21.以前NHKの番組で原作者が、好きな日本映画は?という質問で「日本沈没」「新幹線大爆破」「太陽を盗んだ男」をあげていた。ローレライの樋口監督も同じ3つだという。で、意気投合したとの事。小学校低学年時代に「新幹線大爆破」を見て映画好きになった私にとって、この原作者はイッキに親近感の持てる人となりました。で、この原作者は「ダイハード」を見て、「日本でもこういうのできないか?」との思いがあったらしく、そういう原作者の心象・背景を念頭にいれるとナルホドなあ、と感じます。イージス艦が爆弾積んで、東京に突っ込むのは、新幹線が爆弾積んで博多に突き進む状況で、いつどこで爆破させるのか?という設定と全く同じだし、中井貴一=高倉健(犯人)、寺尾聡=千葉真一(運転手)、佐藤浩市=宇津井健(司令官)、原田芳雄=国鉄総裁とも考えられるし、そこにブルース・ウィルス=真田広之を追加したのかなあと。難点は皆さんご指摘の通りの突っ込みどころ満載なのと、アカデミー4大俳優の豪華布陣で散漫になってしまったのと、東京都民がパニックに陥るわけでもなく緊迫感がないのと、犯人役には共感できないし、死に方も無様だし。原作者はたまたま軍事モノの映画化が続いてますが、私はこの人はイデオロギー云々よりも単純にアクション・パニック・サスペンスものをやりたいんじゃないのかなあと思います。よって作中で語られる政治的思想ははっきり言ってどうでもいいというか突っ込む気にもならないです。私の友人に防衛大卒で任官拒否した人がいるのですが、彼曰く「入学時に国を守ろうなんて考えて入学するのはごく少数。他校に落ちて、ただの国立大のひとつとして入学してくるのが殆ど。そういう連中をどうにか教育して幹部にしていくのが防衛大だ」と。本作品で白い服着ているのが、そういう人々だと思うのですが、彼らが皆、従順な寺尾(上官)信奉者で、飼いならされた軟弱で単純な思考回路の人間であるのもうなづけます。一方、都立城東高校卒で、離婚暦があり、団地住まいで、土下座も平気でしてしまう真田が孤軍奮闘し、使命感から国を救う?という選定に、ある種の皮肉(コンプレックス???)を感じるのは私だけでしょうか?リメイクもどきのイマイチな作品が続いてますが、原作者の「なんかやってやろう」という意気込みは感じるので、今後に期待です。 |
20.《ネタバレ》 ダイハードとホワイトアウトと半落ちとゴジラを全部足して4で割ったカンジでしたね。一人でぼろぼろよれよれになるまで頑張っちゃうトコはダイハードとホワイトアウトだし、子供亡くした夫婦の話繋がりで半落ちだし(原田美枝子とまた夫婦だし)、ゴジラ映画の出演者が大挙して出演しているのでゴジラ。とにかく話の展開が強引過ぎてついてイケマセン。説明不足でさっぱり分からない。この映画で唯一の濡れ場とも言うべき意味不明なキスシーン。あれは一体何?その後、突然現れる仙石さん。なんでアソコにいるって分かったの?ほいでもって如月君って副長の息子だったの?仙石さんって彼女がいるの?新しい奥さん?原作読まないとさっぱりです。あ。でも如月君は良かったかも~。彼の今後が楽しみです。 【ゆみっきぃ♪】さん [映画館(吹替)] 5点(2005-08-07 23:48:25) |
19.《ネタバレ》 ローレライ、戦国自衛隊と比べるとだいぶ良かったと思います。さすがに原作を読んでないとわからないところが多いので、前半は「ああ、もっとこう・・・」なんてヤキモキしながら見てました。後半は気になるところはいっぱいあるけど、宮津が如月に謝る場面なんかは熱くなってしまいました。原作では好きだった戦闘機パイロットのエピソードは丸々カットされてて残念だったけど、まあ仕方あるめえ。 【ゆうろう】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-08-07 14:57:04) |
18.かなりの説明不足だと思う。原作を読んでないので理解できない箇所が多かった。久しぶりに邦画を映画館で見たが、あれだけ話題になってもやはりこの程度なのか。「ザ・ロック」を頭に浮かばずにはいられない。総理大臣の初登場シーンでの一言はおもしろかった。 【アルテマ温泉】さん [映画館(字幕)] 5点(2005-08-06 20:18:06) |
