42.《ネタバレ》 探検隊が離島で双子の妖精(ザ・ピーナッツ)に出逢い、一部の悪知恵の働く者たちがそれを捕獲して、日本で見世物として興行をはじめます。双子の妖精を島に取り戻すためにモスラが卵から孵化して、日本に猪突猛進襲来するという話です。形状も似ていることから真っ先に風の谷のナウシカの王蟲を思い出しました。また、エヴァンゲリオンの使徒にも少し似た性質ですね。感情らしきものは一切見せないのですが、幼虫成虫ともに愛嬌があるから不思議です。そしてとにかく特撮が素晴らしい。特に日本家屋が燃えるシーンで、瓦の隙間から幾筋も煙が漏れ立っているのを見て舌を巻きました。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 6点(2023-07-28 18:40:07) |
41.《ネタバレ》 それまで爬虫類や鳥類をモチーフにしていた東宝特撮の怪獣でしたが本作ではついに昆虫・蛾をモンスター化に挑み、ここにゴジラ・ラドン・モスラの東宝三大怪獣が出揃うことになりました。■モスラの造形は歴代東宝怪獣の中でも群を抜く色鮮やかさが特徴で、日本怪獣映画史の中でも特異な存在と言えるでしょう。昆虫をモチーフにした怪獣は日本映画ではもちろん初めての登場、ハリウッドにも存在しないことはないけどこれほど巨大で現物を活かした設定のモンスターはありませんでした。そして初の善玉(?)怪獣であるというのもトピックスになるでしょう。もっとも本作でのモスラはまだ“人類の味方”などという陳腐な存在ではなく、小美人を救出するという刷り込まれた本能に従ってただ突き進む社会性昆虫的なキャラです。当然なことですがモスラのその行動により多数の犠牲者が出るわけですが、そこに間接的に触れるセリフとして「多くの人が不幸になります」という言い方をしている。「死人がでる」という事を決してセリフにしないところがいかにも東宝らしい。■幼虫から繭を経て成虫に変態してゆくというそれまでの特撮技術ではハードルが高い撮影に挑んだ円谷特撮陣のチャレンジ精神には、素直に敬意を表したいところです。青梅街道を南下し渋谷を経て東京タワーまでばく進してゆくモスラの幼虫は、二十分の一で組まれたセットの中を複数の人間が巨大なモスラの着ぐるみの中に入って演技するという新方式。成虫はもちろん操演ですから、さすがに中島春雄もスーツ・アクターとしての見せ場はなかったみたいです(笑)。『ゴジラ』以来となる本格的な東京破壊シークエンスとなりましたが、出来たばかりの東京タワーを惜しげもなくぶっ壊すとはさすが東宝特撮。『ゴジラ』のときとは異なった東京西部からの南下ルートを採用しているところなんかは芸が細かい。でも太平洋を北上していたモスラがなんでダム(小河内ダムがモデルみたいです)に出現するのかが意味不明、途中から海底を掘り進んできたのかな(笑)。■音楽面では伊福部昭じゃなくて古関裕而が起用されていて他の東宝特撮とは明らかに異なるサウンドが聴けます。そしてあの有名な『モスラの歌』、これは本多猪四郎たちの作詞を東大のインドネシア人留学生が現地方言で訳したという話が定説となっています、つまり♪モスラ―ヤ、モスラーは実はインドネシア語なんです!■あくまで個人的な感想ですけど、この映画は実は反米映画なんじゃないかと思います。ロリシカ=アメリカ合衆国・ニューカーク市=NYなのはミエミエですし、ネルソンはじめロリシカ人は邪悪で極悪非道、ロリシカ大使館も当初はネルソンたちの利権を保護しようと圧力をかけてくる。そして住民がいることを確認もせずにインファント島を巻き込む核実験をしたあげくに、後は知らぬ存ぜぬを押し通す。製作されたのは安保闘争の余韻が残る61年ですし、“不偏不党”がモットーの東宝までもが時代の雰囲気に迎合しちゃったのかな。成虫モスラがニューカーク=NYを壊滅させるシークエンスには、日本の当時の観客は内心では喝采を叫んでいたかもしれません。でも、ラストで小美人を連れて飛び去ってゆくモスラをフランキー堺たちと一緒に手を振って見送るニューカークの人々、都市を壊滅させられたのに笑って見逃すはずないでしょ‼太平洋戦争で散々な目に遭ったのに、まだ米国人の執念深さ・復讐心を理解していないみたいです。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2022-09-09 23:25:50) |
