88.《ネタバレ》 ネチネチとものごとを企む女。衝動的にことを起こすのではなく、自分の演出を楽しむようにゆっくりゆっくりと事件のネジを巻いていく。観客は被害者クレアの戦慄も体験できるが、犯人ペイトンの側から“企む快感”も味わえる。ここらへんがまず楽しい。動機も、「公」的には理不尽なんだけど、「私」的にはそれも分からなくはない、と微妙に観客に納得させるように仕組んである。彼女が狙うのは、赤ん坊の命ではなく赤ん坊の愛情、そして家庭を奪うこと。そこでシナリオのうまさが生きてくる。小道具やセリフが効いてくる。タバコのにおい、ぜんそくの発作、軒に吊るされた風鈴、自転車、イアリング、ライター。日常のなにげないものが一つ一つ緊張を持ち、ラストへ導いていく。音楽で盛り上げることもなく、淡々とシナリオに信頼を置いて話を進めていく。もう少しケレン味があってもいいんじゃないかと思うところもあるが(たとえばクレアが亀の図柄を産婦人科医の旧宅で見いだすところなど、ヒッチコック趣味の監督だったら階段をゆっくり上がっていくカメラが回り込んでいって捉えただろう)、このシナリオを大事にする姿勢が、ジワジワ攻めていくストーリー展開の場合よかった。身近にいてニコニコ笑っている人間が、考えてみると何を心に思っているのかよく分からないという不安。それが家庭という「最終的に安全であるべき砦」の中で起こることの怖さ。それは裏返すと「最終的に安全であるべき砦」を攻略していくスリルでもある。他人の家庭の中で、さらに小さな温室のトイレの中で、論文をびりびりに引き裂いて荒れるペイトンの俯瞰シーン、このとき観客は彼女の執念におののくだけでなく、たった一人敵地に乗り込んでいる兵士の孤独にもどこかで共鳴していたのだと思う。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-09-30 12:09:10) (良:2票) |
87.《ネタバレ》 傑作はストーリー展開が分かりやすい。最近のサスペンスものは何度も巻き戻して(死語か)観ても理解出来ないものが多い。内容としては終始ペイトンに同情した。旦那はエロ医者だったけどその妻に罪はないよね。クレアより美人だったし(失礼しました)。 【kaaaz】さん [インターネット(字幕)] 9点(2009-07-26 00:44:24) (良:1票) |
86.レベッカ・デモーネイが怖い!たまに普通の人の役をやっていると、いつかキレだすんじゃないかとビクビクしてしまう。それくらいこの映画はハマリ役。ベタだが、知的障害のあるアーニー・ハドソンが子供たちを守ろうとする姿にグッときた。この当時のサイコ・サスペンスの中では頭ひとつリード。無名時代のジュリアン・ムーアも出ている。 【フライボーイ】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-07-20 17:54:44) |
85.レベッカ・デモーネイが怖ぇ。トイレで暴れるシーンはヤバイ。最近彼女が出てる「ストレンジャー」を見たけどやっぱコッチの方が上、女の恨みって怖い。女優魂が凄いんだか何だか知らないけどよく脱ぐなぁ・・。。序盤の裁判の時に顔と名前を伏せて匿名でやっとけばこんなことにはならなかったかもしんないのにぃ~とさりげなく思いながらも実際に起こりそうなネタをしっかりと話に出来てる所が凄いです。クレアのキャラには少し同情はできませんがこの映画を見たあとベビー・シッターを雇う時は簡単に雇えませんねぇ。 |
84.こういう追い詰め方の表現は良い、音とか映像に頼ってないですね。医師の自殺の原因がどっちにも取れるからどちら側にも感情移入出来るのも良いと思う。かなり好き 【デフォルトモード】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2009-01-23 20:14:15) |
83.《ネタバレ》 これはまず「題名が怖い!!」んです。 (揺りかごを揺らす手は、世界を支配する手である)という聖書だか何だかの一部ですよね。その揺りかごを揺らす手が、ある日自然に、しかも用意周到に計算されて家庭に入ってくる。そこんとこの怖さがひしひしと・・・。 しかも、単に頭のおかしい人間がしているのではなく、その人間もそうしてしまう過程にとても悲惨な現実があるんですね。 特に子供のいる方が見ると、その辺の怖さが更に倍増するのではないでしょうか。 【ロボット】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-03-13 17:49:13) |
