★32.《ネタバレ》 一部のシーンでカメラがテレビドラマみたいに安っぽく見えてしまい違和感があったのと、ラストの「余計なオチ」に向かってセリフが増えて行ってしまい野暮ったくなったのとが、残念でした。あと、回想シーンが多すぎるかな、とも。物語の流れが滞る印象。 とは言え、もちろん誰もこれが健さんの最後の作品になるとは思っていないでしょうけれども、まるで別れを惜しむかのようにみんなが集まって、健さんを中心としたロードムービーが展開されるのが、味わい深い。 富山から長崎への旅。当然、日本海側を攻めていくんだろうなあ、と思ってたら、まるで違う予想外のコース。いや、大阪まで寄ってくれるのは結構ですが、大阪と言えばどうしても、グリコの看板出さなあきませんか。さすがに寄り道し過ぎ、どう考えても草ナギが悪い。 関門付近の風景はやっぱりいいですねえ。狭い海峡をひっきりなしに船が行き交いして、見てて飽きない。唐戸市場に行けば食い物は美味いし安いし。こんな場所で北海道物産展やって、大丈夫なのか? ついでに因縁の巌流島にでも寄って行きますかね? 佐藤浩市が最初から挙動不審のところがあって、これがラストの「オチ」に向けた伏線であったことに最後に気づく訳ですが、最初はそんな事とは思わないし、健さんの役が刑務所勤めなもんだから(この言い方は語弊がありますね。「おつとめ」ではなく、ホントの職業)、てっきり佐藤浩市はかつて富山刑務所で健さんにお世話になった一人だったんじゃないか、などと思ってしまったのですが。これって一種のミスディレクションだったんですかねえ。 余貴美子に託された写真が、どのように海に沈んでいくのか、というのを期待した私としては少し肩透かしで、「余計なオチ」と言いたくもなるのですが、ここは骨がキラめきながら沈んでいくシーンで充分、ということでしょうか。 田中裕子が、イイですねえ。でも出過ぎ。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-10-02 05:42:09) |
31.こういう上品で大人の映画がもっとふえてほしい。 個人的には健さんと田中裕子という大好きな組み合わせだけで、もう大満足なんですが。 ビートたけしのとぼけた役も悪くなかった(なぜに種田山頭火?) 脚本に魅力がなかったり、草彅剛が出てくると安っぽくなったりするところが難点。 全体的に見て6.5点というところで、繰り上げて7点献上。 【mhiro】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2019-04-04 08:32:20) |
30.筋立ては悪くないはずなのに、脚本がとにかくどうしようもなくて、思ったことを全部喋らせないと気がすまないというか、しかもみんながみんな見たままを喋っているだけなのでどうにも底が浅いというか、とにかくどうしようもない。おかげで、佐藤浩市や大滝秀治ですらエンスト感満載ですし、ビートたけしのあんな凡庸な使い方なんて、よく本人が了承したものです。この監督と脚本家は、まず、登場人物に黙らせるということを覚えましょう。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 2点(2016-11-23 00:22:43) |
29.健さんのチンタラひとり珍道中といったところでしょうか。亡くなった奥さん田中裕子の手紙の約束を果たすべく、富山から〜奥さんの故郷長崎までキャンピングカーで旅をする。放浪?(ビートたけしが劇中で説明)途中は佐藤浩市、草𦿶剛、ビートたけし、長崎では余貴美子、綾瀬はるか、大滝秀治と豪華。でも、なんか残るものがなかったですね。 【SUPISUTA】さん [DVD(邦画)] 5点(2016-10-15 12:30:48) |
28.ヤクザをはじめ、犯罪者、逃亡者、厳格すぎる軍人や公務員など、これまで超人な高倉健をいろいろ見てきました。「さすがスターだ」と思う反面、「こんなヤツいねーよ」と冷めてしまうこともしばしば。 しかし本作に登場するのは、珍しく凡人な高倉健でした。とりわけグッと来たのは、前半の風鈴をめぐる田中裕子との会話。ありふれた夫婦のやりとりですが、とても〝素〟な感じがして、「健さんもやっと人間界に帰ってきたんだなぁ」と感慨深いものがありました。おそらくは図らずも遺作となったわけですが、その意味ではいい締めくくりだったと思います。 作品の質としては微妙。特に草彅が登場すると、とたんに画面が嘘っぽく、安っぽく見えてしまうのは何故でしょうか。別に色メガネで見ているつもりはないのですが。今日のスターも、往年のスターへの道のりはまだまだ遠いようです。というか一生かかっても追いつけないでしょう。 【眉山】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2016-02-27 14:05:45) (良:1票) |
