★16.《ネタバレ》 アート系の雰囲気を漂わせつつも、ちゃんとホラーになっているところが、エライと思います。アバウトな感想ですみません。 風に布が揺れ、光が揺らめいて、まるで海の底でひっそりと繰り広げられるような、吸血鬼の世界。 この吸血鬼は、日の光があたっても平気らしいし、十字架やニンニクで苦しんだりもしない、らしい(ニンニクに耐性があるのかどうかは映画には出てこないので、あくまで想像)。だけど、都会の片隅で、絶滅危惧種のごとくひっそりと生きている。 最初はデヴィッド・ボウイが物語の中心かと思いきや、彼は、年老いる哀しみを我々に見せつけながら、ひっそりと姿を消す。 そして彼の代わりとなるのがスーザン・サランドンで、カトリーヌ・ドヌーヴとの同性愛描写となるのだけど、ショートカットの顔立ちはそのままデヴィッド・ボウイを想い起こさせる瞬間もあり、性差を超えたイメージとなっています。 ネックレスも物語の中で上手く使われて、ラストで重要な役割を果たし、物語に説得力を持たせています。ホラーらしい見せ場もちゃんと準備されていて。 吸血鬼映画には、こんな映画もあれば、『極道大戦争』みたいな映画もある。いやはや、奥が深いです? 【鱗歌】さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-03-30 07:21:11) |
15.《ネタバレ》 冒頭から全く意味不明。 他のレビュー読むまで、これがヴァンパイア映画だともわからなかった。 デヴィッド・ボウイなんてほとんど出ていないし~。 老けメイクしていないシーンは正味3分くらいだし~。 こういうの詐欺っていうんだよ~。 それに何だよ。 脚本の段階で「なんで私たちがレズプレイなんかしなきゃなんないのよ」とか思わなかったの? カトリーヌ・ドヌーヴも顔にシワが目立って腐りかけてるし。 スーザン・サランドンも何だかな~って感じ。 トニー・スコットなんて監督、よくこんなの作った後「トップガン」なんか作ったよな。 まあ「トップガン」も大した映画じゃないし。 訳わかんないもん作って「これが芸術だ~」とか言ってる奴いるんだよね。 頼むから俺のいないところでやってくれよって感じ。 【クロエ】さん [CS・衛星(字幕)] 2点(2018-07-01 14:12:11) |
14.《ネタバレ》 先日逝ってしまったD・ボウイ氏。本当に美しいなあ。ドヌーブもさすがの美貌だなあ。ヨーロッパ型美形のお二方が揃ってのヴァンパイアはハマりすぎて画が完璧だ。吸血鬼はやっぱりヨーロッパ出身でないと、との思いを強くする。白っぽい粒子がキラキラしているような映像は幽玄さを醸し、現代のニューヨークにおいてもゴシックな芳香が漂う。早々とボウイ氏が降りた後釜はスーザン・サランドンと、急に20世紀顔になってしまうのは少々惜しかった。 お話はポーの一族さながら、永遠を生きる彼らの不変の苦悩がベースではあるけれど、半分人間の血が入っている者は死ぬに死に切れないという恐ろしいオチがついててびっくりだ。これではボウイさんは”永遠の命詐欺”に遭ったみたいなものではないか。何世紀にもわたる過去の被害者たちが朽ちかけた肉体を引きずってカトリーヌにすがりつく場面は恐いけど可哀想でもあった。 思いもよらない逆転打を放ったサランドンの横顔と、ドヌーブの切ない呼びかけ。徹頭徹尾クールな美学を貫いた感のあるラスト。 【tottoko】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2016-03-05 00:40:41) |
13.《ネタバレ》 最初はよくあるキザが空回りしているだけの映画だな、と思ったんだけど、結構それでも味わえちゃった。全編に漂う「たそがれ」の気配がいい。シューベルトの室内楽が鳴り、『バリー・リンドン』でレディー・リンドンのテーマに使われた変ホ長調のピアノ三重奏曲(の第2楽章ね)、あれに弱いんだ。なんかヨーロッパのたそがれって感じが迫るの。舞台はニューヨークだけど、それだけにボウイとドヌーヴのヨーロッパ性が強まる。ドヌーヴの貫禄、前半はちょっと場違いになるのではないかと心配したが、かなり適役だった。病院で待ってる間にどんどんふけていっちゃうとこが見せ場で、病院の長い待ち時間への皮肉と見てはいけない。あちらで「吸血鬼」ってのは、血を吸うことより「不死」のほうに重点が置かれているみたい。あんがい日本の能と近いものがあるかも知れない。滅びることが出来ずに迷ってる、って。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-11-28 09:45:15) |