17.はらはらドキドキしながら観ました。原作を読んでいたのでどれだけ端折られて、どれだけ物語が崩壊してないか心配で(笑)。観終わった感想としては「やっぱり映画は難しかっただろうな」と思うと同時に「案外よくまとめてもいたかな。でもな・・・」という感じでした。不満に感じた点は(1)宮津が艦長じゃない設定。副長というのはどうも・・・。(2)菊政はある程度しょうがないとして、田所と静姫の扱いが原作と違ってあまりにも軽い。とくに静姫が。以上、他は時間の制約上仕方ないとして、この2点が非常に気になった。ただ、最後のグ○ーが実は○だったのを変えた点とか、梶本総理のあの映画での役割とかはうまかったと思う。とにもかくにも色々挑戦してみた意欲作だったと評価してあげたいです。寺尾、中井、真田の演技を見るだけでも一見の価値はあるんじゃないでしょうか?その他の俳優の演技もとてもよかったです。それにしてもCGの使い方がやっぱり邦画は下手ですね・・・。技術はあると思うのになぜなんでしょうね? 【はむじん】さん [映画館(字幕)] 6点(2005-08-05 17:57:24) |
16.時間に制約があるのはわかるが,人物の設定をはしょり過ぎ。ヨンファについては,どこぞの工作員ってことで良いかも知れないけど,肝心要の副艦長・宮津とその部下達がが何故,工作員と結託してクーデターのような行為を決意したのか,さっぱりわからない。しかも宮津に呼応した幹部(候補生?)達の言動がクーデターを起こしている奴等としては余りにも情けない。吉田栄作の死に様なんて「なにやってんだコイツ?」って感じ。銃を突きつけてる相手が自由に動いているのに緊縛しようともしないで,背後に回させるなんてありえないだろ。自衛隊が協力して映像的には日本映画も頑張っているなと思わせるものがあっただけに,ストーリー及び人物描写の低レベルさにがっかり。原作は未読だけど,人物描写とかしっかりしてるのかな?今度機会を見つけて原作を読んでみるか。 【北狐】さん [映画館(字幕)] 4点(2005-08-05 11:10:31) (良:1票) |
15.《ネタバレ》 ”国のため”や”未来のため”と言いながらも、最終的には息子のためであったり、妹の復讐であったり、船を守るという任務であったり。 人が本気で動き出せるのは、身近な存在を守ろうとしたときだけだと思う。そしてそういう時だけ、人は本当に強くなれるのだと思う。 小説のダイジェスト版みたいだったが、”和製アクション大作”としては初めて楽しめたのも事実。 【紅蓮天国】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-08-04 22:03:32) |
14.《ネタバレ》 激しくネタばれしてます。注意してください。まずこの映画先述諸氏の中にもあるように「The ROCK」を思い出してしまう。仙石のがんばりようと風体は「ホワイトアウト」だし三沢を離陸したF16との交信内容は・・まんま「パトレーバー2」のスクランブルシーンそのままだし って事でこの3本の作品を足して5(それぞれの面白さの半分位しか活かせていないため)で割った様な映画でした。リアリティーを求めだしたら切りが無いが、なぜに三沢から??在日米軍司令部である横田に向けて入間から飛ばせばすぐじゃん 三沢に有るんだったら横田だって置いてるでしょう。まして民間機のコードで進入って、民間機の速度じゃないでしょうしかも近接編隊でばればれじゃんっていうか見抜けなきゃイージス艦の意味ないじゃんその時点で日本終わりじゃない。って事で脚本に無理ありすぎ。さらに辻褄あわせが酷い。物語的にも「クーデター」ではなく私怨によるものみたいだし、「いや改革の芽吹きはこんなもんなんだよ」って言われりゃそぉかも知れないけどねぇ 瀬戸さんの言葉「平和って 戦争と戦争の間に存在するんじゃないかねぇ」って じゃ・・・戦争が起こる理由は何?やっぱり私怨?映画の中では語られない伏線がいっぱいだったみたいだけど、ヨンファとジョンヒの関係は?如月とジョンヒの関係は・・・詰まる所私怨?突っ込みどころ満載 庵野さんもう少しひねった絵コンテ描こうよぉ(^^;;演者もだけど 見てる方もなんだかなぁ・・・・って感じです。 【だだくま】さん [映画館(字幕)] 3点(2005-08-04 09:47:12) |