★40.シン・ゴジラがユニークだったのは、ミニラがゴジラへ変身する過程をちゃんと見せたところ。いや、ミニラでは無かったですけれど、とにかく、ゴジラの形態を変化させた・・・というのはつまり、ゴジラをモスラ化させた、とでも言いますか。 モスラってのは要するに、映画の中で形態を変化させる怪獣、ですよね。幼虫と成虫、2形態で怪獣映画を楽しめる、というのもあるのですが、なんかこの過程が、神秘的、というよりは、不気味。 怪獣というものは、街を破壊するために現れる、いわば悪意の塊のような存在ですが、実際には、デカ過ぎることもあって(あるいは人間が小さすぎることもあって)、悪意があるんだかどうなんだかよくわからない。その最たるモノが、このモスラ。 小美人を誘拐してきて金儲けを企む人間どもの方が明らかにワルい訳で、モスラは小美人を救うためにやって来ただけ。しかしそれすらもよく判らなくって、モスラは淡々と破壊を続ける。その特殊効果が、お見事としか言いようがない。1954年のゴジラのモノクロ映像ならではの迫力に対し、カラーになってアラも目につくようになり、そりゃミニチュア撮影であることは丸わかりなんですけれど、それでもなお、ミニチュアでここまで表現できるのか、という驚きの連続。ほぼ、究極レベル。 ついに禁断の東京タワーまで破壊の手を伸ばすモスラ、しかしここで繭にこもりサナギと化してしまう。人間たちに対しトドメを刺すことも無く、我が道を行くその行動パターン、これ、十分に不気味です。 神、ってのは、そういうもんだと思う。 羽化してからの成虫モスラの羽ばたく姿も、これまたお見事。ホント、ここまで表現できちゃうんですねえ。 登場人物はゴジラで見たような面々が目立ちますが、その中心にフランキー堺の人懐っこい顔があって。破壊に次ぐ破壊が描かれる怪獣映画ながらも殺伐とせず、ユーモラスな雰囲気を醸しだしているのも、ゴジラやラドンとは一線を画していてユニークなところ。 【鱗歌】さん [インターネット(邦画)] 8点(2022-07-05 22:53:09) |
39.《ネタバレ》 それは僕が最も興味から離れた怪獣!神秘的なんだろうけど表情に乏しいデカい蛾にはあまり惹かれない。セットの小美人も嬉しくない。しかし今回午前10時の映画祭で4Kリマスターされて劇場公開されるなら、家で見るより幾分か楽しめるだろうという非常に舐めた態度で見に行きましたが、ごめんなさい…めちゃくちゃ面白かったです。 特にドラマは私利私欲で動く興行師ネルソンのカタコト日本語で策謀する悪党っぷりはなかなか良い味を出しているし、マスコミでありながら小美人を良心から助けようとするフランキー堺の様は三枚目ながらもだんだんカッコ良くみえてくる。 そして後半からのモスラ上陸はとにかくスケールが多くて驚き。カット割のせいか、見せ方なのか、疾走する戦車に、逃げ惑う人々、地上を這うモスラの空撮ショットに、建物の隙間から覗かせるモスラなど、今はもう見ることの出来ない昭和な街がこれから戦場になる雰囲気がこれでもかと出ている。 更に成体に変化してからはラドンの如き風圧で車を薙ぎ倒し、ステージは東京からまさかの異国ロリシカへ。どう見てもマンハッタンな高層ビル街をコレでもかと蹂躙していくモスラは圧巻!まさか国外に飛び出すとは思わず驚きました。 そして最後は小美人をモスラに返してめでたしめでたし…なんだかあの蹂躙された光景を見た後に、小美人も人間もみんな笑顔なのは少々疑問は残るけど終わりよければすべてよしって事で! そんな訳で最後の最後までテンポが良く飽きることなく楽しく見ることが出来ました。 この完成度は東宝怪獣映画の中でも随一ですね。 【えすえふ】さん [映画館(邦画)] 8点(2022-01-05 23:56:21) (良:1票) |