12.《ネタバレ》 最後の悲鳴(魂の叫びとも言えよう)が未だに耳から離れない。 【たくわん】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2009-06-04 12:54:19) |
11.退廃的な芸術感漂うヨーロッパの香りがプンプンする吸血鬼映画でした。だから普通の吸血鬼映画みたいなエンターテイナー性はあまり感じませんでした。吸血シーンも直接描写は一回のみです。しかもけだるいエロさでプレイの一貫として撮っております。単純なホラーを表現したいんじゃなさそーです。愛欲と、血と美、歳をとる恐怖と、残される者の悲哀と、風になびく白いカーテン、ドヌーヴの怪しい魅力と、まーでも、とにかくエンターテイナーよりの俺の感性はこーゆうフワ~ッした感じのにはちょっと微妙。ただ、デビット・ボウイが急速に年老いていくのと、最後の展開がちょっとホラーチック。 【なにわ君】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-10-14 19:12:34) |
10.《ネタバレ》 モノクロの冷たい質感がとても良かったと思う。 都会的で無機質な雰囲気が良い。 ベッドで寝ている場面の静寂的な空気が好きだ。 病院の待合室で待たされる孤独感ってとてもよく分かるな。 女医が約束どおりに来てくれなくて、老化の症状をみて「おねがいです、ちょっと待ってください!」と追ってきたのは「ざまあ見ろ」と思った。 全体的に地味な印象だが、映像はスタイリッシュで、ところどころに美しいと感じる場面があった。 個人的にはカメラを持った少女が可愛いと思った。 ああいうタイプのボーイッシュな少女はなかなかいない。 また個人的だが、館の静寂的な雰囲気なんて、「ブレードランナー」の一場面に似ていたように思う。 なんでだかカーテンやレースが印象に残った。 なんたって音楽が良かった。ゴシックロックに冷たい無機質なサウンド。ヴァイオリンの音楽がとても悲しくていい。 【ゴシックヘッド】さん [DVD(吹替)] 7点(2007-12-31 01:44:08) |
9.ミュージッククリップ風の獲物物色シーンから獲物を頂いちゃうまでの細かい切り替えしと、切り替えされる各カットに乗っかるメリハリのある音の出し入れは、まさに今のトニー・スコットの演出。なんでもこのデビュー作のせいで彼はしばらく干されていたらしいのだが、それゆえに自らの特徴であるこだわりの演出を食っていくためにしばらく封印し、ある程度の自分の位置を確保した数年後に(『トゥルー・ロマンス』あたりか?)徐々に自分を出してきたのかな、と思った。とにかくこの作品は美しい。中でもカトリーヌ・ドヌーヴの非人間的美しさは格別。吸血鬼の物語である以上に男と女の物語であり、永遠の若さを手に入れるか老いることが必至の人間でいるかの葛藤のドラマである。だからこそ、あのラストシーンは納得がいかない。繋がってないし。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-09-20 15:39:57) |
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8.《ネタバレ》 主演がC・ドヌーブ、D・ボウイ、吸血鬼ものということで、デカダンな雰囲気を 堪能できると思い観ました。「吸血鬼モノ」はその存在が邪悪であり人間が対決するパターンと、「吸血鬼を悲しい存在(不老不死・人の生き血が必要)」として捉え吸血鬼が苦悩する様を描くパターンが多いようですが、この映画は当然後者に属するものです。ストーリー性を追うよりもC・ドヌーブやD・ボウイの吸血鬼としての性(さが)・飢え・苦悩を感じ取るというのか、浸るというのかそんな映画ですし、映像も黒・赤・白を基調にアバンギャルドな感じもあって「ホラー」の域を超えたスタイリッシュな感じに仕上がっています。この映画のテーマ(飢え)を、観る者に強く訴えたのはS・サランドンがC・ドヌーブの「しもべ」とならず、自らの命を絶った場面、そしてその時のC・ドヌーブの表情。突然の信じられない展開に唖然としてしまいました・・・ 音楽も「ロキシー・ミュージック」あり「クラシック」ありで良いセンスです。ただ、個人的には超老人?として朽ち果てるまでのD・ボウイの出番がもう少し長ければなあと思いました。 【たくみ】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-07-25 21:21:51) |