13.《ネタバレ》 観光地の遊覧船でなく、普通の人々の普通の暮らしを守るべく巨額の税金で建造されたイージス艦の副長宮津の反乱の動機に『盗人にも三分の理』を感じられず、私怨をヨンファにつけ込まれたように思えます。こういう人物についていった部下の死に顔に、国の為にという本望さを感じられないのがやりきれません。守るべき国うんぬんより、守るべき幹部がこんな体たらくでよいのでしょうか。いくらフィクションとはいえこんな脚本に自衛隊が協力した事が不思議で、金目当てのテロリストとの対決で良かったと思います。アクションシーンもどこぞで観た事のあるシーンが満載で、どこをとっても自分にはハズレの作品でした。 |
12.《ネタバレ》 最近では他のメディアとタイアップした映画(ゲームはもちろんですがStar-Warsシリーズとかもそれに近い)がトレンドになって、それで原作とかも売れるだろうとかの色気があるから映画としての完成度・完結性を損ねているようです。防大生の論文(インターネット上とか言うのがお笑いですが)とか学習会(かっての左翼教授の裏返し)とか福井小説の主張は映像で表現するならその背景まで描かないといけないけれど、そんなことしてたら観客を呼べないのも明らか(テレビドラマにしたら滑り出しで打ち切りにされてしまう)だから無理があります。特務員も目立たないのが任務なのに不必要な暴走族との抗争でバレバレだし、画を通じての専任下士官との交流はいいとしても、女性工作員との関係はどう見ても描き方に無理があって、それで水中での絡みも訳がわからない。海上自衛隊の紹介映画として派手なシーンを見せるだけではつまらないです。元々はイージスの名の通りこれはアテネ神とかトロイ戦争のアジャックスが手にした身の丈ほどもある盾で、その目的はこの大きな盾を自在に操る戦士が敵の一撃を横綱相撲で受け止めて自分の武器を存分に振るうためのもので、弱い人間を守る防空頭巾ではない(艦隊の主力艦防衛が目的)の艦ですから、それだけ持って専守防衛なんて言うことが自己矛盾なのだけれど、福井氏の小説だってそのことは衝いていない。まあ、唯一の救いは駄目士官が落下するサーモをダイブしてセービングするところで、それ以降のゲームみたいなゾンビ的抗争は無かったほうがまとまっているように思えました。 【たいほう】さん [映画館(字幕)] 6点(2005-08-03 00:58:04) |
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11.この映画は、まず何よりも原作と監督の「闘争」の記録として見るべきだと思う。 「今のニッポンとニッポン人は腐りきっている! こんな国は一度ブッ潰して、つくり直さねばいかん!」と叫ぶ「憂国の士」たる軍人・自衛隊員がいて、彼らの仕掛けるクーデターを、「国家」と「国民」に忠実な軍人・自衛隊員がからくも阻止する…という、おなじみの福井晴敏イズム。彼の原作になる映画には、そういった「国家や歴史など、ゲームのように“リセット”すればいい」というきわめて安直かつキナ臭い主張が主調音(ドミナント)として繰り返されている…。 だが阪本順治監督は、そういった危機管理をめぐるシミュレーションゲームめいた物語なんぞ、実のところまるで意に介さない。フラッシュバックで描かれる登場人物たちの背景も、故意に曖昧なままか、暗示する程度(映画の冒頭、妻子に見送られて家を出た真田広之の主人公。しかし、次のシーンでは何の説明もなく「何年も前に離婚した」ことになっている…)。さらにイージス艦内での銃撃戦にしても、激しい撃ち合いの途中で別の場面になったり、窮地に陥った主人公たちが、カットが変わると何事もなかったかのように逃げおおせていたりと、原作を念頭においた観客を明らかにはぐらかし続けるんである。 