8.《ネタバレ》 ウディ・アレン流「カサブランカ」のパロディであり、オマージュ。しかしよく出来ています。
アレン演じる冴えない映画評論家のアラン。色々あって友人の妻リンダ(ダイアン・キートン)を愛してしまう。
「カサブランカ」である以上、最後はアランはリンダを見送ることになるんだろうな・・・。とは思っていましたが
霧の中の空港でリンダを見送る「カサブランカ」そのまんまのラストがいい。
最後の最後でボギーになりきり、キリッと締まった表情を見せるアレンがちょっとだけカッコいい。
リンダはモノにできなかったけど、心酔するボギーになりきれてちょっとだけ満足している自分がいる。
アランと同じく映画好きにとってはこんな気持ちもちょっとだけ分かる気もする。
その後、心の友?のトレンチコート姿のボギーが現れ、
「君の瞳に乾杯」と”as time goes by”で霧の中に消え行きエンディング。粋ですね。
その後公私共にパートナーになり、アレン映画の顔となっていくダイアン・キートンですが、
もう既にアレンと息ピッタリのとても楽しい掛け合いを見せてくれる。とにかく彼女が可愛い作品です。
そしてアレンにアドバイスを送り続けるボギー。作品を楽しくする、これも実にアレン映画らしい登場人物。
アレンは脚本・主演で監督は何故かハーバート・ロスですが、
挿入されるギャグも冴えていて脚本家アレン、俳優アレンの映画の楽しさを堪能できる初期の一作です。