41.政府・本店・現場、それぞれの立場でどのように行動していたのかよくわかった。 もし、……なんてことはあまり考えたくないものだが、あり得ることだったのだなと、改めて考えることができた。 こういう例えがよいのかわからないが、過去の大戦でどんな将軍も味わったことのない重責を吉田氏は感じたのではないか。 【海牛大夫】さん [インターネット(邦画)] 7点(2023-06-20 21:16:41) |
40.序盤、地震が起こってから、想定外のことが重なり被災レベルが深刻になっていくまでは、当時の状況が臨場感、緊迫感をもって再現できていて、なかなかの良作なのではないかと思いました。そういうふうに思えたのは、薄っぺらいウェットな演出が入り込む隙がなかったから・・・ということにだんだん気付かされていきます。監督がテレビの演出家出身であることが関係しているのかはわかりませんが、お茶の間向け日本のテレビドラマにありがちな演出で、台詞に頼り過ぎで、演劇空間になっちゃてるんですよね。原発相手に悪戦苦闘しているときは目立たないのですが、落ち着いた場面で、どうにもわざとらしい演劇が垣間見えてしまう。お茶の間向けドラマならそれでもいいのですが(よくはないが)題材が題材だけに悪目立ちしてしまうのですよね。被災状況の再現はよくできていて、見る価値は高いと思いますので、なおさら残念感があります。評判が低いからと言って、それを理由に見ることをやめないで欲しい作品ですね。このような感想を持つ作品は珍しいです。 【camuson】さん [インターネット(字幕)] 5点(2023-02-07 17:53:19) |
★39.原作は門田隆将の『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』。当時の経緯を詳しく知りたいのであれば原作を読んだ方がいいだろうし(読みやすく書かれてるしね)、より冷静かつ俯瞰的に知りたければ、船橋洋一の『カウントダウン・メルトダウン』を読むのもよいでしょうし、NHKスペシャル『メルトダウン』取材班の『福島第一原発1号機冷却「失敗の本質」』などは、誰が良いの悪いのというのとは別として、事故の経緯に対する印象を一変させるかもしれません。あるいは別角度の視点として、高嶋哲夫の『福島第二原発の奇蹟』とか。 とは言っても、この『Fukushima 50』という映画は、原作本の内容をただ映像に置き換えて再現してみました、という訳ではなく、やはり、映画ならではの訴えるパワーをもった新たな作品として、しかしあくまで実話に沿ったノンフィクションとして、作られたものなんでしょう。 であれば、ウソを織り交ぜろとは言わないけれども、何かもう少し、「事実の再現」以外に、映画らしい演出があってもバチは当たらない気がするんですけどね。悲惨で絶望的な光景ばかりではなく、そういった光景に囲まれる中でふと目を上げれば、そこにはかつての美しい空があったり、自由に宙を舞う鳥がいたり。ってのはさすがにベタかもしれませんけれど、要は、対比、ですよね。 主人公の描き方も実にストレート。原作通りっちゃあ、原作通り。確かに、本店なり首相なりの(やや誇張された)愚かしい姿との対比はあるかもしれないけれど、ここには想定内の、我々の期待に完全に応えてくれるヒーローらしいヒーロー像しかない。同じ渡辺謙がかつて『硫黄島からの手紙』で演じた栗林中将が、我々の期待をはぐらかすようにいまいちヒーローらしからぬ人物、しかし(あるいは、だからこそ)印象的な人物として描かれていたことを、ふと思い出します。 この題材を、このタイミングで映画化して、それだけでも何かと難しい面が多々あるだろうけれど、その結果、こういう作品として仕上がって、ご苦労様なのですが、つい、「無難な冒険」、と呼びたくなってしまうのです。 【鱗歌】さん [地上波(邦画)] 4点(2022-10-23 18:08:29) (良:2票) |
38.どうも記憶と違う。 海水注入したタイミングでは、政府は原発事故についてはっきりしたことは何も言っていなかったと記憶している。 政府が原発に事故が起こっていることを認めたのは、一週間も経ってからじゃなかったか。 つまり隠しきれなくなって暴露したに過ぎず、仮に早い段階でおさまっていたとしたら、何事もなかったことにするつもりだったはずだ。 映画として。 二号機の温度が唐突に下がり、米軍が「トモダチ」作戦を始めたあたりから、都合のよさを感じた。 これをわざわざ作ったことに、非常に不純な意図を感じる。 【おら、はじめちゃん】さん [DVD(邦画)] 3点(2022-06-06 03:39:59) |
