21.「世界三大イタリア旅行に行きたくなる映画」のひとつ。水の都がとても美しい。若さも財産もなく美男でもない既婚者で、女性を口説く必要がある人にとっては必見の映画。骨董屋の主人がなにゆえ真夏のベニスで毎日スーツ姿でキメているのかが少し不自然ではと突っ込みをいれたくはなるが、男が女性を見るときにどこを見ているかの描写はきわめて自然かつ正確でちょっと恥ずかしくもなる。玄関があってすぐに履物を脱ぐ日本と違い、西洋人が靴を脱ぐのはどんなときだかを考えながら花火見物をするといい。くちなしの花の使い方もうまかったが、ジェーンが映写機を手にしなくなったのはいつからかとか、冒頭に水路上の信号機を見せておいて、最後の鉄道シーンの信号機につなげるところとか、小道具の使い方にも冴えがみられる。蒸気機関車を知らない世代の人にも観てほしい。英語が聴けるひとにとっては字幕では訳されないがフランスをやっつけているセリフがときおりあって楽しい。 【南浦和で笑う三波】さん 10点(2003-12-24 15:45:24) (良:2票) |
20.旅先の非日常性を感じる。理性の世界から夢想の世界へと旅しているかのごとく感じた。まー ベニスに死すみたいに快楽の世界で没落するわけではないけど 【たましろ】さん 8点(2003-12-18 22:39:39) |
19.若い頃より爽やかなお色気を感じるK.ヘプバーンが好き。「ステーキが食べたくとも、ない時はラビオリを食べるべきだ」というロッサノ・ブラッツィのセリフが好き。 【Mr.MONK】さん 10点(2003-12-15 00:52:34) |
18.これは大人の物語。もっと若い頃に見た時は淋しいオールドミスの話って感じであまりピンとこなかったけど、ある程度年齢がいってから見ると主人公の気持ちがわかる。独身女性が増えつつある今は旅行に誘う友達もいるかもしれないけど、当時はやっぱり少なかっただろうな。私もややハイミスなので、旅先でのロマンス、情熱、別れなど気持ちは十分に理解できます。映像の美しさが切なさを引き立てる。 【yukaori】さん 8点(2003-12-08 02:42:15) (良:1票) |
17.カラフルなベネチアの街を観光する彼女が本当に楽しそうで、見てるこっちまで楽しくなってしまいます。男性相手に一喜一憂する彼女の表情の変化の仕方も見事で、一時も見る人を飽きさせません。ベネチア観光と行きずりの甘い恋、その両方を味わえる秀作と言っても過言ではないでしょう。見終わった後、すぐにでもどこか外国を旅行したい気持にもなりました。 【プミポン】さん 8点(2003-11-02 23:39:47) |
16.色色色・・・・どの色も美しい。でも決して毒々しくなく、ベニスの街全体が一幅の絵のようです。 お話の方は、イタリアの伊達男のアバンチュール感覚に一瞬唖然とし、「なめられたら負け!アメリカ女性は開放的な性を楽しむものだ、なんて言わせておいてよいのか~」っとヘップバーンの友達気分でハラハラしてしまいました。でも、ベニスの魔力に負けたのはヘプバーンも観客も同じ。誰が責められましょう。最後には精一杯手をふりながらも毅然と去っていったヘップバーンに乾杯!バラでもカーネーションでもなくくちなしこそが彼女です。 【Rei】さん 8点(2003-10-31 19:32:09) |
15.重ねて見る毎にいいと思うようになった。ベニスに旅行に来たアメリカ人のハイミスが、素晴らしい景色にうっとりして眺める。その風景に観客も一緒にうっとりする。旅行して素晴らしい風景を見ている思いを共感させるキャサリンの演技とカメラワーク。でも寂しい思いは満たされない。そこへ渋いイタリア紳士の登場、密かにあこがれるが自分からは行動できない誇り高い女性をこれまたキャサリンは見事に演じる。運河のふちで彼の店の写真を撮ろうとして後ろ向きもまま運河に落ちる。その瞬間、つれの子供がカメラのみ助ける。その後のホテルでのシーン、レナートが彼女を訪ねてきて口説くシーン。二人とも横顔のみ、キャサリンはその横顔で本音を暴露され、うろたえ困惑する心情を実に巧みに表現する。レナートに妻がいると知ればきっぱり別れようとするし、これ以上彼にのめり込むことは出来ないと悟ると「明日帰る」と決断する。