20.数々の名優が演じてきたフィリップ・マーロウですが、エリオット・グールドのマーロウもいいですねえ・・・。見事に本作のマーロウ像を提示する、深夜にキャットフードを買いに行くユーモアを交えた冒頭が素晴らしく、夜の街に、煙草に酒、そして音楽。アルトマンが徹底的に気だるい世界観を演出する。そこにくわえ煙草のエリオット・グールドのマーロウの佇まいがピタリとはまる。事件に関係する男を演じたマーク・ライデル(結構お気に入りの監督さんでもあります)やスターリング・ヘイドンのアクの強い存在感も印象に残ります。一般的なハードボイルドのイメージとは一線を画し、最後の”ハリウッド万歳”の使い方にもいかにもというアルトマンらしさが感じられました。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-08-28 22:03:40) |
19.原作と違って良い意味でさらにだらしなくなってるマーロウだが、自分には原作よりも魅力的に写った。 【峠のわが家】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2010-12-17 22:41:59) |
18.《ネタバレ》 フィリップ・マーロウに思い入れも蘊蓄もない自分にとって、昔からグールド=マーロウというぐらいマーロウのイメージになっている作品です。ハンフリー・ボガード、ジェームズ・ガーナー、ロバート・ミッチャム、それにしてもがこれだけ個性の異なる俳優が演じているキャラクターって珍しいですね。 まあ本作は完全にアルトマンがドロドロになるまで料理してますので、オリジナルのストーリーと思った方が良いでしょう。70年代らしくカウンター・カルチャー風俗をとりいれていますが、自分としてはそこら辺はあまり好みじゃないです。それにしてもあのシュワちゃんがムキムキボディを見せてくれるシーンですが、どうしてみんな脱がされるのかさっぱり理解できません。マーク・ライデルの演じるキャラが本作でもっともシュールで意味不明でした。 【S&S】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-10-22 00:52:00) |
17.舞台は70年代のLA。50年代の原作の世界から20年後のマリファナにまみれたハリウッドがある街に、時代にそぐわないうらぶれたヒーローを放り込む。原作のマーロウからは想像できなかったグールド=マーロウがはまるはまる。そして原作には無い冒頭の猫との掛け合いが素晴らしいのだが、猫がマーロウの飼っている猫としての自然な振る舞いを見せてくれるのも素晴らしいがそれ以上にキャットフードを買いに出る冒頭シーンでグールド=マーロウのうらぶれた感満載の魅力とその後ドラマのつなぎを見事に果たすマーロウの棲家の一風変わった造りと変わった隣人をさりげなく完璧に見せてしまうのがもう上手すぎ。結末の改変はいかにもというか、どこかで見たことあるようなありふれたものでガッカリなんだけど、全体的には複雑なカラクリをよくここまでわかりやすくできたもんだと感心もする。それはさておき、やはりフィリップ・マーロウを(製作当時の)今の時代に蘇らせてしまうアルトマンは並みの監督じゃない。単に今の時代を背景にするだけじゃなく、ちゃんと今の時代を描いている。傑作。 【R&A】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-04-14 14:15:17) |
16.《ネタバレ》 いいなぁ、あのラスト。信じた親友と好きになった女性に裏切られたあの背中。あぁ、悲しいよなぁ…悔しいよなぁ…痛いほど伝わるよ。人って、こういうイキモンだよな。うん、わかる。すごいわかるよ。だけど、それでも生きていかなきゃいけないんだよな。頼むから、猫だけは彼のもとに帰ってきて欲しい…それを鑑賞後、一番思いました。 【ボビー】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2008-06-04 19:38:34) |
15.《ネタバレ》 グ-ルドが演じるマーロウはかっこ良いというより、とにかくタフだという印象です。公開当時は原作と異なるということでかなり批判されたようだけど、こんなマーロウも嫌いじゃないです。裏切りで友人を失い、飼ってる猫にまで逃げられる始末のマーロウだが、これまでと変わらず都会の片隅のアパートでたばこを吹かし続けることだろう。 ラストの「ハリウッド万歳」の歌や原作と異なり友人テリーの命を奪うという設定で、マーロウの社会から切り離されたような印象が一層強調されます。確かにテリーの言うようにマーロウは敗北者かもしれない。しかし、マーロウが孤立し敗北者の印象が強まれば強まるだけ、私の中ではマーロウの魅力は増していくのです。 【ペリエ】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-05-12 23:45:38) (良:2票) |
14.本作を参考にした松田優作の探偵物語、かなり雰囲気、真似てますね~いや~松田優作扮する工藤俊作も好きですが、E・グルードのこのフィリップ・マロゥも最高です。ラストもしっかりしてて、好きやね~猫、タバコ、マッチ小物アイテムが効いてます。気軽に見る分にはかなり好きな世界です。 |
13.煙草とか猫とか、なんでかセクシーな雰囲気を感じさせる。ただやる気もなく事件を追っていくが、この気だるさが心地よい。ついつい味があるっていう言葉が出てしまう。 【ぷりんぐるしゅ】さん 6点(2004-04-27 18:18:04) |
