114.《ネタバレ》 ナンシーマイヤーズの映画は、本当にいつも何か足りないというか残念なんですが、この映画もまさにそれ。
途中まではかなり面白そうだし(ナンシーマイヤーズにしては)コメディシーンもキレッキレなんですよ。
牝犬の気持ちまで読めちゃって、これはシチュエーションコメディとしてどんだけ面白くなるんだろう?と期待させるんです。
ところが、結局はナンシーマイヤーズクオリティ。
「女性の考えてる事が全部わかる」という超絶怒涛のいくらでも面白くできるシチュエーションのはずなのに、途中からそれがどこかへ行っちゃうんです。
「女性の考えてる事が全部わかる」というすごい能力がストーリー上どっかへいっちゃうんですね。どうでもよくなっちゃうわけです。
え、それものすごくすごい事だよね??ありえないくらいすごい事なのにどっかいっちゃうんです。
終盤、特に脈絡も必然性もなく唐突にその能力が消えるわけですが、当然そこにも何のカタルシスもないわけです。
「あぁ消えちゃったんだね」ってだけ。
そりゃそうですよね、映画の途中でそんな設定どうでもよくなっちゃてるんだから消えても誰も気にしません。
「女性の考えてる事が全部わかる」ようになったゲス男のシチュエーションラブコメだと思って映画を観てたら、途中から一番大事なはずの「状況(シチュエーション)」をどこかに置き忘れてしまうわけです。
大丈夫か?ナンシーマイヤーズ??
まぁ、毎回そんな感じだからいいんだけど!
その上、個々のエピソードの組み立ても本当に(毎回の事だけど)へたくそで、例えば娘とのエピソード、途中の展開も足りなければ、え、で娘との結論はどうなったの?って感じで結論もはっきりせず、こんな扱いならそもそも娘のエピソード全部いらないじゃん!って中途半端な扱いなわけですよ。
そういうどうでもいい枝葉だけは沢山あるんですけど、それが全部微妙なまま放置されちゃうっていう。
結局は毎度毎度のナンシーマイヤーズクオリティの映画でありました。
惜しいなぁ途中までは本当に面白いんだけどなぁ…