37.最初から最後まで全体のトーンが同じで、抑揚もクライマックスもなく、最後は「この責任は自然の脅威」でまとめてしまっています。出演者たちもどこかで見た様な人ばかりで新鮮味がありませんでした。それに、ところどころ挿入される米軍のシーンは本当に必要だったのでしょうか?そもそも「Fukushima50」という単語は普段の生活の中で耳にしたことがありません。映画としてはつまらなかったです。。。 【みるちゃん】さん [インターネット(邦画)] 3点(2022-05-05 08:42:57) (良:1票) |
36.あの福島第一原発事故を描いたというだけで、つまらなくなりようもない作品。 もちろん、ちゃんと金と時間をかけて高いクオリティで作ってくれているからこそでもあるが。 なかなかおもしろかった。 まあ、とってつけたような家族との絆みたいなシーンは、1mmも心が動かなったけども(笑) 洋画も含め、この手の実話系では、ちょくちょくこういうのを入れたがるけど、いるかね? あとは、「俺たち何か間違ってたのかな」の伏線からの、ラストの「間違ってたのは、あんな高い波が来るはずないと思ってたこと」っていう直球ど真ん中で、現実的で無味乾燥で、かつもうそれニュースで100万回は聞いたよ!な結論にはさすがに萎えた。 もちろん、全くその通りなんだけどさ、それで作品を締めたら駄目だろう。 まあ、もっとも、東電は311前に福島で15mを超える波が来る可能性あることを試算していたんだけどもね…。 【椎名みかん】さん [インターネット(邦画)] 7点(2022-03-31 12:10:35) |
35.原発事故対応で日本中が凍りついたが、その時の様子をよく描けてると思う。映画でドキュメンタリーみたいだが。東日本大震災の悲劇を日本人として忘れてはならない、こんな悲劇があったよと後世に受け継がなければならない思う。津波被害は甚大だったが東電原発の問題は未来永劫日本の大問題である。日本人が忘れない様にこのような作品を作ったことは大いに評価出来るし、いいことだと思う。 【SUPISUTA】さん [インターネット(邦画)] 7点(2021-08-07 08:10:08) (良:1票) |
34.ある種のドキュメンタリーとして堪能させてもらいました。その後の報道などを見聞きするかぎり、おそらく本当にこんな感じだったのでしょう。その意味で、家族だの回想だののシーンは邪魔でした。急に弛緩するというか、エンストされた気分になるというか。全部カットしてほしかった。 それにしても、見ているとだんだん暗澹たる気分になります。10年前の話ではなく、リアルタイムのコロナ対応やオリパラ対応とあまりにも重なるので。さすがに怒鳴り散らすしか能がないトップは今はいないと思いますが、責任をたらい回しにしたり、現場を知らなかったり、なかなか方針を打ち出せなかったりする上層部がいる一方、現場では常に危険な作業を強いられるあたりは瓜二つな感じ。 つまり、日本の組織の問題は10年前、もっと言えば太平洋戦争後から可視化されていたのに、結局何一つ改善されないまま今日に至っているわけで。それも平時なら適当にごまかせますが、有事になると一気に顕在化します。 さらに言えば、今の〝国難〟の現場に「吉田所長」はいるのだろうかと。傍から見ているかぎりは不在のようで、ますます不安になります。 ただ、ちょっとだけ登場した自衛隊員のセリフ「民間人ががんばっているのに、我々が撤収するわけには行かない」には、ベタと知りつつグッと来てしまいました。 【眉山】さん [インターネット(邦画)] 7点(2021-07-23 02:08:06) (良:1票) |
33.当時、ニュースで見てた通りの展開だったので、驚きはなかった。 リアルタイムで知らない世代に伝える為の記録映画としては価値があるのかも知れない。 建屋内で何が起きてたのかを映像化したことで、事の重大さは伝わってきた。 あれだけ頑張ってもどうしようもなかったのなら、あそこに作ったのが間違いだったとしか言い様がない。 どこに作れば安全なのかもよくわからないけど。 【もとや】さん [地上波(邦画)] 6点(2021-06-25 17:27:45) |
32.平常時はきっちと機能するシステムや組織も非常時は機能不全になるということですね。 現場は工夫しながらやれることをやっているのですが、ヘッドクォーターとのやり取りがちぐはぐで空回りしてしまうのは、コロナ禍でも全く変わっていないようですが・・・ (じゃ、どうすれば良いのかは答えが出ませんが) ついでに言えば、演技過剰なんじゃないの。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(邦画)] 5点(2021-05-11 09:39:16) |
