62.ユーモアが随所に入っている分、緊張感が前作より薄れています。その雰囲気を最後の決闘が引き締めて、トータルでは見事な構成です。藩の内紛で、それぞれが自分の立場により行動が制限される中で、主人公だけが自由で、それが発想も豊かにしていると感じました。しかし、浪人として生きていくには強くなければならず、つまり、鞘に収まることが難しくなる訳で、最後の去っていく姿に、一抹の寂しさを漂わせています。組織に属する者とそうでない者では、得られるものと失うものがまさに逆になります。 【パセリセージ】さん 9点(2004-04-29 23:52:41) |
61.現在高校生のまだまだいたずらや遊ぶ事が大好きな子供のわたくし。この映画はそんな遊び心を擽る素晴らしい作品。好奇心を擽る椿三十朗の言葉。随所に盛りこまれた小さなギャグの数々。全てが楽しくて、画面から目が離せなかった。この作品はたった90分間。それ程長いとは言えない。でもその90分に3時間の『七人の侍』と比較できない程の感動と衝撃をうけた。この作品は遊びの要素と真剣で楽しめる要素がギッシリ詰まった、素晴らしい作品です。10点! 【ボビー】さん 10点(2004-03-17 17:57:13) |
60.黒澤監督は当初フランキー堺を主演で、山本周五郎の原作に忠実に脚本も「日日平安」として撮ろうとしたが「ホノボノし過ぎている」という会社からの横槍で、滅法強い三十郎の話になった。本当は満点にしたいけど、妥協を強いられたことにマイナス1。しかし映画自体は、滅茶苦茶に面白いし、黒澤監督の本音が登場人物や、彼らの台詞に出てるのも興味深い。三十郎に助けられた奥方(これがいい!)が「本当に良い刀は、ちゃんと鞘に入ってるものです」とヤンワリと三十郎を諌めて、三十郎が一瞬見せる反省の表情。そして何よりも、要所要所で押入れから出てくる小林桂樹。いかにも人が良さそうで、争いごとが嫌いそうで、どこか惚けた、この人物にこそ黒澤監督の本音が出ている。「俺はこんな男を主人公にして、これを作りたかったし、本当はこういう男の方が好きなんだ」という本音。それを、ほとんど押し入れの中にいる、あのキャラクターにチラチラと、しかしハッキリと託している所に、とかく豪快なイメージを持たれる黒澤明の素顔が出ていると思う。それと9人の若侍のキャスティングも上手い。裃の似合わない俳優ばかり選んでるところがさすが。新卒の新入社員の着るスーツが、どこか貸衣装みたいで似合ってないのと同じで、裃が似わないからこそ初々しさが出る。昔の監督ってキャスティングが上手かったんだなぁと、そのことにも感心。勿論、クライマックスの果し合いの凄さは・・・・まさしく、これは筆では書けない。これが映画です。 【ひろみつ】さん 9点(2004-03-16 21:38:07) (良:3票) |
59.《ネタバレ》 "三十郎でもう一本"と、『用心棒』の続編として製作された映画ですが、決して二番煎じなどではなく、ストーリー展開の面白さでは、むしろこちらに軍配を上げたくなってしまいます。特に喜劇性は黒澤作品でも随一でしょう。三十郎の後をぞろぞろと付いて回る若侍の滑稽な青二才ぶり。奥方とその娘が醸し出す、あまりにも場違いでのんびりとした雰囲気。囚われの身であるはずの”押し入れの中の男”のおかしさ!。そしてやっと姿を見せてくれた城代家老は、なんと”馬顔”。冒頭で登場人物を巧みに紹介して行くプロットは『用心棒』さながらですが、若侍の仲間割れや山門のない寺の嘘バレなどの用意された困難が、これまた本当に面白い。一難さってまた一難。最後まで観るものを離さない巧妙なストーリー。そしてついに捕われた三十郎が最後で見せた一発逆転のアイデア!大目付けの菊井が牢屋に入れられて、めでたしめでたし。ところが、黒澤監督はここでキャメラを止めません。「とても筆では書けない」とシナリオされた第二のラスト。壮絶な戦いの後に訪れるなんとも言えない虚しさ。勝者敗者に関係なく、戦いの無常観を覆いかぶせ、全てを承知しながらも、宿命を生きていかなければならない男の姿をあぶり出す。これが黒澤の「侍」映画であり、黒澤のヒューマニティ。多くの人にお勧めできる一品だと思います。 【スロウボート】さん 9点(2004-03-04 21:18:49) |
58.用心棒の続編。傑作ですから必ず見ましょう。周到に計算された娯楽性と深い人間観の見事なユニゾン。40年前の日本でこんな映画が作られたのは奇跡です。まさに天才の仕事。 【青い車】さん 10点(2004-03-04 15:26:39) |
