【TERU】さん [ブルーレイ(吹替)] 6点(2023-08-03 20:46:51) |
175.《ネタバレ》 最初から最期まで気の抜けないストーリーは素晴らしい。2時間ずっと釘付けになる。 圧巻はやはり、原子炉に防護服無しで修理に行くシーンで、見てるだけで背すぎが凍る。下手なホラーより恐ろしい。 艦長と副艦長との衝突も見せ所なのだが、副艦長は艦長に途中で反旗を翻す展開になると思わせておいて、全く逆の行動に出るあたり、意表をついてきて面白い。 しかし、お話には致命的な問題がある。 艦長の判断に、他の乗組員がその度に反発するのだが、最終的には副艦長含め乗組員が艦長を信頼し従うというのが、話のキモになっている。しかし、残念ながら、それが全くうまく成立していない。 というのも、艦長がみんなから信頼を得られるような人格者であったり、艦長として正しい判断をしているとは、とても思えないからだ。 飲んだくれた原子炉担当を更迭したとかが正しかったかどうかは何とも言えないが、あの圧潰深度限界までの潜航や、海氷の厚さも不明なままの急浮上することに意味があるとは全く思えない。実際、急浮上によってアンテナが壊れてしまい、その後救助を呼ぶことも上層部の支持を仰ぐこともできず追い詰められていくことになってしまう。 常に部下の意見に全く耳を貸さず独断専行なのもどうかと思う。そして何よりも、原子炉事故発生以降、明らかに人命を軽視し、軍の威信や利益を守ることを優先した行動を取りまくってるのがひどすぎる。軍人としては正しいのかもしれないが、観ている方としては腹立たしい。 彼は命がけで原子炉内部に乗り込んで修理してくれた若者を、やれ英雄だ何だとのたまうが、いやいや、アンタ、副艦長が提案したように船を放棄して他国に援助を求めていれば彼らは死なずに済んだだろ?とどうしても思ってしまう。 艦長が無能だったり人命より職務を優先する判断をすることそれ自体見ていて気持ちのいいものではないが、それよりも問題は、そんな彼をどうして、乗組員たちが皆一様に支持し、ついていこうとするのか?そこが全然釈然としない。乗組員たちは「いつ」そして艦長の「どの行動」によって、今まで反目していたのに急に艦長を支持するように変わったの?全然分からない。 乗組員や副館長が最終的に彼についていきます!というのや、軍事裁判で彼をかばうところが、この映画の見せ場なんだろうが、とにかく上記の点が釈然としないから、全く感動なんてありゃしない。 どうしてこんな作りにしたのか、不思議で仕方がない。 【椎名みかん】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-11-15 23:26:47) |
★174.エンドロールのクレジットを眺めてると、音楽を演奏してるのが、キーロフ管弦楽団及び合唱団、指揮ヴァレリー・ゲルギエフ、なんて書いてあってビックリ。音楽にも「ロシアの響きが欲しい」ってコトなんですかね。なんという贅沢。ま、正直、聞いててもまーったく気づきませんけれども。このオケは今では“マリインスキー劇場管弦楽団”という名前のハズなんですが、わざとソ連時代の名前でクレジットした、ということなのかどうなのか。 キャスリン・ビグローはこの後、めっきり「リアリティ最優先主義」みたいになっちゃって、面白味に欠けてくるのですけれども、本作はまだ、実際の事件に取材しつつもしっかりとエンターテインメント作品になってます。すでに少し「実話」に引きずられてる中途半端な印象も無くは無いですが、そもそもおよそ軍人らしからぬハリソン・フォードを艦長役に据えている時点で、リアルさとは相容れないものがあり、ハリソン・フォード自身は抑えた演技でリアリティに貢献しているつもりかもしれないけれど、やっぱり節々にチャラい身振りが出てしまう、そういったあたりの微妙なバランスは、作品の魅力にもなってます。 米大統領役も演じたことのあるスターの彼が、ソ連原潜の艦長役。まあ、「ソ連のことを悪く描くつもりはないんです」という作品の姿勢の表れ、なんでしょうか。 潜水艦内という閉鎖空間での原子炉事故、というサスペンスに加え、人間同士の対立などもあって、作品には緊迫感が溢れていますが、一方で中盤の、乗組員たちが氷上でサッカーに興じる光景などには、心和むものがあり、印象に残ります。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-07-15 21:15:47) |