38.《ネタバレ》 「ゴジラ(’54)」は別格として、東宝特撮映画のベストは皆様いろいろございますでしょうが 私にとってはこの作品。各スタッフがプロの仕事に徹して作り上げた邦画ファンタジー映画の最高峰。 特撮の素晴らしさやシナリオの良さは下記レビュアー様のご感想に記載されてるので 割愛するとしても、何しろ人員配置の妙に尽きる。皆素晴らしいのだ。 主演にフランキー堺(宝田明や佐原健二だと悲愴的だし高島忠夫はイェーイ、だし)はいい。 香川京子の丸顔(実は東宝特撮映画の出演はこの作品のみなんだけど、惚れる)もいい。 水野久美とか浜美枝みたいなクール・ビューティなら「裏切り者?」になっちゃうし。 志村喬+上原謙+平田昭彦+河津清三郎ですよ。安心して見てられる。 うさん臭さ丸出しのジェリー藤尾、そしてデビューから2年目のザ・ピーナッツ。 歌の素晴らしさもさることながら「まだ化粧には慣れてませーーん」みたいな 田舎臭さがインファント島の雰囲気にドンピシャ。 音楽も伊福部昭じゃなく古関裕而なのがいい。朝ドラ「エール」のあの人ですよ。 この映画のMVPはもちろん特技監督円谷英二の特撮技術なんだけど、 特に東宝特撮映画史上最大のミニチュア・セットを作り上げた 特殊美術の渡辺明と井上泰幸。本当にあっぱれだ。 今回「午前10時の映画祭11」のデジタル4Kリマスターで鑑賞したのだけど、 昨今のkaijyu映画に観られるCG丸出しの「街、壊れたんじゃね?」 みたいな映像とは異なる「破壊の様」が大スクリーンで見れた事に おっさんは感動しましたよ。よかったよかった。 という事で今回の点数にはその点加味されているので甘いかな、と思いますが 機会が有ればぜひ。極彩色の艶やかさ。 【Nbu2】さん [映画館(邦画)] 8点(2021-12-31 09:22:49) |
37.《ネタバレ》 【三大怪獣 地球最大の決戦:1964年】【怪獣大戦争:1965年】と共に、当作品も鑑賞する機会を得たので投稿します(なお、勢いで投稿した後に、皆さんのレビューを拝読し、2日後に追加・修正させていただいております。良投票してくださった方、ごめんなさい…)。 当作品は、私が幼稚園にあがるかあがらない頃に、TVで初めて観た【東宝製作の怪獣映画】です。幼い私は「モスラは、ウルトラマンに出てくるヒドラやシーボーズと同じで、悪い怪獣(スイマセン、当時の私はこういう言葉を使っていました)じゃないぞ。悪いのは、あの外国人だぞ。お願いだから、小さいお姉さん達(スイマセン、当時の私は“小美人”という名称が頭に入りませんでした)を、早くモスラに会わせてあげて…」と一生懸命、祈るように観ていたのを覚えています。 その後、高校生の頃にTV放送されたとき(放送用のカット版)は、幼児期の記憶が蘇ったのと同時に「インファント島の人々が石を打ち鳴らして警告する姿などに『もう戦争はたくさんだ』という当時の製作スタッフの皆さんの真摯な願いが随所に込められていると思う。まさに日本だからこそ作り得た力作だ!」と感じ入ったものです。 そして、今回、DVDでノーカット版を観たわけですが、以下、3つの感想を持ちました。 まず、ドラマについて。他のレビュアーさん達と同様、フランキー堺さんのコミカルな演技に好感が持てました。そしてドタバタに脱線せず、真面目な展開を崩さない本多監督のバランスの良い演出に感心し、最後まで飽きずに観るこができました。 次に、特撮について。これも他のレビュアーさん達が語り尽くしておられますが…東京の街並みをはじめ、全て手作りされたミニチュアは大規模で、その労力を考えるだけでも、当時のスタッフの皆さんの熱いエネルギーが伝わってくる思いがしました。