37.「もう呼ばなくてもいいんじゃないか?」との問いかけに対する回答や「子供は造らない方が」と嫁に話すあたり,男には理解できない母親の本音なんでしょう.極端に言えば,父性と母性,男脳と女脳の違いなんでしょうね・・・良いとか悪いとか言うつもりはないんですよ. 【マー君】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-10-10 16:55:08) |
36.前半はYOUいいなと思いつつ何気なしに鑑賞。 後半樹木希林さんの何気ない一言で鳥肌もん。ホラーか?これはと。 じっくり2回観ると、色々と観えてきますね。 なんか自分にも頭痛くなるようなことばかりで。 「いつも、ちょっとだけ間に合わないんだよな」。人生ってホントそんな連続ばかり 【ひで太郎】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-09-30 12:12:46) |
35.おばあちゃんが、店屋物の鰻重の出費をぼやくシーンにリアルを感じた。既存の故郷美学映画または田舎平和映画を少しほじっくった感じがいい。 【チューン】さん [映画館(邦画)] 7点(2009-09-29 21:02:10) |
34.《ネタバレ》 前半1時間は、正直言って退屈でしたが、よしお君が来るあたりから、ぐっと面白くなります。ひとつひとつの台詞に繊細に込められた各人の「思い」が物語をつむいでいく様は、胸に響きますね。ただ、どの登場人物も「見られていない時に本音を言う」という同じパターンを繰り返し、ちょっと一辺倒な感じはぬぐえません。また、同監督の「誰も知らない」のようなリアルさは、この作品には感じられませんでした。構造は良く出来ているのですが、人間そのものが生きているように思えません。監督も役者も「リアルに、リアルに」と意識して作っているのが見て取れるのですが、むしろそれが裏目に出ていたような。まあ、象徴的な台詞が多いので、仕方ないのかもしれません。見終わった時、途中で見るのをやめなくてよかった、と思えたので、まあまあいい作品だったと思います。 【コウモリ】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-09-16 08:32:56) (良:1票) |
33.このシナリオは、そうとう手間が掛かってるんじゃないか。さりげない言葉の採集に時間を掛け、それの構築にも時間を掛けていそう。それだけの成果が上がっている。大勢の中で言われた言葉へのこだわり・言い返せなかった文句が、二人になったときに不意にこぼれるのが、ザクッザクッと映画に刻みを入れて、表面では何も起こらない時間に確かな手触りを与えている。そのくすぶってる場所としての家族。「おばあちゃんちじゃないぞ、俺が建てた家だ」とか「それ(トウモロコシで気の利いたこと)を言ったのは兄貴じゃなくて俺」とか。その遅れて言い返せた言葉とは別に、“ちょっと間に合わなかった”言葉も山のようにあり、でもそこにこそ一回限りの家族の会話の味が、後悔が懐かしさに変質しつつ隠されている。あるいは墓参りの帰り、暗黙の了解のように二組の母子に自然に分かれ、どっちも他方の前では交わせない会話が紡がれる、そのスリル。不意に顔を覗かせる残酷さと怖さ。「隠れて聴く曲ぐらい誰にだってありますよ」と妻の夏川結衣にあんな含み笑い顔で言われた日には、夫たるもの気になって仕方がないでしょうなあ。こっちの「普通であること」と人の「普通でないこと」がときに重なりあい、するとその場の時間が急にボッテリと厚みを増す。「普通」を形作っているものの裏には、なんとたくさんの折れ曲がった思いが複雑に絡み合っていることか。最近の日本映画でこれだけ詰まってる時間を味わった作品はなかった。原田芳雄はおそらくまだかくしゃくとした老年を描くために起用されたのだろうが、かつての無頼を演じてたイメージが残ってて、たしかに夫婦の過去を思えば似合ってはいるのだが、現在の父としてはもう少し固いぐらいの実直さを出せる役者でもよかったかも知れない(「“すばる”は演歌じゃありませんよ」の語り口は絶品だったけど)。それとラストが付いたことで、見ているほうがその後を自由に想像する楽しみはなくなってしまった。でも傑作です。 【なんのかんの】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-08-31 12:15:54) (良:2票) |
32.《ネタバレ》 「人生は、いつもちょっとだけ間に合わない」 素晴らしい役者と素晴らしい脚本、演出。 もー言うことないです。 やさしい、やさしい映画です。 多くの人に観てほしい。 【urara】さん [映画館(邦画)] 9点(2009-07-21 18:24:18) |