27.《ネタバレ》 食堂の多恵子の旦那が南原だったとは最後まで判りませんでした。 私だったら多恵子に言われた通りに写真を海に流して「良い事したなぁ」等と思いながらまっすぐ富山に帰っていたでしょうから、誰の気持ちも汲めずに彼等をがっかりさせていたと思います。 気が付かなかった自分の事を頭が悪いと思いたくないのでポジティブに考えると写真を渡した時点で大体判ってしまうと最後のシーンでの感動が半減してしまう為にわざと判りづらくさせている演出と考える事にしました。 局留めの手紙が「さようなら」だけですが、その言葉の本当の意味が判った時には、英二の洋子への依存の大きさが理解できるのと同時に手紙を認めた時の洋子の気持ちを想像すると切なくなりました。 しかし、彼等2人の思い出は作中何度か出てきますが、2人の関係性がそこまで深いものだと感じさせてくれるシーンがないので感動が半減してしまいました。 このプロットが作品のテーマだと思いますのでここの演出はしっかりと機能するように判りやすく描いて貰いたかったです。 移動中に挿入される洋子との過去のシーンによって時間軸に幅が出来たり、各登場人物が健さんに追いついたり追い越したりしながら話が進む事により相対的な移動感覚の効果で実際に健さんが移動した距離と時間よりも変化に富んだロードムービーとなっています。 健さんのキャラクターを考慮すると彼自身がバタバタ動くよりも、健さんも動くけれども周りが彼以上に動くという本作の見せ方は良かったと思います。 しかし、ジャニーズと吉本が絡むと宣伝効果が有るとしても作品的にはあまり良い事が有りません。 また、長崎に着いてからの健さんの落ち着いた佇まいや大滝さんとのやり取りはやはり彼が演じた事によって説得力が有りました。 控え目で自己主張をしないという日本人の属性を主役としてスクリーンの真ん中で存在感と共に演じるという相反する事を見事なバランスで毎回こなして、見ている側を納得させてきた健さんには感謝します。 作品の中で英二は洋子の希望通り死んだ彼女の思い出を乗り越えて自分の時間を生きて行くのに対して、私自身が自分の時間を生きて行くのに色々な映画の色々な健さんに今だに依存しているのは皮肉とも取れますが、逆に映画スター高倉健の存在の大きさを感じさせてくれます。 【しってるねこのち】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-07-08 21:52:00) |
26.《ネタバレ》 高倉健の存在感、培ってきた役者人生が生む憂いを帯びた表情によって支えられた映画でした。逆に言えば高倉健におんぶにだっこの映画。脚本など、映画を構成する重要部分に評価出来る点がないのはどうなんでしょう。このウエットさが邦画らしさといえばそうですが、そろそろ考えるべきかなと。 【kirie】さん [地上波(邦画)] 5点(2015-02-04 00:13:56) |
25.《ネタバレ》 複雑な心境です。 確かに健さんはさすがです。 その存在感、迫力、ひと言一言が心に沁みます。しかし物語には全くといっていいほど感情移入できませんでした。のっけから旅先で出会うたけし(以降俳優名で)はいい雰囲気でしたが「車上荒らし」のオチ?。草なぎ、佐藤との出会いも唐突感あり、しかも食品業を簡単に手伝うのも?。あとも一事が万事ですが極めつけは田中との関係性です。刑務官と慰問にきた童謡歌手がどういう心の触れ合いで結婚に至ったのか、そして田中が病に罹り死を迎えるまでの時の過ごし方が描かれていないと二通の遺言状の意味とそれを読んだ健さんのふるまいに心を打たれようがありません。結局他のサイトでどなたかがレビューされていた「本では泣けたが映画では泣けなかった」が的を得ているのかなと思いました。ですので「本」を読んで改めてレビューします。ここでは「健さんの映画」に5点です。 【yoroshiku】さん [地上波(邦画)] 5点(2014-12-02 15:33:57) |
