15.これぞ映画の醍醐味。 映画館でなくては味わえない迫力ある映像と怒涛の重低音。 大友作品特有のビジュアルショック然とした映像が 乱気流の如くスクリーン全体に席捲している。 確かにストーリーはグダグダで単なる親子喧嘩が 稀有壮大なオモチャを使ってドタバタしているだけと 軽くまとめちゃえばこんな感じなんだけど、 このドタバタを表現する力が有るのが 大友克洋の最大の魅力なのではないだろうか。 声優陣はジブリ同様「大友よ、おまえもか!?」と言いたくなる程、 有名人を多用し、ある意味作品の質を落としてはいたが 今の時勢では止むを得んといったところか? 04年秋の某アニメ映画にキムタクが声優やるよりは耐えられるレベル。 特にロイドの声を演っていた中村嘉葎雄や エディの声を演じていた津嘉山正種などは実写同様の 重厚且つアクの強い演技で作品に深みを与えていて好感が持てる。 中村に至ってはあの特徴ある声に最後まで魅せられて 『誰だろう?』と判らずクレジットを見て納得。 流石は名優の演技と感服させられた。 穿った見方をせず素直に見れば大変いい作品だと思う。 |
14.面白くはない。舞台が狭いからかな。まぁ、僕はキャラクターに感情をあまり持たせずにぼんやりと書いていく作品は好きですけど、この作品は中途半端な気がしたかな・・・。 |
13.[1]思うに、ジェ-ムズ・キャメロン監督の『タイタニック』でぼくが最も印象的だったのは、主演の2人が手を広げる例の「名場面」でも、沈没の大スペクタクルシーンでもない。それは、タイタニック号の機関室で巨大な歯車とピストンが蒸汽によって動く、ほんの短いシーンなのだった。あの、すべてに壮大だがどこか空虚(だと、ぼくには思えた…ファンの方々すみません)な映画の中で、ほとんど唯一と言って良い「リアル」な映像の手ざわり。…今回、大友克洋の最新作を見ながら、何よりも連想したのが、そんなキャメロンがかろうじてなし得た巨大メカの質感であり、その質感から実感させる「リアルさ」だ。何も、精巧に創り上げたからリアルさが産まれるのではない。それが「映像(=イメージ)」として強度がある・見る者の感性を揺るがす・“生きている”からこその「リアル」だ。そして、それこそが映画の《本質》だと信じる者にとって、コノ『スチームボーイ』は、まぎれもなく「映画」」そのものとして、例えば『タイタニック』を遥かに凌駕していると、ぼくは思っている。 [2]確かにこの作品の、物語や、その語り口の“欠点”をあげつらい、批判するのは易しいかもしれない。そもそも、何故『AKIRA』を撮った大友がこんな映画を撮らねばならないんだ、と。 それについては、ぼくなりに、“これは手塚治虫『アストロ・ボーイ』への「返歌」であり、大友なりのオマージュなのだ”と思いたい。手塚的ヒューマニズムと世界観への、批判的継承を果たそうとしたものとして見た時、あの父子3代の葛藤の物語ひとつとっても、『スチームボーイ』は、感動的な、あまりに感動的な映画として屹立する。 [3]ぼくの「満点」評価は、あくまで以上の「極私的大友克洋観」の所以であることを(というか、ぼくの場合そんなのばっかですが…)ご承知おきください。 【やましんの巻】さん 10点(2004-07-21 13:11:20) (良:3票) |
12.多くのファンはおそらく「AKIRA」的なものを求めて観に行くんじゃないでしょうか。でもそもそも「AKIRA」とは違うものを作ろうってやったわけで、(確かにマシンやアクションは盛りだくさんだけど)そういうのを求めて観に行った人はたぶん落胆すると思う。だから比較じゃなくてこれはこれで別物として見てほしい。話がつまらないという意見がありますが、そもそも大友さんのシナリオに話の面白さなんて求めてはいけません。いや、とは言うものの、やっぱり各キャラクターの心情に対しては、終始違和感がありました。いや、そんなものを求めてはいけません!彼らは単なる駒の一つ一つなのです!(と、自分に言い聞かせてみる)。僕も一人の大友ファンとして、主人公同様なかなか葛藤しながら見たんですから(笑)。視覚的イメージ、このイメージっていうものは、宙に浮き空を飛ぶものです。だけどストーリーっていうものは、地に足をつけてじっと考えるものです。よく、映像だけの映画は話がつまらない、と言われるのは、このイメージとストーリーの相反する要素のせいです。だからなかなかこの両者はうまいこと結婚しないものです。この二つが共にせめぎあって出来るのが映画作品。大友さんの映画は他の多くのアニメの監督同様、イメージ先行型でしょう。だから大衆的観点からすると先走った観客おいてけぼりの作品になりがちです。だけどそこから生じるズレ、微妙な違和感に魅力を感じたらその作品の、作者のファンになるんですよね。ここら辺うまいこと言葉にしにくいんですが、、、、。あ、あとカメラの動きがなかなかエレガントでしたね。ああいうダイナミズムさも大友さんの魅力の一つかな。 【あろえりーな】さん 6点(2004-07-21 02:08:01) |
