2.《ネタバレ》 『宇宙船が事故り運悪く人が住めなくなった地球に不時着、怪我した父親の代わりに息子が、救難信号発信機を取りに行く』的なアクションゲームの様な構成で、テンポ良さや原生動物や毒、自然の脅威、脱走した宇宙怪獣と言った様々なアクシデントも合わさり飽きずに最後まで楽しめた。
父親は意外と息子想いで、息子も反発こそするが、父親に認めてもらいたいのと過去の後悔からきており、二人とも予告よりも好感が持てた。
特に良かったのは、本作のテーマである『親子の絆』と『恐怖』に対する演出。
『絆』は細かい演出に加え、二人の通信状況を変化させる(序盤は会話可能、中盤通信途絶、終盤会話不可だが父親は息子の姿を見る事は出来る)事により、少年の成長を実感しやすくしている。
『恐怖』も少年のトラウマや未知の惑星、恐怖を感じ襲ってくる敵と多くのギミックが用意され、父親との会話(『危険』は存在するが『恐怖』は自分の中にしか存在せず現実には存在しない)や、恐怖の対象に命を助けられたり克服できる準備が施されている。
所々現れるいろんな『家族』。自分が昔命を救った部下にされた感謝の行動を、自分命を救ってくれた息子に同じようにする。終盤の恐怖を克服する演出が父親とは対照的にすることで、決して彼が英雄の息子で彼と同じ方法で恐怖を克服したわけではないと言う柔らかな『差別化』等々細かいながらも繊細かつ丁寧な演出が随所に見られた。
大鷲や目が見えないのに器用過ぎる宇宙怪獣等気になる点もあったが、それらもしっかり演出として機能しているので、結果的に多くがプラスマイナスプラスに働いている。
総評
真新しい設定や謎は無く毛色も違うが、上述した細かい演出やテーマを扱いつつサバイバル系エンタメ作品としても及第点は越えており、シャマラン作品の中では第6感に次ぐお面白さだった。