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31.東日本大震災と、福島第一原発事故。 日本人が忘れてはならない、語り継ぐべき内容。 映画というよりは、映像作品(記録)かな。 教科書的な価値があると思います。 飾り言葉ではなく、本当に「命懸け」の現場の人たち。 これで感動しなかったら、日本人に非ずと言ってもいいのでは。 と、個人的に思います。自分も現場寄りの人間だからですかね。 怖いくらいの渡辺謙の熱さは流石でした。 「事故は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!」 会社の上層部や、時の政権などの風刺も垣間見えるけど、 現場が主役としての内容だけに仕方ないかなと。 幹部や政府なんてのは、あくまで脇役です。 【愛野弾丸】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2021-04-28 20:35:32) (良:1票) |
30.《ネタバレ》 日本の危機、世界人類の危機を守るために尽力された現場の方々には感謝の念を贈り賛辞したく思います。 作品としても、彼らの奮闘シーンをメインとし、地震・津波・爆発映像に特化せず、過剰な演出を見せなかった点は良き点だったかなと思えます。 ただ余計な見方として、どうしても気になってしまったのが内閣総理大臣:佐野史郎のキャスティング。当時の総理大臣:菅直人の容姿と雰囲気からしたら今回、官房長官役をやっていた金田明夫のほうが適任だったのではないかと思えます。そもそも異質な俳優:佐野史郎をなぜ日本のトップに置き据えた? ミスキャストじゃないかな。 どうしてもそこが気になって。 ただそれを考え出すと、現実世界で、もしも、この震災当時の首相が菅直人以前の鳩山由紀夫の時だったらもっとヤバかったんじゃないか、もしくは菅直人以後の野田佳彦の時だったら、更にヤバかったんではないか 東日本はどうなっていたのだろうか はたして日本は大丈夫だったのか?とか、この時たまたま民主党政権化の時に起きてしまった緊急事態だっただけに、はたしてこれが自民党政権化の時だったとしたらどう対処されていたのだろうか とかいろいろ今さらながらにして派生的な考えが巡らされてしまいましたね。 そんな意味では、あの日あの時の福島で起きていた事態の回顧、その後事態はまだ収拾していなく、解決する気配すらまだないわけでありますが、十年経った今、今一度この時の危機状況を思い起こしてみるという良いタイミングだったのではないかと思えます。 緊急時に断を下すトップの存在、まともな存在であってほしいものです。でもそんなことを考えてみると、やはり、日本のトップ役が佐野史郎とはこれいかに。 でもこの作品を後に目にした当事者の菅直人さんは本作の出来について、リアリティがあっていいんじゃないかと満更でもない様子で公式の会見で述べていらっしゃったようですね。だからなにってわけではないですが。 【3737】さん [地上波(邦画)] 7点(2021-04-19 23:45:37) (良:1票) |
29.《ネタバレ》 東日本が誰も住めない死の街になったかもしれない。それを避けるために命をかけて闘った人たちの記録。 下手をすれば死に至る放射線レベルの場所に身を投じる責任感と勇気。 部下に危険な任務を命じる苦渋の選択。 吉田所長をはじめ、福島第一原発で、日本の未来のために責任を全うした現場の人々には頭が下がる。 あれからもう10年だけど、廃炉への道のりは果てしなく遠い。 【roadster316】さん [インターネット(邦画)] 7点(2021-03-22 21:08:44) (良:1票) |
28.《ネタバレ》 低評価の理由に納得した。 実話であるなら事実を淡々と客観的に描けばよいのに、 ヒーローもの、青春ものの要素を恥ずかしげもなくぶっこみ、 プロパガンダたっぷりの美談に仕上げてしまったこと。 後半は失速し、米軍のトモダチ作戦に、関係者家族のドラマを流す厚顔無恥っぷりで要るか、これ? そうなると事実と映画が分離され、余計に集中できなくなる。 震災によって得するのは他でもなく利権を貪る政治屋であり、 東京オリンピックと称した「パンとサーカス」で批判から目を逸らそうとしているわけだから、 吐しゃ物の臭いしかしない。 コロナ禍によって、化けの皮は完全に剝がされたけどね。 さらなる甚大な被害を食い止めようと奔走した現場関係者には頭が下がるが、 こんな形で利用されたら本当にいたたまれない。 ただただ後味が悪い。 【Cinecdocke】さん [地上波(邦画)] 2点(2021-03-20 00:42:18) (良:3票) |
