテーマ。そして国家の争い、戦争の虚しさ、そんな中で生きるソフィーの人生と彼女の成長、恋愛。魔法使いとの重い契約に縛られながらも面白おかしく作品を盛り上げてくれる悪魔。こんなにも盛りだくさんの要素が詰まった作品を作ってしまうことはご立派だが、上記の要素すべてが中途半端。地上波で放映されるカットされまくりの映画を観ているような気分になる。話のスケールが大きすぎて2時間にはとても収まりきらん。ジブリとしては駄作の部類に入る。 【えいざっく】さん [映画館(字幕)] 4点(2004-11-29 22:03:51) |
57.おもしろかったー、やっぱり夢があって素敵だったな。 【たこら】さん 9点(2004-11-29 09:54:15) |
56.《ネタバレ》 絵も良かった、魔法使いの存在する世界観もよく描かれてたし、ハウル役のキムタクの声が予想以上に良かった。声優としても十分合格点だと思った、動く城のアイデアなんかも非常におもしろかったし、城の中の生活感もほのぼのとして見れた、しかしやっぱりストーリーが・・?な部分が多かった、、戦争の動機もイマイチわからないし、荒れ地の魔女に呪いをかけられる動機もあいまいな感じがするし、サリマンのキャラもイマイチつかめないし。 わざとわかりにくくしているのか、、まあでも終わってみればそれなりに良かったとは思うんだけど、それは作品中によく流れてたテーマソングが耳に残ってるからかなぁ。 【ネス】さん 6点(2004-11-29 00:55:34) |
55.本当に日本人としてこのような日本アニメが世界に広まっていくことを嬉しく思います。映像は綺麗だし、見ているうちにふわふわした気分になるのはジブリアニメ特有の催眠術です。私もこの映画が最終的に何を訴えているのかという点では少し首をかしげてしまいます。反戦?人情?それとも男女間の愛情?きっとそれは見た人それぞれが感じたままをこの映画が伝えているメッセージだと受け取ればいいのではないでしょうか。私の中でのジブリ作品NO.1のトトロを超えるには至りませんが、これも私好みの映画のひとつであり、またジブリ作品は私を映画館に足を運ぼうという気持ちにさせる唯一のアニメです。 【未歩】さん 8点(2004-11-28 21:19:18) |
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54.テーマは愛なのかな?話が突発的でプロセスが不十分という批判が結構あるらしいけど、個人的には愛の力の凄さを表現したものなんじゃないかと思う。愛にはNO REASONで何かを変える力がある、愛はNO REASONで生まれるものだ。そういうことじゃないかな~っと。 まあキャラクターや魔法、世界観の描き方は相変わらず最高です。特にハウルのキャラがいい。さすが宮崎さんです。 【ばかぽん】さん [映画館(字幕)] 9点(2004-11-28 14:15:30) |
53.何が言いたかったのかわからない。映像はきれいでした。期待していた程ではなかった。途中から、ソフィーの顔が賠償さんとかぶった(笑)キムタクはなんだかしっくりこなかった。 【まーこ】さん 7点(2004-11-28 12:24:04) |
52.《ネタバレ》 正直、ここまで評価するのが難しいと思った作品は初めてです。結論から言えば点数が示すとおり「なかなか良かった(面白かった)」なのですが、どこがどう良いか(面白いか)と聞かれた場合、ちょっと困ってしまいます。技術面などの観点から見れば、流石宮崎監督だけあって、場面場面の見せ方の上手さや独特の世界観、キャラクターの造形、久石譲の美しい音楽など超一流なのですが、ストーリーはといえば、ぶっちゃけ支離滅裂で「え?なんで??」ってことが良くあります。特にラストシーンとか「それで良いの?てか呪いの事とか結局どうなったの??」って感じですし。で、あえて無理やり答えを出すとすれば「何となくだけど感覚で面白い」って感じです。木村拓哉のハウルの声は、なかなか合ってたと思いますし、案山子男(笑)のカブの顔がどこと無くトトロに見えたり、過去のジブリ作品に声を当てていた声優さんがまた声を当てていたりと、そういったところで面白いと感じたんだと思います(特に美輪さんは最高!)。なんか、とてもヘンな事書いてますけど、今回はそう云うことにしといてください(笑)。 |
51.色んな方が書かれていますが、前評判が高くなりすぎて期待が大きくなってしまった。それだけにちょっとストーリーが自分的には残念でした。 ジブリ作品らしいファンタジーは溢れていましたが。。。 【mikesnd】さん 5点(2004-11-28 01:28:39) |
50.《ネタバレ》 映像は綺麗だけど、ストーリーは×。声優もあってないですね。キムタクは悪くと思いますが。 【三毛たま】さん [DVD(吹替)] 5点(2004-11-28 01:13:11) |
【paraben】さん 3点(2004-11-28 00:37:14) (良:1票)(笑:1票) |
48.《ネタバレ》 期待してたからかな…それにしてもこのコケ具合は無いと思う。世界観はいいんだけど、全体的にわかんないことだらけで、んぁ~~!という感じでした。ファンタジーが強すぎてどれがウソでどれが現実かわかりません。ハウルが愛すべき人を見つけたから戦争やめるの?え?。。。どういうことか教えろサリマン!(泣)見終わってかなり後味悪いじゃないかぁ;; 【ウィマ】さん 4点(2004-11-27 16:45:19) |
【あずき】さん 5点(2004-11-27 08:29:42) |
46.ソフィーの告白に耳を疑った。宮崎さんの優れた観察力は、花も盛りの年頃では、具現化できなかったのでは。テーマと思える『生きる力』に「恋愛」「若さ」を据えたことで、プロットに欠ける展開に陥ったのかもしれない。また、ヘタに反戦を意識したつくりも、困惑に拍車を掛けた。サリマンの言動はワケがわからない。意外にも扱いの悪い荒地の魔女が、ソフィーに呪いをかけるのは、アリかな。声優キムタクはそれほど気にならなかったが、「宮崎駿作品」に求めてはいけなかったと思う。このあたりからもスタジオジブリの“危うさ”が垣間見える。 【ダージン】さん [映画館(字幕)] 5点(2004-11-27 02:50:46) |
★45.さっぱり意味が分かりません。 ここはこうかな・・って補完作業があまりに多くて、それってつまり消化不良ってことでしょ。あたしジブリ大好きですよ。でもこの点。 【ネフェルタリ】さん 3点(2004-11-26 13:33:47) |