135.《ネタバレ》 この映画の中にも子供がこぼしていた言葉、日本人なのに社交ダンス?
やってた私も思いましたもの。ここがイギリスならって、自分が日本人でなければいいって。
でもそういうことは趣味がたまたま英国発祥の娯楽であって、
もし自分が英国人で日本のたとえば歌舞伎とかに夢中になったとしたら?
同じようなもんです。どこに生まれても住んでもないものねだりで・・
なりきりたくて踊ってる当人たちは夢を見ますが、回り特に世界を知らない人は異質に思います。
この社交ダンスとやらはめちゃくちゃお金がかかる娯楽であります。
入会金やチケットなどはもちろん、コンテストやパーティ発表会などには、
衣装がいるのですがその衣装もレンタルできません。
当時の私はこの主人公と同じように汽車(うちは田舎、映画では電車)で教室に通ってました。
仕事が終わるとふたつの教室をかけもちで習いに行き、小遣いのほとんどは教習料と衣装代に。
はじめて教室に行ったときのことや、窓から見えるビルの教室、レッスン風景、コンテスト・・
お金が続かなくてやめてしまった社交ダンス。
教室に行きだすともう踊りが違うのでセンターとかでやってるパーティに行けない・・
でももう姿勢も元に戻ってしまい、別に大会に出るわけでもなくどう踊ったってかまわない。
年をとって(想像でいえば70代くらいが素敵)夫婦で踊るのっていいなぁと思う。
すごくロマンチックだしね。体と頭を使うのでボケ防止にもなるだろうし健康にいい。
考えながら相手と合わせ数分間に酔う。とても素敵な贅沢ですね。
この主人公は自分を知ってて趣味の範囲で夢をこっそり楽しむ。
そしてもうひとりの主人公のプロダンサーは、
初心に帰ってまた自分の夢を求めて踊り続ける。
何かに夢中になることは結果がどうあれ時がたてばかけがえのない宝ものになる。
教室の窓を見上げる主人公が憧れから始めた世界でも、
いつのまにかプライドが芽生えそしてそれが挫折となるのです。
ほろ苦い現実ですが、教室の仲間がとても素敵ですよね。
挫折してもまた趣味の延長で続ければいいんですよね。