そうして映画は、次第に、艦艇内と官邸内の男たちによる「闘争劇」としての姿を鮮明化するだろう。特にクライマックス、真田と中井貴一は、もはや「国家」も「民族」も「理想」も「家族」すらも無縁な、「たった独り」となって目前の「敵」であるお互いと闘う、そのカラカラに乾ききった、透明で、純粋(!)な「闘争」それ自体の現前化…。そこに至る時、ぼくたち観客は、戦争も知らないくせに「本物の戦争を教えてやる!」とのたまう原作のオメデタサとはまったく別の「映画」を見せられていることに、否応無しに気づかされることになる。ああ、これは、阪本監督のあの恐るべき『トカレフ』そのものじゃないか! …と。 そう、これは紛れもなく「阪本順治の映画」だ。この世界は、勝者も敗者もない個と個の「闘争」としてある。そんな阪本作品の文字通り集大成として、この大作は屹立しているのだ。つくづく、恐るべし。 【やましんの巻】さん [映画館(字幕)] 10点(2005-08-02 22:05:43) (良:1票)(笑:1票) |
★10.原作未読なのだが、この映画の決定的な弱点はヨンファ、そして宮津と部下達の反乱の動機が不明瞭かつ弱いことであることだと思う。原作を読めばそのあたりは明確にされているのだろうが、ヨンファのその行動に至る背景や心理が今ひとつ伝わってこない。また宮津の動機もあまりに個人的過ぎはしないだろうか。それが日本全体を敵に回すようなテロ行為に走らせる原因とは、どうにも安っぽい。そして何かあると匂わせながらも結局本筋に何ら影響を与えずに死んでしまう工作員ジョンヒの存在も疑問。きっとこれは原作からの未練を断ち切れないまま残したキャラクターなのだろうが、未読の僕には彼女に何の意味があるのかさっぱりであった。結局脚本が原作をうまく再構成出来ていないと思われ、仙石や渥美が深く含蓄のあるセリフを言った所でいまひとつ上滑りしていて現実感がない。 精鋭の工作員であるヨンファの部下が仙石が艦内に侵入して計画を阻止しようとしているのになんとも危機感の薄いこと。しかも特殊工作員ともあろうものが一介の海上自衛官と白兵戦を戦ってあんなに苦戦するものだろうか。 もっと重箱の隅を突かせていただくと、如月が腹を打たれて瀕死の中で言うセリフが思い切り腹から声を出していること。腹を撃たれていれば声に力など入らないのだから、もっとか細い声になると思うのだが。 そしてとどめが劇場でもため息が出ていたのだが、いそかぜが撃沈する特殊効果があまりにしょぼいこと。 唯一息を呑んだのはイージス艦同士の戦いだろうか。現代戦がどのように戦われるのかということの一端が見えて緊迫感もあった。 【ロイ・ニアリー】さん [映画館(字幕)] 6点(2005-08-02 19:51:29) (良:1票) |
9.《ネタバレ》 序盤、大まかな各登場人物の立場が描写されますが、編集が結構乱暴で尻切れトンボで次の人物の描写に移ってしまうため、予備知識がないとかなり混乱します。工作員に乗っ取られたイージス艦「いそかぜ」。これを阻止しようとする艦に「うらかぜ」と紛らわしい。海自の幹部たちも確固たる信念を持って任務にあたったのではないらしく、中盤からは人間関係もドロドロしてきます。アンタ達、そんな大それたことやっちゃったなら最後まで意思を貫徹しなさい!それでも自衛官か!!いろんな点で説明不足の感が否めません。如月と女工作員のキスとその直後の仙石が救助しに来るシーンも唐突でした。この作品全般に言えることですが、「タメ」のシーンがなくていきなり場面が移ります。あのシーンの前には仙石が助けに向かう場面が必要では?そうでないとなぜ仙石がきっちりあの場面で助けに来るのか不思議です。この調子で場面展開が一気に進むところが多々あるので、知らぬ間に事態が変化していきます。ラストの手旗も、一度潜水艦攻撃の際に騙されたにも関わらず、素直にまた信じて攻撃中止という点もいかがかと。つい数分前まで焦って攻撃しようとしていたのに。工作員側も「弾頭は通常にあらず」と宣言しておきながら、実は弾頭には装備しておらずヨンファが手持ちで操っているのは?