173.《ネタバレ》 非ロシア人であるハリウッド二大スターを使って旧ソ連海軍を描くとは難しい仕事だったと思います。しかし、言語こそ英語ですけど原潜内部のリアリティ溢れる造りはもとより、乗組員と政治士官との立場の差異など社会主義国ならではの政治事情もストーリーで説明できており、メイド・イン・ハリウッドということを気にさせない立派な作りです。画がちゃんと重くて渋い、ザ・共産圏の香りがします。 原潜内部で起きた異変の原因は、党が強いた突貫工事による整備不良や、正規品も間に合わない現場のとりあえず間に合わせた不完全な仕上がりによることは明らかです。K-19、この艦はドックから出たての処女就役なんですよね。この年1961年。1年目からこんな有様の潜水艦をソ連はその後老朽艦になるまで使い回し、冷戦終結後に明らかになった数字ではのち29年間で23件もの同様の原潜事故が起きていたと書物で読みました。 劇中非業の死を遂げた乗組員や艦長らの慟哭、非人道的な安全対策の不備がこの物語の後30年も繰り返されたとは旧ソ連という国家の非人間的なことに改めて衝撃を覚えます。 この映画の伝える恐怖は身体が震えるほどのリアル描写で、恐慌状態に陥ったP・サースガードが泣き叫ぶほどにこちらの気分も悪くなりました。 序盤まではリーアム・ニーソンとハリソン・フォードという主役クラスをどう両立させるのか、バランスの難しさを危惧しましたが杞憂に終わりました。特にH・フォードの新艦長がどういう立ち位置になるのか、とても興味深い出だしでした。ハリソンといえば、いつでも「正」側にいるイメージがついているスターですから‟無能艦長”の役回りで終わるとも思えなかったですし。 そう、もちろんボストリコフ艦長はこの就航が無理なミッションであることを分かっているのでした。しかしひとたび任に就けば艦内のトップとして職務全うにベストを尽くす。「訓練好きのコネ艦長」などではないのです。 副館長のリーアム・ニーソンはハマリ役で安定感抜群でした。部下に対しては温情型の彼が、しかしクーデターを許さず厳しい態度に出たことで原潜内の秩序維持の必須なことを思い知らされます。危険で特殊な環境下では組織のタガが緩む行為は許されない。たとえ意見は対立してもハリソンは艦長なのです。 ベテラン俳優二人の見事な組織人ぶりがドラマの重厚感をより引き立てました。どっと疲れるけれど、観るべき映画と思います。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-06-08 23:31:27) |
172.《ネタバレ》 リーアム・ニーソンが、とにかくカッコ良かった! 一方で、主役であるはずのハリソン・フォードが、どこか自信なさげで頼りなく、部下を放射能にさらした責任は問われずに自分は生き残り、裁判ではリーアムから不相応な尊敬の言葉をもらってそれに甘んじてしまう・・・ なんかなぁ~!という感じ。でも昨今のご時世、潜水艦の三密は命取りだと思った次第です。リーアム、万歳! 【windance】さん [DVD(字幕)] 6点(2020-05-08 06:29:05) |
171.《ネタバレ》 最初に見たのはTV放送で、とにかく放射線障害が悲惨だったことだけ憶えていた。医学的にどうかはわからないがわずか10分でこの状態になり、それでも次々に人員が投入されていくのが恐ろしい。日本でいえば1999年に東海村臨界事故があったので、何かと雑なソビエト連邦の出来事だからとも言い切れなかった。 今回は無料公開の終了間際ということで見たが、上記以外の部分はそれほど感心しなかった。一応は実際にあった事件をもとにしているので、先の見えない展開のようでも自由度は狭まっており、例えば総員退艦して自沈する選択はありえなかったことになる。事故の話だけでは不足と思ったのか、前半では艦長が無理してスリリングな見せ場を作っていたが、その理由の説明には納得できなかったので落胆させられた。終盤で再度300mをやったのは、前にもやったので気分的には怖くないという意味だろうが、物理的には1回が限度で2回は無理ということもあり得たのではないか。 人間ドラマとしても、前艦長が一番いい人かと思っていたら艦長も感化されていい人になって、最後は仲間が一番大事で終わるのは極めて普通というしかない。少し意外な点として、艦長の父親も息子に似て野心家だったが「ツキの落ちる日」が来て収容所に行ったのかと思っていたところ、終盤でその想定をひっくり返す展開になっていたらしいが、それもそれほど印象的なものにはなっていなかった。 最後の集合写真で大感動もできなかったが、もうアメリカでもかつての敵への偏見などはなく、ロシア人の乗員に素直に心を寄せる余裕があったのだなという感慨はあった。ロシア風の背景音楽も耳に残る。 以下些細なことだが、字幕で近くの島の名前が「ヤン・マヤン」だったのは何語か見当がつかず南洋の島かと思ったが、これはノルウェー語でJan Mayen、ロシア語でもЯн-Майенで、カタカナでは「ヤン・マイエン」と書くのが妥当と思われる。こういうところにも気を使ってもらわないと北極海の雰囲気が損なわれるわけだが、そもそもその前の段階でバレンツ海を「ベーリング海域」と訳すようではどこの話かわからなくなる。劇中の地図を見ればいいにしても杜撰な翻訳だ。 【かっぱ堰】さん [インターネット(字幕)] 5点(2019-10-27 19:28:28) |