82.《ネタバレ》 現実に有りそうな恐怖。幸せな日常に潜んでいる影。そして誰しも加害者にもなれば被害者にもなり得ると感じられる構成で、のめりこむことができました。 |
81.《ネタバレ》 この手の作品を今になって再見すると良くできているなと関心します。これはどんな映画にも言えることでしょうが、最近の方が鑑賞したときにどんな感想を得るのでしょうか?とにかくこのジャンルでは秀逸な作品でしょう。 【SITH LORD】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-10-06 15:27:30) |
【よしふみ】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-09-23 08:01:55) |
79.映画館で見たのがもう15年も前という事実にまずびっくり。 なかなか良質なサスペンス。 最後に結局悪者で殺されてしまうペイトンも実はかわいそうな 立場の人なんですよね。夫を失い子どもまで失い少しずつ 心に狂気が芽生えてしまったのかな、と。 その復讐の仕方が直接グッサリ、ではなくジワジワと段々と 効いて来る所がとても怖い映画です。 映画館を出た後皆一致した意見が「マイケル役立たず」でした。 【MK】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-10-23 10:00:11) |
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78.作品の世界に全く入り込めなかった。ストーリー自体は面白いが、見せ方という点では何かが足りなかった印象。サスペンスを客観的に見れてしまうと、こうも面白くないのかと実感した。 【wood】さん [DVD(字幕)] 3点(2006-10-14 12:02:17) |
77.子供たちがとても可愛らしく奥さんも旦那さんも優しくて、サスペンスを見ていたのにこの温かい家族をずっとそのまま見ていたい気持ちにさせられました。そう思わせた時点で監督の勝ちですね(笑)悪役であるはずのペイトンでさえ復讐場面を除けば実に魅力的でいっそこのままホームドラマにしちゃえば良かったのに(そんな事したら誰も見ませんね(笑)ごめんなさい。)サスペンスの緊迫感はそれ程ではないですが直接復讐されるよりも築いてきた家庭を奪われる方が確かに怖いでしょうね。そういう意味で単純なサスペンスにしなかったのは正解かも。個人的に出演者たちが魅力的だったので+1点。 【MEL】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-09-10 02:33:42) |
76.もうだいぶ前に見たんだけど雨に塗れたレベッカデモーネイが世界一美人だと思ったことは強烈に覚えている。その美しさがこの映画の骨を作っていると言ってもいいかもしれない。 【ぷりんぐるしゅ】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2006-03-06 01:43:06) |
75.クレアを憎悪から殺害したり、自分の苦しみを理解させるために夫と子供を殺害するといった単純復讐劇と一線を画す、ヒッチコックを彷彿させる一級サイコサスペンスだと思う(カーティス・ハンソン監督はヒッチコックを意識してるだろうけど)。自分から幸福を奪った憎しみだけでなく、満たされることのない母性愛が屈折してしまい、あのような復讐にペートンを駆り立てたのだろう。彼女の復讐は計画的かつ陰湿だが、赤ん坊に母乳を与えているシーンや最後まで子供二人を攻撃することはないペートンなどを見ると、遣り切れない思いがする。その姿が彼女のあるべき形のように思えてしまい、良妻賢母になったであろう彼女を復讐の鬼に変えてしまった不条理な現実に暗澹たる気持ちにさせられてしまうのだ。クレアを心理的に追い詰めていく過程も秀逸で、男の自分には解らない母性愛が持つ底力のようなものを感じさせれた秀作です。<蛇足>女性(特に母親の人)が観たら、どんな感想を持つんだろうと感じる映画でもありました。 【ペリエ】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-12-07 14:03:15) |
