1.《ネタバレ》 あ、これこの人死ぬな…と思った次の瞬間には、鶴田浩二は実際に修羅場の真っ只中に放り込まれており、一転、夜汽車に揺られる女渡世人の藤純子は、その鶴田浩二の一粒ダネを亡くなった妻の実家に届ける旅路に就いている…ところが、辿り着いた先の温泉宿とゆーのがこれまたヤクザにちょっかいかけられており、んでそのヤクザのカミさんてのがなんと藤純子が探してた実のおっかさんだ…と前半は率直に矢鱈とテンポが好い。それに比べれば後半は(特に終盤)ちょっと妙にモタモタしてる感もあるものの、全体としてはヒット作『緋牡丹博徒』のフォーマットを結構まんま流用していることもあってそこそこ面白く観れるし、義理人情溢れるドラマシーンの出来も悪くはなかった。個人的にはかなり楽しめましたですね。
藤純子は美貌も正に全盛期、そして『緋牡丹博徒』で完成させた任侠な雰囲気&殺陣アクションもまずまずで、実に手堅いクオリティではあったかと思う。ドラマ面でのポイントゲッターは鶴田浩二と木暮実千代の名優ご両人だが、こちらも流石の堅実な仕事。悪役でも、大ボスの遠藤辰雄もこれまた実にあくどくて憎々しい(けどどこかコミカルな)風情が出色。一点だけ、前作における若山富三郎の要素を担うべく芦屋雁之助は、ちょっと存在感が薄くて少しだけ残念だったかも。
もう一つ、藤純子さんは今作でも主題歌『女渡世人』を熱唱してますよ!(こちらも少しだけ、なんかウマくなってる様な気も…)