いかにも彼女にぴったりの女性像。「私の生活には何にもないわ」と言った彼女に、このベニスの想い出は一生の宝物になるのだろう。知らない土地、しかも遠くて二度と来られるかどうか分からない旅先で、出会う景色や人とのふれあいを体に刻み込むようにする「旅情」が、この頃特に理解できる気がする。それで彼女の表情と視線の先の高い屋根や空を眺めるシーンの意味がよく分かる。彼女のドレスとリボンの色のコンビネーションも素敵。彼女がいつまでもゆっくり手を振るラストシーンといい、全てに心配りが効いた作りが素晴らしい。旅先でのハイミスのひとときの恋という世俗的な話を、品を落とさずメロドラマにもならず爽やかに描き切れたのは監督のうまさだと思う。 【キリコ】さん 10点(2003-08-06 11:21:34) (良:4票) |
14.《ネタバレ》 幸薄いオールドミスが旅に出て、女性をみたら軟派するのが礼儀と思っているイタリア男と火遊びをして、一生の思い出のように感動して旅を終える。こう言っちゃ元も子もないけど、さうがデビッド・リーンにキャサリン・ヘプバーン。いい夢を見たような気にさせてくれます。この男女のどちらも、もし自分の知り合いだったらコメントに困るような映画です。そういえば一時期、日本人女性はイタリア男性のいいカモでしたね。今もかな。 【omut】さん 7点(2003-08-03 05:28:48) |
13.初めてカフェで目を合わせてあわてて目をそらし、「ワワワ、ウエイター」と呼んでも全然ウエイターが気付かず、後ろの紳士が指をぱちっと鳴らしてウエイターを呼ぶシーンが好きで、何度も繰り返しそこを見ました。他にも繰り返し見たいシーンがたくさんある作品です。女性だから(しかも若くない)この映画の良さがますますわかるようになってきたようにも思っています。 【JEWEL】さん 10点(2003-07-07 21:54:03) |
12.ハイミスのイタリア旅行、、観光のあちこちでうっとりする顔と、一人でいることのやりきれなさ、この表情の極端さが可愛い。 とにかくヴェニスを映す角度の見事なこと、建物の隙間、洗濯物さえ、どの場面も見逃すまい、と必死で観た。 彼女の決断もあっぱれ! 投げキッスやゆっくり振り続ける右手が彼女の清々しさを伝えてる。素敵な彼二人(少年も…セーターの背中のハエまで名演技だそうです)の思い出、できたねー。 【かーすけ】さん 10点(2003-06-14 03:07:01) |
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11.くちなしの花を落としそうな雰囲気にして、やはり落としたとしても拾わない、返りそうな雰囲気にさせておき、やはり帰国を思い立ち駅で追いかけて乗ろうと思えば乗れそうなのに乗らない、こういった焦らしが見る者をジェーン、そしてレナートと同じ心境にさせるリーンの技量がふんだんにいかされた本作品はまさに映画史に残る傑作。 【ヴィクトワール】さん 10点(2003-02-08 01:28:17) |
10.くちなしの花、あれがふたりの恋のすべてを物語っています。指先にすんでのところで届かない。そのまま流れていってしまう。とても切ないけれど、ヘプバーンのいつまでも手を振り続けるシーンは忘れられません。駅と言えば「終着駅」「ひまわり」も印象的な映画ですね。ご覧になってない方は、おすすめです 【ノブ】さん 8点(2003-02-01 17:50:49) |
★9. イタリア旅行中のオールドミスが旅先のヴェニスでふと知り合った中年男性と恋に落ちるストーリーは言ってしまえば「ありきたり」かもしれない。しかし、デビッド・リーンの格調高くもキメ細かい演出&脚本、ジャック・ヒルドヤードの見事なカメラワーク、「サマータイム・イン・ヴェニス」の切なく甘いメロディ、名女優キャサリン・ヘプバーンの抑制の利いた演技が一つに融け合った結果、そこに唯一無二の愛すべき佳品が誕生する。キャサリンにとっては観光も兼ねたごく軽い一編だったかもしれないが(別にオスカー受賞って訳でもないし)、個人的にはリーン監督の本領発揮で彼女のチャーミングさが(「男顔負けの強さ」といった誇張された類型的描写ナシに)無理なくフィルムに掬い取られており抜群の出来だと思う。今、本領発揮と言ったが正にデビッド・リーンの真価は女性心理を巧みに描く小品(「逢びき」や「ホブスンの婿選び」)にこそ発揮されるのであって、本作以降「戦場にかける橋」「アラビアのロレンス」「ドクトル・ジバゴ」等の70mm超大作御用達監督は言わば仮の姿。 【へちょちょ】さん 8点(2003-01-21 10:51:35) (良:2票) |