27.《ネタバレ》 事実として、未曽有の放射線事故拡大防止に命を懸けた人たちがいたのは確かであり、あの想定外の大事故を映画として、真摯に極力再現して記録し、後世に記憶として残そうとする(崇高な)意図に対して、あれはどうだ、これはこうだと、安直に非難するべきではないと思います。実際に見ていてはらはらし感動したので満点評価をしたいところですが、やっぱり、映画としてみれば、佐藤浩市のやたら大仰な演技が鼻につくし、その娘がどうのこうのはどうでもいいことと思いますので、1点減点して9点と評価しました。 【黒部の太陽】さん [地上波(邦画)] 9点(2021-03-18 15:35:45) (良:2票) |
26.《ネタバレ》 事実といろいろ違い、意図的な? 歪曲もある、という評判を知った上で視聴。 現場の頑張りで救われたという、命がけの頑張りの話としてはよくできてて、首相来訪の対応が、現場からするととてつもなく無駄かつ莫大な労力に見える、という辺りは、他業種の火の車の現場でもあるあるな感じで、そこは割と現場側の感情としては共感した感じでした。 ただ、こういう、 「現場の頑張りでなんとかした=マネジメント層はろくな仕事を前々から全然してなかった、給料貰ってるのも恥ずかしい手抜きマネジメント」 という、日本的組織の普遍的悪癖を、どういうわけか感動的な話にして、問題の本質をごまかす実にあくどいやり方(映画等エンタメ表現の手法を悪用した卑劣なやり口)、が、こう厳然としてエンタメっぽい作品として残ってるのをまざまざと見ると、いやもう、こういう話を感動話なんかにして称えるのは止めましょうぜ、としみじみ思った感じでした。 それはさておき、当時現場で、生命の危機がありつつも頑張ってた方々がいた、ということに対しては敬意を払いたいと思いました。 【sim】さん [地上波(邦画)] 5点(2021-03-17 18:50:04) |
25.《ネタバレ》 どこまで脚色されているのかわからないが、実際にフクシマで何が起きたのかを知るのであれば『88時間の危機』を見た方がよいし、その後も様々な事実や知見が出されているのでそれらを確認した方がよくて、これを見て事実と勘違いして素直に信じたり感動するのは問題があるだろう。なら、エンタテイメント的なパニック映画として割り切って見る事が可能かというと、実際に起きた危機がベースになっているのでそういうわけにもいかない。現場と政府のパニック対応系なら『シンゴジラ』を見る方がいいわけで。という意味で「帯に短し襷に長し」というか、今更原発事故を映画化するなんてなんだか製作意図がよくわからない作品だなあと思っていたのだが、最後の最後でオリンピックの宣伝が出てきて、ようやく理解。つまり、このような危機を乗り越えて復興五輪を行う日本を賛美するのが目的なんだろう。よって、政府のプロパガンダ的要素が強い作品であり、その辺は十分に留意してみる必要はある。ただし、コロナ危機が起こってしまい、それに未だ「打ち勝つ」事ができない政府はプロパガンダの目的を達成できていないというオチになったのは皮肉ではある。とは言え、原発作業員と同じように医療現場で危機に対応している人がいるという想像力は必要だろう。 【東京50km圏道路地図】さん [地上波(邦画)] 4点(2021-03-14 13:20:38) (良:1票) |
24.《ネタバレ》 ~Fukushima 50~海外メディアで報道された呼称で、ワイドショーでも紹介された。でも日本の報道では、当時彼らがこう呼ばれて応援された記憶はない。直近にチリ鉱山の33人全員生還があった。 当時の生々しい記憶が蘇る。今でも3月11日には、その時その時会っている人と「わたしあの時ちょうど〇〇をやっていて…」なんて話題になる。 これは「俺、あの時ちょうどフクイチで…」日本を命掛けで守った人々の物語だ。 俳優陣は豪華で原発の再現もお金も掛かっていて、内容も真面目に撮っている。けど、決して上手に出来た映画だとは思えない。こんな失礼な点数で良いのかもわからないが。 「2014年・春」の実際の映像でついに涙が溢れた。映画の内容ではなく自分の記憶に泣けた。 