それにしても、渋谷界隈は、↓の【カシスさん】のおっしゃる通り、今とは様相が随分違っています。不謹慎かもしれませんが「現在の街並みは、モスラが“通過”した後につくられたのではないか」…そんな連想が頭に浮かぶほど、渋谷での破壊シーンに迫力を感じました。敢えて言うなら、汚れ塗装まで施した渋谷街に比べ、ニューカーク・シティのミニチュアは作り込みが甘い印象を受けました。しかし、提携した外国の映画会社の要請で急遽、作製したものなので仕方ないかな…と思います。それでも、モスラによる突風で無数の車が飛び交う絵作りには抜かり無く、さすがだと思いました。 最後に、テーマについて。今回は【戦争 ― 平和】以上に【一部の人間の欲望のために、多くの人達が不幸になる】という点が印象に残りました。特に「モスラには善悪の区別はありません。私達を島に戻す本能しかないんです」という小美人の台詞を反映するように、モスラは、ただひたすらに小美人を求めて、周囲を破壊しながら突き進みます。その姿を、私は【自然災害】のように思いました。製作当時は想定していなかったでしょうが【一部の国の利益追求のために地球温暖化の歯止めがかからず、その気候変動の巻き添えになる人々】という図式を、今回、連想しました。その意味合いで【平和】を捉え直すなら【国際的な相互理解と協働】といった言葉が今日的なのかもしれません。 さて、採点ですが…上記で言及したテーマほどに深読みしなくても【私利私欲に対し、 善意・良心が勝利する物語】として素直に観られる作品だと思います。【ゴジラ:1954年】が【人間の営みの影や悲しみを描いた傑作】なら、当作品は私にとって【幼児期+高校時代+現在…】と積み重ねた思いのもと【人間の光の部分を(信じたいと)描いた力作】として、対の存在です。私も10点を献上させていただきます。 ━ 備考 ━ 幼児期から耳に焼き付けられた「モスラ―やっ!モスラ~♪」の歌声…今回の再見で、小美人を演じたザ・ピーナッツお二人の声量やパンチのある歌いっぷりを、やはり素晴らしいと思いました。後年、モスラは東宝作品に何度も登場し、小美人もコスモスと名を変えたりして多くの女優・歌手の方々が演じています。歴代のモスラ作品を観た各世代の皆さんごとに「この人達の歌声こそ最高!」という親しみがあることでしょう。 【せんべい】さん [DVD(邦画)] 10点(2018-01-11 21:40:38) (良:1票) |
36.《ネタバレ》 インファント島の美術が冴えに冴えている。 黒塗りの日本人でもいいじゃない。 特撮映画ってどこか似たり寄ったりになってしまうんやけど、東京タワーに繭を作るモスラから見世物小屋小美人まですごいビジュアルイメージ。 あと3枚目の主人公が頑張るって個人的に好みの要素まである。 最後の解決方法も怪獣を倒すのではないってのも粋でいいね。 アイデアとロマンとちょっとした風刺の効いた良作。 【CBパークビュー】さん [DVD(字幕)] 8点(2016-02-13 21:48:47) (良:1票) |
35.関沢新一の一見軽いが奥の深い脚本、本多猪四郎の緻密な演出、円谷英二の凝りまくった特撮。 『ゴジラ(1954)』、『空の大怪獣ラドン (1956年)』『大怪獣バラン (1958年)』などを経て、本作は明るい作風。正に映画が娯楽の王様だった時代の作品なので見応えがある。 【ガブ:ポッシブル】さん [DVD(邦画)] 10点(2015-10-19 16:44:08) (良:1票) |