31.《ネタバレ》 CGや、サラウンドとは、ほぼ無縁の映画は、じわりとしみ込んでくる。それにしても是枝監督はどうやって演出しているのだろう。不思議だ。そして樹木希林は、セリフ、動作、表情、さりげなく上手すぎる。YOUはやはり天才的。夏川結衣は最近のテレビドラマでファンをやめようと思っていたが、子持ちの嫁の居心地の悪さを上手く表していたし、ふと垣間見せる初々しい表情が「青い鳥」以来のツボだった。そして、次男の「いつも、ちょっとだけ間に合わない。」というセリフがあとを引く。 【ブタノケ2】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-07-20 23:28:37) (良:1票) |
30. ディスクのタイトルの下に、原作、脚本、編集、監督という肩書で名前が出ていたので、よほどの自信作なんだろうなと思って鑑賞しました。 確かに面白い。女性監督には出来ない計算された伏線がいっぱい詰まっている。 最近の映画は、のんびりしたストーリーでも、2時間を平気で超すものが多くて嫌気が刺していたが、約110分、なんとか最後まで鑑賞出来た。 複線もしっかり、セリフもちゃんと含みを持たせて、なかなかとは思ったが……。 正直言わせてもらうと、山田太一、倉本総、向田邦子のドラマを見つくした私には「もう、こういう映画はいいかな……」という感想しか残らなかった。 ホームドラマを見たことがない人にとっては新鮮さを与えるかもしれないが、同じような映画は過去に山ほど作られていることを訴えたい気持ちになる。 【クロエ】さん [DVD(邦画)] 5点(2009-07-08 00:33:09) (良:2票) |
29.小津映画みたいだった。それぞれの思いが会話の端々やしぐさから表れてるのがよかった。 【しっぽり】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-07-05 15:34:15) |
28.暑い夏の日、亡くなった長男を弔うために家族が集まる。 どこにでもいる普通の家族の、何でもない一日。 自分自身も毎年経験していることだけれど、離れて暮らす家族が会する場というものは、実のところとても独特な空気を持っていると思う。 いつも一緒に暮らしているわけではないので、実際問題各々のことをそれほど把握しているわけではない。 にも関わらず、「家族」という微妙な関係性に縛られているから、特に改まることを許されず、努めて親密に振る舞わなければならない。 それは、互いの関係が良いとか、悪いとかに関わらず、そういうものだ。 だからこそ、表面的な会話の裏に見え隠れするそれぞれの思いにドラマが生まれる。 そのドラマ性を決して表立たせるわけではなく、あくまで個々が抱えた「感情」として描き出す。 それぞれの感情をもっと膨らませて、言動としてぶちまけたなら、荒々しい“波”のある映画になったかもしれない。 しかし、それを敢えてせず、作品全体を水面に落ちた一滴が生む波紋のように仕上げたことが、この映画の最大の魅力であり、是枝監督の流石の巧さだと思う。 歩いても、歩いても、人生が完璧に満ち足りるなんてことは、ないのかもしれない。 それは、息子を亡くした老いた母親にとっても、父親を亡くした少年にとっても、誰にとっても同じことなのだろう。 哀しいことだけれど、そういう何かしらの“物足りなさ”を抱えて生きていくことこそ、本当の意味で人間が人間らしく生きるということのような気がする。 【鉄腕麗人】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-06-20 10:10:55) (良:1票) |
|
27.長男の命日に集まった一家族の、平凡な日常を描いた..小津安二郎系作品..たわいもない日常を丁寧に描いた、良作と言えば良作..観ていて、平凡と言えば平凡..等身大と言えば等身大..淡々と言えば淡々..退屈と言えば退屈..盛り上がりどころが無いと言えば無い... 【コナンが一番】さん [DVD(邦画)] 5点(2009-06-18 10:40:45) |
26.「人生は、いつもちょっとだけ間にあわない」。小津監督系の良作でした。良くも悪くも家族は家族なんだよなあ。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-06-09 17:39:00) |
25.《ネタバレ》 よかったです。42才になり妻も子供もいながら、めったに実家に寄り付かない私には 色んな意味で共感できました。ラスト前の原田芳雄の「次は正月か・・・」がココロに刺さりました。 【Z'】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-06-05 14:40:00) |
24.最近見た邦画でNo1ですね。淡々とした、ある夏の1日を映し出した映画でしたが良かったです。これ見た後、実家に帰ったときにトウモロコシの天ぷらを母に作ってもらいました。 【ポドルスキ】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-05-16 06:47:00) |
【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-04-22 20:39:49) |