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11.駄目な作家が、暴力を振るわれ監禁までした病院の医院長を再びパーティーに読んで金を借りようとする所が、非常にヒューマンだった。過剰にカッコつけたりするシーンなんかも…最後の親友とのやり取りもなかなか良かった。 【セクシー】さん 10点(2003-11-22 01:02:10) |
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10.私立探偵マーロウ(エリオット・グールド)が、友達を手助けしたことから奇妙な事件に巻き込まれる。やがて点が線となり、事件の全貌が明らかにされていく。そんな本編とは何の関連もないシーンがけっこう見られるが、この独特な作風を作り上げており、もうひとつの見どころとなっている。とくに、冒頭のキャットフードのシーンとパンツ姿のシュワには個人的にウケた。ただ、ミステリーものなのでラストは不満が残る。どんな“ドンデン返し”が用意されているのかと思いきや、受け取り方によるかも知れないが何ともあっけない。 【光りやまねこ】さん 7点(2003-09-15 15:08:55) |
9.《ネタバレ》 抜群。あんな街で生きていくには、己の価値観や正義感が必要だ。自分次第でどうにでもなってしまうからだ。しっかりしなければ、生きていられない~(プレイバック) 【苗床 二期作】さん 10点(2003-07-08 12:01:04) |
8.アルトマンの代表作といわれるぐらいの名作なんだけど、原作先に読んじゃってるとねぇ・・・。これがマーロウかぁ、うーん・・・って感じになっちゃう。10点というのはそういった先入観を無理矢理差し引いた評価です。但し「贅肉」こそがアルトマンの神髄だということを理解していないと二時間は拷問になってしまうかも。旅は移動中が一番楽しい、という人にのみお勧めします。 【じゅんのすけ】さん 10点(2003-06-21 15:23:40) |
★7.暗く地味な映像、ボソボソと喋る聞き取りにくいセリフ(テレビの吹き替え)、だらだらしたテンポ・・、シュワちゃんを発見したのと、ラストのクールさ以外はかなり退屈でイライラしました。ごめんなさい。 【代打、八木!!】さん 3点(2003-05-29 09:02:12) |
6.中学校の頃TVで観た時には「なんだかショボイ映画だなぁ」なんて思ってましたが、この歳になるまで(この映画の製作年に生まれた。)なんとなく心の奥にひっかかるものがあり、最近たまたまヴィデオを入手することができたので改めて見返してみると、かなりグッときてしまいました。どちらかといえばハードボイルド全開という作品ではないのですが、全編を貫く独特の空気感は今観ても十分通用するカッコよさだと思います。原作も読みましたが、まぁ”原作からインスパイアされた作品”として観るのが良いかと思います。 【KOJ】さん 10点(2003-02-16 15:51:07) |
5.次々と転調されていき、カーラジオ風、葬式でのブラスの演奏、渋いボーカルなどとなって画面を包む、ジョン ウィリアムズ作曲「ロング グッドバイ」。本当に僕にとっちゃ名曲中の名曲です。みなさんも書いておられますが、キャットフードを深夜に買いに行くというマーロウのちょっとばかししょぼい、だけど、マーロウだからこそサマになるシーン。ここもところのマーロウが車に乗って、スーパーまで行くところのシーンだけでも10点です。これは映画じゃなかったら味が出なかったと思います。最高です 【通りすがり】さん 10点(2002-12-24 15:44:47) |
4.チャンドラーの原作も”泣ける"が、全く視点を変えた本作も”泣ける"。スターリング・ヘイドンのエピソードがヘミングウェイ的というかブコウスキー的というか。監督のロバート・アルトマンは、原作者を含めたこの3人の作家の作風に共通にみられる「やるせなさ」を映画的に旨く表現していると思う。 【なるせたろう】さん 10点(2002-12-13 21:06:43) |
3.原作とは別物で、あの時代の映画としての視点も含めれば原作よりはるかにいい。群像劇が多いアルトマンの作品の中でも、一歩離れた探偵という職業を主人公に選んだことによって最も成功しているのでは。一見、軽妙な雰囲気の主人公はさほど大きな活躍もせず、個性的な登場人物たちの傍観者のようだが、その描写、カメラ、音楽の効果によって魅力的なキャラクターとなっている。 【ニンジャ】さん 10点(2002-12-13 01:40:33) |
2.ハードボイルド物ってあんまりいいものを見かけないんですが、これはかっこいいよね。エリオット・グールドのダラダラした感じがすごくいい。オープニングでジョン・ウィリアムスの書いた女性バラードがラジオやコンビニのBGMなんかにリレーしていくのが面白いと思いました。ジョン・ウィリアムスって昔はジャズ書いてたんですよね。「シンデレラリバティ」とか。 【1984】さん 7点(2002-11-01 16:44:50) |
1.R・チャンドラーの『長いお別れ』の映画化ということで、原作のファンが「世界観が違いすぎる」と言い放ち、原作ファンを失望させたらしい作品だが、映画としてはこれは間違いなく傑作でしょう、ひじょうによく出来ている。この泥臭さがいい。主役のE・グールドだって、決して悪いとは思わないし、〝午前3時のキャットフード探し〟のオープニングからして実に歯切れが良く、テンポのいい演出だ。ラスト・シークエンスが少し粗雑な印象は受けるが、十分楽しめる感動的な映画だと思う。 【チャーリー】さん 10点(2002-10-01 15:10:19) |