74.多くのみなさんが産婦人科医の行為は猥褻行為でレベッカ・デモーネイの逆恨みだと仰っていますが僕的には産婦人科医の猥褻行為は適切でアナベラ・シオラの勘違いだったんじゃないかと思ってずっと見てました。映像を見ると適切な行為にも見えるし悪くも見えるしでどちらとも受け取れるのです。確かにこれは映画の手法ってやつでここがこの映画の上手い所になっているといっても過言ではありません。そういう所から僕的にはレベッカ・デモーネイの行為は逆恨みではなく夫の恨みを晴らす日本的に言えば仇討ちに見えてしまってメチャクチ感情移入して見てました。デモーネイのやり方は確かに陰湿且つ巧妙で見ていて気分の良いものではありませんが単純で視聴者に考える事を深く要求しない脚本は秀逸でした。ただラストのジェイソンシリーズばりのドタバタ劇だけが残念ですね。僕の予想ではレベッカ・デモーネイの完全勝利を予想してたもので。とにかくどちらにしても単純な脚本でよくもまあここまで考えさせてくれたものだと感謝の念でいっぱいです。 【ゆきむら】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-06-13 01:03:55) |
73.なかなかレベルの高い脚本ですね~ラストあたりがちょっとだけ劇的..シンプルで尚且つ深い、ワンランク上の脚本、演出にしてほしかった..ツッコミたいところがあったので、-1点... 【コナンが一番】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-02-15 17:33:20) |
72.《ネタバレ》 トイレでのレベッカ・デモーネの演技がすごかったです。ソロモンに悪態をついていたとき結構嫌な気持ちになったけど復讐劇に完全にみいってしまって最後まで観てしまいました。 【Gene】さん 8点(2004-11-09 17:15:37) |
71.見ての通り完全な逆恨みなワケです。レベッカ・デモーネイは「卒業白書」以来に見たけど、ペイトン役ハマってました。ただこの映画、ラスト30分くらいはかなり緊張感あるのですが、前半は淡々と進みすぎるし、ちょっと中ダレもしててヒマな部分もありました。 【A.O.D】さん 6点(2004-10-20 11:31:29) |
★70.《ネタバレ》 あら、困った人ね。逆恨みもここまできちゃあ、異常ですわ。一時のヒステリーじゃないことは母乳を出し続けていたことでもわかる。旦那を誘惑するならまだしも、よそ様の子に自分の母乳を飲ませて手なずけるなんて、やることが陰湿すぎ、かつ不潔です。だって自分の子が自分以外の人間の乳首を吸うなんて、たとえそれが私の実の母でも許しませんことよ。安易にベビーシッターなんて雇うもんじゃないですな。
ペイトンも被害者ですね。ええ、あの猥褻医者の旦那のです。けれど恨みはクレアに向くわけです、ここがまさに女なのよ。 例えば浮気した亭主にではなく、相手の女に向かう凄まじい嫉妬、憎しみと同じなんです。なのでクレアの旦那が誘惑にのっていたらこの女二人の立場、状況は一変するわけで、そうなると話が成立しなくなっちゃうんですね。クレア夫婦はラストまで家庭と子供を守る良識ある夫婦、善良でなければいけないわけです。 医者の立場を利用してワイセツ行為すりゃ訴えられるは当たり前で、そうなったらさっさと自殺って・・・ペイトンの旦那がいちばん悪い。 だからペイトンのあの最期はかなり乱暴だと感じました。 ところで脇役で出ていたジュリアン・ムーア、この人はこういったポジションでずーっといく女優さんかなと思っていたけど、ジリジリと着実にキャリアを積んで、トップ女優になっちゃいました。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2004-10-11 21:57:57) (良:1票) |
69.男にとっての、ではなく、生物としての女の怖さが良く出てた作品。 【マックロウ】さん 6点(2004-06-30 20:58:55) |