5.生まれ変わったオッサン武蔵。ストーリー的には成長物語にはなっているようだが、三船敏郎が貫禄ありすぎて既に完成されてしまっているので修行中に見えない。一本調子の演技の問題か。そして又八がまさかのキャスト変更。驚いたのが研ぎ師本阿弥光悦との親交。これは史実のようで、全く知らなかった。後年発揮される芸術的才能はこの辺で開花したのだろうか。吉岡一門はチンピラ以下のお笑い扱いになっており、これもどうなのかと。一乗寺の決斗も錦之助バージョンに比べると迫力なく、武蔵の葛藤も伝わってこない。三船敏郎は荒々しい反面、大味で雑な所があるので、繊細な心理を演じるのは不向きなのか。鶴田小次郎は高倉小次郎よりはイメージに近いかな。 |
★4.さて三部作の第2作は、吉岡一門との果て無き闘争、そして小次郎との出会い。ちょっと「おやっ」と思わせるのが、一乗寺における最終決戦の相手が、吉岡清十郎だということ(つまり清十郎が重傷を負う決闘は省略され、三十三間堂における伝七郎との対決が先に行われる)。この構成が意外にスッキリしていて、なるほどこういう描き方もあるなあ、と。ただし、清十郎の悲劇性(さらにはアワレさを伴った吉岡一門の「敗者の美学」みたいなもの)は、その分、薄れている気もしますが。いずれにしましても、大勢の敵を相手に一大バトルを繰り広げる宮本武蔵の姿、三船敏郎の真骨頂ですな。 さて本作、カラー作品らしさが生きていて、「かむろ」というのか、あの少女の赤い着物なんか、とてもよく目を引きますし、小次郎のイメージカラー(と言っていいのか)の青色なども印象的で、カラフルに仕上がってます。ただ、小次郎役の鶴田浩二の白塗り顔が、若干、バカ殿っぽくもありますが・・・ 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-09-24 21:07:53) |
3.2015.05/05 鑑賞。古きよき時代・中学生前後に見た記憶がある。前作の又八役三國連太郎は大物すぎ、今回は魅力なしで残念。変わりに鶴田・小暮が加わり大サービス。一乗寺の決斗場面はこの時代ではかなりリアルで迫力があった。舞踏劇舞台劇からの脱皮、迫真さを立ち回りと運動量、息使いで表ししかも三船の野性美で増幅する、ビックリした。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-05-06 19:13:36) |
2.《ネタバレ》 稲垣浩監督の「宮本武蔵」三部作の第二作。三船の武蔵は前作よりも良かったと思うが、やっぱり錦之助の武蔵に比べると何か違和感があるし、一乗寺の決闘といえば東映版ではいちばん面白かった部分なのにドラマもクライマックスの決闘シーンもあっさりとしていて完全に中だるみの一篇という印象。八千草薫のお通と岡田茉莉子の朱美の武蔵をめぐる恋敵の関係など、東映版や松竹版よりも恋愛ドラマ的な部分がクローズアップされてるのが面白いところだが、武蔵の成長物語として見た場合、かなり物足りなく感じる。とくに決闘シーンに吉岡側に子供がいないのはなぜ。このあたりの東映版の記憶が少しあやふやだが、東映版とはかなり違う気がしてドラマ的に物足りなさを感じた。前作で又八を演じた三國連太郎がなぜか降板していて堺左千夫になっているのに違和感があるが、東映版でお甲を演じた木暮実千代が吉野太夫を、同じく東映版に出ていた東野英治郎が宍戸梅軒を演じるなど今回も東映版の出演者が違う役で出てるのはちょっと興味深いものがある。そして鶴田浩二の佐々木小次郎は高倉健や田宮二郎の小次郎よりも色気があってかっこよかった。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 5点(2010-03-31 03:07:13) |
1.《ネタバレ》 稲垣浩の「宮本武蔵」三部作の第二作目。東映版とは違って単独で見るにはちょっと厳しいかも。唐突にはじまって中途半端な終わり方という印象。それにメロドラマの傾向が強いと思う。岡田茉莉子と八千草薫のバチバチが見られます。それにしても又八役が三國から堺左千夫に代わってるのは一体・・・。この辺もマイナス要素。 【バカ王子】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2006-06-22 23:47:56) |