57.殺陣が意外と少なくて驚いた。その分頭脳的な駆け引きが話の中心になっていて、じっくりと楽しめる。三船敏郎は立ってるだけで絵になる稀有な役者さんですね。 【ラーション】さん 9点(2004-03-03 18:05:41) |
56.黒澤作品でまともに見たのは、子供のころに見た「影武者」以来だったのですが、脱帽です。敬遠していた分野なんだけど、食わず嫌いはだめですね。 【クルン】さん 9点(2004-02-19 23:42:35) |
★55.黒澤映画最高の作品だと思う。7人の侍を少し面白くした感じ。ただ、昔の映画のため、字幕無しでは辛い。とにかくストーリーが面白い。そして、テンポもよく、早すぎもしない。ただ、最後の室戸とのバトルシーンが要らない。なぜなら、それまでで話としては完結しているからである。 【インセイン】さん 9点(2004-02-16 20:27:59) |
54.起承転結でいう、起の部分が分かり難い。途中途中に笑いのポイントがあり、飽きさせないように構成されているのが上手い。白黒だけど、美術の良さが伝わってくる。カメラワークも実に綺麗。若き日の田中邦衛はクドカンそっくりで気になって仕方なかった。ラストの迫力は圧巻。トータル時間は短めで、さっぱりした印象だ。 【VNTS】さん 7点(2004-02-08 21:55:07) |
53.黒澤映画で、初心者が一番最初に見るべき映画です。 時代劇なのですが、何処と無くメルヘンチック? 【T-zen】さん 10点(2004-02-03 14:28:36) |
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52.《ネタバレ》 初めて見た黒澤映画でした. 黒澤映画はどーせ年寄りが見て楽しむものという考えがあったのですが見てビックリ.三船敏郎の演技に惚れてしまいました.ストーリーも面白かったし,時間も短いのでスピーディーな展開が良かったです.ラストのあの血の飛び方は必見ですね. |
【ゆうろう】さん 10点(2004-01-05 17:04:53) |
50.数ある中で一番、繰り返して見た回数が多い映画です。ビデオ時代に何回見たか判らない。用心棒ほどのクールさはないが、ユーモア溢れ、全体に漂うほんわかした暖かさから、どのシーンから見ても文句なしに楽しめます。見せ場もたっぷりと用意され、カメラワークの素晴らしさには唸ってしまう。 【アトミック】さん [映画館(字幕)] 10点(2004-01-05 02:43:53) |
49.主人公は三十郎ではなく青年剣士たちだと考えれば、このほのぼのさも納得できるが、どうもミスマッチの感が強い。椿を水に流す見せ方は見事。 【神谷玄次郎】さん 7点(2004-01-01 08:35:49) |
48.黒澤時代劇、数ある傑作の中の一本!ですね~ 「七人の侍」「用心棒」と比べると-1点です..が、十二分に堪能できる作品です! (映画ファンの間では「椿三十郎」の方が評価が高いみたいです..私は「用心棒」の方が好きですけどね..) 【コナンが一番】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2003-12-25 20:40:55) |
47.よく出来てるのは「用心棒」のほうだけど、娯楽性が高いのは本作。奥方や、小林桂樹などのユーモアのシーンが多く、最後の決闘シーンなど見せ場もきちっとあるので、誰にでも薦められる。 【ボーリック】さん 9点(2003-12-23 23:43:51) |
【TU】さん 7点(2003-12-23 12:49:57) |
45.用心棒より面白かった。話も前作より分かりやすく構成されてる感じでしたし。 ドップリとつかってしまいました!まさに名作! 【金髪の按摩】さん 9点(2003-12-17 16:56:53) |
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43.相変わらずの三十郎の痛快な活躍は見ていてスカッとするが「用心棒」よりは若干落ちるか。冒頭から三十郎が事件に絡んでいく所がちょっと強引だったような気がする。加山雄三らの演技も硬い。 【ロイ・ニアリー】さん 7点(2003-12-12 13:14:41) |