★10.噂通りセンスあるなぁと思いました。人間模様の中心である壺に対する重心の置き方とか、フリがあってオチがある会話の成り立ち方とか面白いです。あとなんと言っても大河内傳次郎がスゴイ!なんて表情豊かなんだ!片目でモノを見る仕草には息が止まるし、立ち回りや刀を抜く仕草にはドキドキワクワクします。ただ、ひとつひとつのシーンは印象的なんですが、全体の流れは少ししんどかったです。正直なところ。例えば小津安二郎の「生れてはみたけれど(1932)」は現代の感覚で見ても素直に面白いし笑えるしホロっとさせるけど、それに比べるとお勉強してるような気分で見てしまった自分もいました。 【黒猫クロマティ】さん 7点(2004-09-08 14:25:00) |
9.ひとつの壺をめぐるユーモアに満ちた展開。この展開の面白さは、映画にしかできない面白さだと思う。その意味で山中貞雄さんはすごい監督だ。また、こういうテイストの映画が、またこういう形式のユーモアが、おそらくは日本にしかなく、しかも日本人にしか通じないだろうところが、この映画の価値を高めている。ぜひ一度は見ておくべき作品。京都文化博物館で鑑賞したが、多少音声が聞き取りにくくて残念。 |
8.DVDで鑑賞。何いってるかわらないところも字幕で解決できるし、映像が綺麗。大河内傳次郎の舞うようで大胆な立ち回りがかっこよすぎ。跳ねかたが凄い。山中貞雄作品は初めて見たけど、かなりいいっていうか完璧です。 【バカ王子】さん 10点(2004-05-11 21:35:00) (良:1票) |
7.日本映画の夜明け頃、朝焼けの空を駆け抜けた流れ星。それが山中貞雄監督だったんだ。その光が永遠となり、70年後、僕の瞳に届く。 キラキラと輝き続けて。 【紅蓮天国】さん 9点(2004-05-08 17:23:31) (良:2票) |
6.ファーストカットからその頭抜けた映像センスに驚愕。省略法の使い方はルビッチよりもうまい。これは天性のものとしか思えない。映像、構成、テンポ、全てが完璧。ただ、さすがに古さは感じる。 <追記>戦後GHQの規制によってカットされ、現存しないとされていた殺陣シーンの一部のプリントが個人のコレクションから発見されました!元々約2分の殺陣シーンのうちの40秒ほどらしいです。5月に発売されるDVDに収録されるらしいので是非是非見たい!!待ち遠しいばかりです! (2004/2/28) 【藤村】さん 9点(2004-02-13 13:33:23) (良:1票) |
|
5.29才の若さで亡くなった山中貞雄監督の現存する3作品のうちで、最も好きな作品です。日本で唯一「天才」と言われた彼の才能を垣間みることができる貴重な作品であって、なおかつ、『人情紙風船』とならんで傑作中の傑作だと思います。剣豪でニヒルなはずの丹下左膳を、原作者が激怒するほど滑稽にパロディ化した第一級の喜劇。「何しろ江戸は広い。それに馬鹿にくず屋が多い。十年かかるか二十年かかるか」と何度も繰り返されるとぼけた台詞。「馬鹿言え!おれは絶対にお断りだからな」と言いながらも行動は全く逆で、絶対にお断りできないおかしな性分。これらの「反復」や「逆説」の話法の多用は、当時のハリウッド喜劇の影響を存分に受けていることを示すと同時に、その技術と面白さにかけては日本映画が本場にも決して劣らぬものを持っていたという貴重な証拠でもあります。物語の構成も実に巧妙で、ちょび安の話と源三郎の話に流れを分ける、いわば縦割りの構成をとっていて、壷を絡めて二つの話を時折接触させていきます。言ってみれば、観客は迷路に迷い込んだ登場人物が右往左往するのを、真上から覗き込んで楽しんでしまおうという趣向です。大河内伝次郎を食わんばかりの沢村国太郎のずば抜けた演技力も必見。彼なくしてこの映画の喜劇性はあり得ません。日本映画の全盛期は一般的には受賞ラッシュの1950年代と言われていますが、その基盤になったのは戦争を挟んでその前の1930年代であることは明らかでしょう。ところが、この時代、日本では映画の文化財としての価値認識が少なく、管理もずさんで、現在まで完全な形で残っているフィルムは多くありません。この事実は日本映画にとっては非常に残念なことだと思います。1930年代を駆け抜けた、山中貞雄監督の作品も、脚本は残っているものの、フィルムとして残っているのは全26作品中わずか3本。いかんせん、たった3本ですから、ここから彼の全容を探るのはやはり困難です。この保存の悪さこそが、彼の早死とともにもう一つの日本映画史上最大の損失であることを痛感します。 【スロウボート】さん 10点(2004-02-02 22:12:09) (良:5票) |
4.人情味あるユーモア溢れた映画でした。音楽が効果的に使われていて軽快なストーリー展開と、役者の演技を盛り立てていた。20代の監督が撮ったとは思えない。 【kaneko】さん 9点(2003-12-16 22:55:42) |
3.「壺」に纏わる「喜劇」と「子供」に纏わる「人情劇」が絶妙に絡み合うストーリー展開。山中監督の非凡な才能がはっきりわかる。言ってみれば、「ルビッチ」と「キャプラ」双方の魅力を併せ持っているようなものか。それだけに早死したのが惜しい。生きていれば「ワイルダー」と並び称されていただろうに・・・。それはさておき、作品の出来からして、これまでリメイクがないのは不思議。ハリウッドを中心にリメイクが流行っている昨今、これほど作品が何故ほったらかしになっているのだろう・・・、と思っていたら、「トヨエツ」主演でリメイクが決まったようです。名作の名を汚さないように頑張って欲しいものです。 【STYX21】さん 8点(2003-11-24 21:12:56) |
2.丹下左膳が人情味あふれてる 戦前ながらよくできている作品。 メーカーからセルビデオを取り寄せみましたが、逆手の話術もみどころ。 監督・山中貞夫のセンスに脱帽です。 【sangen】さん 8点(2003-11-22 15:40:52) |
1.戦前の映画ながらとっても楽しめる人情喜劇映画です。 不器用ながら子供に優しい左膳が実にいい味出していて大好きです。 黒澤明の「酔いどれ天使」でこの映画のワンシーンを引用していたのを思い出しました。 【まりん】さん 9点(2003-11-01 19:23:57) |