165.《ネタバレ》 ロリータとヤンキーまではいかなくても、そういえば私の周りの友達も
みんな個性が強くて、自分とは性格や考え方が正反対の子が多かった。
恋愛ではよく正反対の者同士が惹かれ合うけど、
女同士でその仲が成立するのは確かに難しい。
きっと女は男より欲深くて自尊心の高い生き物だからかもしれない。
それでも心を通わせていくのは、お互いに『尊敬』をし合っているからだと思う。
桃子は周囲の目や言葉など気にせず、冷酷なまでに自分の世界をどこまでも貫く。
それが自分の幸せに通じる、と言うことを知っているから。
そんな桃子の「強さ」にイチゴは憧れと尊敬の念を抱いたのでしょう。
逆にイチゴは、人から虐げられる外見をしていてもポリシーとルールは持っている。
自分を変えたくて始めたことでも、すべてソレに染まる必要はないことも知っている。
そんなイチゴの「純粋」さに、桃子は戸惑いつつも『感情』を学んだのだろう。
桃子に足りなかったモノを持っていたのがイチゴ。
イチゴが欲しかったモノを持っていたのが桃子。
唯一、二人に共通していたモノは『素直さ』だったのだろう。
自分の世界を貫くのも、ストレートに感情を表現するのも、
どちらも自分に対しても他人に対しても素直でなければ出来ないことだと思う。
単純な構図だけど、人間が人間に惚れる時は、きっといつだってシンプルなんだ。
「男の友情は強く、女の友情は脆い」ってよく聞くけど、
女の友情だって捨てたモンじゃないでしょ。