13.『大怪獣バラン』と『大怪獣モノ』とを続けて見たもんで、どっちがどっちだったか、ごっちゃになってしまって。 って、そんなワケないですよね。一方は日本怪獣映画史の初期に位置するモノクロ作品、もう一方はカラーのおちゃらけパロディ作品。 本作、すなわち前者は、火山の噴火で現れた大怪獣とプロレスラーが闘う話です。 アレ?違う? それはさておきこの大怪獣モノ。じゃなかったバラン。カラー作品のラドンから再びモノクロに戻り、出てる役者が地味ならバランが暴れる場所も地味で、存在自体が破壊を招くようなラドンに大きく水をあけられた印象。しかし四本足の怪獣がノシノシと民家を踏みつぶす光景は、モノクロ映像ならではの迫力もあって、なかなかのもの。 さらにはオレだって空飛べるんだぜ、と器用なところも見せてくれるけれど、これはその後の展開に活かされる訳でもなく、単に怪獣をいったん退場させるための方便にしかなってないですな。 とにかく、スペクタクル性ではゴジラやラドンにかなわないんですが、映画の大半を怪獣との戦いに費やしているのが本作の特徴で、ふんだんに使用されるミニチュア撮影もクオリティが高く、当時の特殊効果技術の水準の高さ、志の高さをうかがうことができます。 【鱗歌】さん [インターネット(邦画)] 6点(2021-04-04 07:54:54) |
12.《ネタバレ》 劇中の岩屋集落の所在に関しては、最初の方で出た日本地図が不正確なため特定するのが困難だが、おおむね一関市や平泉町に近い奥羽山脈沿いのようである。ただし大怪獣のいた湖は、自衛隊の地図では猪苗代湖と同じ形をしている。桐野洋雄氏の台詞で「なるほど日本のチベットだよ、あまり気持ちよくありませんね」と言っていたのは東北の山村とチベットに対して失礼だろうが、本多監督も実はそういう場所の生まれだったはずである。 ところでこの映画では陸海空自衛隊の大活躍が目立ってしまって本来のテーマが埋没したような感じだが、序盤の千田是也博士の言葉(「いやあ、信じてはいないがね…」)を聞けば、こんな映画の中にもそれなりのメッセージが含まれていたように思われる。 まず科学の発達ということに関して、明治以後に近代文明が浸透していく過程では、一般庶民のレベルでも“科学的でない”との理由で俗信を軽侮する風潮が生じ、この映画の時点でもそのような態度が幅を利かせていたと想像される。これに対して通俗的知識や固定観念にとらわれず、まずは世界を虚心に見つめる態度が必要であり、それこそ真に科学的だ、というのがここでの主張と考えられる(もっともその具体例が怪獣出現というのでは少々寒い結果だが)。 また社会的な面から見れば、その時点の常識で迷信や悪習と思われても、我々と同じ知能を持つ人間が継承してきたからには必ず何かの意味があるはずである。確かに、かつての意義が失われて惰性的に継続しているだけのものもあるだろうが、それでもむやみに革新ばかりを言いたてて、何の考慮もなく全てを切り捨てるのが正義とはならないだろうということである。 宇宙ロケットを飛ばすような科学万能の時代でも、自然や人間に対してあくまで謙虚であるべきだという主張が、ここでの博士の言葉に凝縮されていたように思われる。そうすると、いかにショボい感じの怪獣映画でも、やはりそれなりの敬意をもって対しなければとの思いが個人的には持たれるのであった。 なおこの映画のヒロイン役は園田あゆみさんという人で、ふっくら系で可愛らしく見えなくもないので自分としては嫌いでない。劇中では新聞記者なので生意気な面もあったが、わずかながらにこやかに笑う場面もあったのが嬉しかったりする。もう少し若いうちなら普通に可愛らしかったかも知れないが(外部情報によると当時25歳)。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 5点(2015-05-16 16:00:04) |
11.前半は快調で、バランの登場シーンなど、大いに期待させてくれる。が、後半がいただけない。大暴れすると思ったが、自衛隊の投下したパラシュート弾を飲み込んであっけなく最後となり、肩透かしを食らった。造形がよかっただけに、もったいなかった。バランの生息地は北上山系の奥地だとか。ちなみに、岩手県北部のI町とN市の境界付近の国道沿いにバランが出てきそうな雰囲気の場所を見つけ、密かに「バラン・スポット」として楽しんでいる。当然バランはいなかったが、豊かな人情が息づいてますよ。 【風小僧】さん [映画館(邦画)] 4点(2012-12-30 22:39:59) |
10.《ネタバレ》 「怪獣総進撃」にも出演しているバランは怪獣大好きの私にとって渋さで勝負している怪獣だった。それは幼い頃に本作を観て、山奥の秘境に隠れ住み、滅多に姿を現さない神秘的な怪獣というイメージを持ったからだ。再見して最も驚いたのは、東北地方の話だったこと。なぜか勝手に東南アジアのジャングルの話と思い込んで何十年も過ごしてきた。キングコングあたりと記憶が混線していたようだ。そして、渋いと云うより地味だったことも判明。子供ながらに善意の解釈をしていたんだな。単調な戦闘シーンにアクビが出て、役者もパッとしない。B級臭が漂い、子供視線の神話が崩壊した。新たに感じたのは「もののけ姫」との類似性。バランは土地の神様だった訳だが、迷信や因習を打ち破るシナリオは「神殺し」。そして、近代兵器に住処を奪われ攻め殺される。バランの容姿が「もののけ姫」のダイダラボッチに似ていて、符合する部分が多い。本作は闇雲に近代化を推し進めるスタンスだけど。 【アンドレ・タカシ】さん [地上波(邦画)] 3点(2012-06-16 08:13:21) (良:1票) |