22.《ネタバレ》 事件も何も起こりません。最初の一時間位は「何が起こるのかなあ?」と思ってみていました。その後 これは結局なにもなしで終わるのではないかと思い始めて、結局そのまま何もなしで終わりました。 ここまで何もないと、見ている人それぞれが、いろいろな小さなエピソードの中から自分の心に残ったものを選んで、それを増幅して映画の主題とみなして楽しめるのかも。 【紫電】さん [DVD(邦画)] 5点(2009-04-03 21:48:19) |
21.淡々と描かれる家族の風景がどことなく滑稽でもあり、どことなく悲しくもあり、少し考えさせられるところのあるいい作品でした。 善人でも悪人でもない樹木希林のニュートラルな演技があまり嫌味になり過ぎず作品全体の雰囲気を適度な状態に保っていたように思う。 特にこれといった物語があるわけじゃないけど、それぞれの人生を感じられる心地好い流れの中で、その良さがじわじわと臍から入ってくるようでした。 【もとや】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-03-31 16:25:18) |
20.《ネタバレ》 台詞の一言一言、描写の一コマ一コマが生きている映画です。 今の若者には理解できないかもしれないが30代40代以降の人には ものすごく共感できる作りになっている。我が家の帰省の環境にもの すごく酷似しているかもしれないがとても心に入ってきた。 おじいちゃんのおじいちゃんの家だろや毎年、命日に助けられた少年を よぶおばあちゃんの心境。こどものパジャマを用意していないことに 対する嫁の感情等すべて理解できる。YOUの演技も秀逸。外人には 理解不能の領域かつタイミングの問題で賞は取れないかもしれないが かなりよい作品と断言できる。タイトルはあえてこの名前にしなくても よかったと思う。 【K2N2M2】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-03-22 12:57:10) (良:1票) |
★19.《ネタバレ》 映画の舞台となっている三浦海岸には半年ほど住んでいたことがあるので、画面に描かれる夏の終わりごろの色彩と空気の質感はとても懐かしいものがあった。 高台から見える青い海とその手前の街を走る京急電車の高架。所々に茂る緑。国道を跨ぐ歩道橋の向こうに広がる砂浜。海岸線の先には浦賀の岬、海の向こうには房総の山々。
とても印象に残る映画だった。 淡々とした日常の生活を描くものであるが、そこに確かな生の質量を感じる。言葉は単なるコミュニケーション手段であることを超えて、家族としての記憶を確実に紡いでいく。夫々が発する言葉は止め処なく拡散していくようにみえるけど、それは確実に風景として家族の歴史に刻まれる。
「人生はいつもちょっとだけ間に合わない」 この物語、僕ら40歳周辺のアラフォー世代にはとても身に詰まらされるものがある。親や兄弟との距離、子供との距離、家族の中の自分。子供の頃の記憶を自分の子供に重ねつつ、教育という名のもとに親としての役割を演じる。親の老いを見て人生を知り、また自らの老いへの予感に思いを馳せる。人生の中途だからこそ思うこと。 僕の父親は数年前に死んでしまったけど、彼が自分と同じような弱い人間で、人生の中の様々な引き合いの中で、いくつかの諦めがあり、手の負えなさがあり、それでも家族の為に必死に生きてきたという自負があり、それらのいろんな思いを僕は彼の死ぬ間際になってようやく実感した。子供の頃、学生の頃、そのことに気づいていたら、もっと違った関係を築くことができたのかもしれない、、、でも、人生とはそういうものなのだろう。大事なことは年をとって初めて気づく。その時に改めて本当の優しさというものを知るのだ。
小津安二郎や成瀬巳喜男が描いた北鎌倉の風景が現代の三浦海岸の風景に重なる。全ては新しくなったけれど、確実に紡がれているものがあるのだなぁ。家族の歴史の中で、彼らの言葉の断片は記憶となり、風景となり、伝えられるのだなぁ。
映画の最後に、切り取られた1日の出来事が永遠の風景となったことを僕らは告げ知らされる。引き延ばされた瞬間という永遠。彼の人が亡くなり、新しい命が生まれる。その中で気づくこと。すばらしいエピローグだと思う。 【onomichi】さん [DVD(邦画)] 10点(2009-03-18 20:37:01) |
18.《ネタバレ》 ラストの、阿部寛が言う「いつもこうなんだよな。ちょっと間に合わないんだ」って想いが…分かる。去り際の、あの絶妙なタイミングがすばらしいですね。現在の私の環境、実家との距離感が見事に重なって、痛く共感した。是枝監督が作るスクリーンの一枚一枚、これがらが醸す空気感ってすごい。茶の間だったり、隣人を迎えた玄関、台所、そこで生まれる他愛の無い会話も。そして演者が活きている。過去の作品然りで、youが特に。30代におすすめの名作です。 【乳時雨】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-03-09 14:54:54) |