34.《ネタバレ》 日本の怪獣映画の流れを変えた、エポック・メイキングな作品。これまでの怪獣映画といえば、どちらかというと暗くて重めの作風でしたが、本作はそんなものをまったく吹き飛ばしてしまっています。ファンタジーの要素もありますが、とにかく華やか。モスラ(成虫)の羽根模様もさることながら、劇中での小美人のショーが華やかです。こんなシーンの出てくる怪獣映画なんて、国内外を探してもほかに見つからないんじゃないでしょうか。それと、頻繁に出てくるユーモラスなシーン。あちこちで笑って楽しめる映画です。重要な役どころで子供が出てきますし、ファミリー向けを狙っていることはたしかでしょう。それまでの怪獣映画も基本的に娯楽作品ですが、これは娯楽の方向性が違う。そして今後、東宝の怪獣映画はこの方向性に向かって進むこととなります。ただそのために、単純な善悪二元論に陥ってしまったのは残念でした。 とはいえ、個人的にはこうした方向性が好みなので、高く評価したいです。歴史的な意義や特撮(特に合成)のみごとさも含めて。(レビュー700本目) 【アングロファイル】さん [ブルーレイ(邦画)] 9点(2015-01-21 19:20:39) (良:1票) |
33.《ネタバレ》 モスラは平和の使者だという人がる。本当にそうだろうか? モスラの特徴は、他の怪獣たちのように、只々人間の町を破壊するわけではないということだ。モスラは明確な目的を持っている。目的を持ってはいるが、善悪を判断する思考は持っていない(少なくとも今作では)。そして、その目的行動の後には、破壊された町が残るだけだ。正しくこれは、軍隊そのものである。 いまさら、怪獣という強大な破壊力を軍隊になぞらえるのは、当たり前すぎて間抜けな感じではある。ところが、この映画のユニークなのは、この軍隊側に理があることだ。モスラを送り出した精神は、全く正しい。悪はあくまで人間(文明人)側だ。 無責任な同胞の悪事によって、軍事的被害を受け、その同胞が罰を受けて、軍隊が去ってゆく。公開時、たった16年前だった日本の戦後の姿をダブらすのは、穿ち過ぎだろうか? かつての軍部の暴走を止められなかった日本人は、今度こそこの人攫い共の悪事を止められるかというと、やはりアメリカ(あ、ロリシカだっけ?)に犯人を捕らえてもらわねばならない。この辺もこの物語の悔しい所、そういう意味では、ロリシカ国への展開は、契約上の必然と言うよりは、物語上の必然だったような気がする。 この物語を逆の立場から見てみると、どうだろう?制作当時には思いもよらなかった、攫われた側に現在我々は立っている。平和こそは、永遠に続く繁栄への道である。と、映画は締めくくるが、「平和のため」に行動を起こさずにいるのが、「永遠に続く繁栄」をもたらすのだろうか? 【Tolbie】さん [DVD(邦画)] 6点(2012-11-08 23:49:17) |
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32.《ネタバレ》 モスラ初作&制作年代を考えれば、画面合成技術も含めなかなかだとは思います。が!何故アメリカ!?ニューカークシティって多分ニューヨークですよね? 日本の中で進むかと思いきやアメリカに何故行ったかと考えたのですが、、、 戦後のアメリカ統治時代の面影を残すニッポン(MPが登場しています) 戦後の傷が癒えかけ ニッポンの力を今こそ見せろ と言わんばかりの気概を感じました 大いに時代を感じさせながらも 娯楽作とした造りに徹した制作側の気持ちを感じることが出来たかとオモイマス 【Kaname】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-07-27 23:52:19) |
31.円谷英二を中心とした特撮班の頑張りを楽しむ映画。調べれば様々な工夫がなされていて、頭が下がる思いでした。フランキー堺をはじめとした出演者もハマっているが、ストーリー自体はあまり面白くないのが残念ではある。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-07-08 19:00:53) |