7.T・スコット、デビュー作。この時期の彼はまだ兄リドリーの影響下にあり作風も技法もよく似ている。スモーク&ライト、ホワイト・ダブ。C・ドヌーブとD・ボウイの硬質なルックスが優雅な作品世界にはまり、お耽美。寿命つきせし伴侶が脆く崩れるならば次を。白く眩しき吸血鬼モノの異色作。 【レイン】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-03-06 19:53:34) |
6.たまに間違えてホラーのコーナーに置かれているのを見かけることがあるけど、これは違いますよね。テーマはデカダンだよね。ボウイが美しいのなんか冒頭のほんの数分で、あとは見るも無残に老いぼれていくヨボヨボのヨロヨロ。何年生きてるんだか誰にもわからないカトリーヌ・ドヌーブがこんなに妖しく美しいぞ、というのが主題なんじゃないのかなぁと思いますが、対するスーザン・サランドンの微妙な生々しさ等、配役にはちゃんと意図が感じられると思います。ミステリアスにオカルティックに展開するわりにはジャンルがミステリーでもオカルトでもないので、肩すかしを食らう人が多いのではないかと思いますが、「移ろわない美ってこんなに悲しいぞ」という比較的語り尽くされたテーマを当時のドヌーブを主役にして描きたかったという趣向にはかなり納得の行くものがあります。この作品でわずか2カット、台詞1個で出演したウィレム・デフォーは後にデビッド・ボウイと「最後の誘惑」「バスキア」で、スーザン・サランドンとは「ライト・スリーパー」で競演することになります。ファンなら当然、チェックしておいて損はない作品でもあります。 【anemone】さん 8点(2004-02-16 17:41:16) |
5.あんまり恐い映画ではなくて、スタイリッシュな部分ばかりが目立つ映画です。ヴァンパイアものって、エロやフェチな色が出てしまうのは当然な題材みたいで、この映画は、その部分をむしろ積極的に綺麗に描いている感じですね。まあ、永遠の命と老いる事への恐怖を描いていて、これからの高齢化社会に対応する映画と言えなくもないですが(言えないか)。 【あにやん🌈】さん 6点(2003-12-20 13:14:41) |
4.ボウイが出てるだけあって音楽のセンスは良いです。特にドヌーブが喪服で弾いていたピアノ曲、ラヴェルの「絞首台」がお気に入り。 【がーぷ】さん 8点(2003-09-21 16:04:06) |
3.ボウイ様の年老いてゆく悲哀がひしひしと感じられて、たまりませんねぇ 【そうしょくみ】さん 6点(2003-06-19 02:47:12) |
2.麗しのドヌーヴが吸血鬼!う~ん、実に美しい。ケバケバしいメイクながらも気品漂う強烈な存在感で圧倒されました。「ハンガー」とは血そのものに対する”飢え”というよりは、生涯を共にする伴侶に対する”飢え”ではないかと思います。デヴィト・ボウイやスーザン・サランドンはドヌーヴの魅力に翻弄され吸血鬼の仲間になるものの、定期的に血を吸わずしては老化が急激に進み生きられない不完全な肉体。デヴィット・ボウイは急激な老化により、スーザン・サランドンは血のために恋人まで殺してしまった罪悪感から自殺を遂げ死んでしまう。特筆すべきは吸血鬼の女王であるドヌーヴ。彼女は血を求めるのは当然ですが、それ以上に永遠を誓える伴侶を求めるというというところ。これまで何人もの人間を虜にしては、その呪われた血の為結果的に殺してしまうという悲劇を繰り返す。デヴィットからスーザンへの乗り換えはまるで新しいおもちゃを見つけた子供のようで、彼女が何に飢えているのかが良くわかりました。これまでの展開をラストでどうでもいいようにひっくりかえしちゃったのが残念です。 【さかQ】さん 6点(2003-04-20 20:32:35) |
1.リドリースコットの代表作がエイリアンだとすれば、トニースコットの代表作はハンガーです。 【ても】さん 9点(2003-01-02 23:14:15) |