11.周囲での評判があまりよくなかったので、たいして期待しないで見に行ったのだが、意外とたのしめた。主人公のレイは、とくに自分では何かを作り出すわけでもなく、結局祖父と父との葛藤に振り回されるいわば狂言回しにしかすぎないが、それはそれで映画を親しいものにしていてよかったと思う。テーマは「AKIRA」で語られていたもの(=人間の欲望、とういか「意志」の先にあるもの)とほぼ同じだったが、見せ方はもちろんまったく違っていて、痛快冒険活劇として仕上げようという心意気は見えた。それがすべて成功していたとは思えないが・・・。ただ、時代背景を意識した茶色を基調にした画はとても美しく、ストーリーと展開の凡庸さを補って余りあるものだった。もういちど映画館で見ようとは思わないけれど、テレビで放送されたらあと2、3回は見たいな~と思う。 【ぽん太】さん 6点(2004-07-20 23:46:15) |
10.まず最初に言いたいのが…声優がひどい。 レイの鈴木杏がまずダメ。下手な上、鈴木杏そのまんまとしか言いようがない。 ロイドの中村嘉葎雄は舌回ってないし…小西真奈美は別格。抜群に上手かった。 脚本的にも映像的にも、特にすごいっ!と思うところは無かったなぁ。 これだけ待たせてこの出来では納得いかない。 【ふくちゃん】さん 3点(2004-07-20 19:43:41) |
9.このアニメ映画が他のアニメ映画と決定的に違う点・・・それは、「観客を楽しませようとしているか否か」ということだと思います。この点でスチームボーイは全く観客が考慮の外におかれています。ストーリーも単純で普通だし、キャラクターも全く立っていない。脚本も意味不明。メッセージ性もカンペキに後付けです。作者はただただ純粋に、こういう「蒸気とパイプとメカ」の世界を描きたくってたまらなかったのでしょう。蒸気と歯車、そして無数の破片を画面の中で踊らせるのが楽しくて仕方がない・・・それだけはビシビシ伝わってきます。最初は見ていて頭に来ていましたが、ここまでのレベルで最後までずっと貫き通されると、感銘すら覚えます。観客に媚びず、ひたすら己の表現を極める。アニメーションだから出来ることにこだわる。作品としてはお世辞にも面白いとは言えないけれど、あえて言うとすれば「参った!」という感じでした。メリーゴーランドとか出してくるセンスにはもう苦笑いするしかないです。。 【おしりはばとび】さん 5点(2004-07-19 23:58:41) |
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8.《ネタバレ》 この映画のテーマは「科学の使い方」について。人類の幸せのために使うのか、それとも金儲けや人殺しのために使うのか。ありがちなテーマだけど好きなテーマです。それをどのように描いて、どのように視聴者に伝えるのか。感想は、素直に面白かったよ。19世紀のロンドンの風景は素晴らしかったし、スチーム城も圧巻だった。いい意味で宮崎映画に似ているので女性うけは良くなったと思う。個人的にはアキラの方が好きだが。 【ぺん】さん 8点(2004-07-19 03:25:05) |
7.素直に面白かった。ただ、映画館で隣の席のおっちゃんが、デブ臭くて、いまいち集中して見れなかったのが悔しい・・ ハラハラドキドキっていう映画ではなかったけど、科学の力ってすごいって思った。発明する人すごいわ!!映画を作った人たちもすごい!! 【テンダータッチ】さん 9点(2004-07-19 00:20:41) (笑:1票) |
6.観終った感想は『どうしてこんなにも観ててハラハラドキドキしなかったのかなぁ?』です。圧巻の緻密な映像と壮絶アクションのてんこ盛りなのは間違いないのですけど。 冒険活劇は感情移入をした登場人物と一緒にそれこそハラハラドキドキしながら物語を同時進行で体験するのが醍醐味だと思うのですが、この映画の主人公レイに大した個性もなく魅力も感じず感情移入は不可能でした。クライマックスでレイの言う事は確かに真っ当かも知れませんがストレート過ぎて 上っ面な印象にしか聞こえず心に残りません。一応、ヒロインらしいスカーレットがある程度のキャラを立たせていましたが結局、叫んでるだけで何の為にいたのか存在意義が良く示されていません。レイと心を通わせるシーンがしっかり書かれていればまだマシだった筈。レイの親父は終始、スチーム城に取り憑かれた人にしか見えませんでした。これももう少し親子の関係の深さを見せてくれれば・・爺さんのキャラがこの物語で一番、しっかり立っているように見えて良かったです。そして声優。大友監督はアニメ的なキャンキャンしたものよりリアルを求めたようなコメントをしていますが鈴木杏と小西真奈美の演技力は別として声質はリアルに聞こえませんし既成のアニメ声優の声質とさほど変わりありません。アニメ的声を求めてないといいながらも脇のキャラにはしっかりアニメで活躍している声優を起用したりしてなんだか矛盾しています。