8.確かに映像もキャサリンも美しく、一見うまいことまとまってるようだけど、よく考えりゃ妻子持ちにいいように食い逃げされただけなんじゃ・・・。おまえみたいな独り身は文句言わんとオファーがあったら抱かれとけ、みたいな。なんだかなぁ。旅先だから女も気が緩んだのか?いや、もちろんその瞬間2人は燃えるような思いにお互いなってるんでしょうけど。例えばもし現実に友達がこういう経験をしたら、お前陶酔しすぎ、って絶対思う・・・ 【青海苔】さん 4点(2003-01-21 09:02:12) |
7.なんで、突然キャサリン・ヘップバーンを検索しまくったかというと、今日100円ショップで買ったメイドインチャイナの赤いグラスが、ふと、「旅情」の小道具のデザインと似てるかも、と思ったせい。昔観た映画なので、ブツのデザインどころか、映画のタイトルすら記憶にない。キャサリンは魅力的だった。彼女が恋に落ちる相手はうさんくさかった。旅先だと正気を失うのか先がないと思うと価値観は狂うものなのか?!とか、思ったな。しかしアメリカ的審美眼だとあれがいい男なのか。自分は特に淡白なもんで、ああいうタイプはパスだな。というあたりまでは、思い出した映画だが、小道具の形は思い出せない。もし、買ってきた100円ショップのが、似てたなら注文主の日本人は「旅情」を覚えてるのかも。赤いグラスに満たすのはスパチューのグレープフルーツ味にワイルドターキー8年物少々。キャサリンならば、ワイルドターキーのオンザロックで、こういう女々しいグラスは、嫌いなんじゃないかな。 【ひろこ】さん 7点(2002-12-13 23:05:24) |
6.「日曜洋画」で観ました。河に落としたくちなしの花(だったかな)を拾いそこねたことが、ラストの別れの暗示になってしまうのだが、解説で淀川さんが「あの男、飛び込めば良かったんですね」と言っていた。ああ、そうなのだ、そうなのだ、と。 【アンドロ氏】さん 9点(2002-12-11 23:55:36) (笑:1票) |
5.キャサリン・ヘップバーンは、私の大好きな女優の一人で、ストーリーもとてもいい。でも、10点の理由は、映像作りの上手さです。ベニスに着いたばかりのキャサリンが、カメラを夢中で回している冒頭のシーン。赤いゴブレット。川面を流れる白い花。カメラワークの美しさと、脚本の良さが傑作としていつまでも心に残っている作品です。 |
4.大人の恋をよくまとめたいるが、イタリアを舞台にしながらもヨーロッパ的雰囲気が余りしなかったのが減点の原因。ヒロインにも相手役にも文句はない。佳作だとも思うが、少々物足りなかった。監督が英国人だからか、どこかイタリア的なものを欠いているように感じた。 【なな】さん 7点(2002-07-26 13:48:22) (良:1票) |
3.イタリアを舞台にした束の間の大人の恋。広場に群れ飛ぶ鳩。夜空にくっきりと浮かぶ満月。波に揺れるゴンドラ。その思い出ひとつひとつを胸に刻もうとするヘップバーンの顔のなんと眩しく美しいことか。刺刺しいほどのオープニングと、ラストで見せる哀しくも穏やかな彼女の表情の変化が印象的だ。中年になって初めて知った燃えるような恋。果たせなかった恋にもかかわらず、人が人を想う優しさにふれ、彼女にとっての終生の思い出を胸に、新たな人生の旅立ちを予感させる幕切れの鮮やかな事。人間の情感というものをこれほど切なく描いた作品も滅多にお目にかかれるものではなく、D・リーン監督作品の中でも最も好きな、これぞ珠玉の名作。 【ドラえもん】さん 10点(2002-06-30 15:47:31) (良:2票) |
2.キャサリンがすごくいいよ。さすがオスカーを4回とってるだけある。作り方は古いけど、古い映画なんだからしょうがないやね。 【ジャンジャン】さん 9点(2002-02-19 12:19:10) |