170.潜水艦モノにハズレなしって誰かがゆってたから期待して見たんだけど。そうでもなかった。緊張感はあるんだけど、緊張の理由がただの事故だからね。指揮官二人の行動原理も謎すぎる。 【センブリーヌ】さん [インターネット(字幕)] 6点(2019-09-12 13:51:13) |
169.《ネタバレ》 「米国人は、字幕映画を観ない」という事で、全編英語で作られています。 違和感は感じますが、興行収入の事を考慮すると仕方がなかったのでしょう。 通常、潜水艦モノと言えば戦闘シーンがメインですが、この作品にはそれはなし。 なので、人によっては、やや物足りなさを感じる映画かも知れません。 しかしながら 独善的な艦長と、部下からの信頼が厚い副長との軋轢や 原子炉のメルトダウンを防ぐため、死を覚悟で修理に挑む乗組員たち の描き方は、見応えがありました。 この事故は「国家の恥」であるため、ソ連では長い間かん口令が布かれていたようです。 ソ連の崩壊後に、乗組員が明らかにしたものなので、多少のフィクションは有ると思います。 この辺り、事故を覆い隠そうとする共産主義の怖さも感じます。 副長役のリーアム・ニーソンは適役でした。 逆に、ハリソン・フォードに、この役は違和感がありますね。 【TerenParen】さん [インターネット(字幕)] 6点(2019-08-27 17:31:29) |
168.《ネタバレ》 キャスリーン・ビグローの作品は、ハートロッカーにしても、ゼロ・ダーク・サーティにしても、骨太で現実をこれでもかとばかりに観るものに突きつけてくる。それでも、原子炉に入って修理する悲壮さは、きっと映画の比ではなかっただろう。 国家の尊厳のために兵士を駒としてしか見ない上層部と、仲間や祖国のために命を賭けた兵士を英雄だと訴える現場の指揮官と、その差はどの世界でも埋まりようがないのかもしれない。 「父上と同じく収容所送りになりますよ」 「それが我が家の伝統かもしれん」 その一言で全員離艦を決める艦長の決断。 その決断を聞いた乗組員たちの表情が素晴らしく、艦長に対する信頼があふれていた。 いや、いい映画。 |
167.《ネタバレ》 実在した不幸艦K-19の1回目の事故を描いた実話映画。 実話だからしょうがないんだけどあまりにも話が地味で、つきつめれば原子炉が壊れたから命をかけて修理する、というだけの話。 最後まで緊張感をもって見る事はできるし悪くはない…んだけど、ただでさえ暗い雰囲気の潜水艦映画でこれだけ話が地味だと面白い!とは思えないのが残念なところ。 ちなみに劇中で艦長が、このまま原爆並の大爆発を起こしてしまうと世界平和への影響が避けられないから潜水しようとするわけですが、これって当時艦長が実際そう思ってたそうなんですが、実際はこういう事故がおきてもただ沈むだけで原爆みたいな爆発は起きません。勘違いなわけですね。 そしてK-19、この原子炉事故のあとに衝突事故と火災を経験する事になります。ついてない奴はとことんついてないってわけですね。 【あばれて万歳】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-12-10 03:20:04) |
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166.昔見た時はとても完成度の高い映画に思えましたが、再見してみるとそうでもないですね。まず妙な英語で進むことに違和感です。あとハリソン・フォードにも違和感バリバリです。 映画に関しては今改めて見ると、監督さんが何を見せたかったのか?この辺が微妙で映画として理解しがたい部分が多いです。表面的に見るならば、やはり共産主義国家の怖さがにじみ出ています。あの思想の国家は底辺に行くほど無理が生じていることは明らかで、結果的に防護服すら完備せず、また、トラブル時のマニュアルすらも満足に検討せずに原子力潜水艦を航行させてしまうという恐ろしい事態が起きてしまっています(まあ、時代もあるのでしょうが)。 50年以上前の話と比べても仕方ありませんが、現代のNK国もこのようなことなのかなと考えるとちょっと怖いですね。(共産主義=社会主義 同一と考えてレビューしています) 【アラジン2014】さん [インターネット(字幕)] 4点(2018-07-30 10:04:27) |