30.《ネタバレ》 なんといっても特筆すべきは幼虫が街を行進する特撮でしょう。卵からの孵化や成虫の飛翔、ダムの決壊など賞賛すべきシーンは幾多ありますが、やはり素晴らしきは幼虫です。我々の住む空間とほとんど変わらない目線に、幼虫の巨大な顔面が迫ってくるシュールさ。これが、精緻なミニチュア技術と相まって妙な現実味を含んだ不気味な迫力となっています。幼虫特有の「目線の低さ」にアングルを合わせた故の妙味です。人間にさらわれた小美人を救出するためだけに動く「追跡マシーン」としての恐ろしさをより一層膨らませています。シナリオとしては、低年齢層向けの感は否めません。小美人を商品として扱おうとしているヤツが「小美人は商品だ」なんて言いません。こういう、セリフからこぼれる善悪の分かりやすさは、いかにもお子様向けという感じです。しかしそれでも、特撮をはじめ音響演出や映像センスには目を張るものがあるのも確か。日本の古典特撮映画として世界に誇れる作品でしょう。 【Jar_harmony】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-06-18 23:35:49) (良:1票) |
29.モスラ初登場の本作。モスラの動きが、とても雄大。 子供向けということで、相変わらず脚本に穴は多いが、映像もきれいだし、 怪獣は一体しか出てこないので、ストーリー展開は思ったよりバタバタしていない。 この時代では怪獣映画もドル箱だったのだろうか、昭和36年というとても古い作品だが、 力も入っているし、特に特撮に関しては非常に丁寧に作られているなと感心した。 日本の特撮技術は世界一だ、という話を子供の時に聞いた記憶はあるが、 あながち手前味噌だとも思えない。円谷英二がそれだけ偉大だったということなのだろう。 いつハリウッドに抜かれてしまったのか、ちょっと残念である。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-08-17 08:38:31) (良:1票) |
28.モスラといえばザ・ピーナッツですよね。面白かったです。難点は「怪獣ごっこ」で遊ぶときに、モスラをやりずらかったことです。 【ジャッカルの目】さん [地上波(邦画)] 8点(2011-02-05 09:41:18) (笑:1票) |
27. これ以後東宝特撮映画は、関沢新一の脚本をしだいにメインにしてゆくわけだが、これには得失があったように思う。関沢新一脚本は、落語調の掛け合いによる笑いの要素を怪獣映画にもたらした。けれどもその一方、それはないだろうと思わせるような、御都合主義のあまりに荒唐無稽な展開をしばしばみせるようになった。これは、この脚本作家の信条、つまり娯楽性を優先して、リアルさは二の次、という行き方の反映だったように思う。 私見では、これはけっして褒められたことでなく、子供だましといわれてもしかたのないところが増えて、結局東宝特撮ものの堕落をまねいた。私としては、これ以前の時期を中心とする木村武(馬淵薫)脚本ものの方を高く評価する。 【goro】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-09-29 20:21:50) |
26.《ネタバレ》 50年近く前の作品だが、シネマスコープでカラーでも見劣りのしない特撮でがんばっており、かなりお金をかけた当時の勢いを感じる。 今見ると、当然ちゃちなところも多々あるが、CG無しでここまでやれるのは見事な職人芸と言う他ない。 しかし、シナリオが幼稚すぎる。とんでもない設定や展開であっても、演出次第でもっと違和感なく見せることも可能だろう。ストーリーの本筋が単純なだけに、それ以外の枝葉を安直に設定してしまうとB級感漂いまくりとなり、役者がまじめな演技をしていると駄作感すら漂ってくる。 出てくる役者はみな芸達者で、それぞれのシーンではキラキラ光るいい演技をしているのに、演出がまずいのか、全体の中でうまく生かせておらず、逆にいい演技が浮きまくってる感じさえある。 あと、外人と子供がぶち壊し。外人は吹き替えるべきだし、子供は出しちゃだめだ。コミカルを狙ったのだろうが、幼稚なシナリオでは絶対だめ。もっと細部をじっくり詰めて欲しかった。 【nobo7】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2010-07-01 02:07:27) |