24.とにかく健さん、いい人過ぎ!限られた時間の中、千キロ以上も旅しなきゃあならんのに、途中で出会う多くの人達の愚痴を聞いたり、諭したり、手伝ったりと大忙し。他人との関わり合いが希薄な現代において、こんな超人離れした事を平然とやってのけて違和感が無いのは高倉健という人物だからこそか。 私なんかが旅に出たとしても、きっと誰とも出会わずに、何らドラマも発生しないつまらない展開、それこそ途中で寝るの必至な物語になるであろう。まず、胡散臭いビートたけしが出て来た時点で逃げる!絶対関わり合いたくない! でも、ロードムービー的にはちょっと旅してる感が薄かったかも。場面場面の切り替わりであっという間に着いちゃうし、途中観光名所を何個か出しておきゃなんとかなるだろうという狙いが見え見え。撮影大変だろうけど、もっと車で実際に走ってる場面とかあればよりロードムービーらしくなっただろう。と、思ったけどテーマはやはり夫婦愛だとか、人と人との繋がりだとか、人情だとかそういうのに重きを置いているんだろうから、あまり旅そのものには興味が無いのかも。とにかく、健さんを見る為の映画だったなぁと。 高倉健さんのご冥福を心よりお祈り致します。合掌。 【ヴレア】さん [地上波(邦画)] 6点(2014-11-23 23:35:47) |
23.《ネタバレ》 なんだかいい話のような印象を受けるけど、出会う人が車上荒らしとか保険金詐欺とか犯罪者だらけ。 綾瀬はるかは知らないみたいだから仕方ないけど、余貴美子は明らかに知ってるわけでほぼ共犯者だよね。 高倉健が取るべき行動は写真配達じゃなくて、自首するように諭して、服役後にまた家族揃って生活できるように導くことだと思うんだけどなぁ。 あと、大切な絵葉書なのに捨てちゃうんだね。 【もとや】さん [地上波(邦画)] 5点(2014-10-13 18:51:11) |
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22.《ネタバレ》 ◆悪人も濡れ場も出てこないので、年齢を問わずおすすめできる無印良品的映画。いや、こんだけの豪華キャストなのでコテコテのブランド映画とも言えるか。高倉健氏はもともとあまり滑舌のよくない方ですが、今回はそれがよい味付けになっていたと思います。◆ビートたけし氏(この人も滑舌がよくありませんね)が出演していますが、今回は暴力は振るいませんので、そういったシーンが苦手な人も安心して観ることができます。◆竹田城はこの映画でメジャー昇格でしたっけ。◆田中裕子さん演じる妻は、完全に男性目線の理想的女性像で、まるで妖精のような存在。世の女性たちにはどう映るのでしょうか。 【la_spagna】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-09-08 20:27:35) (良:1票) |
21.《ネタバレ》 高倉健を見ているだけで楽しい たけし始め豪華キャストを見ているだけで楽しい 稀少動物園のようなそんな映画。 奥さんが死んで散骨をするために富山から長崎まで車で旅をするロードムービー タイムリミットは10日間、車はキャンピングカー お金も暇も充分ある、この設定では話は厚くなりようがない しかしさすが高倉健、それでもごく普通の人達と出会い真摯に向き合うだけで見惚れてしまう力が有る 流れて行く風景は驚くほどに綺麗 特に富山での神輿を担ぐ祭りのシーンはよかったな あの場所で奥さんの写真を撮りまくる健さんを見るのはのは楽しかったし、楽しさの裏返しに結局遺影になってしまってそれがやたら哀しかった しかし何故かカメラワークが重みにかけるんだよな カメラが木村大作じゃないのが惜しまれる 照明がとくに悪い ヒドいのじゃ無くて悪い 大作にありがちなベタな光 のっぺりとしたライティングでドラマチックな感じを損なっている 大物キャストがシャドウになって顔が見えないなどを防ぐためだろうが、逆光の風景と人物両方をライティングするのでまるで美しい画面に合成された人物のようだ むしろ風景として人物をシルエットにする思い切りがドラマチックさを演出するのに残念だ 後、演出がいくらなんでも地味すぎる もう少し盛り上げてもらいたかった わざわざ長崎の局留めの手紙がさようならの一言だけなんて健さんじゃなくても途方に暮れる しかし上品で静かな大人の映画である 【にょろぞう】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2013-12-16 16:39:42) (良:2票) |
20.期待を越えず、しかし下がらず。健さんのための映画。健さんを鑑賞する作品。だからゲスト出演者がいちいち目について邪魔だし、メインのキャラですら邪魔な人もいた。ストーリーはロードムービー仕立てで映像は楽しめる(特に竹田城)が、嫁の気持ちに近づくヒントは少ない。見終わった後は佐藤浩市さんのお話が一番印象に残ってしまった。私も竹田城に+1点。 【movie海馬】さん [地上波(邦画)] 5点(2013-10-23 01:41:01) |