主要キャラが津嘉山氏は除いて殆ど声優の仕事はしてないからか他のプロの声優さんとの声の演技の違和感もあって時には不快でした。沢村一樹のディビットの演技が特に下手でした。本当に監督はあの下手な演技でいいと思ったのでしょうか。児玉清はボソボソと棒読みゼリフで聞き取り辛く(そういう風な演技を要求されたかも知れませんが)主役の鈴木杏は思ったより良かったですが声の演技の不安定さが目立ってあと一歩でした。それとやはりあの男の子キャラにあの声は合いません。 そして一番、良かったのはスカーレットの小西真奈美でした。プロの声優と言われても素直に信じてしまうくらいの好演でした。これほどの労力と技術を費やした痛快冒険アクションにも関わらずあまり印象が残らない映画に感じて個人的にとっても残念です。脚本とかもっと上手く練られたと思うのですが・・9年もかかってそこは麻痺してしまったのでしょうか?大友監督。 【まりん】さん 4点(2004-07-18 14:28:43) (良:3票) |
5.もちろん期待はしていたが、小西真奈美が驚くほど上手い。誇張なしで、言われなければプロだと思ってしまうほど。雑誌のインタビューでは「アニメを見て研究した」と言っていたが、真面目な方だろうから、きっと相当練習したんだろうなぁ。自由奔放なスカーレットが完全にハマっていて、とても魅力的なキャラクターになっている。声だけでなく命を吹き込んだというか。 最近はアニメや吹き替えで本業以外のタレントを声優に使う事が批判を浴びているが、本作の小西真奈美、そして真っ直ぐで伸び伸びした声が心地いい鈴木杏、彼女たちがその可能性を見事に証明してくれた。 【紅蓮天国】さん 6点(2004-07-17 19:06:52) |
4.《ネタバレ》 くだらない説教もなくて楽しく観られた。 大友作品に緻密な描写と崩壊の快感以外の何を求めるっていうのよさ。 スチーム城も歩いたことだし、満足しました。 鈴木杏と小西真奈美が良かった。特に小西はテレビドラマの印象が強いからかイメージが違って一番驚かされた。 あ、でも今回は大友作品の隠し味・乞食はいなかったなあ。 【拇指】さん 9点(2004-07-13 15:53:25) (良:1票) |
★3.何故か見る前から期待よりも不安が大きかったのですが、予感的中…。なんてことのない作品のように感じました。主人公の心情の変化がいまいち分かりにくく、スカーレットもたいして活躍していないし、父親も完璧な悪者じゃない気がするし。一体誰が正しいの?って感じです。そしてジイさんの声が聞き取りにくいっ!微妙にどもってます(笑)9年もかかって、24億円の制作費。女性も安心して見れます☆なんて小西嬢が言っていましたけど、「おおっ」と思ったのはラストシーンだけでしょうか?あれがなければこの作品、印象に残らないような…。 【西川家】さん 4点(2004-07-10 09:53:58) |
2.観る人は誰もが過度の期待を抱いて鑑賞に臨むものと思われる大友克洋16年振り(!)の新作長編アニメが、蓋を開ければ「天空の城ラピュタ」と「ロケッティア」を足しただけの様な全く新味の無い仕上がりでは、以後、落胆のレヴューが並ぶであろうことは想像に難くありません。一番の失敗は、19世紀イギリスという舞台設定が足枷になったのか、折角の少年の冒険物語から勧善懲悪的な要素を排除してしまったことでしょう。一応は主人公の父が悪役になってますが、彼も科学の発展を望む科学者であって悪人ではない。綺麗事をほざく祖父にしたって善人ではない。一番悪役っぽいオハラ財団の会長なんか登場せず仕舞い。白鳥麗子の様なヒロインも良い子なんだか悪い子なんだか良く判らないまま終了。「製作期間9年」というのが謳い文句ですけど、その9年の間に作品の鮮度はとっくに落ちてしまっていたようです。残念、4点献上。 【sayzin】さん 4点(2004-07-03 22:43:55) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 科学は使い方によっては、人々に幸福を与える善にもなるし、全てを破壊する悪にもなる。 全ては使う人の心の持ち方にかかっている。 それでも人間の文化の進歩は科学によるものであるし、未来に光を与えるのは科学のチカラだと、まあ言いたいことは分かるけど。 ストーリーは全く面白くありません。 スカーレットも主人公レイになんら影響を与えるキャラクターになっていない、ただのうるさいだけの存在のキャラだし、親子の葛藤もほとんど描かれてないのが致命的、この設定ならダークサイドに陥った親父をレイが改心させるのが定石だろうし、ダークサイドに陥りそうなレイがスカーレットによって踏みとどまるとかの展開のほうがまだ良かったと思われる。 普通、最後は親父はかばって死ぬというのが盛りあがる展開だがオチもなし、どこをどう楽しめばいいんだろうか。 「画」もイノセンスとかに較べれば驚くべきものではないし。 遊園地とか出てきている時点でこれはもう子ども向きなんでしょうね、でも「AKIRA」は好きです、本作ではあの世界観は陰を潜めています。 |