わざわざイージス艦を占拠しなくても東京のどこかに時限設置しておけば済んだこと・・・。苦言ばっかりになってしまいましたが、役者の演技は納得のものです。とくに真田広之、勝地涼、中井貴一は素晴らしいですね。対策本部の緊張感と憔悴感も良いです。自衛隊全面協力の映像も見応えがあります。それだけに、編集のチグハグや脚本の詰めの甘さが残念でなりません。軍事サスペンスとして努力している点は良いですが、もう少し場面展開のつながりや状況説明を考えてもらいたかったですね。逆を言えば、その甘い点が日本の現状を示唆しているとも捉えられますが、現実的に東京消滅(しかも米軍から盗まれた兵器の実戦使用)が危ぶまれる状態で米軍が黙っているわけはないわけで・・・。リアリティ重視の作品としてはやはり脚本が甘すぎたと思います。これに尽きます。「ザ・ロック」そのままの演出も・・・(笑)。何かと文句ばっかりになってしまいましたが、大作感もあるし久しぶりのサスペンス大作で日本映画界も元気になってきた印象を感じられたのは嬉しかったです。 【トト】さん [映画館(字幕)] 6点(2005-08-02 02:18:43) (良:1票) |
8.モーニングで連載されている漫画の方が面白いですね。 【たま】さん [映画館(字幕)] 5点(2005-08-01 23:46:15) |
7.《ネタバレ》 久々に邦画見ましたが、大掛かりで豪華キャスト熱演と楽しめました。 真田宏之はかっこ宜しく、勝地涼の影のある演技も上手かったし、寺尾聴は泣かせるし、中井貴一は不気味だし(笑)、脇役だった岸部一徳のキャラクターは飄々としていて良かった。音楽も胸を打つ。今までにあまり無かった邦画のアクション大作と言う感じでした。 ただ、原作は未読なもので……如月の母と父に何が有ったのか不鮮明だったし、如月とジョンヒのキスシーン(←あんまり???だったので、見間違いかなと思いました;)はただビックリするばかりだし、ヨンファの回想シーンや燃やした写真はよく分らなかった……。これだけ残念。 【kiryu】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-08-01 23:45:22) |
6.「やってくれた」 最新鋭のイージス艦から、赤い爆炎と共に闇に放たれたミサイルの様を見た時、そう思った。 それは、今まで日本の映画ファンが押し潰してきた、ある思いいに対する“答え”を見たからだ。すなわち、「日本ではエンターテイメント大作は作れない」という失望と諦めに対する答えである。 この映画は、そういう長い間の負のイメージを払拭させる力を感じさせる作品だと思う。 ただし、その“答え”は、ただハリウッドのように派手に映像を描きつければいいということではない。もっとも重要なのは、「日本人が日本人を描く」という至極当たり前の要素である。 アクション性豊かなだけな日本映画であるならば、今までにもあっただろう。 しかし、そこに映画としての力強さは無かった。それは、日本人として“日本”という国を描いてこなかったからだと思う。 例えば、1999年の韓国映画「シュリ」にあったのは、まさにそういう要素ではなかったか。韓国という国が、朝鮮民族そのものを見つめ、描いたからこそ、あの映画は世界に興奮を与えたのだと思う。 そのことを、この映画に関わるすべての“表現者”たちは、理解し、見事に体現して見せた。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-08-01 16:20:31) |