19.雰囲気はよく出ていて、故人を偲ぶというシチュエーションは個人的に好み。だけれど、特殊すぎる・美しすぎる夫婦に見えてしまい感情移入しづらい。役者も有名どころを揃えている割にはわざとらしさ感があって萎えてしまう。高倉健への思い入れもさほどない自分からすると、見るべき所の少ない映画と言わざるをえない。 【もんでんどん】さん [地上波(邦画)] 4点(2013-09-13 14:09:11) |
18.《ネタバレ》 最愛の妻からのラストメッセージ。それは絵手紙にしたためられた僅か5文字の言葉。「さようなら」たった一言を伝えるために、妻は夫に旅をさせました。環境を変えること、体を動かすことで見えてくるものがあるということ。「あなたは、あなたの時間を生きて」過去の思い出に囚われることなく、新しい人生を歩んで欲しいという妻の願いは夫に届いた様子。篭の中の鳥、いや刑務所に餌づけされた雀は、大空に飛び立つ決意をしたようです。ただ薬が効きすぎたのか、刑務官の職まで手放してしまいました。退職後も請われて仕事が出来るなど誇らしいこと。ニセ教師や南原の例を見ても分かるように、居場所があるのは幸せな事です。新しい生き方を模索する気持ちは尊重したいですが、今まで積み重ねてきたものも大切にして欲しいと感じました。根なし草の放浪とならぬ事を祈るばかりです……。齢八十の大スター・高倉健を主演に迎え、豪華キャストでお送りする和製ロードムービー。健さんは流石に若々しいものの、それでも80歳のおじいちゃんには変わりありません。本作のテーマを扱う上で主人公の年齢は重要なファクターとなりますので、明らかにミスキャストでしょう。吉永小百合もそうですが、主役しか許されぬ役者人生というのも虚しい気がします。年齢相応の適役でこそ、役者は一番輝けるのでは。イベントは発生してもアクシデントは皆無であること、移動距離と期間及び移動手段のバランス上、ロードムービーとしては極めてコンパクトで平凡な印象です。大仰なBGMに頼るのも限度があります。ロマンには欠けては、ロードムービーの醍醐味半減と言わざるをえません。 【目隠シスト】さん [地上波(邦画)] 5点(2013-08-22 18:49:46) (良:3票) |
17.高倉健さんでなければ、この役はできなかったでしょう。個人的には、カメラワークが、比較的、独特な構図であったので、そういう角度からも観ていました。 大滝秀治さん、遺作となってしまいましたね。残念です。 【G&G】さん [地上波(邦画)] 6点(2013-08-22 14:52:18) |
16.高倉健のための高倉健の映画。それ以上でも以下でもない。個人的にはたけしの役を武田鉄矢にやってほしかった。時をこえて再会する黄色いハンカチ、みたいな感じがね。 |
15.ストーリー自体は物足りなかったし、映像も所々過剰気味なのが気になったけど、高倉健が出てるってだけで最後まで見ちゃうんだよね。これが存在感ってやつか。半世紀にも渡って大スターであり続け、80歳を超えてもなお映画で主演。そして当たり前のようにヒットさせる。もうこんな俳優は出てこないな…。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-06-19 22:53:42) |
14.《ネタバレ》 失礼ながら、なんとかわいげのある方なのだ、高倉健さんは。なんかしてあげたくなる。声をかけてみたくなる。老犬が、目的地目がけて真っ直ぐ進んでいくかのようなセンチメンタルな本作。そこに、健さんのたたずまいに引きつけられた人々のエピソードが挟み込まれています。見たあとに静かな気持ちになれる映画。やっぱりよかった。【追記】たけしとの2ショットシーンでくっきりする大物っぷりもすごい。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 9点(2013-05-26 08:09:44) |
13.夫婦の絆などが描かれていないので、「さよなら」に込められた想いなども説明を聞いても共感が出来ないんですね。 ストーリーは全然たいしたことはないが、何故か心温まるという気は確かにする・・やはり健さんの存在感か? 高倉健は80でも60の役、もちろんかっこいい健さんのまま・・・80の高倉健の映画を誰か撮らないかな? 【東京ロッキー】さん [DVD(邦画)] 5点(2013-05-09 19:01:41) |