★9.ディアゴスティーニの東宝特撮シリーズでついに鑑賞。15年以上前から観たかった『大怪獣バラン』がついに! あの頃の『ラドン』や『モスラ』、『バラン』にはゴジラのような大義名分がないのが辛いなあと思いました。なんとなく上陸したり、なんとなく破壊したり・・・。個人的には歴史的価値のある映画です。 【ようすけ】さん [DVD(邦画)] 5点(2011-05-24 18:18:23) |
8.《ネタバレ》 初見はウン十年前のテレビ放映時で、DVD化されましたので見直してみました。テレビ放映時は、フィルムの状態もあってか画面が暗くてよく解らなかった記憶がありますが、DVDの鮮明な画像で観るとバランの造形が思っていた以上に秀逸なことが確認できました。本作は当初テレビ放映版として企画されたそうで、そのためか自衛隊との戦闘シーンでは「ゴジラ」の映像が使い廻されています。俳優陣もいつもの東宝特撮映画では印象が薄い野村浩三が主役で、ヒロインに至ってはちょっとどうなのっていう感じです。猪苗代湖(?)周辺が「日本のチベット」だという設定には笑わされました。 【S&S】さん [DVD(邦画)] 5点(2009-02-07 11:49:32) |
|
7.《ネタバレ》 本多、円谷コンビの作品の中ではさすがに出来の悪い部類に入る作品。TV用に作られた作品だったからか、画面の至る所に予算不足の点が垣間見えるし、後半の攻防戦は飽きてくる。更に、上陸した途端に突然バランがやられてしまうのも何だかなぁ。せっかくムササビのように飛べるんだから、東京で思いっきり暴れて欲しかった。さすがに伊福部先生の音楽は素晴らしかったけど…。そういえばこの10年後に「怪獣総進撃」で復活したバランだけど、登場シーンがわずか2カットの上に名前すら呼ばれなかったね。残念。「GMK」ではモスラに出番を取られるし、何かと不運な怪獣だ。 【ドラりん】さん [DVD(邦画)] 4点(2008-04-16 03:38:35) |
6.《ネタバレ》 つまんないとは聞いてたけど、まさかこの時代の本多猪四郎と円谷英二という黄金コンビの組んだ特撮怪獣映画でこんなにしょぼい作品があるとは思っていなかったってくらいつまんない映画だった。「ゴジラ」での重厚な人間ドラマや「空の大怪獣ラドン」でのサスペンスタッチのストーリーなどといった物語性がこの映画では非常に薄く、映画の後半に至っては自衛隊とバランとの攻防がひたすら描かれてるだけなので途中で飽きてしまう。またクライマックスあたりに「ゴジラ」の映像が何度も使いまわされていたり、この2年前には既に「空の大怪獣ラドン」をカラーで作っているのに本作は白黒とひょっとしてあんまり制作費が出なかったのではと思えてくる。どう見ても脇役顔の主演の二人にも魅力を全く感じることができなかったのもマイナスだ。本多円谷コンビの本格怪獣映画を見るのが久しぶりだっただけにかなり残念。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 4点(2007-07-03 03:03:32) |
5.《ネタバレ》 おっと、しょぼかったけど、いとおしくもあり。。。 湖からピューっ羽ばたきもせずに飛んでいくところは、もう一回観たいぞ!! |
4.なぜか白黒だとリアルな感じがよく出ますよね。平成のゴジラシリーズよりは全然面白いです。ただ、自衛隊との戦闘時に流れている音楽はコミカルすぎです。 【はりねずみ】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2005-11-15 22:35:34) |
3.この映画、モノクロなのをいいことになぜか初代ゴジラの映像を引用しまくってます(ゴジラがシッポで倉庫を壊すカットとか)。観ていて「アレ?」って何度も思いました。この頃の他の作品と比べても特に目立ったものはないですね。光を飲むっていう習性もよく分からん。そもそも光を飲むっていったいどういうシチュエーションだ? 【とかげ12号】さん [ビデオ(吹替)] 4点(2005-11-04 23:31:26) |
2.冒頭より1時間近くに渡り、陸海空軍との戦闘が延々と続く。生物なのにあらゆる攻撃で傷もつかないのは日本怪獣映画の伝統か?特にストーリーで見るべきところも無く、約半世紀も前の白黒怪獣映画を見るべき意義は見出せない。公開当時の評価は知らないが、現在での評価は3点ぐらいが妥当。 【北狐】さん [DVD(字幕)] 3点(2005-07-10 22:55:07) |
1.《ネタバレ》 先ず、最初に強く訴えたいのが主演カップルのイケてなさ!!余命いくばくもないような顔色の悪さがデフォルト装備の野村浩三もどうかと思うが、園田あゆみの不景気な顔は筆舌に尽くし難い!間違いなく歴代特撮映画ヒロイン中で最高のブ○だろう。この御両人を最後まで画面に観続けるのは最早拷問に等しい。ならばタイトルロールの大怪獣バラン君はどうか?コレが又何とも拍子抜けなヤツで「ゴジラ」のド派手な破壊活動を期待すると思いっきり肩透かしを喰う。何てったってやったコトと言ったら「村を荒らす」「海岸の倉庫を壊す」のみ!これ見よがしに皮膜を広げて空を飛ぶが、戦闘機と空中戦をするでもなく次の場面ではずっと海の中。何だかなぁ。最期も照明弾&時限装置付きのダイナマイトをパクッパクッと飲み込んで腹の中で爆発!でEND。いかに円谷英二御大の手に掛かろうとシナリオがこうもダメダメでは救いようがない。悪いが5点。 【へちょちょ】さん 5点(2004-04-30 13:40:43) (笑:1票) |