地震発生から多くの人が作業をしていて、命掛けの手動ベント、屋外作業、海水注入などは選抜50人が残る以前の出来事で、50人が残って以降、映画のタイトルになるような、彼らのドラマチックな(新たな)作業は描かれていない。 未曾有の危機に対応できない日本政府、現場に押し付けるだけの東電本店、邪魔しかしない菅直人首相。日本の対応に不満なアメリカ。2号炉の圧力が下がったのはパネル落下の偶然では… 日本がコロナに打ち勝ってオリンピックを開催しよう!って頑張っている今、災害に対応できない政府、現場任せの上層部、無能なリーダー、偶然の結果を映画で見せつける意味は何だろう。 原発以外の被害。10万人の自衛隊出動や多くのボランティアの救助作戦などをほとんど入れずに、トモダチ作戦だけ入れるのは、どうだろう? 海外の動きを入れるなら、地震から僅か一週間で多くの国から救援隊が来て活動していた。台湾からはとんでもない額の義援金を頂いた。規模の大小で言えばアメリカが一番かもしれないけど、東京オリンピックが復興五輪、世界の祭典と言うなら、あの時は世界中に助けてもらったって伝えたほうが… あの原発事故を映画というカタチで残すことは大変意味のあることだと思うし、まだ震災から9年で、色々な制限や描けない描写が沢山あることは十分理解しています。この映画以降、あの震災と正面から向き合う真面目な映画が出来ていくと思います。 そして残った50人の方に限らず、あの時世界で一番居たくない場所、福島第一原子力発電所で作業をしてくれた全ての方に、感謝の気持ちと敬意を表します。 【K&K】さん [地上波(邦画)] 3点(2021-03-14 12:00:05) (良:1票) |
23.原発が核爆発を起こすことはなく、福島の原発が東京銀座に死の灰を降らせることもありえない。日本を壊滅させる能力を、日本の原発はまったく持っていない。平成23年3月11日は、40年前の日本の技術力がマグニチュード9の地震と15メートルの津波に打ち勝った、日本の栄光の日だった。原作者の門田隆将氏はネットでは有名なぱよちんホイホイさんだが、福島事故の誤ったイメージに彼が乗っかった理由は、ただ菅直人の醜態を映像化して残したかった、それだけだろう。 日本人はこの十年で、原発報道に疲れ果てた。それは東日本大震災が起きたその日から、そうだった。日本が大変な時に、なんなんだ原発って?全国民が、1日目からそう感じてきた。今も連日視界に入ってくる最新ニュースや特集番組を、今は誰もが話半分で聞き流している。なんやかんやマスコミは言うが、あの津波被災と避難暮らしよりも惨めななにかを原発が連れてきたことなど一度もなかった、それを国民は少しずつ覚えたのである。 節目の2020年に公開されたこの映画も、私たちは「いいよもう」とウンザリしながら宣伝を眺めた。モチベの上がらなさは逆に考察に値した。映画の中身も、だいたい知ってることだけだった。この映画の4年前に、『シン・ゴジラ』が、旧来通りの日本政府だったらあの時こうだったという意欲的なシミュレーションを完璧に作り上げ、『君の名は』は、あの時なにもできなかった我々の代償行為の役目を果たし、どちらも歴史的な支持を集めた。そして、この映画の後に、あの『鬼滅の刃』が興収1位更新へと走り出した年だった。 【watson】さん [地上波(邦画)] 1点(2021-03-14 04:05:47) |
22.《ネタバレ》 これだけのオールスター・キャストで気合が入っているにもかかわらず、残念な映画。実際の東電原発事故をモデルに、名前もほぼ実名という設定にもかかわらず、首相や東電本店を一方的に悪者扱いしているところからしてひどい。これじゃ観た人が官邸や本店クソだと思っても致し方ないよ。 NHKで放送されていた「88時間の危機」のほうがよっぽどリアルティがあるし、何よりYouTubeでも東電テレビ会議の実際の公開映像と音声があるのだから、まずはそちらを見るべき。この映画でも出てくる、吉田所長の英断とされた1号機への海水注入「中断のふり」も、実際はパイプからの水漏れで効果がほとんどなかったことが指摘されている。現実を知れば見方もまた変わってくるということだ。 それと印象的なのは、日本の組織の欠点でもある場当たり的な対応を再認識させられたこと。新型コロナ禍によってもあぶり出されたものだが、危機に弱い。最悪の事態を想定せず、臭いものには蓋しとけ的な対応の積み重ねが人災となる。自然の猛威には人知はとうてい及ばない。あの事故が、東日本壊滅という悪夢の一歩手前までいっていたのだということを広く世に知らしめたという点では評価したい。 【mhiro】さん [地上波(邦画)] 5点(2021-03-13 18:04:43) (良:1票) |