165.《ネタバレ》 ソビエト潜水艦をハリウッドスターが演じたので違和感を覚える人はおそらく大半でしょうが、 なかなかハリソンフォードとリーアムニーソンの面白い共演でした。 それにしても原子炉修理に立ち向かった搭乗員達、報われなさ過ぎだよ。無能な船長あんたが行け!(実際助けに行ったが)。 くだらない冷戦の一端にすぎないんだろうな。 |
164.前知識0で見たので、てっきりレットオクトーバーを追えのように、リーアムがソビエト、ハリソンがアメリカの役かと思っていたら、ハリソンがロシア人役て、ものすごい違和感だったのですが、内容的にはまあ、どっちでもいいという感じで,気にせずに見れました。面白いといえば面白いし、物足りないといえば物足りない。という感じです。まあ、いわゆる密室の中の危機的状況をどう乗り越えるかという内容なので、派手なアクションやドンパチはありません。その辺を期待すると肩すかしを食らう映画ですね。 【シネマファン55号】さん [インターネット(字幕)] 6点(2015-03-30 17:48:10) |
163.《ネタバレ》 やっぱり、ハリソン・フォードがソ連潜水艦艦長役は違和感がありますね。ま、こちら側のイメージの問題なだけでしょうけど…。当然全員英語というのも、、、まぁここらへんは仕方がないですね。ソ連原潜の内情を暴露した本作、冷戦時代の言わば「見えない敵国」を想定した軍事活動で発生してしまった悲劇に光の当たった内容は、いやースゴイ(大がかりな潜水艦セット?(実物制作か)もすんごいよコレ)。放射能の恐ろしさ・とてつもなく大きなエネルギーの裏にある危険性を描いていますが、現在(2013年)の観点からみれば、いろいろな想いが頭をよぎります。人類が手にした物と失ったモノは何だったんでしょうか? 国と国と戦いに翻弄された軍人たちに、愛国心や忠誠心や人としての生き方を考えた次第でゴザイマシタ 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-01-06 20:37:17) |
162.《ネタバレ》 「Uボート」で確立された潜水艦映画の、新たな地平を切開いた作品。それまで潜水艦の敵は外部にある敵国のミサイルであったり、全てを押し潰す水圧であったのだけど、ここでは内部の敵・原子力との戦いがメインとなっている。特に、後半での漏れ出した放射能の海のなかを、仲間を救うために命を賭して進む人々の姿には純粋に感動を覚える。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-06-14 16:45:47) |
161.《ネタバレ》 ほんとの話だったそうで核の取り扱いがあんなにずさんだったことにびっくり。 今この時期に見ると真に迫るものありました。 【KINKIN】さん [DVD(字幕)] 5点(2012-03-25 07:50:26) |
160.《ネタバレ》 決死の原水炉冷却修理にあたる乗組員から伝わる緊迫感、冷酷艦長の心情の変化に注目です。 【獅子-平常心】さん [地上波(字幕)] 6点(2012-02-03 00:07:25) |
159.事件自体はミリタリ関係が好きな人であれば良く知っている程度の話で、それに対してあたしはどうこう言うつもりも無いが、ハリソン・フォードをこの映画に起用するというのがちょっと違うかな、という気がしてならない。いや、ハリソン・フォードは非常に良い役者だとは思うのだが、彼だけ変な違和感があるんだよね。それがなんだろうと考えると、彼が物凄くロシア人っぽく見えないってことなんだよね。物凄くハリウッド映画的な葛藤の見せ方をするって所に違和感があるとあたしは結論付けました。勿論、あたしがロシア人を十分に知っている訳では無いけど、どうしてもこういう部分でハリウッド映画のスタンダード・プロットに乗せ過ぎなんじゃ無いかって気がします。既に冷戦が崩壊している時期だし、時代も経っていることを考えると、もっとロシア海軍の協力を得ることも可能だったんじゃないかという気がしてなりません。 【奥州亭三景】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-02-06 18:17:47) |
158.この監督の演出が素晴らしいので、核の脅威がとことんまで溢れ出している。エンターテイメント性が一切無く、重い。 【のははすひ】さん [DVD(吹替)] 5点(2011-01-04 23:15:58) |
157.みなさん、被ばくを被爆と書いておりますね。正解は被曝ですから。 DNAを破壊してしまう放射線の怖さが伝わりました。 【にゅうたいぷ】さん [ブルーレイ(吹替)] 6点(2010-12-09 08:28:06) |