5.《ネタバレ》 邦画を映画館で見るのは昨年に見た「感染」「予言」以来で、今回もその映画に引き続いて佐藤浩市さんが出ておられ、この映画でもいい味を出しておられました。会議室のシーンは脇役をやらせたら素晴らしい(主演ができないとかそういう意味ではなくセリフが少なくても存在感があるという褒め言葉です)人たちがたくさん出ておられ、画面がものすごく緊張感があるように見えました。護衛艦「いそかぜ」のシーンがインパクトが大きいだけに、刻一刻と危機が迫っているが慎重な決断が迫られる政府側の緊張感を会議室という狭い空間を使って、しかもそんなに長くない時間でより良く伝える必ために選りすぐられた豪華脇役陣が必要だったのでないかと思いました。どうしても護衛艦の中での活躍が目立ちますが、会議室での佐藤浩市さん演じる男とその上層部とのやりとりもなかなか見応えがありますので、これからご覧になる方も岸部一徳さんのコミカルな演技にも注目しつつご覧になって頂きたいです。そして、メインである護衛艦の中での攻防戦は真田広之さんや寺尾さん、中井さんなど以外にもいい演技をされている役者さんがたくさんいてかなり見応えがありました。真田さん演じる仙石の人間臭さがとても身に染みるシーンがたくさんあり、特に敵である者であっても、殺す前に相手も人間だということを思い出すように、勝地涼君演じる対テロのために訓練された隊員に諭すシーンがお気に入りです。ただ単に敵を倒せば良いのではなく、相手の気持ちを変えることも試みようとする仙石の姿勢にも好感が持てました。真田さんは元々アクションも経験されていたことが多いこともあってかなり戦っている姿は迫力がありましたね。まあ刺されたり撃たれたりしているのにも関わらず若干不死身度は高かったような気はしますが・・・(笑)今いろんな日本人俳優が世界で注目されつつありますが、真田さんもその一人で海外でのお仕事も増えてるようですが、個人的にはこの作品のように邦画の面白さをもっと国内・国外問わず伝えて頂けるような邦画作品に出てもらいたいなぁと思いました。と偉そうなことを言った私ですが、邦画をそんなに多く見ていないので反省しないといけませんね(汗) 【はがっち】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-08-01 16:09:47) |
4.《ネタバレ》 これは原作読んだんですが、原作にこだわるあまり、映画だけじゃよくわかんない場面もあったのでは。如月とジョンヒの水中キスシーンとか、如月がうなされながら宮津に「お父さん…」というシーンなんかは原作読んでないと分からない部分かも。艦内の戦闘シーンは冗長。そんなのより宮津がクーデターを起こす背景とか、ヨンファや如月の人物的な背景をもっと描いてほしかった。「日本のトム・クランシー」とか言われている福井晴敏氏の作品の映画化なんだから、スケールの大きな戦闘シーンがもっとほしい。ちまちました自動小銃の撃ち合いなんかダラダラ見たいわけじゃないのです。ちょっとわくわくしたのはハープーンの護衛艦撃沈シーンだけど、いそかぜの自沈シーンのCGはすんごくチープ。結局はカネの問題なのか。某国の工作員というヨンファが「日本人」のフレーズをやたら連発したり、専守防衛の自衛隊の矛盾をあげつらったりと、ちょっとキナ臭い匂いもするけど、自衛隊全面協力のほかの映画よりもずっと薄めな感じがする。まあ、アクション映画としてまあまあ楽しめました。あ、それと、パンフレット、1000円は高いですね。厚いわりに読むところありませんでした。 【しまうま】さん [映画館(字幕)] 5点(2005-08-01 01:20:03) |
3.《ネタバレ》 語るべき未来も見えず、守るべき国家の顔さえも失った国日本への警鐘と日本人のヒューマニズムの相反する描写がこの映画のテーマだと思う。 ヒューマニズム自体は結構なことなんだけど(みんな非情の工作員じゃ物語にならないしね。)、ただ、その見せ方が少し、陳腐と中盤感じたが、最後のオチで結構挽回。 とにかく、如月役の勝地涼が秀逸。 同じく福井晴敏の原作になる、「ローレライ」の妻夫木聡と比べると段違いの存在感。 目的遂行の為に、他者を非情に排し、自らを捨てることも厭わない覚悟が伝わってきた。 彼の演技が今の日本人自体へのアンチテーゼに感じられた 【きつま】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-08-01 01:10:18) |
【マイアミバイス】さん [映画館(字幕)] 6点(2005-07-31 22:24:52) |