15.後に『乱』でもシェイクスピアを取り上げた黒澤監督ですが、『乱』の元ネタである『リア王』が壮大この上無い戯曲であるのに対して、こちらは、緊迫感がこの上ない『マクベス』が元ネタ。例によって、舞台作品を思わせるカメラではあるのですが、動と静の対比など、映画らしい演出がキマってます。劇ではバーナムの森が動くシーンなんて表現できないしね。昔NHK教育でやってた、BBC製作の「シェイクスピア劇場」での『マクベス』よりも、この『蜘蛛巣城』の方がむしろ、原作の臭いがよく出てるんじゃないの、と思えた程。ま、そのくらい、強烈なイメージで編み上げられた映画です。『乱』もこの頃のパワーで作られてたらなあ、という気はします。それにしても山田五十鈴は怖い。 【鱗歌】さん 9点(2003-08-23 22:15:06) |
14.一言で云えばすごい映画でしょうか。俳優の演技がすごければシーン一つ一つの迫力もまたすごい。全ての映像が鬼気迫る迫力で迫り、また怪しげな光を放っています。 【亜流派 十五郎】さん 10点(2003-07-23 17:14:01) |
13.シェイクスピア戯曲で最も日本人にぴったりくるのは「マクベス」だろう。戦国乱世の下克上そのままがドラマ化されているからだ。黒沢としてもこの作品を選んで大いに正解だった。年代はかなり離れてはいるが「リア王」によった「乱」がいささか歯切れの悪いものになったのとは対照的だ。「七人の侍」も傑作だが、「蜘蛛の巣城」の方が簡潔でまとまりがよい点、一日の長があるように思う。奥方役の山田五十鈴は三船の女房としてはちょっと老けた感じだが、その見事な演技は圧倒的だ。マクベス・ドラマは夫人が巧くなければ確かに話しにならないのだ。ヴェルディのオペラ「マクベス」でも夫人役は超絶技巧のアリアをこなさなければならない。三船はやっぱりなんらかの髭面が一番似合う。武将としての強さと人間としての弱さを見事に演じてくれた。10点。 |
12.黒澤の最高傑作ではないのかもしれないけれども、三船の最高傑作とはいえるんじゃないかな。あのオーバーアクトが作品世界にピタッとハマってた。 【じゅんのすけ】さん 10点(2003-06-17 19:45:42) |
11.ネタバレあり。【月麻呂】さんのご指摘通り、全編が凄い映画。観出したら止まらない!のカッパエビセン。何度、そのドツボにはまったか。もののけ老婆のシーン、相方が幽霊になってやって来るシーン、山田五十鈴が闇に消え行くシーン。落ちない血糊を洗うシーン。そしてラストシーン。三船は自分そのものだ。自分の弱さや醜さを突きつけられるから、この映画は怖いのである。嗚呼!今夜も「もののけ」に誘われ、観てしまいそうだ。 【すぎさ】さん 10点(2003-06-16 23:42:17) (良:1票) |
10.すばらしいの一言です。黒沢監督は人間のエゴを常にうまくとっていると思います。三船敏郎の演技も圧巻でした。 【coco】さん 10点(2003-03-27 03:00:52) |
9.ミフネ、やっぱすげーや。原作を映画化した作品で、これほど秀逸した出来栄えは、流石はクロサワ。原作っつてもシェイクスピアだけになおさら。もう一度言う。ミフネ、すげーぞ。 【mijukie】さん 8点(2003-03-03 00:24:57) |
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8.何回も見てるけどいつ見ても引き込まれる。能面作りの山田五十鈴の凄みがこわ~い。三船がだんだん狂気になっていくのもこわ~い。ファーストシーンとラストシーンがつながって人間の欲望の空しさ、はかなさが浮き彫りになる巧みなつくり。三船が矢ぶすまにさらされるシーンなんぞ、一体どうやって撮ったのか不思議でしかたない。CGなんてなしだからねぇ・・まぁ全てにおいてすごいとしか言いようがない。惜しむらくはこの時代全ての日本映画に共通するけど、録音技術が悪いのかセリフが聞き取りにくい。いっそ字幕をつけて欲しい。 【キリコ】さん 10点(2003-03-01 00:15:00) |
★7.最後は三船さんの演技の中でも一番鬼気迫るものです。私の中では。権力に狂っていく人間模様は圧巻ですよ。 |
6.最後の奥方の発狂とそれに続く蜘蛛の出の森がうめくように動き出す場面。最後は畳み掛けるように矢面にさらされる鷲津。これまでもたくさんの名画を外国日本を問わず鑑賞してきましたが、これ以上の映画にであったことはありません。すばらしいの一言です。 【ヨーロピアン】さん 10点(2003-02-01 20:50:38) |
5.これは、怖い映画。文字通り矢継早に矢が飛んでくる(おかしな日本語で失礼)あの場面、本当に三船を殺すつもりだったのではないだろうかと疑ってしまう。後の黒澤と三船のとの不和の原因になったと言われる。原作はシェークスピアだが、日本の伝統芸能である能の要素を取り入れているところが特筆。足捌きで内面の不安を描写する出演者の動きをとくとご覧あれ。 |
4.黒澤明、渾身の一撃!ですね。かのシェイクスピア氏もさぞやお喜びでしょう。 【愚物】さん 10点(2002-11-06 01:50:41) |
3.化け物がほんとに不気味。下手な怪談映画よりよっぽど怖い。あと最後の矢のシーン、これはもう圧巻。どうやって撮ったんだろ。黒沢明という人の凄さが凝縮されとる作品ですな。 【たけぞう】さん 10点(2002-10-04 01:17:56) |
2.マクベスをよくここまで消化したよなあ。中学のとき(黒澤の連続リバイバルの時期がありました)、すごく面白かったんだけど、この間TVで観たら、最後までお付き合いできなかった。ううむ・・。黒澤映画の舞台劇っぽい演技(天国と地獄なんかでもそうだけど)わざとらしく、最近は感じてしまう。評でも何でもなく正直な感想。 【ちょうじ】さん 6点(2002-09-29 10:51:50) |
【あろえりーな】さん 7点(2002-07-10 10:19:55) |