25.《ネタバレ》 東宝が生んだ怪獣の中で、ピンで主役を張れるのはゴジラとモスラだけだろう。ラドンもイイ線まで行くけど、存在意義が中途半端なんだな。ゴジラが破壊の象徴ならモスラは平和の象徴。この対極の設定がお互いの存在を際立てせている。モスラ登場となる本作はさすがにかなり力が入っている。初見は随分と昔。小学校に入る前後にテレビで観て例の東京タワーのシーンが強く印象にのこっていたのだけど、今見直しても納得する出来栄えだった。特にモスラを迎え撃つ軍隊の特撮は大変頑張っていた。ワンカットの中に熱線砲やジープなどのミニチュアを何個も出して違うスピードで動かしているのには驚いた。フランキー堺のちょっとおどけた正義漢も良かったです。今回、新たな感想として浮かんだのは悪役のこと。アメリカとロシアを合わせたような架空の国のおっさんを極悪人にして、最期はモスラがその母国を蹂躙し、小美人を救出し、めでたしめでたし。でも、公開当時の観客たちは力道山がカラテチョップで外国人レスラーを蹴散らすのと同様のカタルシスを感じていたのではないだろうか。うがった見方かなぁ? 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-03-26 21:52:16) (良:1票) |
24.《ネタバレ》 私は東宝怪獣ものではだんぜんこれが好き。映画好きになった一因は本作との出会いにあり、感謝の一本。変態していく展開がほかの怪獣にまさるし、やっぱり東京タワーに繭を作るっていうあのファンタジーね、これにまさるイメージは、ついに怪獣映画からは生まれなかったんじゃないか。また、やがて映画界を衰退させていくテレビの電波塔を折り倒して成虫する映画の怪獣、ってのが、今から見ると別種のファンタジーでもある。東京湾で消えたモスラがダム湖から出現するのをフォローするのが、フランキー堺の「どうしてこんなところへ…」というつぶやきだけで、それで済ましちゃってるのは凄いなあと昔から気になってたんだけど、このほど「江戸歌舞伎の怪談と化け物」という本を読んでいたら、役者の水中早替わりに関して「日本には地の底で水はつながっているという異界観があった」という説明があった。ああこれだったのか、東京湾から山の中の湖に移動するってのは、日本文化の伝統的な世界観に則ればごく自然な展開だったのだ、と永年の謎が氷解し、ますますこの映画が好きになった。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-12-01 12:15:31) (良:2票) |
23.《ネタバレ》 モスラの本格的な大暴れまで1時間以上かかるので、子供の頃はイマイチ面白くなかった作品だったんだけど、最近久々に見返して驚いた。60年代の東宝特撮映画の中では珠玉の出来映えではないだろうか。何を隠そう、画面からのインパクトが凄い。色鮮やかで煌びやかな成虫モスラの羽化シーンはインパクト大で思わず圧倒される。巨大な羽で徹底的にニューカークシティを破壊し尽くすモスラの雄姿は、後のシリーズのそれとはまた違う魅力を持っていると思う。そして根底に流れている反核、平和への祈りといったテーマや安保闘争後の当時の社会情勢を反映した物語を、フランキー堺たちのコミカルなやり取りで娯楽色たっぷりに見せる手法には、ただただ脱帽である。ラストの「平和こそは、永遠に続く繁栄への道である」は21世紀だからこそ、心に留めておきたい一節である。 【ドラりん】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-02-25 22:54:38) (良:2票) |